暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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期末の時間

 無事(?)寺坂の一件から生き延びた(?)僕とカルマ。

 あれから少し経ち、

 

「ヌルフフフフ、皆さん一学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら期末の成績はジャンプアップが期待できます」

 

 期末テストが近づいてきました。高速強化テスト勉強として、殺せんせーの分身が個別に勉強を教えてくれている。まぁあとは、場所を教室ではなく外にして勉強中だ。いやー自然を感じながらの勉強もいいよね~。

 

「殺せんせー。また今回も全員五十位以内を目標にするの?」

 

 渚が今回の目標について殺せんせーに問い掛ける。中間テストの時はこの目標を達成できずに苦い思いをした人が多かったけどそこのところどうなんだろ?

 

「いいえ、先生はあの時、総合点ばかり気にしていました。ですが、生徒それぞれに見合った目標を立てるべきだと思い当たりました。そこで今回はこの暗殺教室にピッタリの目標を設定しました」

 

 暗殺教室にピッタリの……目標?目標ねぇ……

 

「だ、大丈夫です!寺坂君にもチャンスのある目標ですから」

 

 あーあ。怒らせた~。というか、寺坂はまたNARUTOの鉢巻をした殺せんせーに教わってるよ。ぷくく。………………まぁ、何故か僕もだけど。 

 

「さて。前にシロさんが言った通り、先生は触手を失うと動きが落ちます」

 

 ほうほう。

 

「色々と試してみた結果、触手一本につき先生が失う運動能力は約10%」

 

 あ、蝶々だ~

 

「話を聞いてるの」

「……はい」

 

 追いかけようとした矢先。首根っこを掴まれて座らされる。

 

「そこで本題です。今回は総合だけでなく、教科ごとに学年一位を取った者にも、触手を一本破壊する権利をあげましょう」

 

 殺せんせーから提示された報酬によって皆の眼の色が変わる。

 

「えーっと五教科でだよね?」

「はい。総合と五教科で誰かが一位をとれば合計六本の触手を破壊できますねぇ」

 

 いや、違うね。一つの教科で一位が取れるのは一人じゃない。

 

「これが暗殺教室の期末テストです。賞金百億に近付けるかは皆さんの成績次第なのです」

 

 このせんせーは生徒のやる気を引き出すのが上手いと思う。僕もやる気出たし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、僕ら修学旅行元四班マイナスカルマの六人は杉野の机付近に集まっていた。

 

「教科一位で触手一本かぁ」

「えぇっ。頑張りましょう」

「へぇー珍しく気合入ってんじゃん。奥田さん」

 

 と、ここでカルマが話に加わってきた。

 

「はい。理科だけなら、私の大得意だから。やっと皆の役に立てるかも」

 

 ほへぇ~

 

「うちにも上位ランカー結構いるから。一教科だけならトップも夢じゃないかも」

 

 茅野さんが意気込む中、杉野の携帯に着信が。

 

「進藤?」

「誰?その人」

「野球部の主将だよ」

「…………あーあのすーぱーすたー君か」

「絶対忘れてたでしょ。風人君」

「うん!」

「即答だね……」

 

 すると、一言二言話したかと思うと杉野はスピーカーモードにして僕らにも聞こえるようにした。

 進藤君曰く、A組が自主勉強会を開いたそう。音頭を取るのは五英傑と呼ばれる天才集団らしい。…………天才……ねぇ。でも、

 

「ごえーけつ?」

 

 僕とカルマの上三人しかいなかったと思うんだけど?

 で、とりあえず分かったのは、

 

 全校集会で笑いどころを潰されていた中間テスト総合二位の荒木鉄平君。

 なんちゃら文学コンクールを総なめした中間テスト総合三位の榊原蓮君。

 カルマや僕に中間テストの成績で負けた中間テスト総合六位の小山夏彦君。

 『ビクトリア・フォール』の犠牲となった中間テスト総合七位の瀬尾智也君。

 

 ……あれ?何か弱そう。

 

『そして、その頂点に君臨するのが、中間テスト総合一位!全国模試総合一位!全教科パーフェクト!支配者の遺伝子・浅野学秀!』

「あの理事長の一人息子」

 

 浅野学秀……浅野……

 

「あーその子も一位だったんだ」

「……え?」

 

 まぁ、一位なんて沢山いるか~

 

『全教科パーフェクトな浅野と各教科のスペシャリストたち。五人を合わせて五英傑』

「ちょっと待って!今の話聞くと、五英傑の四人って、浅野君の金魚の糞じゃないの?」

 

(((何か言っちゃったよコイツ!)))

 

「風人君。ちょっとお口を閉じようか」

 

 あれ?言っちゃまずかった?

 

『……コホン。奴らはお前らE組を本校舎に復帰させないつもりだ。このままじゃ……』

「ありがと、進藤。心配してくれて。でも大丈夫。今の俺らはE組を出ることが目標じゃない」

 

 杉野の言う通り、僕らの目標はE組脱出にあらず。殺せんせーの暗殺だ。

 

「けど目標のためにはA組に負けないくらいの点数を取らなきゃならない。見ててくれ、頑張るから」

『……勝手にしろ。E組の頑張りなんて知ったことか』

 

 最後に悪態を吐いて電話を切った進藤君。でも前に話した時より、どこか、僕らを認めていた様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても、学年一位か~」

 

 要は満点取れってことでしょ。ふぁあああ。

 

「私も国語なら何とかなりそうだから頑張らないと」

「そうだね~ファイト~」

「というわけで今から教えて。あと他の教科も」

「うん。いーよー」

「……え?本当に?」

「うん~。でもどしたの?」

「いや、風人君だから『めんどー』とか言うと思ったんだけど……」

 

 失敬な。

 

「おーい。和光、神崎」

 

 すると、こっちに走ってくるのは磯貝君。

 

「どーしたの?」

「二人ともさ。明日の放課後だけど、本校舎の図書室で勉強しないか?」

「え?本校舎に図書室あるの?」

「あるからね」

 

 へぇー知らなかった。

 

「いいけど~」

「でも、磯貝君。確か席の予約が必要じゃないの?」

「それも大丈夫だ。このタイミングを狙って前もって予約しておいた」

「ほへぇ~面子は?」

「後は、渚、茅野、中村、奥田ってとこかな」

 

 中々に面白い面子だ。

 

「分かった。ありがとうね。誘ってくれて」

「ありがと~」

「いいって。じゃあな。二人とも」

 

 そういうと片手を挙げ、去っていく磯貝君。

 

「図書館か……どんな本があるんだろ~」

 

 わくわく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の放課後になりました。昨日、磯貝君の言っていた七人で勉強をしています。

 

「おや、E組の皆さんじゃないか!勿体ない。君たちにこの図書室は豚に真珠じゃないのかな?」

 

 すると、声をかけてくる人たち……五英傑の浅野君以外の四人。風人君言うところの金魚の糞たちです。

 

「退けよ雑魚ども。そこは俺らの席だからとっとと帰れ」

 

 とても高圧的な態度を取ってきます。金魚の糞の癖に。

 

「なっ、何よ!勉強の邪魔しないで!」

「そうだよ~僕らは勉強してるんだぞ~!」

 

 ここで、茅野さんと風人君が反論する。……が茅野さんが読んでるのは教科書じゃなくてプリンの本。風人君が読んでいるのは世界のスイーツ大百科。……せめて、教科書で覆える大きさにしよ?ね?

 

「ここは俺たちがちゃんと予約を取った席だぞ」

「そーそー。クーラーの中で勉強するなんて久々でチョー天国〜」

 

 茅野さんと風人君の説得力の無い反論はともかく、磯貝君の言い分はもっともだ。予約を取ったうえで使っている。A組も含めてだが誰かにとやかく言われる筋合いはないはずだ。……まぁ、中村さんの意見は風人君たちと同じくらいあれだけど。

 

「忘れたのかぁ?この学校じゃ成績の悪いE組はA組に逆らえないこと」

「さっ、逆らえます」

 

 ここで声を上げたのは意外にも奥田さんだ。

 

「何?」

「私たち、次のテストで各教科一位狙ってます。そうなったら、大きな顔させませんから」

 

 彼の言い分だと、成績さえ良ければA組にも逆らえるというもの。……まぁ、そんなの関係なしに逆らいそうな人がすぐそこにいるけど。

 と、ここで何か一人私に近付いてきた。

 

「くさすばかりでは見逃してしまうよ。ご覧、どんな掃きだめにも鶴がいる」

 

 私の髪を触ろうとしたその手は別の手にはじかれる。

 

「触ろうとすんじゃねぇよ。サイドハゲ」

「な、サイドハゲ……」

 

 風人君?ハゲてるのはサイドだけじゃないよ?と言おうとしたけどやめた。風人君の眼は割と……

 

「こっちは眠いから静かにしろよ」

 

 ……割と眠そうだ。……はぁ。これで怒るまではいかなくてももっとキリッとしてたらカッコよかったのに……はぁ。まぁでも、牽制してくれてるだけマシかな。

 

「いや待てよ。確かこいつら中間テストでは、神崎有希子、国語23位。中村莉桜、英語11位。磯貝悠馬、社会14位。奥田愛美、理科17位。そして……」

 

 何であのメガネの人。私たちの自分でも忘れていそうなことを覚えているのだろう?

 

「和光風人、総合5位。俺から4位の座を奪った、赤羽同様憎き敵」

「えーっと、僕に負けたほうのメガネ君?何で僕の名前知ってるの?え?ストーカー?ストーカーなの?ごめんなさい。僕、そんな変質者にストーキングされる趣味はないので。あ、いや可愛ければいいって訳じゃないから女装もしないでね?うん、女装ストーカーなんて最悪×厄災だと思うからやめてね?絶対だよ?」

 

 本気で頭まで下げて謝ってる風人君。多分その人もそんな趣味はないと思うよ?…………多分。

 

「そんな趣味ねぇよ!」

 

 でしょうね。…………してそうな顔だけど。

 

「……じゃあこういうのはどうだろう?俺らA組と君らE組。五教科でより多く学年トップを取ったクラスが負けたクラスにどんなことでも命令できる……てのは?」

「あ、全校集会で笑いどころを潰された方のメガネがなんか言ってる~笑える~」

「君の人の識別の基準はメガネなのか!?」

「そうだよ~メガネ君!よくわかったね~君は偉いメガネだ!」

 

 悲報。風人君はメガネで他人を判断していた。

 

「どうした?臆したか?所詮雑魚は口だけか」

「あれれ~?君も僕に中間テスト負けてなかったっけ~?」

「今回は勝ってやる和光風人。賭けでも、お前にもな」

「……ふっ。僕こそ勝つよ。腹下しコンビニトイレ駆け込み糞メガネなし野郎」

「なげぇよ!そしてやっぱりメガネか!」

 

 風人君。絶賛大暴走中。そろそろ止めた方がいいかな?

 

「まぁ、お前らと違って俺たちは、()()()()()()()()()()()()?」

 

 次の瞬間。渚君は瀬尾君、中村さんは小山君、磯貝君は荒木君、私は榊原君と何となく風人君の喉元に指やシャーペンを添えた。

 

「……命は簡単に賭けない方がいいと思うよ?」

 

 急所を狙われ、風人君以外の四人は臆する。風人君は『何で僕も狙われたの?』って顔をしている……が、おそらく刺そうとしても刺さらないだろう。まぁ、風人君に対しては何となくだし。

 

「じょ、上等だよ!受けるんだな、この勝負!」

「死ぬよりキツい命令出してやる!」

「逃げるんじゃないぞ!」

「後悔するぞ!」

「わー!」

 

 退散する五人。この騒ぎを起こした人たちは帰って行った。

 

「……どうする?勉強続けるか?」

 

 周りにいた生徒たちがこっちを見て注目する。私は他の五人と目を合わせ…………あれ?

 

「ねぇ、一人足りなくない?」

 

 茅野さんが言う。

 

「そんなわけ…………あれ?六人しかいない。……って……あ!和光がいない!?」

「え!?風人君がいない!?」

 

 え、この一瞬で消えた?でも、一体……

 

「和光君なら五英傑の人たちに付いていきましたよ」

 

(((何やってんだアイツは……!)))

 

 私たちの思考が一致した瞬間でした。

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