暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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ダブルデートの時間 当日 午後

 僕らの戦いは熾烈を極めた。お互いが本気でやるという普通のカップルの水かけや二次元のイメージするウフフキャハハ的なこととは程遠いことをやり、ちょっと泳いでからお昼にしている。

 

「もう~二人ともどこ行ってたのさ~」

「風人たちと一緒に来たって思われたくなかったので泳いでいました」

「え~?何で~?」

「まぁまぁ、二人ともイチャつけたようで」

「……あれをイチャついていたというのかな?」

 

 うーん。お互いが本気で……何か違くね?多分だけど、

 

「と、ここで今回の最大の目的地へ向かうとしましょう!」

 

 突然涼香が声を上げる。……最大の目的地?

 

「雷蔵。何か聞いてる~?」

「いいえ。初耳です」

「有鬼子は~?」

「ううん」

 

 ……ふむ。四人中三人が最大の目的地を知らないのですが。

 

「もう。ノリが悪いなぁ~」

「いや、何処に向かうかわかんなさ過ぎて乗れないというか……」

「大丈夫。風人の空気の読めなさは知ってるから」

「酷いっ!」

「私はお二人に言ってるから。ね?雷蔵君。有希子ちゃん」

「はぁ。まぁ、涼香が何か企んでるようですし付き合うとしますか」

 

 渋々といった感じだ。どうやら本当に知らないらしい。

 

「まぁ、涼香さんがこのデートの発案人ですからついていきますけど……」

 

 ふむふむ。今回は知らないの僕だけパターンはないようだね!

 

「じゃあ、皆付いて来てね……特に風人」

「はぁーい……あ、あっちからおいしそうな……」

「有希子ちゃん手を繋いであげて。デートでしょ?」

「えぇ!?あ、う、うん……」

 

 と、何かいつも通りな気がするけど。あ、いつもは首根っこ掴まれてズルズル引きずられるか。じゃあ違うね!

 

「で、これなに~?スライダー?」

「ふっふっふっ。よくわかったね風人」

 

 いや、誰がどう見てもスライダーじゃん~プール定番の。

 

「でもここのスライダーちょっと普通とは違うんだな~」

 

 普通とは……違う?

 

「えーっと涼香さん。何が違うの?」

「やれやれ、周りを見ても何も気付かないとは」

 

 周り?うーん。よく見ると並んでる人皆男女一組のような……後、何か露骨にハートマークがついてるようなぁ。

 

「雷蔵君答えを」

「ズバリ。カップル専用スライダーですね」

「正解~」

「か、カップル専用スライダー!?」

「ほへぇ~」

 

 なるほど、有鬼子は動揺しているようだけど、何というか……そのまんま過ぎて拍子抜け?

 

「じゃあ、いってらっしゃい~」

「え?風人も行くんだよ」

「え?」

「風人と有希子ちゃんで乗れば解決~」

「あ、そっか~なら解決だね」

 

 確かに。それなら解決だね。

 

「涼香頭いい~」

「褒めないでよ風人。ほら、有希子ちゃんと先乗っていいよ」

「わーい。優しい~」

 

(……あ、涼香さんに逃げ道潰された。しかも風人君一切気付いていない)

 

「なるほど。急にプール行きたいって言ってた目的はこれですか」

「ほうほう。そうだったんだ~」

「まぁ、風人も楽しんでください」

「言われなくとも!」

 

 楽しむに決まってるじゃん~

 

「涼香さん!?こんなこと聞いてないですよ!?」

「え?だって言ってないもん」

「そ、そんなカップル専用のスライダーなんて心の準備が……」

「大丈夫!男性陣がどう思ってるか分かんないけど私も凄い恥ずかしいから!」

「何も大丈夫じゃないですよね!?」

「そういう日もあるよ」

 

 何か女性陣がコソコソ話してるけど、周りの声も合わさって上手く聞きとれないなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あああああぁぁぁぁぁ。凄い恥ずかしかった。穴があったら入りたい……

 

「あー面白かった~」

「そ、そうだね……」

「顔紅いけど焼けた?」

「この短時間で焼けないよ……」

 

 いざ乗ると思ってたのより風人君が更に近くで、しかも長い!コースが長いから楽しむことと色々合わさって……あぁ。でもまぁ、楽しかったのは事実だ。

 

「あ、雷蔵~涼香~終わった?」

「はい。たった今」

「楽しかったよ~……ふーん。そっちも楽しかったようで」

 

 涼香さんが私を見ながらニヤニヤした様子で言ってくる。もう!

 

「そういう涼香さんも楽しかったんでしょ?」

「まぁね」

 

 言われたからこっちもお返し。そういう涼香さんも乗る前より顔が紅くなってるのは私にはバレバレだ。

 

「で、次はどこ行くのですか?涼香さん」

「うーん。特に決めてなかったんだよね……雷蔵君はどこ行きたい?」

「そうですね……風人が何か行きたい場所があるって言ってましたけど」

「うん~そこに行こうよ~」

 

 風人君が行きたい場所かぁ……おそらく普通の流れるプールとかでないのは自明だろう。

 

「ここだよ~」

「え?」

 

 そう言ってやって来たのは飛び込み台。1m、3m、10mの三つが用意されている。何で3の次が10なんだろう?

 

「じゃあ行ってくるね~」

「い、いってらっしゃい」

 

 風人君が小走りで楽しそうに向かったのは10mの飛び込み台。

 

「まぁ、あそこ以外行かないよね……予想通りというか何というか」

「あはは……あ、雷蔵君は行かないの?」

「僕は風人とは違うのでね。ほら見てくださいよ」

 

 指さす先には風人君が並んでいるところ。1mと3mにはある程度の人が並んでいるのに対して10mは数人だ。しかも、

 

「上に行ってから長いよね」

 

 その人たちも上に行ってすぐ飛び込むなんてことはしない。おまけに戻ってくる人までいる始末。

 

「それはそうですよ。10mというと三階建ての建物とかマンションの三、四階が相当します。しかも、人の目線の高さを考えるとざっと11.50mの高さに見えるはずです」

 

 そっか、外から見たら10mでもその上に立つ人にとっては僅かとはいえ自分の目線の高さ分足されているんだ。恐怖はあそこに立った人しか分からないだろうけど怖いに違いない。

 

「まぁ、でも」

 

 そんなこんな言ってると風人君が上がっていった。大丈夫かな……?

 

「風人というバカは躊躇なんてしないでしょうね」

「だよね~」

 

 風人君は説明を聞いてたのか知らないけどちょっとしたら台のところに立ってそのまま……

 

 パチパチパチパチパチパチ

 

 何か、空中で前転みたく何回転かしたりして、着水まで完璧にこなしていた。さっきまでの人たちとは大違いだ。そのせいか見た人は思わず拍手する結果に。

 

「あー面白かった~!もう一回やろ~」

 

 と、走ってもう一回行く風人君。

 

「……ねぇ、篠谷君。涼香さん。風人君って別に飛び込みの選手じゃないですよね?」

「もちろん。それどころか飛び込みをすること自体今回が初めてですよ。恐らく」

 

 ……何だろう。純粋な泳ぎは片岡さんより速いわ野球もホームラン打ったりするわ飛び込みでさながら演技しているように飛ぶわ本当に何者なんだろう?

 

「おー次は後ろ向きに飛ぶみたい」

「えぇっ!?」

 

 さ、さすがにそれは危険じゃ……と思ったら、何か後ろ向きに二回転半して、さらにひねりで回転を加え綺麗に着水。

 

「さすが天才という名の化け物」

 

 風人君曰く、何か前にテレビでやってたのを見て真似したとのこと。いや、真似したでアレが出来るなんて……何というか恐ろしい。まぁ、カッコよくはあったんだけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~楽しかったね。有希子ちゃん」

「そ、そうですね……」

 

 あの後風人君は飛び込みの選手か?と聞かれていたり何かもう大変だった。後、私と涼香さんがトイレ行って戻ってくると朝以上に女性陣が集まっていたり本当に手のかかる。

 

「やっぱ風人は変わってないね。そーいうとこ」

「あはは……」

 

 あれ昔からだったんだ。

 

「でも、有希子ちゃんみたいな人でよかった。風人の御目付け役が。というか、風人が見せた写真と有希子ちゃん。全然違って驚いたよ」

「写真?」

 

 そういえば尾行した時言ってたなぁ。それは去年のしゃし……ん?………………ん?去年の?

 

「そうそう。サバサバした服に化粧に髪まで染めて。ちょっとした不良かと思ったよ」

「あはは……」

「でも、性格は優しそうだし、ちょっとくらい黒い部分がないとやってけないよね~」

 

 そもそもいつ撮ったんだろその写真。今度問い詰めて吐かせようか。いや、一層のこと拷問でもしようか。

 

「ねぇ、有希子ちゃん。風人にいつ告白するの」

「ふえっ!?い、いや、夏休み中に告白できたらいいなぁ~とは思ってるけど……」

 

 この前の尾行の時も言われたけど、確かにこのまま待つだけじゃダメだな~って。

 

「そうだね……来週とか空いてる?」

「来週ですか?最初はクラスで学校の旅行というか合宿があるので無理ですがその後なら」

「じゃあ、その時にお茶しない?それに、ちょっと大事な話があるから」

「大事な話……ですか?」

「うん。あぁ、そこまで気にしなくていいよ。それと、こっちは雷蔵君は誘うけど風人は絶対誘わないでね」

「は、はぁ……」

 

 風人君は誘っちゃダメ?うーん。どういうことだろう。

 と、着替えも終え私たちはプールが出ます。そこから家に帰って一日は終わりましたが……うーん。涼香さんの話が気になる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも、この合宿というか旅行。私たちの誰もが想定しえない事態が起こり、私の頭からこの疑問はどこかへ消えてしまうのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日……

 

「あの~有鬼子さんや。何故僕はまた正座させられているのでしょうか?後、手足も縛られてるのですが……」

「何でだと思う?」

「うーん。あ、有鬼子の趣味」

「一枚(ニッコリ)」

「ぎゃあああ!?重石が膝の上に!?」

「ヒント。写真」

「写真…………?あ、涼香に見せた写真かな~」

「良くわかったね」

「えっへん。というわけで重石をどかしてくれると嬉しいです。いえ、どかしてください。お願いします」

「で?その私の去年の写真……いつ撮ったのかな?」

「うーん……ひ・み・つ♪」

「二枚(#^ω^)」

「ぎゃああああ!?この鬼ぃ!」

「三枚(^_^メ)」

「ぎゃあああああ!?ゆ、有鬼子!今ならこの悪戯も許してあげるのでマジでこの重石をどけてください!いや、本当にお願いします」

「悪戯?何言ってるの?……ただの本気だよ」

「あ……」

 

 その後、僕がどうなったのか……名誉の為に伏せておこう。

 ちなみに、最後は写真を消されました。存在を消されなかっただけまだマシです。

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