暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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転校生の時間

 修学旅行も終わり、今日から平常授業。というわけで、

 

「僕も平常運転~」

 

 ガンッ

 

「うぅ……いたい」

「何で電柱にぶつかるの……」

 

 仕方ないことだ。久しぶりにこの道を歩くから感覚が掴めてなかっただけだ。

 

「そういえば風人君。昨日の烏間先生からのメール見た?」

「めーる?」

 

 そんなの来てたような~来てなかったような~

 

「転校生が来るって話……知ってる?」

「えぇっ!?転校生が来るの!?」

「はぁ。メールを見たら?」

 

 そう言われてメールを開くと、

 

 

『明日から転校生が1人加わる。多少外見で驚くとは思うがあまり騒がずに接してあげて欲しい。

烏間』

 

 

「ほへぇ~でもこの時期に転校っておかしくない?」

「……それ風人君が言っちゃう?」

「でも外見で驚かないでってどんなのだろう~」

 

 明らかに中学生に見えないボディービルダー的なのが来るのかな~それとも、無茶苦茶体のバランスおかしいのかな~

 

「気になるし早くいこ~」

 

 ドンッ

 

「いてて……躓いた……」

「何で気を抜くとすぐにコケるの……」

 

 うぅーでも仕方ない……

 と、この後、何度も躓きかけながら教室にたどり着くと、教室の片隅に直方体の黒い物体が置かれていた。

 

 

『おはようございます。転校してきた自律思考固定砲台と申します。今日からよろしくお願いします』

「「…………」」

 

 あまりのことに固まる僕ら。すると何を思ったのか有鬼子が僕の頬を抓る。

 

「いひゃいです!いきなり何するの!?」

「夢……じゃないのね」

「普通自分の頬を抓って確認するでしょ!?」

「風人君ならいいと思って」

「そこおかしいからね!?」

 

 とはいえ僕もこれは予想外。もはや人間の括りを超えてくるとは思いもしなかった。これぞ人知を超えた存在ってやつだね!

 

「あれ?固定砲台なのに……砲台がない?」

 

 ふむふむ。まぁ、そういう日もあるさ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝のHR。烏間先生がチョークを手に取り、『自律思考固定砲台』と書く。

 

「ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ」

『みなさまよろしくお願いします』

 

(烏間先生、大変だなぁ……)

(俺だったら突っ込みきれずにおかしくなるわ……)

 

「おぉー!外国人さんなんだね!」

「「「いや、まず人じゃないからね!」」」

 

 あれ?外国人転校生とか二次元のテンプレ……あ、人じゃない。……がーん。

 

「プークスクス」

「お前が笑うな!」

「そーだそーだ!同じイロモノ枠のくせに~!……って、烏間せんせー。この自律思考固定砲台さんって、僕らと同じ生徒なの~?」

「ああ。彼女はれっきとした生徒として登録されている」

 

 生徒って人外でもなれるんだ。

 

「つまり、お前はこの子には手を出せない。生徒には手を出すことを許さない。そういう契約だからな」

「契約を逆手に取ってきましたか……ええ、いいでしょう。私は自律思考固定砲台さん。あなたをE組として歓迎します」

『よろしくお願いします。殺せんせー』

 

 チャイムが鳴り、休み時間……だがまぁ、特に何もすることなく授業開始。一時間目は殺せんせーの国語だ。授業が開始して数分。突如、隣の席の人(?)が突然機械音を立てて動き出す。

 そしてサイドから銃火器が展開された!

 

「やっぱり!」

「かっけぇ!」

「おぉーーーー!」

 

 展開されたのはショットガン二門。機関銃二門。展開されたと同時に発射される弾丸の数々。黒板に当たって跳ね返った分が全て僕らに来ている。……まあ。僕一番後ろの列の席だから~一切の被害がないですけど~

 

「濃密な射撃ですが、ここの生徒も毎日やっていますよ……それと、授業中の発砲は禁止です」

 

 すると、銃をしまう自律思考固定砲台さん。 

 

『……気をつけます』

 

 おぉー分かってくれたみたい。

 

『続けて攻撃準備に入ります』

 

 あれ?分かって……くれた?

 

「ねぇカルマ。これ授業になると思う?」

「ならないだろうね~」

 

 隣で色々と言っている自律思考固定砲台さん。そして再び銃を展開!

 さっきと全く同じように見える弾丸。全く同じように避けている殺せんせー。……あれ?今発射された弾。さっきの時にあったかな?

 

「へぇー」

 

 そう思うと、何と殺せんせーの指が一本弾き飛ばされていた。

 

「なかなかやるねぇ~」

「風人。まさか、今の見えてたの?」

「見えてたっていうか、今のは隠し弾だね。殺せんせーが一回目にチョークで弾いた弾丸の真後ろにもう一発忍ばせていた。殺せんせーにとって死角になってただろうしね~」

「お前、どんだけ目がいいの?」

 

 目がいいっていうか、動体視力がある程度あるっていうか。

 

『左指先破壊。副砲効果確認。次の射撃で殺せる確率0.001%未満』

 

 わーお。

 

『卒業までに殺せる確率90%以上』

 

 確かにこれを卒業まで何千何万とやれば殺せそうだね。

 

『それでは次の攻撃に移ります』

 

 その後、一時間目は自律思考固定砲台さんの攻撃により、授業にならなかった。

 一時間目終了後。

 

「え、俺らが片付けんのか?」

 

 辺りに散らかってる無数のBB弾。え?ウソでしょ?

 

「お掃除機能とかついていないのかよ」

 

 と、聞いている人もいたが自律思考固定砲台さんはだんまりである。

 二時間数学三時間目社会と、銃による射撃の雨はやまない。まぁ、そんな中で教科書を朗読できる殺せんせーは凄いな~

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝。

 

『これでは銃を展開できません。殺せんせー。拘束を解いてください』

 

 自律思考固定砲台さんはガムテープによってぐるぐる巻きにされていた。ぐるぐる~。

 

『……これは明らかに契約違反ですが?』

「ちげーよ……俺がやったんだよ。どう考えても邪魔だろ……常識ぐらい身につけてから殺しにこいよ。ポンコツ」

「え?寺坂君が常識とか言っちゃう?」

「テメェに言われたくねぇよ和光」

 

 ひどいな~

 

「ま、機械には常識なんてわからねえよな」

「授業終わったら開放するからね」

 

 菅谷君と原さんの2人にそう言われるがはてさて。

 

 

 

 

 

 

 

 そして夜。僕はあることを思いついて学校に侵入。もとい来ていた。

 

『自律思考固定砲台よりマスターへ。不測の事態発生。自身で解決できる確率0%。対策を求めます』

「ダメだよ~(開発者)に頼ったら」

「そうですよ。あなたの親御さんの考える戦術とこの教室の現状は合っていない」

 

 そう。今のままでは僕らにとっては邪魔でしかない。

 

「あなたはここ三年E組に転校してきた私の生徒です。まずは皆さんと協調しなくては」

『協調?』

「そーだね~何で僕らが君の暗殺の邪魔したか、邪魔しても誰も反論しなかったか。分かる~?」

『理由……ですか』

「簡単に言えば自律思考固定砲台さんの存在は僕らにとって何の利をもたらさない。君が暗殺を成功しても100億は君の開発者へ。そうでなくても、僕らは授業を邪魔される」

「そう。生徒たちからすれば、デメリットのほうが大きい」

『そう言われて理解しました。和光風人さん。殺せんせー』

 

 おぉ!理解してくれた!

 

『クラスメイトの利害までは考慮してませんでした』

「そこでコレをあなたに作ってみました」

 

 そういって出したのは……

 

「もしかして、アプリケーションとか追加のメモリー?」

「正解です風人君。ああご心配なく、ウイルスなどは入っていませんので受け取ってください」

『……分かりました』

 

 というわけで、それを自律思考固定砲台さんにさしてあげる。

 

「クラスメイトと強調して射撃した場合。暗殺の成功率が飛躍的に上がったでしょう?」

『異論ありません』

「協調は大切だよね~」

『でも、私には皆と仲良くなる方法が分かりません』

「ヌルフフフ。この通り準備は万端です」

 

 そういって出したのは工具一式と、なぜかフランスパンとか剣とかいろいろ。

 

『これは?』

「協調に必要なアプリケーション一式です」

 

 え?こんなに沢山?

 

「危害を加えることは禁止されてますが性能アップは禁止されてませんからねぇ」

 

 わーぼーろんだー

 

「風人君。手伝ってくれますね?」

「まぁ、本来は自律思考固定砲台さんとお話しようと思ってきたけどね……いいよ。僕。その手のこと得意だから~」

 

 というわけでセッティング完了。

 

「おはようございます」

 

 ごくり……機械とはいえ女子の身体の中を見るのだ。何だろうこの高まる緊張感は……

 

「あー中身を見たら収まったわ~」

 

 うん。機械の中身見て興奮する奴はいないよね~。

 

『何故こんなことをするのですか?貴方の命を縮めるような行為ですよ』

「ターゲットである前に先生ですから。君には多くの才能がある。それを伸ばすのが君を預かる教師としての役目ですから。君は協調性を学び。どんどん才能を伸ばして下さい」

「わー君にはってことは僕にはないの~?」

「風人君。君にも君の才能があります。人それぞれ違う才能がある。それでいいんですよ」

 

 皆違って皆いいってやつか。

 

「分かったよ~。僕のこの『余計な一言を言わずにはいられない才能』を頑張って伸ばすことするよ~」

「それは伸ばさなくていいです!」

 

 えー

 

『殺せんせー。この世界スイーツ店ナビ機能は協調に必要ですか?』

「おいこのタコ。何私利私欲に塗れたアプリをインストールさせてるんだよ」

『和光風人さん』

「風人でいいよ。どうしたの?」

『では、風人さん。このゲーム製造機能は協調に必要ですか?』

 

 さっ。っと横を見て空を見る。今日も三日月だな~

 

「風人君!そんな私利私欲に塗れたアプリをインストールさせないでください!」

「お前に言われたくねぇよ殺せんせー!」

「……あの~是非。私にも遊ばせてくださいね」

「最低だ~!教師としてあるまじき発言!」

「そうだ風人君。こんなアプリを開発するのはどうでしょう?」

「はぁ~そんなのよりこっちの方が実用的だよ~」

 

 と、下らないやりとりをしながら作業すること気付けば数時間。僕は殺せんせーに運ばれて帰宅した。疲れた。寝る。

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