暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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今日はバレンタインデーと呼ばれる奴ですね。
まぁ、暗殺教室本編でバレンタインデーの話はやりますので……いつになるか分からないけど。
というわけで、短編を。

『チョコ』

「風人君。はい」
「コレ何~?」
「甘いもの好きでしょ?だからチョコレート」
「わーい。ありがと~」
「どういたしまして。ちなみに手作りだよ」
「て、手作り……?」

(まさか、毒か何か入ってるのか?市販じゃなくて手作りってまさか、本気で僕を殺しに来たのか。ヤバいヤバい。何が入ってるんだ?)

「ちょっと凝って作ったから味わって食べてね」

(凝って作った?それは毒を?それともチョコを?一体何を凝って作ったんだ!?)

「は、はーい。そういえば、誰かと作ったりしたの~?」
「あー奥田さんも一緒に居たよ?後、中村さん」

(その二人はダメな組み合わせだーーーーーー!)










 結局、毒とかそういう系は一切入ってなくて普通に美味しかったです。まる。


島の時間

 今日は待ちに待った旅行。南の島での暗殺の日。今は僕らは暗殺の舞台となる沖縄の離島に向けて船で移動している最中である。

 

「にゅやァ……船はヤバい、船はマジでヤバい。先生、頭の中身が全部まとめて飛び出そうです」

 

 殺せんせーだらしないなぁ。一人デッキにもたれかかっている。あぁでも殺せんせーが乗り物に弱いのはいつものことだ。

 

「あ、起きて起きて、殺せんせー!見えてきたよ!」

 

 水平線を眺めていた倉橋さんが振り向き、ナイフを横薙ぎしつつ殺せんせーを呼んでいる。僕も船の前の方でのんびり海を眺めている。

 

「東京から六時間!」

「殺せんせーを殺す場所だぜ!」

「「「島だぁ!」」」

 

 本当に島があるんだなぁ。さっきから水平線しか見えてなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、島、正式名称普久間島と呼ばれているこの島についた僕らは、サービスのトロピカルジュースを一人ずつホテルのスタッフのおっちゃんに配られ、その後は班ごとに分かれて殺せんせーと遊ぶ……のと同時に暗殺の下準備をしていた。下準備というか、下見というか。

 

「何ですか先生。その模様は」

「日焼けしました。グライダーの先端部分だけ影になっていて」

 

 さっき、磯貝君率いる一班がグライダーに乗って遊んでたっけ?……まさか、一機だけ性能違ったと思ってたけど殺せんせーが操っていたのか。納得納得。

 

「さて、君たち四班はイルカを見るそうですね」

「はい」

 

 僕らの班の面子は、僕、有鬼子、奥田さん、原さん、不破さんだ。修学旅行の時とは変わっている。まぁ、下準備も兼ねているから人数を減らして班数増やした方が賢明だよね?

 ちなみにこの班の役目は主に下見と僕の監視だそうだ。曰く、今回の暗殺は綿密なプランに基づいているから、準備段階で僕に何か面倒事をされては困るとのこと。酷いなぁ。僕でもそんなことしないのに……多分。きっと。おそらく。

 

「でも、船だけど大丈夫ですか?」

「問題ありません」

 

 すると、着替えたのか魚のような服装に……

 

「私は泳いでいくので」

「せんせー!面白そうだから上に乗っていい?」

「ヌルフフフ。いいですよ。落とされないよう気を付けて下さいね」

 

 わーい。

 

「いぇーい!」

「ひゃっほーう!」

 

 と、僕らはイルカと並んで一緒に泳いでる(正確には泳いでるのはせんせーだけ)いやぁ~楽しいね。皆もやればいいのに。

 

「ねぇ、神崎さん。アレは放っておいていいの?」

「う、うん……あそこまでいくと手に負えないからね」

「で、でもお陰で他の班に注意は絶対に向かないと思いますよ!」

「それ、いいように解釈してるだけだよね?」

「それにしても、運動神経高いねぇ。殺せんせーの上で器用にバランス取って」

「あはは……時々人間か怪しくなるよね」

「というか、最初から水着着ていたようだけど殺せんせーに乗る気満々だったの?」

「でも、殺せんせーが泳ぐとは考えてなかったと思うけど……」

「いえ。もしかしたらですけど……イルカを捕まえるつもりだったのでは?」

「「「ありえそうで怖い……」」」

 

 尚、女性陣はこの光景をもうどうしようもないって感じで見ていたことを記す。酷いなぁ。最初はイルカに乗って泳ごうと思ったけどそれが殺せんせーに変わっただけなのに。

 と、遊び終え、陸に到着。殺せんせーは次の班に向かった。

 

「いやぁ~楽しかった~殺せんせーに乗って泳ぐの」

 

((((あれ?イルカ鑑賞が目的じゃなかったっけ?))))

 

「うーん。ちょっと、シャワー浴びてくるね~」

 

 と、僕は走ってシャワー室の方へ向かう。

 

「……確かに。殺せんせーに警戒は必要だけど和光君にも警戒が必要だね」

「そうだね。主に余分なことしないかと言う意味で」

「でも、その辺は弁えてると思いますよ?……多分」

「はぁ。着替え置いていってるし、持ってってあげないと」

 

 後ろで何言ってるかは知らない。けど、いいや~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして各々が殺せんせーにバレないように暗殺の全ての準備を終えた。気付けば日は沈み始めている。

 

「いやぁ、遊んだ遊んだ。おかげで真っ黒に焼けました」

 

 島を満喫した殺せんせーは身体の表面……どころか何故か歯とか目(耳?それとも鼻)まで文字通り真っ黒だった。おかしいな?歯って日焼けするっけ?というか、もうせんせーの表情が読み取れないんだけど。全身真っ黒過ぎだ。日焼けというより誰か火炙りしたんじゃない?

 

「じゃあ殺せんせー、飯の後に暗殺なんで」

「はぁい。まずは船上レストランへ行きましょう」

 

 磯貝君が先導する中、鼻歌交じりの気分浮き浮きな殺せんせーとともに浜辺を後にする。まぁ、これが最後の晩餐。最後の楽しみになる予定だからね。最後くらい楽しんでもらわないと。

 そのまま皆で移動した先は船。まぁ、船上レストランだし、当然だね。

 

「夕飯はこの貸し切り船上レストランで、夜の海を堪能しながらゆっくり食べましょう」

「……なるほどぉ。まずはたっぷりと船に酔わせて戦力を削ごうというわけですか」

「当然です。これも暗殺の基本の一つですから」

 

 まぁ、多少は船酔いさせれば色々と後が楽になる……はずだよね?ね?

 そんな僕らの暗殺に対するまっすぐで貪欲な姿勢に殺せんせーも多分だけど真面目な表情を作って返してくる。

 

「実に正しい。ですがそう上手く行くでしょうかぁ?暗殺を前に気合の乗った先生にとって船酔いなど恐れるに――――」

「「「だから黒いわ!」」」

 

 とうとう殺せんせーの日焼け(もう日焼けってレベルじゃない)に皆からツッコミが入った。もうどっちが顔でどっちが後頭部かも分からない。ダメだこりゃ。

 

「そ、そんなに黒いですか?」

「表情どころか前も後ろも分かんないわ」

「ややこしいからなんとかしてよ」

 

 中村さんと片岡さんの言い分も分かる。普段から全身単一色だけど、せんせーの目と口は何処にあるか把握出来たから顔が分かった。ただ、日焼けでそれらまで黒く塗りつぶされたんだ。よし、色ペンで目と口を書こう。

 

「せんせー。色ペンかして~歯と目と塗るから」

「無理だろ。そもそも殺せんせーに塗っても黒すぎて分かんなくなるだろ」

「えーじゃあ、せんせー文字通り一肌脱いだら~?」

「ヌルフフフフ、それは名案ですね風人君。先生にはそう、脱皮があります。黒い皮を脱ぎ捨てれば……ホラ、元通りの黄色に!」

 

 一瞬にして脱皮した殺せんせー。元のせんせーへと早変わりした。

 

「あ、月一回の脱皮だ」

 

 殺せんせーは脱皮した皮を見せびらかすように掲げて言葉を紡ぐ。

 

「脱皮にはこんな使い方もあるんですよ。本来はヤバい時の奥の手ですが…………あっ」

 

 途中で言葉が途切れた殺せんせー。顔から汗が出始めた。その汗は冷や汗に相当するものだろう。

 

「あああぁぁっ!?」

「あーあ。これでキーカードを一個失ったね……まぬけでしょ~」

 

 殺せんせーは顔を触手で覆って項垂れてしまう。

 うーん。何でこんなドジを僕ら殺せてないんだろう?

 

「というか~よく食うね~せんせー」

 

 エビとかって殻は食べないんだよ?知ってた?でも、殺せんせーには満腹になってもらわないと。満腹になれば警戒も薄れるでしょう。

 

「風人君。分かってるよね?」

「分かってるよ~」

 

 ちなみに、僕は満腹まで食べる気はない。満腹になるとこの後の暗殺に支障が出てしまうからね。

 僕らの最大規模の暗殺。クラス全員でやる総がかりな暗殺ははじめてかな?結果は神のみぞ知る的な……?

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