暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
ズバリ我らがヒロイン神崎さんの誕生日です。
では、短編から。
『有鬼子の誕生日』
「有鬼子~」
「どうしたの?風人君」
「誕生日おめでと~」
「ふふっ。ありがと。覚えてくれてたんだね」
「まぁね~覚えやすいし」
「3月3日。ひな祭りだしね」
「何かして欲しいことある~?」
「うーん。じゃあ、たっぷり甘えさせて」
「いーよ~」
「ありがと……あー風人君の温もり……落ち着くなぁ」
「よしよし」
「あー……このまま私が独占したいなぁ……」
「うんうん」
「あー……風人君に私以外の人なんていらないよね……」
「……ん?」
「あー……このまま何処か静かなところに連れ込んでに閉じ込めて一生……」
この後風人に悪寒が走ったのは言うまでもない。
これは少し先の未来の話……こんな未来になるかどうかは二人次第……。
というわけで本編をどうぞ。
烏間先生が不眠不休で殺せんせーを閉じ込めて暗殺しようとしたが失敗に終わった。まぁ、そういうこともあるさぁ~。え?カルマとの喧嘩?結果は聞かないでね♪
「皆さん。集まりましたねぇ」
触手が復活した殺せんせーから洞窟の前に集合するよう言われた僕ら。何やるんだろう?
「で?何やんのさ。こんな場所で」
「夏の夜といえばそう!暗殺肝試しです!」
うわぁ。絶対自分がやりたいだけだ。
「って、暗殺肝試し?」
「そう。お化け役は先生がやります。お化けを殺してオッケーです」
あーそういうこと。
「場所はここです。出口まで男女ペアで抜けて下さい」
「せんせー。ペアってどうやって決めるの?」
「ヌルフフフ。それは皆さんにお任せします。では」
そう言うと、洞窟に入ってく殺せんせー。
僕らはこの時知らなかった。
せんせーの肝試しの真の目的を。
「でも、ペアってどうやって決める?」
うちのクラスは律を含めても女子は13人。男子は15人とどこかで男子同士のペアが出来るはず。
「とりあえず、渚ちゃんか風子ちゃん加えれば男女一緒の数になるんじゃない?」
「「ならないよ!」」
カルマめ。楽しんでやがるな。
「何にせよ。神崎ちゃんと和光のペアは決定だね」
「だね。後はどうする?」
「あれ~?何か一瞬で決まった~?」
「「「誰もアンタの御守りは出来ないから」」」
酷い言われようだ。
(((…………というのもあるけど、ここで神崎さんと和光をくっつけよう)))
僕は知らなかった。女子たちにゲスな考えがあることを。
「まぁいーや~よろしくね~有鬼子」
「うん。よろしく」
(何か皆の見る目がなぁ……)
で、いろいろあってペアは決まったみたい。過程や詳細、結果も省くけど、まぁいいよね?
「有鬼子ってこういうの平気~?」
「多分大丈夫かな。ホラーゲームもある程度大丈夫だし……」
そこホラーゲームで例える辺りゲーマーだね。うん。
すると、三味線の音が聞こえてくる。そして現れる殺せんせー。
「ここは血塗られた悲劇の洞く――」
「やー」
「にゅや!?全部言わせてくださいよ風人君!」
ッチ。ナイフ投げたのに当たらなかった。
「しょうがないなぁ~どうぞ」
「……コホン。ここは血塗られた悲劇の洞窟」
ふぁああああ。長い。
「決して二人離れぬよう……一人になればさまよえる魂にとり殺されます」
背後に急に現れ囁くように語る殺せんせー。
「きゃぁっ!」
「ふんっ」
急に背後に現れてびっくりしたのか腕に抱きついてくる有鬼子。僕は抱き着かれてない方の手で背後にナイフで刺そうとする……っち。外した。
「意外に怖がり~?」
「ち、違うよ。ちょっと驚いただけで……」
「ふーん。じゃあ、行こうか~。先へ」
「うん。……あ、このまま進んでもいい?」
「いーよ」
「ありがと」
少し進んで先にあるもので何となく思った。
「ねぇ、有鬼子。せんせー下らないこと考えてるって思うの僕だけかな~?」
「多分違うよ……」
そこには琉球伝統のカップルベンチとかで、一分間座らないと開かないらしい。何だそりゃ。
「まぁいいか~」
力づくでこじ開けてもいいけど、面倒だし。疲れるし。
「あ、そうだ~。有鬼子」
「何?風人君」
「ありがとね~。怪我すると思って手当用の道具持ってきてくれて~」
「いいよ。こんなことになるとは思わなかったけど、役に立てて良かった」
「ねぇ、有鬼子」
「何?風人君」
(ヌルフフフ。さすがうちのクラスのカップル候補の本命です。あの二人が一番色んな意味で進展していますからね、私が説明しなくても狙いが分かってくれてます。……どれ、ライトでも消して暗闇を演出してみるのも――)
僕は有鬼子の耳の後ろから顎にかけて触り、
「キスしよっか」
「……え?」
僕はそのまま有鬼子に口づけしようと近づき――
(にゅやぁぁぁあ!き、来ましたよ!私の待ち望んでいた光景が!誰も見ていない洞窟で積極的になってくれましたよ!風人君から行くのは予想外でしたがそれでもアリです!さぁ、早く続きを……!)
パンッ
「風人君!期待させといて銃で撃つとは酷すぎませんか!」
「ちぇー当たると思ったのに~」
「おっと、次のペアに行かないと。では失礼!」
ヒューっと飛んでいくタコ。こういう系が好きなタコならそのまま殺せると思ったのになぁ。ばれないように撃ったはずなのに、残念。次の機会に殺ろうか。
「風人君?」
「あ、はい。何でしょう~」
「正座」
「はい?」
「正座」
「……はい」
どうやらまた怒らせたようだ。耳まで真っ赤にしてる。そうだね。うん。急に顔を触ってきてキスしようとか言われたもんね。そりゃ怒るよね。
「ごめんなさい。作戦とは言え反省してます」
最近僕は謝ることを覚えたと思う。だって、有鬼子に勝てないもん。
「はぁ……せっかく風人君が積極的になったと思って期待したのに」
積極的?暗殺にってことかな?
「いい風人君?期待させて落とすのはダメだよ」
「は、はぁ……でも戦術的には」
「女子にはそういうことをしちゃダメだよ?分かった?」
ふむ。戦術的にはそういうことをしちゃダメと。……でも、殺せんせーって男だよね?
「扉が開いたみたい。次のペアに見られる前に行こ?」
「はーい」
ふむ。どうにも有鬼子の考えは読めないなぁ。
「そういえば、肝試しって言うのに全然怖くないね~」
「最初ぐらいだよね。怖いの」
「ほんとだよ~これなら怒った有鬼子の方が怖っ…………あ」
振り返るとそこには……!
「風人君?正座」
「……いやぁ、その僕は」
「正座」
「……はい」
おかしい。何故事実を言っただけで正座させられているのだろうか。あと、有鬼子。暗闇も相まって怖い怖い。ライトがいい感じに下から照らして凄い怖いです。
「にゅややあああああぁぁぁぁぁっ!化け物でたぁぁぁぁあああああ!」
「ゆ、有鬼子。ほら、
「風人君?まだダーメ(ニコッ)」
ひぃぃ。やっぱこえぇぇ。
「ひぇぇぇ目がないぃぃっ!?あぁぁぁ!何かヌルヌルに触れられたぁぁぁ!?」
「ほ、ほら、目が曖昧でヌルヌルな化け物が驚いてるよ?早く出よ?」
「………………」
無言の圧力こえぇぇ!……というか、殺せんせーこっちに来てない?
「ぎゃぁぁぁ!ミイラ男ぉ!?と思ったら近くに鬼……じゃなくて日本人形!?」
一瞬でどっか行った殺せんせー。
「プクク。鬼って言われてる……プクク」
僕は腹を抱え、頭を地面に付け、地面に拳を叩きつけて大笑いしてる。ヤバい。ツボに入った。有鬼子が鬼……プクク。そのまんまだけど……プクク。
「殺すよ?風人君」
真顔で言われて、その上、後頭部を踏みにじられています。痛いです。気付けば笑いも何処かに消えました。
「あ、あの、凄い痛いです……」
「そう?だから?」
「やめていただけると……」
「で?」
後から来たペアが触らぬ神(崎さん)に祟りなしって感じでスルーする中、磯貝君と片岡さんの二人が有鬼子を何とか抑えて事なきを得ました。
巷では僕のことをドSだというが、はっきり言って有鬼子も十分Sだと思う。だが、これは断言しよう。僕はMではない……と。
洞窟の出口。E組生徒全員に囲まれているせんせーに前原が問いかけた。
「で……要するに怖がらせてつり橋効果を狙ってカップル成立を狙ってたと。せんせーは」
「はい……」
「結果を急ぎすぎなんだよせんせー。怖がらせる前にくっつかせようとするから狙いがバレバレ。それがダメだったんだよ」
その辛辣な?言葉にせんせーは涙を流しながら叫んだ。
「仕方ないでしょう!だって、見たかったんですよ!手をつないで照れる2人を見てニヤニヤしたいじゃないですか!不純異性交遊はダメですとか言いたいじゃないですか!しかも、キスシーンを見られると思ったらただ先生を釣るための餌だったとか酷くないですか!」
「泣きギレ入った」
「ゲスい大人だ」
「というか、誰かキスシーンを見せようとしたんだね」
「暗殺のためとはいえよくやるなぁ」
(((まぁ、誰がやったかは大体想像つくが……ついでに結果も)))
すると、ここで
「そーいうのは突っつかない方がいいよせんせー。うちらくらいだとあんまり色恋沙汰につっつかれるのが嫌な子も多いんだからさ。皆が皆、ゲスいんじゃないからさ」
「一番ゲスそうな人がなんか言ってる~」
僕が言った瞬間、確かにと頷く数名。
「よし、今和光の意見に確かにとか思ったやつ。一発ずつしばいてやるから前に出な」
「うう……分かりました」
「よし、まずは殺せんせーからだね」
「にゅや!?何の話ですか!?」
と、ゲスの中村さんがしばこうとした時、洞窟の出口から最後の組が出てきた。
「何よ!肝試しって言うのに結局なにも出なかったじゃない!くっついて歩いて損したわ!」
「だから言ったろうが……徹夜明けにはいいお荷物だ」
「うるさいわよ!男でしょ!こんな美女といるのよ。しっかりエスコートしなさいよ!」
「ふう……」
溜息を吐く烏間先生とそれに対して喚くビッチ先生がこっちを見る。すると、ビッチ先生はそそくさと烏間先生から離れていく。
その姿を見て、岡島は呟いた。
「なあ……ビッチ先生ってさ」
「ああ」
「うん……」
「だよねぇ」
「どうする?明日の朝帰るまで時間あるし……」
「そりゃ決まってんじゃん」
(((くっつけちゃいますか)))
結局、皆ゲスかったと思うのは僕だけだろうか。