暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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収穫の時間

 イトナ君も加入してすぐの休日。僕は涼香と出掛けていた。

 

「「おじゃまします」」

「いらっしゃい。二人とも」

 

 と言うのも出掛けていたってほどの話でもなく、千影の家に来ていただけだ。だけというか何というか……。

 

「ごめんなさいね。呼び出しちゃって」

「いえいえ。私たちは大丈夫ですよ」

「何かあったんですか~?」

「俺から説明する」

 

 と、ここで現れたのは、

 

「俊昭さん……」

「風人君。ついてきたまえ」

 

 千影のお父さんこと和泉俊昭(としあき)さんだ。あ、ちなみに今更だけど千影のお母さんの方は和泉千秋(ちあき)さんだ。

 僕は立ち上がって俊昭さんについて行く。

 

「なんか進展があったんですか~?」

 

 ちなみにだがこの人は警察官。それも事件捜査にも上から関わっちゃってる系の人である。

 

「いいや。千影の方は何も変わらない」

「……そうですか~」

 

 僕は千影のことが事故ではなく事件と疑い始めたとき、警察官である千影のお父さんに話をしていた。半信半疑とまでは行かないが俊昭さんの中にもしこりのようなものがあったらしく、調べてもらっている。

 だが、事件……というか千影の件はあのドライバーがやったということで表面上は決着がついてる。その状態は今でも変わってない。何も覆せるだけのモノがないからだ。

 

「ただ、気になることが分かった」

「気になることですか……?」

「分かったというより俺の些細な違和感だけなんだがな。ここ数年。この市内だけで何人もの小学生から高校生が殺されている」

「はぁ~……」

「そしてそれらのすべては犯人が捕まってる……が、どうにもおかしい」

「…………?」

 

 どういうこと?

 

「いや、おかしいというのは不正確だな。君の話を聞いたうえだと何か違和感が残るんだ」

「僕の話ですか~?」 

「犯人は全員否認しているんだよ。いや、正確には否認じゃないか。千影の時みたいに全員が自分のせいじゃないって言ってるんだ」

「えーっと……え?全員がですか?」

「確かに犯人であっても自身の犯行を否定する者もいる。それ自体は普通だ。だが、犯人の中には自供したり認める者もいる」

 

 それっておかしくない?

 

「何で全員が自分のせいじゃないって言っているんですか?」

「千影の事件の時は急に千影が飛び出したからというのがドライバーの意見だった。君は近くに人がいたと言ったが痕跡がなかった」

 

 その通りだ。あくまで近くに人がいたと言うのは僕のみが言っている。他の人は言ってない。

 

「似たような事故で1年前。この市内である中学生がひき逃げにより殺されている。ひき逃げ犯は捕まえたがそこでの供述に『その子が隣の男に急に前に押し出された。ブレーキをかけても間に合わず激突。死なせてしまった。怖くてその場を逃げた』とある。こちらとしてはそんな男がいたという証拠は得られず、犯人がひき逃げをしたという事実は変わらなかったから何ともしていないが……」

 

 なるほど……。直感だが真犯人が関わっていやがるな。

 

「他にも『自分は罪を着せられた』みたいな発言は多い。むしろ、ここで起きている事件はそんな犯人しかいない」

 

 なんだよそれ。自分は手を下さずかよ。

 

「それに加えてこの市で、ここ数年自殺者も多い」

「自殺者も……?」

「原因の大半はいじめ。後は君のような親しいものの死によるものもある」

 

 なんだよそれ……この市で人死にすぎかよ……。

 

「後、気がかりなのは行方不明だな」

「…………え?誘拐じゃなくて?」

「ああ。突如消えた生徒たち……。何人かが消え今も見つかっていない。君や涼香たちの同級生だった人も何人かいたな。犯人がいるかは分からんが向こうからのコンタクトは一切なし。誘拐かは分からないが、誘拐にしようにも状況が不可解過ぎる」

 

 殺人に自殺者に行方不明。なんでもありかよ。てか、物騒すぎるだろここ。実はここは米〇町と同じくらいの頻度で事件が起きているのでは?身体は子供頭脳は大人の名探偵(死神)がいるんじゃないか?

 

「だから和光風人君。君も気をつけた方がいい」

「え?僕ですか~?」

「もし君の予想通り黒幕がいた時、君は充分標的になりうる存在だ。もちろん、年齢的にというのもあるがそれに加え、君はこちらが解決したものを深掘りして黒幕を追い求めようとしている。もしそのことが知られようのものなら黒幕側は君を早急に標的にし、命を狙ってくるだろう」

 

 僕にはこの忠告が嫌に頭に残った。そんな気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、俊昭さんと何話してたの?」

「この市は物騒だね~って話」

「そう」

「涼香は?千秋さんとなに話してたの?」

「後、一ヶ月ぐらいでしょ?」

「…………ああ、そういうこと」

 

 すべて言わなくても察した。

 

「あ、竹原先生だ」

「あぁ。涼香さんに風人君か。こんにちは。久しぶりだね。風人君」

「そうですね~何してるんですか~?」

「ははっ。見ての通り買い物だよ」

 

 目の前の男……竹原先生は両手に抱えたスーパーの袋を掲げる。ちなみにフルネームは忘れた。だって、下の名前で呼ばれているとこ見たことないもん。

 

「今日は甥っ子たちが来ていてね。ちょっと食材とかが足りなくて」

「へぇ~」

「君は相変わらずだね……」

 

 この人とは割と長い付き合いになる。記憶が正しければ小四の時に僕らが通っていた小学校に赴任してきて、中学も僕らが上がると同時に上がってきてのなんだかんだで五年ちょい。まぁ、担任になったのは小五、中一、中三と地味に多い。しかもきれいに一年おき。なんだろう?オリンピックの短い版?あ、ワールドカップかな?

 

「ああそうだ。風人君も気をつけるんだよ?この辺は物騒だからね」

「分かってますよ~竹原先生」

「本当に分かってるかい?全く、君という子は危なっかしいんだから……」

 

 この人は割と面倒見がいい。僕のような生徒にも普通に関わってくるし、転校して縁が切れたはずなのにこうして普通に話しかけ心配までしてくれる。どっかの教師バカを思い出すよ。

 まぁ、教師になって六年。三十行かないくらいのおっさんだし、この方針が固まってきたんだろう。

 

「じゃあ僕はこれで」

 

 そうして去って行く先生。

 

「あの人変わってないね~」

「まぁね。今は私たちの担任でもあるけど、風人君が転校して行った後も特に何もないよ」

 

 そっか、僕の担任(ただし一ヶ月にも満たない)だったから現涼香と雷蔵の担任か。

 

「さあって……帰ろ~」

 

 僕は涼香を送り届けるとのんびり家に向かった。

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