暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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ビジョンの時間

 あの後、尾行した二人+殺せんせーは夜中に片岡さんと一緒に心菜さん?とか言う人に泳ぎを教えたらしい。で、泳げるようになったから片岡さんは心菜さん?とか言う人の呪縛から解き放たれたらしい。

 

「おい皆!プールがとんでもないことになってるぞ!」

 

 岡島が教室に飛び込んでくるなり、慌てた様子で言う。

 

「へぇ~興味ないや~」

「ほら行くよ風人君」

「ふぎゃ」

 

 僕は有鬼子に首根っこを掴まれ、皆と走ってプールまで行った。

 プールにつくとプールは確かにとんでもないことになっていた。

 ゴミが散乱していて、先生の持ってきた椅子などが壊れている。明らかに人為的な被害。自然にそうなったとかは誰も思わないだろう。

 

「あーあー、こりゃ大変だ」

「ま、いーんじゃね?プールとかめんどいし」 

 

 皆が酷い有様を見てる中、軽い感じの声が聞こえる。

 村松君、吉田君、寺坂君の、僕やカルマと別ベクトルの問題児三人組。問題児というか悪ガキ三人組?でもまぁ、明らかにこの破壊はこの三人の仕業だね~。分かりやすいと言うか隠す気がないと言うか~

 

「ンだよ渚、何見てんだよ。まさか俺らが犯人とか疑ってんのか?くだらねーぞ、その考え」

 

 すると、渚の胸倉を掴む寺坂君。

 

「まったくです。犯人探しなどくだらないからやらなくていい」

 

 が、突如現れた殺せんせーに驚いてその手を離してしまっていた。あれ?意外と弱い?

 そして次の瞬間にはごみは取り除かれ、壊れた椅子などは修復された。まぁ、マッハ20の先生にかかればこんなものか~

 

「はい、これで元通り!いつも通り遊んで下さい」

 

 元通りとなったプールを見て殺せんせーは帰っていった。続いて寺坂君もまるで面白くなさそうにプールから立ち去っていく。

 うーん。どうも寺坂君は浮いているというか、馴染めていないというか……まぁ、僕の言えたことじゃないけどね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼休みになりました。僕らはのんびりとした一時を過ごす中、殺せんせーが何か取りだした。なにあれ、木製のバイク?

 

「うぉ、マジかよ殺せんせー!?」

 

 そんな中、一人だけテンションが物凄い上がっている人がいた。吉田君である。殺せんせーが言うには廃材で作ったそう。廃材のバイク? 

 

「すげー!まるで本物のバイクじゃねーか!」

 

 服まで来て乗っている殺せんせー。そんな中現れたのは……!

 

「……何してんだよ、吉田」

 

 寺坂君である。寺坂君は吉田君を見て表情を引き攣らせながら問い掛けてきた。

 

「寺坂……い、いやぁ……この前、こいつとバイクの話で盛り上がっちまってよ。うちの学校、こういうの興味ある奴いねーから」

 

 うん。僕もバイクきょーみない~ 

 

「ヌルフフフフ。先生は大人な上に漢字の漢とかいて漢の中の漢、この手の趣味も一通り齧ってます」

 

 え?殺せんせーって、大人?漢?

 と、ここで 殺せんせーと吉田君が盛り上がるのを見て何を思ったのか、寺坂君はバイクの方へ歩み寄ると殺せんせー作のバイクを蹴り倒した。倒れた衝撃で廃材バイクは壊れてしまう。殺せんせーの顔も真っ青だ。

 

「なんてことすんだよ、寺坂!」

「謝ってやんなよ!大人な上に漢字の漢とかいて漢の中の漢の殺せんせー、泣いてるよ!」

「「「そうだそうだ」」」 

 

 どーしよう。漢の中の漢なら壊れた木製のバイクを見ても、あんなマジで泣きはしないと思う。

 寺坂君は皆の批判の声を無視し、自分の席の椅子を引いて座らずに机の中へと手を突っ込む。

 

「てめーら、ブンブンうるせーな虫みたいに……駆除してやるよ」

 

 そう言って机から取り出したものを床に叩きつけると、教室中が噴き出した白い煙によって覆われてた。

 

「目を閉じてて~」

「風人君?」

 

 隣にいた有鬼子の目をすぐさま僕の手で覆い隠す。これで口元も手で抑えたら誘拐犯が誘拐する構図だね!

 と、冗談は置いといて、言い方と見た目から寺坂君が床に叩きつけたのは殺虫剤のスプレー缶。おそらく、中身が溢れ出たと思うが……というか、そもそもの疑問。何で寺坂君の机の中に殺虫剤が入ってるの?

 

「寺坂君!ヤンチャするにも限度ってものが……」

 

 やり過ぎた寺坂君を咎めるため泣き止んだ殺せんせーが彼の肩を掴むも、その手は寺坂君によって弾かれてしまう。

 

「触んじゃねーよ、モンスター。気持ちわりーんだよ。テメェも、モンスターに操られて仲良しこよしのテメェらも」

 

 その言葉に教室内が静まり返る。……何だろう、この違和感。

 誰もが口を閉じ、何も言えなくなっている中、壁に寄り掛かっていたカルマが口を開く。

 

「何がそんなに嫌なのかねぇ……気に入らないなら殺せばいいじゃん。せっかくそれが許可されてる教室なのに」

 

 まぁ、そうだよね~でも、そんなカルマの物言いがムカついたのか、寺坂君はカルマに敵意を向ける。

 

「なんだよカルマ。テメェ、俺に喧嘩売ってんのか?上等だよ。大体テメェは最初から――」

 

 次の瞬間、寺坂君の顔はカルマに鷲掴みにされ、寺坂君は強制的に黙らされた。

 

「駄目だってば、寺坂。喧嘩するなら口より先に手ぇ出さなきゃ」

 

 ほうほう。口より先に手をねぇ。

 

「やぁー」

 

 僕のドロップキックがカルマの背中に直撃する。

 

(((何やってんだあいつ!?)))

 

「……ねぇ風人。何のつもりかなぁ?」

 

 いかにも怒ってます、って顔でこちらを見るカルマ。

 

「え?口より先に手を出すんでしょ?寺坂君に代わり実践してみた~」

「へぇ~」

 

 寺坂君を放すと同時に殴りかかってくる。

 

「ねぇ風人。君とは一度喧嘩してみたかったんだよね」

「それは同感だね~ここだと狭いし外いこうか~」

「そうだね!」

 

 蹴りを後ろに回避しつつ、窓を開けて外に出る。続いてカルマも飛び出してくる。

 

「「どっちが強いかシロクロつけようかぁ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の昼休み。寺坂君は来てなくて、殺せんせーが教卓で涙を流す。

 昨日の喧嘩は五時間目が始まる直前に殺せんせーが止めに入り引き分け。その後僕は有鬼子に怒られました。理不尽です。まる。

 

「何よ、さっきから意味もなく涙流して」

 

 ビッチ先生が殺せんせーに泣いている理由を問い掛けていた。

 

「いえ、鼻なので涙じゃなくて鼻水です。目はこっち」

「紛らわしい!」

 

 確かにね。と言うか、

 

「せんせー。風邪ひいてるんだったらマスクして下さいよ~」

「その気持ちはあるんですが……私にあったマスクがなくてですねぇ」

「売り切れてたの~?」

「いえ、どこの薬局にも売ってなくてですね……」

 

(((ねぇよ普通!)))

 

「昨日から身体の調子が変なのです」

 

 昨日から?うーん。昨日といえば寺坂君の妙なスプレー炸裂事件があったっけ?もしかして、それが原因? 

 

 ガラッ

 

 そう思ってるとドアが開く音がした。

 

「おお!寺坂君!今日は登校しないのかと心配しました!」

 

 駆け寄る殺せんせー。粘液まみれになる寺坂君の顔。……ごしゅーしょーさまーです~。

 

「おいタコ、そろそろ本気でブッ殺してやンよ。放課後にプールへ来い。弱点なんだってなぁ、水が」

 

 ビシッ!と殺せんせーを指差す寺坂君。

 

「テメェらも全員手伝え!俺がコイツを水ン中に叩き落としてやッからよ!」

「だが断る!」

「別に断ってもいいんだぜ。そン時は100億は独り占めだ!」

 

 ガラッ

 

 寺坂君はドアを閉めて、どこかへ行ってしまった。

 あれ?断ると言ったところはスルー?まぁ、断っていいって言ってたし断ろう。

 

「私も行かなーい」

「同じく」

 

 倉橋さんや岡野さんも行く気はなさそうである。

 

「皆、行きましょうよぉ」

 

 しかし、殺せんせー(ターゲット)は行こうと提案する。

 

「うわっ!粘液で固められて逃げられねぇ!」

 

 殺せんせーの出す粘液はついに床一面に広がり、皆の足とかを徐々に固めていった。

 僕は天井の引っかけるところに手錠をはめて、それに捕まり何とかセーフ。

 

「せっかく寺坂君が私を殺る気になったんです。皆で一緒に暗殺して気持ち良く仲直りです」

「まずアンタが気持ち悪い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で~カルマもサボり?」

「まぁね~あの程度の策で折れるほど柔じゃないし」

 

 皆は殺せんせーの気持ち悪い粘液地獄によって折れるような形で暗殺に参加する羽目になったが、面倒くさくて折れていないカルマと粘液地獄を回避した僕は暗殺不参加。

 昨日は喧嘩したけど今日はいつも通り。ほら、昨日の敵は今日の友というじゃない~アレだよアレ。

 

「でも怪しいと思わない~?」

「それね。昨日とは大違いすぎる」

 

 僕らは中学生。精神的に不安定な時期というのはどうしても存在するだろう。でも、寺坂君の場合は不安定過ぎる。

 

「誰かに操られてる~?」

「分かんないけど。操るとしたら、アイツはさぞやりやすいだろうね」

 

 確かに。操る側は僕みたいな考えが読めない人間やカルマみたいに頭がキレる人間より寺坂君みたいな純粋なバカの方が操りやすい。

 

「風人は気になる?寺坂の暗殺」

「まぁね~観覧NGじゃないし~行けるならいってもいいかな~」

 

 ま、ここでのんびり過ごすのもいいかもしれないけど。

 

「じゃ、行こうか。といってももう終わってるかもしれないけど」

「それはさすがにないな――」

 

 ドォンッ!

 

 次の瞬間爆発音が聞こえた。

 

「カルマ!」

「プールの方から聞こえたね!」

「嫌な予感がする!行くよ!」

「分かってる!」

 

 僕らはプールに向かって走り出す。何もないといいけど……!

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