暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
昨日はあれから、服屋で有鬼子のファッションショーとゲーセンで軽く遊んだ。
そして、当日になりました~
「風人君?忘れ物ない?」
「もちろん~」
二人とは現地集合となっている。理由としては丁度いい集合場所がなかったからという単純な理由。まぁ、こればかりは仕方ない。
それで、電車を使い、駅で降りて少し歩いた先に目的地がある。
「あ、風人~有希子ちゃん~こっちこっち」
プールのところに入る手前で、手を振る人影が二つ。決して知らない人じゃない。
「涼香~……っと、懐かしの雷蔵~」
「久し振りですね。風人」
「おひさ~」
うーん。やっぱり雷蔵は背が高いなぁ。カルマと同じかそれ以上?
「じゃあ、四人揃ったし自己紹介しよっか」
「えぇ~めんどー」
「風人はしなくていいですよ。全員の共通認識でしょうから」
あ、そっか。というか、自己紹介という名の有鬼子と二人の挨拶だね~
「では僕から。僕は
「自分で言っちゃうんだ~。それ」
「はい。あ、今は涼香さんとお付き合いさせていただいてます。どうぞよろしく」
「私は岩月涼香。改めてよろしくね。有希子ちゃん」
「わ、私は神崎有希子です。今日は誘ってくれてありがとうございます」
うーん。少し緊張してるのかな~ま、いつか慣れるでしょ。
「というわけでさっそく乗り込むよ!」
「おぉ~!」
「走ってこけないで下さいよ。特に風人」
「あはは……」
色々と手続きじゃないけど済ませて、更衣室へ。僕と雷蔵はのんびり着替える。理由としてはどうせ女性陣は着替えとか諸々やることが多いからどうせ時間かかるということ。
「クスッ」
「どうしたの~雷蔵」
「いえ。神崎さんが風人の今の学校の御目付け役ですか」
何で皆有鬼子のこと御目付け役とか言うのだろう?僕は何も悪いことしてないのに。
「彼女はだいぶ風人の扱いに慣れてるね」
僕は扱うのが難しいモノだろうか?
「僕なんか。風人の扱いなんてイマイチなのに」
「それは~雷蔵が甘いからだよ~」
「そうですね」
雷蔵はだいぶ甘いと思う。
「そうそう~僕が余分なこと言っても説教されないし」
「説教……ですか?」
「そーだよ~聞いてよ。有鬼子さぁ!僕が余分なことを言うと説教してくるんだよ!」
「ほぅ。そのような存在が彼女の他にもいましたか」
「やれやれだよね~僕はこんなに真面目に生きてるのに~」
「真面目ならサボることなんてありませんよ」
「じゃあ、『サボり系真面目男子』として」
「サボりと真面目は両立するとは僕には考えられませんが?」
うーん。言われてみれば確かに。
「まぁ、君という存在は僕には扱い切れない。故に僕は君の御目付け役にはなれません」
「またまた~僕らはそんな関係じゃないでしょ~」
「はい。友人……いえ、親友ですからね。さ、行きますよ風人。涼香を怒らせるのは厄介ですから」
「……彼氏がそれ言っちゃう?」
「もちろん。言いますよ」
一方の女子更衣室。
「今日はありがとねー。わがままに付き合ってもらってさ」
「いいですよ涼香さん。風人君と出掛ける口実が作れましたので」
さすがに、普段の買い物はともかく、こういうプールとかに誘う勇気までは出なかった。渡りに船というかまぁ、運が良かった。
「あー雷蔵君は気にしなくていいよ。彼、見たまんまの子だから」
「見たまんま……」
「そそ。紳士というか、まぁ敬語使ってるけど癖だから距離とかを感じなくても大丈夫だよ」
確かに、篠谷君、燕尾服とか似合いそう。うちのクラスでいうと磯貝君が近いかな?
…………というか。
「んー?どうしたの?有希子ちゃん」
…………涼香さん。胸大きいなぁ……着痩せするタイプだったんだ。
「有希子ちゃん。心配しないで。風人。胸の大きさなんて気にしてないし、それこそ貧乳の方がタイプだから!」
親指を立ててグーって感じでやってくる。
「……あーそう言えばそんなこと言ってたなぁ」
「へぇ。風人言ってたんだ」
「うん。…………私が説教中に」
「あはは……。風人らしい」
本当に最初は説教中にそんなこと言うとかどういう神経してるんだろうとか思ったけど、今となっては風人君だしなぁって思い始めた。もう半分諦めの域だ。
「そう言えば篠谷君と風人君は友達なの?」
「うん。そうだよ。まぁ、あの二人はちょっと拗れてる部分あるけど歴とした友人だね」
「拗れてる部分?」
「まぁ、二人の性格の問題だから。気にしなくていいよ~さ、行こうか。風人の相手を雷蔵君に任せっきりも忍びないしね」
従兄弟とは思えない発言……いや、従兄弟だからこその発言かな。
とりあえず、涼香さんに付いていかないと。
「後、あの二人を長く放置しておくと厄介なことになるよ」
「……え?それはどういう――」
――こと。と続きが出てきませんでした。なぜなら。
『ねぇ君たち暇?』
『私らと遊ばない?』
『ねぇーいいでしょ?』
風人君と篠谷君は数人の女の人に話かけられていました。
「はぁ。やっぱり。あの二人タイプが違うから色んな女性から狙われるんだよね……」
「……どういうことですか?」
「うん。まぁ、私が言うのもアレだけど。雷蔵君は高身長のクール系イケメン、風人は見た目
まぁ、それに風人は性格見ても最初だけなら寛容出来るだろうしね、と続けたらしいが私の耳に入ってはこなかった。
風人君……逆ナン……女性……
「ゆ、有鬼子……」
「お待たせ風人君。すみませんねお姉さん方。彼らは私たちのツレなので」
お引き取り願いますか?という意味を込めて、笑顔を向ける。
女性陣は一瞬硬直し、早歩きでその場を去っていく。
「なるほど。笑顔で威圧して避けるとは涼香さんには出来ない芸当ですね」
「有希子ちゃん凄いね。何も言わせず立ち去らせるとは」
「そう……かな?そうでもないと思うけど……」
「有鬼子。殺気が駄々漏れだったよ~」
まただ。最近クラスの子はともかく、見知らぬ女性と風人君が話している(一方的でも)のを見るとどうにも抑えられないこの気持ち。やっぱり、嫉妬かなぁ……
「でもまぁ、あんなおばさんより有鬼子の方が可愛いから~」
「可愛い……」
「風人。あの人たちはおそらく大学生くらいですよ」
「え?おばさんじゃん」
「はぁ。君って人の感覚は……いいですか?とりあえず自分より年上の人に誰でもおばさんと言うのはやめましょう」
「安心してよ雷蔵。年上に見える人にしかおばさんって言ってないからさ」
「ダメです。それで同い年か年下だったらどうするんですか?」
「まぁ、年上に見えた方が悪いと言うことで、ここは一つ」
風人君の価値観。自分より年上は皆おばさん。いや、正確には自分より年上に見えたら全員おばさん。
……あーだから初対面の時におばさんねぇ……。おばさん……。おばさん…………。
「ふにゃ。なにするのさ~」
「ごめんね。ちょっと思い出しただけだから……!」
「何を思い出したか知らないですけど顔を鷲掴みにするんじゃないです~!」
とまぁ、理不尽な制裁を喰らった僕である。
やれやれ。僕が有鬼子をおばさん扱いしたことなんて一度もない……?あれ?ないよね?うん。ないはずだ。(※真面目な方で忘れてます。ネタではありません)
「ところで男性陣さぁ」
僕らは四人で軽く体操してから移動中である。そんな中、涼香が話を切り出す。
「私たちの水着の感想とかないの?」
あーなるほど。
「雷蔵。任せた~」
「風人が言うんです」
「えぇー」
昨日言ったんだけど……また言うの?
「よし、じゃんけんしようか~」
「風人が負けたら言ってくださいね」
「僕が勝ったら雷蔵が言ってね」
「「最初はグー。じゃんけん。ぽん」」
出されたのは僕と雷蔵がチョキ。誰かの手がグー。つまり、僕と雷蔵の負けだ。…………ん?二人でじゃんけんしたはずなのに……何故に手が三本?一本多くない?
「雷蔵。手二本使うとかずるいよ~」
「僕がそんなことするとでも?僕じゃありませんよ」
「え?」
じゃあ、あと一本の手は一体……
「風人?雷蔵君?」
「涼香さんの勝ちで二人の負けだね」
有無を言わせない空気。まるで、文句を言ったらグーが飛んでくる感じだ。あ、はい。
「とてもお似合いですよ。涼香」
「ありがと。雷蔵君も似合ってるよ」
「恐縮です」
と、先にカップル同士のやり取りが行われる。なるほど~
「とても鬼合いだよ~有鬼子」
「風人君?私のこと鬼だと言いたいのかな?」
「はい」
そんな滅相もないですよ~
「本音と建前が逆だよ?」
「あ、やべっ」
この後、プールに投げ飛ばされました。幸い監視員の人は見てませんでした。よかったです。まる。
「って、何もよくない!」
「そう?あ、風人君も似合ってるよ」
「ありがと~有鬼子も入ったら?」
「分かった」
そうして入る有鬼子。大体深さは1mくらいかな?
「冷たいね」
「そうだね~」
バシャリと水を掛ける。
「きゃっ。やったね」
バシャリと向こうも水をかけようとするが。
「ふぅ。避けるのは造作ないね」
横に身体を移動して避ける。
((あーあ。やっちゃったよこの空気読めないマイペース野郎))
「あれ?今、水の掛け合いをしようとしたんじゃ……」
「僕が一方的にかけて楽しむもん~かけられる必要はないね~」
「へぇ……そう」
再び水をかけようとするが、それを回避。
「何で避けられるの!?」
「ふっ。有鬼子の手の動き、掬われる水の量、パワー、スピード、風向きと風の強さ、僕の動くスピードなどなど全て計算に入れたら造作もないね」
((これを人は才能の無駄遣いと言う))
「なら」
両手ではなく左手だけで振るう。なるほど、これを避けようと動いた時に動いた方向に右手のを振るうつもりかな。でもね、
「これで相殺~!」
バシャリと両手で掬った水を当て相殺。それが一瞬の壁となる間に右手だけで掬う。向こうも壁が消えた瞬間に右手で溜めていたのを振るい当てようとする。が、これも相殺する。
「……絶対当てる」
「……絶対避ける」
僕らの戦いの火蓋が切って落とされた。
((……何だコレ))