暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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テストの時間

 集会も終わって何日か。僕にとってこの学校で受ける、初めての中間テストの季節がやってきました。いや~そろそろテストとは。頑張らないとね~。

 

「さて、皆さん。始めましょうか」

 

 教卓に立っている殺せんせーは何か分身で増えている。

 殺せんせー曰く、この時間はテスト勉強。殺せんせーの分身を使って、マンツーマンでやるそうだ。……こんな荒業このせんせーにしかできないだろうね~

 

「くだらね。ご丁寧に教科別に鉢巻とか」

 

 そう。殺せんせーの分身はご丁寧に教科別の鉢巻を付けている。

 

「つか!何で俺はNARUTOなんだよ!」

「あはは~寺坂君面白いね~」

「そういうテメェこそNARUTOじゃねぇか!」

「えぇっ!?うそぉー!?」

 

 目の前の分身も木の葉の額当てを付けている。

 うちのクラスの鉢巻の割り振りは、国語六人、数学八人、社会三人、理科四人、英語四人、NARUTO二人である。あ、ちなみに一体休憩ね。

 すると、目の前の分身が急に変形する。

 

「急に暗殺しないで下さいカルマ君に風人君!それらを避けると残像が全部乱れるんです!」

 

 僕知らな~い。だって、僕が寺坂君と同レベルとか~納得いかないも~ん。

 

「ぶーぶー何で僕もNARUTOなのさー」

「君はまだ皆の範囲に追いついていません。このままではテストも録に取れませんよ」

「……ちぇーっ……ん?せんせー追いつけばいいの?追い越す必要はー?」

「おや、強気ですね~キミにできますか?」

 

 上等だ~やるぞ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 

「おはようございます。皆さん」

 

 殺せんせーが昨日の三倍くらいに増えた。そのせいか、分身が適当過ぎる。ところどころ変なのが混ざってるよ。

 

「何か昨日の放課後あったの~?」

「いえ、何もありませんよ」

「そう~」

 

 でもまぁ、適当だろうがなんだろうが。あの理事長を見返すためだ。頑張ろ~おー!

 チャイムがなって授業終了。殺せんせーは教卓にもたれかかって団扇であおいでいる。おつ。

 

「すべては君たちのテストの点数をあげるためです」

 

 お、もっともなこと言ってるね~

 

「そうすれば生徒たちが私を尊敬の眼差しで見つめ、評判を聞いた美人巨乳大学生の皆さんが……ヌルフフフ。私は殺される危険がなくなり、先生にはいいことずくめ」

 

 前言撤回。このピンクの煩悩ダコダメだわ。やっぱ。

 

「いや、勉強はそれなりでいいよな~」

「なんたって暗殺すれば賞金百億だし」

「百億あれば成績悪くてもその後の人生バラ色だしね~」

 

 ……はぁ?コイツら。何寝ぼけたこと言ってんの?

 

「だって俺たちエンドのE組だぜ?」

「テストなんかより暗殺の方がよっぽど身近なチャンスなんだよ」

 

 ……ふざけてんの?

 

「なるほど。よくわかりました。今の君たちには暗殺者の資格がありませんねぇ。全員校庭に出なさい」

 

 殺せんせーの顔は紫色だった。

 そして僕たちは烏間先生、ビッチ先生も含め全員外へ。

 

「……何となくわかった」

「何が分かったの?風人君」

「これから殺せんせーがしそうなこと~」

 

 一言で言えば教育だろう。

 

「イリーナ先生、プロの殺し屋として伺いますが。あなたはいつも仕事をする時、用意するプランは一つですか?」

「……いいえ本命のプランなんて思った通り行くことの方が少ないわ。不測の事態に備えて予備のプランを綿密に作っておくのが暗殺の基本よ」

「では次に、烏間先生。ナイフ術を生徒に教える時、重要なのは第一撃だけですか?」

「……第一撃はもちろん最重要だが次の動きも大切だ。強敵相手では第一撃は高確率でかわされるからその後の第二、第三撃をいかに高精度で繰り出すかが勝敗の分かれ目となる」

 

 まぁ、予想通りだね~すると、校庭の真ん中で回り始める殺せんせー。

 

「先生方のおっしゃるように自信を持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺者になれる。対して君たちはどうでしょう?『俺たちには暗殺があるからそれでいいや』と考えて勉強の目標を低くしている。それは劣等感の原因から目を背けているだけです!」

 

 殺せんせーはさらに回転の速度を上げて言う。あたりには強い風が吹き始めた。

 

「もし先生がこの教室から逃げ去ったら? もし他の殺し屋に先に先生を殺したら?暗殺という拠り所を失った君たちにはE組の劣等感しか残らない。そんな危うい君たちに先生からのアドバイスです」

 

 そして、殺せんせーは竜巻を起こしながら言い放った。

 

「第二の刃を持たざるものは……暗殺者を名乗る資格なし!!」

 

 砂埃が開けた後、そこには綺麗なグラウンドが。殺せんせーは校庭を手入れして、僕らに言い放つ。先生曰く、自信の持てる刃を示さなければ、このグラウンド同様、校舎を平らにして出ていくそうだ。

 

「第二の刃……いつまでに?」

「決まっています。明日です」

「「「え?」」」

「明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい。君たちの第二の刃は先生が既に育てています。自信をもってその刃を振るいなさい」

 

 皆の顔が真剣になる。……と、ふとここで思った。

 

「ちょっと待って殺せんせー」

「はい何でしょう。風人君」

 

 僕はその一言を告げる。

 

「……テストって明日なの?」

「……知らなかったの?」

「うん」

「「「…………」」」

 

(((こいつ大丈夫か……!)))

 

 すると、先ほどまでからの表情から一転。殺せんせーまでもがこいつ大丈夫か?と言う眼をしてきた。あれぇ?もしかしなくともヤバい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。テスト中。

 

 コツ、コツ、コツ……

 

 一定のリズムで教卓の叩かれる音が聞こえる。

 E組はテストを本校舎で受ける決まりだ。そのため、試験監督はもちろん本校舎の先生。僕らの阻害を精神的にやってくるが、まぁ、関係ないかな。

 僕らが戦っているのはテストの問題。通称問スターだ。あ、問4。こいつも倒せたかな。

 僕が思い出すのは昨日の殺せんせーとの会話。

 

『ヌルフフフ。風人君はゲームが好きでしたよね』

『もちろんですよー』

『なら、テスト問題を敵、問スターと思いましょう。テストはそいつらを狩るゲームです』

『おぉぉ!武器は!?』

『武器は君の知識という名の刃です』

『楽しそうだね!よし!やるぞ~!』

 

 僕以外の生徒も何らかの方法でやる気が上がったりしている。昨日まで真面目に受けたE組生徒たちはいつにないペースで順調に問スターを狩っていた……が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の瞬間。E組生徒たちは見えない問スターによって殺された……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやら、今回のテスト。テスト二日前にテスト範囲を大幅にしかも全教科を変更したらしい。学校側の言い分は、進学校なんだから直前の詰め込みにも付いていけるか試したそうだ。

 

「先生の責任です。この学校の仕組みを甘く見ていたようです」

 

 黒板の方に向いて、落ち込むような声で呟く。あれ?もしかして殺すチャンス到来?

 

「君たちに顔向けできません」

 

 じゃあ、顔向けしなくていいから~。

 

「にゅや!」

 

 黒板に当たる二本のナイフ。

 

「いいの~?顔向け出来なかったら俺たちが殺しに来ることも見えないよ?」

「というか何気に避けたよね~どんだけ勘が凄いの~?」

 

 投げたのはE組問題児筆頭格のカルマと僕である。

 

「カルマ君!風人君!先生は今落ち込んで……」

 

 僕とカルマは赤く顔を染める殺せんせーを無視して合計10枚の答案を教卓に放る。

 

「俺ら、問題変わっても関係ないし」

「そうそう~」

 

 

 赤羽業  合計494点 学年4位

 

 和光風人 合計493点 学年5位

 

 

「すげぇ……カルマ数学100点かよ」

「和光君も国語と英語が満点……」

 

 どやぁ。

 

「俺の成績に合わせてさ。アンタが余計な範囲まで教えたからだよ。だから出題範囲が変更されても対処できた。だけど、俺はこのクラス出る気ないよ。前のクラス戻るより暗殺の方が全然楽しいし」

「だよね~。あ、僕も出る気ないよ~。というか、元のクラスが本校舎に存在しないし~」

「で?どーすんのそっちは?全員五十位以内に入れなかったからって尻尾撒いて逃げるの?」

「それってさ~結局僕らに殺されるのが怖いだけだよね~プクク」

 

 すると、周りの皆も先ほどまでとは違って少しは笑顔になった。そして思い思いのことを口にする。

 

「にゅやぁああ!逃げるわけではありません!」

「「じゃあどうすんの?」」

「期末テストでアイツらにリベンジです!」

「「「あはははは」」」

 

 あまりにも殺せんせーが面白く見える。

 

「ところで風人君。君はテストの日すら知らなかったのに、よくまだ習ってない範囲の問題が解けましたね」

「あ、それ俺も気になってたんだ~どうしたの風人」

 

 ふっ。これだから凡人は。

 

「僕がもともとのテスト範囲を知っていたとでも思うのかい?」

「「「……え?」」」

 

 皆が唖然とし固まる。

 

「だから、テストの日すら認識してない僕がテスト範囲なんて分かるわけないじゃん~」

「「「…………」」」

「じゃ、じゃあ、何でこんな点数を?」

「決まってるじゃん~テスト範囲が分からなければとりあえず全部やればいいんじゃね?というわけで、カルマの教わってた範囲まで全てやってた~まぁ、さすがに完璧には無理だったけど~」

 

 この時E組生徒は思った。

 

(((こいつは頭がいいのかバカなのかが分からない……)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「風人君」

「ほへ?どうしたの改め……いひゃいです。頬を抓らないでくだしゃい~」

「テストの日程だけでなく範囲すら知らないって……しかもそれで学年一桁って……」

「だからと言って頬を抓っていい理由にはならな……いたた」

「……風人君が頑張ったのは分かってる。でも、ちょっとごめんね」

「にゃるほど~。つまり、嫉妬ですね」

「分かってるなら言わないの」

「ふむふむ~」

「今度の期末テストは風人君に勝ってみせるから」

「全教科~?」

「一教科でも勝ったら何か私のお願いを聞いてね」

「えぇー明らかに僕不利だよ……」

「じゃあ、全教科負けたら私が風人君の言う事聞いてあげる」

「ふぁああああい。頑張ってね……」

「余裕かましてていいのかな?」

「安心してよ有鬼子。次はしっかりテストの日程と範囲を知ったうえでやるからさ」

 

(カッコよく言ったつもりだろうけど…………それが普通なはずなんだけどなぁ……)




一応主人公のテストの結果は

国語 100点
数学 99点
英語 100点
理科 98点
社会 96点

次のあとがきに、簡単なプロフィールを書きます。
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