暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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今日は何の日でしょうか。
答えは風人君の誕生日です。
というわけで、短編を。

『風人の誕生日~星座~』

「そういえば風人君」
「なぁに~?有鬼子」
「風人君の誕生日って2月19日だよね?」
「そ~だよ~」
「でも、2月19日って星座がややこしいって噂で聞いたよ」
「そうなんだよ~魚座って時もあるし水瓶座って時もあるらしいからね~噂では」
「私は魚座で確定だけど、風人君は大変そうだね。見るものによって変わることがありそうで」
「ふふん!でも信じる方を変えればお得だよ~」
「どういうこと?」
「占いで水瓶座と魚座のいい方を信じる!」
「そもそも風人君が占いを信じることにびっくり」
「僕も信じるよ~気分次第で」
「ふーん。あ、誕生日おめでとう。風人君」
「えーっと、どういたしまして?」
「この世界では違うけど現実世界では君の誕生日だからね」
「ほへぇ~」


毒使いの時間

 崖登り。別にいつものようにやっているのでそれほど苦にはならない。

 うちのクラスだと岡野さんが身軽で速い。で、先生は普通に登れるはずなんだけど……

 

「腕疲れてきたわよ!」

 

 ビッチ先生をおぶって殺せんせーを持っているため速度はやや落ちてる。……何でついて来たんだろう?ビッチ先生。

 

「ふぅー到着っと」

 

 そこそこの速さで頂上へ。そのまま陰に隠れて身をひそめる。

 全員が揃ったところで侵入ルートの最終確認。エレベーターは使え無いから相当長い道のりになりそうだ。

 

『通用口解除』

 

 後、電子ロックとかなら簡単にハッキングして開けられる律はヤバいと思いました。

 烏間先生先導の元。僕らは侵入作戦を開始する。なるべく音を立てずにかつ素早く移動していく。

 しかし、侵入早々、僕らは壁にぶつかった。最初の階段を上がりたいが、その階段があるロビーにたくさんの警備員が。あ、もう詰んだ?この作戦?

 

「何よ、普通に通ればいいじゃない」

 

 と、思った時。ビッチ先生から凄い発言が聞こえた。

 

「状況判断も出来ないのかよビッチ先生」

「普通に通れたら苦労しないよ~?」

 

 と、聞いてみたもののビッチ先生の表情は真剣だった。ビッチ先生はロビーに視線を向けて、

 

「だから普通によ」

 

 そのまま正面切って堂々と歩いていった。

 いや、少し語弊があるか。おぼつかない足取り。まるで酔っ払いのように歩いていく。

 表面上は美人で巨乳の部類に入るであろうビッチ先生。警備員は先生の存在に気付いたが、まぁ、鼻の下を伸ばしているね。単純だなぁ。

 そんな中、一人の警備員にぶつかる。

 

「あっ、ごめんなさい。部屋のお酒で悪酔いしちゃって……来週そこでピアノを弾かせて頂く者よ。早入りして観光してたの」

 

 誰?この人。僕の知ってる人?

 すると、ビッチ先生(仮)はロビーの中央付近に置いてあるピアノに向かう。

 

「酔い覚ましついでにね、ピアノの調律をチェックしておきたいの。ちょっとだけ弾かせてもらっていいかしら?」

「えっと……じゃあフロントに確認を――――」

 

 確認にいこうとした警備員を強引に止めるビッチ先生(仮)。強引とは少し違うか。少なくとも、警備員が強引に止められたと思ってないからね。

 

「いいじゃない。貴方たちにも聞いて欲しいの……そして審査して。私のことよく審査して、駄目なとこがあったら叱って下さる?」

 

 そういうと、ピアノを弾き始めるビッチ先生(仮)。へぇーピアノ弾けたんだ。『幻想即興曲』かな?なるほど~。にしても上手いなぁ。演奏だけじゃない。身体の魅せ方もだ。音で聴覚を、魅力で視覚を、この場を完全に支配しようとしている。

 

「ねぇ、そんな遠くで見てないでもっと近くで確かめて」

 

 少し離れた警備員たちもビッチ先生(仮)の下へ。

 

『二十分稼いであげる。行きなさい』

 

 ハンドサインを送ってきた。なるほど、あれはビッチ先生(本物)のようだ。今のうち今のうちっと。

 

「全員無事に突破」

「……凄ぇや、ビッチ先生」

 

 ビッチ先生のお陰でこっちの戦力が減らずに済んだ。よかったよかった。

 

「あぁ、ピアノ弾けるなんて一言も……」

「普段の彼女から甘くみないことだ。優れた殺し屋ほど万に通じる。彼女レベルにもなれば潜入暗殺に役立つ技能くらい何でも身につけているさ。君らに会話術を教えているのは世界でも一・二を争うハニートラップの達人なのだ」

「何か、最後だけ聞くと頭のおかしな人に教わってるみたい~」

 

 あ、でも、実際頭おかしいか。あの人。

 

「ヌルフフフ、私が動けなくても全く心配ないですねぇ」

 

 まぁ、せんせーが動けてたらこんな苦労はなかったのになぁ。

 とは言え潜入ミッションはまだまだ序の口だ。こっからが本番だぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まぁ、烏間先生曰く、ここは悪い客も沢山使ってるから、別にここからは一般客の振りができるらしい。

 

「というわけで、君たちも世の中を舐めたような顔で歩きましょう」

 

 そう言われて皆各々が思っている感じにやる……プフッ。

 

「アハハハハアハハハハ!皆おもしろ……アハハ」

 

 大爆笑。

 

「おい、誰かこいつを制御しろよ」

「無理だって。俺らに扱えるタマじゃねぇ」

「諦められてる!?」

 

 渚が驚いてるけど……プクク。笑いが止まらない。

 

「いえ、これは風人君の立派な演技です。そう言うことにしておきましょう!」

「先生も諦めた!?」

「ですが、向こうも客の振りをして襲ってくるかもしれません。皆さん気は抜かないように」

「「「チーッス」」」

 

 と、まぁ、舐めてる顔を皆やめた。理由?する意義を感じなくなったからだ。だって、ここにいる中学生集団って時点で向こうは勝手にヤバい連中って思ってくれるからね。

 

「ねぇ、誰かさ~これ運ぶの変わって」

「これって……風人君のこと?」

「さっきからすれ違った人についていこうとしてるんだよ」

「面白そうな香りが~」

「ね?なんとかしてよ」

 

 しかし、カルマの呼び掛けには誰も答えてくれなかった。

 

「哀れなり。カルマ」

「お前のせいなんだけど。この役目は俺じゃないでしょ」

 

 それは知らない。

 

「でも、これなら最上階まですんなり行けそうだね」

「仮に何かあっても前衛の烏間先生が見つけてくれるよ」

 

 まぁ、烏間先生が先導して警戒してくれていることも僕らがこういう茶番を繰り広げるほど余裕を持てている理由の一つであろう。先生が油断するとは思えないし、多分何とかなるでしょ。

 

「へっ、楽勝じゃねーか。時間ねーんだからさっさと進もうぜ」

 

 しかしここまで潜入が何事もなさすぎたのか、三階の中広間に到達したところで寺坂と吉田君の二人が先を急いで烏間先生を追い抜かしていってしまう。

 そして向こうからは普通のホテルの客…………ん?客?

 

「下がれ!二人とも!」

「寺坂君!そいつ危ない!」

 

 声にいち早く反応したのは烏間先生。烏間先生が二人を後ろに下げる。しかし、向こうはこっちが声を出したのとほぼ同時くらいにガスを噴射させた。烏間先生は視界が悪い中、男の持つガスの噴射機?みたいなのを蹴り落とし二人は一旦距離を取る。

 

「……何故分かった?殺気を見せずすれ違い様に殺る。俺の十八番だったんだがな、おかっぱちゃんに……その……なんだ。何でか首根っこ掴まれて連れてこられてるそこの奴」

「誰~?そんな首根っこ掴まれて行動している人って~」

「「「お前だよ!」」」

 

 あ、僕か。

 

「和光君はおいといて、おじさん。ホテルで最初にサービスドリンクを配った人でしょ?」

 

 ……あ、言われてみればそんな気がしなくもない。

 

「だからどうした?そんなの俺以外にも毒を盛る機会はあったはずだぞ?証拠が弱いんじゃないか?」

「皆が感染したのは飲食物に入ったウイルスから、そう竹林君が言ってたの。クラス全員が同じものを口にしたのはあのドリンクと船上でのディナーだけ。だけどディナーを食べずに映像編集をしていた三村君、岡島君も感染したことから感染源は昼間のドリンクに限られる。従って犯人は貴方よ、おじさん君!」

 

 や、やべぇ。不破さんが凄い楽しそうだ。さすが漫画好き。こういう状況が楽しいんだろうね。

 

「そっちの頭おかしそうな坊主も同じ理由か?」

 

(((一瞬で見抜かれた……!?)))

 

「なわけないよ~」

 

(まさか、コイツ。俺から漏れていたであろう本当に僅かな殺気を感じ取ったというの――)

 

「僕は言ってみたかっただけだよ!何と言うかそう!楽しいことになりそうだったから!」

 

 ふふん。どや。

 

「………………は?」

「テメェ風人!人違いだったらどうするつもりだったんだよ!」

「え?ごめんなさーいって謝れば解決だよ~」

「しねぇよ!バカかオメェは!」

「そうだよ風人。バカの寺坂ですらそんなこと分かるのに」

「テメェはちゃっかりバカ扱いすんじゃねぇよカルマ!」

「そうだそうだ!寺坂と同レベルとか納得しないよ!」

「こっちも願い下げだわ!」

 

 向こうが唖然とし、こっちがぎゃーぎゃー騒ぐ中、烏間先生が膝をつく。

 

「ま、まぁ、俺の正体が知れたところで手遅れなんだがな」

「毒物使い、ですか。しかも実用性に優れている」

「俺特製の室内用麻酔ガスだ。一瞬でも吸えば象すらオとすし、外気に触れればすぐ分解して証拠も残らん」

「おぉー!画期的だね!おじさんおじさん!それいくらで売ってるの?」

「売ってねぇよ!」

「じゃあ100円あげるから……ね?ね?」

「ね?じゃねぇよ!誰があげるか!」

 

 ちぇーっ。あ、もしかして、このおじさんがあのウイルス作ったのかなぁ?

 

「はぁ。さて、お前たちに取り引きの意思がないことはよく分かった。交渉決裂。ボスに報告するとするか」

 

 引き返そうと振り向くと、そこには、数人のクラスメートが道を塞いでいた。

 

「ダメだよおじさん。話に気をとられ過ぎて数人しか注目してなかったでしょ?」

 

 ちなみに僕は烏間先生の近くから動いていない。この人が殺られると詰みだからね。

 

(ッチ。このガキ、まさかさっきまでの阿呆みたいな会話は全て別動隊を悟らせないためのフェイクか!)※全然違います

 

 烏間先生から言われたことをしっかり思い出して、行動に移す。大切だねやっぱり。

 

「敵と遭遇した場合、退路を即座に塞ぎ連絡を絶つ。既に指示は済ませてある。お前は我々を見た瞬間、攻撃せず報告に帰るべきだったな」

 

 そう言うと烏間先生が立ち上がる。あれ?象でも一瞬でなんとかって言ってなかったっけ?

 

「……フン、まだ喋れるとは驚きだ。だが所詮はガキの集まり……お前が死ねば統制が取れずに逃げ出すだろうさ」

 

 次の瞬間。烏間先生にトドメを刺そうと動いたおじさんの顔面に膝蹴りを喰らわす先生。これが、烏間先生の本気の蹴り……いや、ガス浴びてたから本調子じゃないだろうけど、それにしてもえげつない。

 しかし、自分は膝蹴りをした後、意識が保てないのか自分も倒れてしまう。

 

「烏間先生!」

 

 僕らはおじさんを倒した。しかし、代償に最強戦力である烏間先生がやられた……まだ先は長いのに。

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