暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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期末の時間 二時間目

「わ、悪い浅野」

「下らん賭けだとは思ったんだが」

「E組が生意気にも突っかかってきてよ」

「そーだよ。浅野君」

「ま、いいんじゃないか?……で、君はなぜここにいる。和光風人君?」

「「「えぇぇぇっ!?」」」

 

 現在、僕はAクラスに来ています。なぜかって聞かれたら、

 

「あれ~僕もごえーけつの仲間入りしてたからりーだーにご挨拶をと~」

 

 僕も充分ごえーけつの条件を満たしていたはず。故に僕も真のごえーけつの一員だ。

 

「まぁ、君がいるならちょうどいい。ルールを明確にしておこう。後でごねられても面倒だしね」

「そうだね~A組の皆さんが後でごねるのも面倒だし~」

 

 おーこわいこわいー。みんなが睨んでくるよーでも、怒った有鬼子の方が断然怖いね!…………いや、割とガチな方で。うん。

 

「勝った方が下せる命令は一つだけ。内容はテスト後に発表。これでどうだろう?」

「勝ち負けの基準は各教科の点数。同点の場合は引き分け。最終的に五教科で勝ち数が多いクラスの勝利……まぁ、いいんじゃない~?このルールなら~」

「よかったなぁE組。一つだけしか命令されないらしいぞ」

「何言ってるのさ、僕に負けたほうのメガネ君。()()浅野君が軽い命令を出すわけないじゃないか~」

「何?」

 

 やれやれ~本当に彼以外は金魚の糞だね。

 

「どーせ、何かの協定、もしくは契約にサインするとかそんな感じの命令……でしょ~?」

「よくわかったね……」

 

 近くのノートパソコンを立ち上げ、文字を打ち、

 

「正解だよ。ご褒美に君にも見せてあげよう。君らが負けた時の罰をさ」

 

 そう言って見せてくる全50項の協定内容。なるほど。実に不愉快な命令ばかりだ。でも、君の狙いは見え見え。

 

「この内容を一瞬で思いついたのか?」

「恐ろしいやつだ」

「恐ろしい?とんでもない。私的自治に納まったただの遊びさ」

「だろうね~。この内容は一切教師とかが関与してない。おまけに、民法とかも考慮していて、まだ()()()僕らの人権を剥奪していない。それに、他者には何にも被害はないね~」

「そうだよ。その気になれば君らを壊す協定もできるが、たかが期末テストだけではそれは釣り合わないだろうしね」

 

 まぁね。

 

「あー君には聞きたいことがある。ちょっと外に行っててくれないか?」

「ん?別に~いーよー」

 

 ふぁああ。早く帰りたいな~ついてくるんじゃなかった。

 

「律。有鬼子に一人で帰るから心配しないでって送っといて~」

『分かりました』

 

 これでよしっと。

 

「で~?話はなに~?浅野君」

「中学一年の全国模試、総合一位だったのは三人いる」

 

 ほうほう。

 

「一人は僕。一人は君。もう一人は君の元の中学にいた女子の三人」

「はぁ……で?」

「中学二年の全国模試、総合一位だったのは僕一人」

「すごいね~……自慢?」

「そんなことはしないさ。でも、妙なんだよ」

「何が?」

「中学二年時。君とその子は一切模試を受けていない。なぜだい?」

「気が乗らなかったから。で、いい?浅野君」

 

 そもそも、どうやって調べたんだか。

 

「ふっ。今はそうしておこう。だが、期末テストが終わったら君らE組はA組に隠し事はできない。まぁ、興味本位で聞いてあげるよ」

「そうだね~。もし、E組が負けたら協定に則って教えてあげるよ~」

 

 僕は立ち去る。

 浅野君の狙いは、全五十項目の過激な内容じゃない。その中の最も地味ともいえる命令。『E組の隠し事を禁ずる』ただ一つ。後は、他のA組生徒を納得させるためのもの。

 おそらく、彼はうっすら気づき始めてる。E組が何かをしていることに。その秘密を確かめたい……なんて生優しくはないだろう。まぁ、どこに狙いがあるのかまでは知らないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、期末テスト当日。A組とE組、両組が出す命令を知っている身としては、僕らの命令軽すぎ?と思ってしまうがまぁ、気にせずいこ~。別にあんな奴らに首輪つけても面白くないもん~

 

「ふぁぁああああ」

「眠そうだけど……大丈夫?」

 

 首輪つけるならこっちの方が面白そ~

 

「問題な……ふぁあああああ……し」

「……本当に大丈夫かな」

「ちょっと朝早く起きただけ」

 

 いつもより、二時間早く起きて最終チェックをしてたらこんなに眠いとは。恐るべし睡魔。

 

「ところで風人君。覚えてる?」

「今日のテストの教科?」

「ううん。私たちの賭け」

「…………も、もちろん」

 

 忘れてた。

 

「一教科でも私が風人君に勝ったら風人君に何でも命令できる」

「…………」

 

 あ、あっれぇ~?そんな不利な賭けだっけ?これはまずい。マジで頑張ろう。

 

「お、神崎ちゃんに和光も早いねぇ……どしたの和光?朝から絶望的な表情だけど」

「思い出したくないことを思い出してしまった……」

「あはは……何言ったの?神崎さん」

「私は特に何も言ってないよ?」

「まぁ、いっか~和光が頭おかしいのはいつものことだし」

 

 えぇー酷くない?

 

「さて私ら一番乗り~!」

 

 中村さんがドアを開けるとそこには、

 

「「「誰!?」」」

「何言ってるの~律でしょ?」

 

 律が座っていた。でも、おかしいな?明らかに人に見えるけど……あ、二次元から三次元に進化したんだ~納得納得。

 

「律役だ。流石に理事長から人工知能の参加は認められなくてな。律が教えた替え玉で決着した」

「え?律本人じゃないの?」

「「「どう見ても違うでしょ!」」」

 

 あ、人工知能が参加したら100点なんて余裕か。

 

「交渉の時、理事長に『大変だなぁ、コイツも』……という哀れみの目を向けられた俺の気持ちが君らに分かるか」

「「「頭が下がります!」」」

「ドンマイ烏間先生☆」

 

 頭を下げる中村さん、渚、有鬼子の三人。サムズアップする僕。すると、有鬼子が僕の後頭部を掴んで頭を下げさせた。

 

「……律と合わせて俺からも。頑張れよ」

「はいっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして期末テストは開始した。

 僕らの闘いが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 英語

 

(おっと。中間よりもコイツら強いな~)

 

 明らかにパワーが違う。でもまぁ、これぐらいなら想定内!

 

(あ、自称帰国子女君がラスト問題ミスった~)

 

 プクク。『これぐらい超余裕~』とか思ってんだろうなぁ~ダサい~

 

(中村さんと渚は満点回答か~じゃ、僕も~)

 

 瞬殺~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 理科

 

(あー難しいなぁ~ってあんな装甲の敵に何で杖の魔法攻撃なんだよ~)

 

 おかしい、何で魔法なんだ?あ、メガネ死んだ。

 

(って、奥田さんの相手してるモンスター。装甲自分から脱いでどっか走って行ったんだけど)

 

 ふむふむ。何でもありか……じゃあ!

 

(((何だアイツ!杖の使い方間違ってねぇか!?)))

 

 装甲が砕けるまで殴り続ける!

 

 

 

 

 

 

 

 

 社会

 

(次は砲台かよ~ま、いいけど)

 

 というか、遠距離攻撃相手に何で剣なんだろう?あ、もう一人のメガネ死す。

 

(アフリカ開発会議の会談の回数?あーそれなら)

 

 一応覚えていたな~ん?待てよ?

 

(((アイツやっぱ戦い方違くね!?)))

 

 剣も投げれば遠距離武器。まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 国語

 

(何というか……ネタ切れ?)

 

 武器は薙刀敵は刀と鎧。もうネタ切れたかな?

 

(ゲームして 昼寝したいね やっぱり ……あ、和歌どころか川柳にもならないや)

 

 どうしよう。字足らずだし……後、どうやって下の句を埋めよう。

 

(風人君?ふざけてる暇あるの?)

(ぎゃああああああああ)

(((何でアイツ!味方にやられてるんだ!?)))

 

 和光風人。背後から斬られて死す。完。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 波乱の期末テストは幕を閉じ、何日か経った。と言っても三日くらいかな?じゃあそこまで経ってないや~

 

「さて皆さん、全教科の採点が届きました」

 

 殺せんせーの手には封筒の束。そして、そこから一つを開けて中身を取り出す。

 

「では発表します。まずは英語から……」

 

 殺せんせーの言葉に全員が緊張した面持ちで耳を傾けている。この成績は僕らの未来を決めるといっても過言ではないからだ。

 そんな空気の中、殺せんせーからテストの結果が告げられる。

 

「E組の一位……そして学年でも一位!中村莉桜!完璧です。君のやる気はムラっ気があるので心配でしたが」

「ふふーん。なんせ賞金百億が掛かってっからね。触手一本、忘れないでよ殺せんせー?」

 

 幸先は良いみたい。E組からは歓声が上がり、中村さんもドヤ顔で答案用紙を受け取っていた。しかし盛り上がる僕らに殺せんせーは嬉しそうながらも現状を見ている。

 

「だがしかし、一教科トップを取ったところで潰せる触手は一本。喜ぶことが出来るかは全教科返した後ですよ」

 

 それにA組との勝負もか。一勝四敗で負けましたってのも有りうるからね。皆の表情も自然と引き締まっていった。

 教室が落ち着きを取り戻し、静かになったところで殺せんせーは二つ目の封筒を開けて中身を取り出す。

 

「続いて国語、E組一位は……和光風人!……しかし学年の方は浅野学秀と同率一位!」

「ちぇ~単独トップ狙ってたのに~」

「まぁ、彼も君も満点なのです。そこは仕方ないでしょう」

 

(((よく味方に斬られておいて満点取れたなアイツ……)))

 

「神崎さんもあと一点で満点と大健闘でしたよ」

 

 これで一勝一分。後一人勝っていれば負けることはないだろう。

 

「やっぱ点取るなぁ、浅野は。英語だって中村と一点差だし」

「まぁ、五英傑って、やっぱり残りの四人って浅野君の金魚の糞だね~」

 

(((言っちゃったけど何も言えない……!)))

 

 でも二教科の成績を見て僕らは浅野君を倒さなければ学年トップは無理だと改めて認識する。

 

「……では続けて返します。社会、E組一位は磯貝悠馬!そして学年では……」

 

 ここまで一勝一分。この社会を取れれば大きく優位に立てる。

 

「おめでとう!を抑えての学年一位!マニアックな問題が多かった社会でよくぞこれだけ取りました!」

 

 殺せんせーの称賛に磯貝君は珍しく興奮した様子でガッツポーズを決めていた。これで二勝一分。もう、E組に敗北はなく、勝利に王手を掛けた。

 

「次は理科、E組一位は奥田愛美!そして……」

 

 いよいよ決着がつく可能性の高い四教科目。奥田さんも両手を胸の前で組み、固唾を呑んで先生の発表を待っている。

 

「素晴らしい!学年一位も奥田愛美!三勝一分!数学の結果を待たずしてE組がA組に勝ち越しを決めました!」

 

 ……ふーん。

 

「……てことは賭けの賞品のアレも頂きだな」

「楽しみ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここにいましたか風人君」

「何だよせんせー。カルマの相手は終わったの~?」

「はい。終わりましたよ。君は教室に居なくていいのですか?」

「別に~勝った雰囲気に居たくないだけだし~」

 

 僕は屋根のところで寝そべって空を見ている。

 

「数学99点。浅野君は100点で惜敗。総合でも一位は浅野君の491点。風人君は490点で二位。君はこの一点差をどう捉えていますか?」

「……どうって何さ」

「A組……いや、全国トップレベルの秀才相手に一点差まで詰められて満足か、それとも一点差とはいえ負けて悔しいのか。まぁ、前者なら堂々と教室にいるでしょうね~」

「……なら、聞かないでよ」

 

 分かって聞いてるから鬱陶しい。

 

「国語の一位。権利はあるんでしょ?」

「はい。同率でも一位に変わりはありませんからね」

「アレ剥奪しといて。要らないよ、そんな権利」

「そうですか……君の意向なら何も言いません」

「……久々に感じたよ。殺せんせー。学校内のたかがテスト。でもさ負けるのは凄い悔しい。いつ以来だろうね~」

 

 どこかに忘れてしまったこの感覚は。ゲームで有鬼子に負けるのとはまた訳が違う。最悪の感覚だ。いや、有鬼子に負けるのがいいとかそういうわけでもないけど。

 そのまま降りて教室に戻る。

 

(風人君。彼も多くの才能に恵まれている。彼は忘れていた何かを今回のテストで思い出せた。それでいい。君はまだ過去を乗り越えられていない。でも君なら大丈夫。いつかその壁に当たっても乗り越えることが出来るはずです。大切なことを学べてさえいれば)




風人君のテスト結果。

国語 100点
数学 99点
英語 99点
理科 96点
社会 96点

後は風人君のお陰(?)で神崎さんが原作より強化されてます…………色んな意味で。

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