暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
この日。E組男子は集められて体育祭に関する衝撃の事を聞いた。
「棒倒しをやるの~?」
夏前の球技大会でもあったがE組は一クラス余るという素適な理由でクラス単位のそういう団体戦と呼ばれるものには通常枠では出場できないのだ。
じゃあなんでそんなE組が棒倒しをやることになったのか?それは昨日、磯貝君のバイト先に浅野君と金魚の糞たちが襲来。磯貝君に棒倒しでE組がA組に勝ったらバイトのことを見逃してやるよと言ったそうだ。ちなみに、うちの学校はバイト禁止だが、磯貝君の場合は家庭の事情とか諸々で仕方ないと想う。特例を認めても……って、この学校が認める訳がないか。
「そうだな」
「ただ、A組男子は28人。対してE組は16人。まず数の上では完全に不公平だね」
棒倒しは男子参加の競技。二倍までいってないけど結構な人数差である。A組がこっちに人数を合わせてくれる……なんて優しいことするくらいならこんなことにはなってないか。
「はぁ……俺らに赤っ恥かかせようとする魂胆が丸見えだぜ」
「もし、負けたら磯貝はまたペナルティー。下手すりゃ退学になりかねない。どーすんだよ?」
と、ここで黙っていた磯貝君が動き出す。
「いや……やる必要はないよ……みんな。浅野のことだ。何されるか分かったもんじゃない。それに、これは俺が播いた種だ、責任は全部俺が持つ。退学上等!暗殺なんて校舎の外からでも出来るしな!」
その言葉に僕らは思った。
「「「いけてねぇわ!全然!」」」
とりあえず全員が手近にあったものを磯貝君に投げつける。カルマは何故か生わさびのチューブを投げつけていた。いや、常備なの?それ。ちなみに僕は手錠だ。
「何!自分に酔ってんだ!」
「このアホ毛貧乏!」
「アホ毛貧乏!?」
と一通り物も投げつけ、ついでに新しいコードネームも決まったところで女たらしクソ野郎がアホ毛貧乏に近づいた。
「難しく考えんなよ。磯貝」
「前原」
すると、前原は磯貝君の前に対殺せんせー用のナイフをタンっ!と音を立てて置いた。
「A組のガリ勉どもに棒倒しで勝てばいいんだろ?」
「むしろバイトがばれてラッキーだったね」
「日頃の恨みをまとめて返すチャンスじゃねぇか」
「倒すどころかへし折ってやろうぜ」
「あはは~皆の前で恥かかせてあげようよ~」
「なぁ?イケメン」
僕らE組男子は前原のおいたナイフに手を添えていく。皆の心は一つ。リーダーがやられて黙っていられるほど僕らのクラスは大人しくない。
「お前ら……よし。やろうか!」
「「「おう!」」」
そういえば僕って棒倒しやるの初めてなんだよね~くぅううう。凄い面白そう!
そしていろいろあったけど体育祭当日。
とりあえず、個人競技系はほぼ全員参加と選抜者の参加があるので、まぁ、多少出番はあるけど他のクラスみたいに団体種目に出ないのできつくはない。ちなみにほぼ全員参加というのは、人数の関係上全員ではないがそれでもほぼ全員が参加する種目のことである。
「100m走か~ありがちだね~」
とりあえず僕の最初の種目は100m走。何故か最後に走らされる組にいる。皆の様子だと、木村君は一番だったけど他の人たちは一緒に陸上部とかが走ることになるとどうしても陸上部には勝てない。普段から走ったりしてるけどやっぱり短距離のエキスパートには勝てないようだ。ちなみに100mって短距離なの?
「和光風人か」
「やっほ~浅野君~」
で、運が悪いことに一緒に走る中には浅野君がいるんだよね~あはは~
「君たちは棒倒しで正式に叩き潰してあげるよ」
「あはは~君たちが潰されないといいけどね~」
「ふん。まぁいい」
と僕らはそれぞれスタート位置に立つ。みんなはやそーだなぁー
『位置について……よーい!ドン!』
スタートのピストルとともにスタートダッシュを決める。ふははははっ。こっちはよく(リアル)鬼ごっこをして鍛えられてるんだよ。今さら君たちに負けるとでも思うのかい?
「おぉぉぉぉ!風人君いいですよ!こっちに笑顔を一つ!」
「いぇーい!」
「そうです!最高ですよ!」
(((アイツ余裕そうだなぁ……)))
と何事もなく一番乗り。え?カメラに視線を向けて転べって?いや、芸人じゃあるまいし。
続いてはパン食い競争。僕は出ません。おいしそーだなぁ。
「やっぱり原さんじゃ……」
今走ってるのは原さん。他の人たちが既にパン食べようともがく中彼女はまだパンのあるゾーンに到達してない。足が他の人たちに比べて遅いのだ。
これはダメかと思ったが、何と原さん。パンのあるゾーンに到達すると一瞬でパンをくわえ……
「飲み物よパンは」
パンを食べるゾーンで一瞬で食し、ゴールした。
(((かっけぇ……!)))
続いての競技は男女混合二人三脚。男女一組の二人三脚でうちからも何組かエントリーしている。で、多くの人が予想がついているかもしれないこの競技。はい。僕と有鬼子で組んでエントリーしています。
「練習したことないけど…………大丈夫かな?」
ちなみに一切練習をしていません。いやねぇ。棒倒しがメインで他の競技のこと忘れてました。あはは~つまり、ぶっつけ本番。
「大丈夫だよ~」
「風人君。多分私が足をひっぱちゃうことになると思うけど…………」
「あはは~合わせるから全力で走っていいよ~」
「分かった。離さないからね。風人君のこと」
「はーい」
そういうと僕の腰に手を回して、くっついてくる有鬼子。あれ?さっき前原がペアの岡野さんの腰に手を回してセクハラって走ってる最中に叩かれていたけど。そんなことやりながらも普通に一番だったけど。
「僕はどこに手を回せばいいのだろう~?」
いやねぇ。隣に鬼がいたら逃げたくなるし、もう足繋いだからそもそも逃げられずに殺される。死なないためにはどうすればいいのだろう?
「どこでもいいよ?」
「じゃあお言葉に甘えて~」
僕も腰というかそのちょっと上の横っ腹というべきかそこに手を回す。いや、高さ的にちょうど良いし、ここなら誤って胸に手がなんて事態は起こらないだろう。
『よーい……ドン!』
スタートダッシュから息が合っていたと思う。まぁ、僕が完全に合わせている状況だが、有鬼子に僕に合わせてというのも酷過ぎる話だろう。
「すげぇ。なんだあの二人」
「普段からは想像もつかないね……」
「風人がしっかり合わせている……」
「うまいこと風人を制御している……」
「凄いなあのバカップル……」
「ヌルフフフ。流石としかいいようがありませんね」
結論から言うと一番でした。わぁーい。
「お疲れ様」
「有鬼子こそ~お疲れ~」
「頑張ってね。棒倒し」
「うん~」
そして、いよいよ僕らの戦いが始まろうとしていた。
一個前の種目綱引きではなんと、A組が開始と同時に相対したクラスを全員
今日に至るまで糸成Ⅱ号で情報を仕入れてはいたが、その展開に持って行ったのは浅野君が呼んだ四人の外国人助っ人。学校側としては研修留学生ということになっている彼らは圧倒的体格とパワーの持ち主たち。
「すごいね~」
「へぇ。びびった?」
隣にいるカルマとのんきに話している。
「ううん~だって怒った有鬼子の方が怖いもん~」
あんなのと比較にならない。うんうん。あれはヤバいよ。
「ま、奴らの狙いは分かってるからね」
そう彼らの狙いは勝利ではない。偵察の中で彼らの……いや、浅野君の目的は『僕らを徹底的に痛めつけ中間テストには影響を出させること』悲しいことにスポーツマンシップという言葉を彼は知らないらしい。
「我らがリーダーについて行けば問題ないでしょ」
「だね~」
と磯貝君の方を見る。
「よぉし!いつも通り殺る気で行くぞ!」
「「「おぉっ!」」」
こうしてエキシビションマッチ。棒倒しはスタートするのだった。
A組VSE組。勝つのはどちらか。