暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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時系列は高校生で放課後の帰り道だと思ってください。

『ハロウィン』

「とりっくおあとりーと」
「どうしたの風人君?」
「ふふん!今日はハロウィンだよ!だからとりっくおあとりーと!」
「なるほど。まぁ、そう言うと思って準備はしておいたよ。はい」
「わぁ~い」
「へぇ。たくさんもらったんだね」
「うん~皆くれたんだよ~」

(それって子供扱いされてるんじゃ……)

「あれ?仮装はしなくていいの?」
「今日は学校だったから~さすがに仮装しては行けないよ~」
「常識があってよかった……」
「まぁ、有鬼子のように日頃から仮装はしてないです」
「私が日頃から仮装?」
「そうそう~有鬼子の本性は廃人鬼畜ゲーマーなのに学校では優等生の仮面を被って……」
「…………(´ω`#)」
「…………(´・ω・`;) 」
「風人君?」
「…………なんでしょう」
DEATH or DIE?
「……………………ごめんなさい」

(笑顔で言われても怖いけど真顔で言われても怖い……なんでこんなにうちの彼女は怖いんだ……!)

「はぁ。冗談だよ」

(絶対嘘だぁ……!)

「Trick or treat」
「へ?」
「Trick or treat」
「え、えーっと、貰ったお菓子なら……」
「つまり、風人君自身はお菓子を用意していないんだね(⌒-⌒)」

(嫌な予感……)

「じゃあ、たっぷりいたずらしてあげるからね……ふふっ」
「ちょ、それは何かがおかし……んんっ!?」












 この後風人の身にどんないたずらがされたかはご想像にお任せするとしよう。


あふたーの時間

 あれから気付けば二週間が経ちました。

 最初は険悪(というよりも有鬼子の誤解)だったあおいちゃんと有鬼子も普通に仲良くなり、僕はあおいちゃんに勉強を教えながらご飯を作りながら年少組の相手をしていました。あれ?意外に働き過ぎじゃない?僕。

 

「何じゃこりゃぁぁあ!」

 

 とここでおじいさんの驚く声が聞こえる。なるほど。あの人が松方さんか。

 

『E組の裏山から間伐した木と廃材を集めて作られた木造住宅。窮屈で貧弱だった保育施設は広くて頑丈な多目的空間に』

 

 あれ?何か聞こえる気がする。ナレーションか。

 

「なんと……たった2週間で……」

 

 想像以上の出来栄えに思わず呟くおじいさん。ここの従業員は少し前のことを思い出しながら言った。

 

「まるで鳶職人みたいでしたよ。休まず機敏に飛び回っていたので」

 

 ちなみに僕は建築には一切関わっていない。さすがに建築までしたら(物理的に)身体が足りないです。最近、ちょっとお疲れ気味なのに……。

 

「それじゃ次は二階を案内しますね」

 

 磯貝君の誘導で僕らは階段を上る。二階の部屋は大きく二部屋に分かれていた。

 

「時間と資材が限られていたので単純な構造にしました」

「後、近所を回って読まなくなった子ども向けの本をもらってきたんです」

 

 片方は図書室みたいな場所。うん。すごいいい感じだと思う。

 で、もう片方の部屋に目を向けると中は室内遊技場となっており、現在進行形で子どもたちが元気よく遊んでいる。

 

『ネットやマットを入念に敷き安全性を確保。雨に濡れない室内なので腐食や錆で道具が脆くなることもありません』

 

(こいつら……)

 

「最後に職員室兼ガレージへ案内します」

「………ガレージじゃと?」

 

 そう言って一階のとある一室に案内する。すると、そこにはあの日壊れて見るも無惨だったおじいさんの自転車がイトナ君と吉田の手によって改ぞ……改良され電動三輪自転車となっていた。

  

『上の部屋の回転遊具が三輪自転車の充電器と繋がっています。走行分の大半は遊具をこげばまかなえる計算です』

「つまり子どもたちがたくさん遊ぶほど園長先生が助かる仕組みってわけだね~」

 

 ほんと、気付いたら色んなものができていてびっくりだよ~

 

「う……上手く出来すぎとる!お前らの手際が良すぎて逆にちょっと気持ちも悪い!」

 

 叫んだ松方おじいさん。少し息を荒げると、自転車のであるものに気付く。

 

「な、なんじゃこれは!?」

「おじーさんの古い入れ歯を再利用した自転車ベルだよ~あ、ちなみに僕が考えたよ?」 

「そんな匠の気遣いいらんし!」

 

 再び息を荒げるおじいさん。しかし、荒げる息を整えると今度は鋭い目つきで僕らに言った。

 

「だが、ここで最も重要なのは建築でもモノを充実させることでもない。子どもたちと寄り添い心を通わせることだ。それができていないのであれば、この2週間働いたとは認めんぞ」

 

 さすが園長先生。子供第一だね~でもま、そっちの方が心配ないんだよね~

 

「おーい渚」

「風人お兄さん」

 

 とさくら姐さんが渚の方に、あおいちゃんは僕の方に来る。

 

「100点」

「おぉー偉い偉い~よしよし」

「こ、これぐらい普通。だからなでるなぁ!」

 

 そっぽを向くあおいちゃん。 

 この子が不登校になっているのは学校がつまらないからだそうだ。この子は天才肌で、学力だけなら現時点で寺坂のちょい下くらいある。そんな彼女からすれば周りは格下ばっかで何も学ぶことがない。そう思うとだんだん学校へ行く意味が薄れてきたそうだ。

 そんな彼女に僕はこう言った。『自由でいいんじゃない?』と。

 僕は別に行きたくないなら行かなければいいと思う。大事なのは行きたいって思ったときに行ける環境が用意されているかということだろう。

 

「どう~?ちょっとは面白そうなことありそう?」

「お兄さんを見ていた方が面白いことが起きる」

「酷いなぁ~」

「でも、学校にはまた別の面白さがありそう……」

「まぁ、気長に行こうよ~」

「うん!で、いつかお兄さんにも勝つからね!」

「あはは~勝てるといいね~」

 

 僕らの和やかな会話。向こうでも渚がすごい無自覚にさくら姐さんをオとしていた。

 

「……クソガキ共がまったく……文句のひとつも出てこんわ」

「園長先生!」

「先生!」

 

 松方のおじいさんは悔しそうにそう言うと、駆け寄っていった二人の頭を撫で僕たちに言う。

 

「もとよりおまえさんたちの秘密なんぞ興味は無い。ワシの頭は自分の仕事で一杯だからな。おまえさんたちもさっさと学校に戻らんか。大事な仕事があるんだろ?」

「「「……はい!」」」

 

 いい人だなぁ松方さん。

 …………ところで、中間テストっていつだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 テストを返却された渚、杉野、岡島の三人が暗い表情で帰路についているのが、後ろを振り返るとよく見える。有鬼子はって?何か殺せんせーと話がしたいって残っていったよ?

 すると、彼らの後方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「拍子抜けだったなぁ」

「やっぱり前回のはマグレだったようだね~」 

「棒倒しで潰すまでもなかったな」

 

 その奥にいたのは総合1位を取った浅野君と金魚の糞たちだった。

 

「言葉も出ないねぇ……まぁ当然だけどな!ギシシシシ」

「この学校では成績が全て……下の者は上に対して発言権は無いからね」

 

 そう言うと金魚の糞たちはゲスな笑みを浮かべ彼らを見下し始める。よぉし、まざろぉー

 

「へーぇ、じゃあんたらは俺に何も言えないわけね」

「僕にもね~あはは~」

 

 金魚の糞たちの後ろからカルマが。渚たちの前から僕が現れる。

 

「まーどうせうちの担任は、1位じゃないからダメですねぇ~とか言うんだろーけど」

 

 赤羽業 492点 学年3位

 

「ふふん~その点僕は心配ないね~」

 

 和光風人 493点 学年1位タイ

 

「カルマ君……風人君も」

「気付いてないの?今回本気でやったの俺と風人だけだよ?」

「それも知らずに大口叩いて~ぷくく~恥ずかしいね~」

「ま、毎回お前らも負けてたら立場ないだろうからね」

「僕らの優しさに感謝してよね~」

 

 あはは~悔しそうな顔が凄いこっち見てる。

 

「でも、次のテストは皆も容赦しない。俺たちが同じ土俵で戦える最後の場だからね」

「あれ~?三学期は?」

「あー風人は転校生だから知らないんだ。AからD組は基本内部進学。俺たちE組は受験だから学年末テストは内容が違うんだよ」

「ほへぇ~」

「行こうぜ渚君」

「そうだね~帰ろうよ皆で~」

 

 ということで、僕らは帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「烏間先生……迷惑かけてすいませんでした」」」

「これも仕事だ気にしなくていい」

 

 そして翌日の朝、僕らは職員室で烏間先生にあらためて謝罪していた。しかし、烏間先生は口では言いつつも目はパソコンに向けられ一切こちらを見ようとしない。

 

「君たちはどうだ?今回の事は暗殺にも勉強にも大きなロスになったと思うがそこから何が学べたか?」

 

 烏間先生からの問い。その問いに誰よりも先に渚が口を開き答えた。

 

「…………強くなるのは自分の為だと思ってました。殺す力を身に付けるのは名誉とお金のため。学力を身に付けるのは成績のため」

 

 確かにそれもあるかもしれないね。

 

「でも身に付けたその力は他人のために使えるんだって思い出しました。殺す力を身に付ければ地球を救える……学力を身に付ければ誰かを助けれる」

 

 渚は僕とカルマの方を向いてそう続けて言った。カルマも僕も特に誰かを救ったつもりはない。あんなのただの気まぐれだし、真実を伝えただけだし。

 

「もう下手な使い方しないっす」

「気を付けるよ……いろいろ」

 

 渚の後に岡島と前原も答えた。その表情には反省の色が見え、烏間先生は1つ頷くと席から立ち上がる。

 

「考えはよくわかった。だが、()()()()では高度な訓練は再開させることは出来ない」

「「「え!?」」」

 

 どういうことだろう?と思ってると烏間先生は1着のジャージを机の上に出す。そのジャージは股下が破けて、さらに至るところに穴が開いてる。うわぁ。ボロボロだなぁ。

 

「あ、それ……俺のジャージだ」

 

 なるほど。お前のか。

 

「ハードになる訓練と暗殺に学校のジャージではもはや耐えられん。ボロボロになれば親御さんにも怪しまれるし君たちの安全を守れない。そこで俺たちからのプレゼントだ。今日を境に君たちは心も体もまた強くなる」

 

 そう言うと職員室に防衛省の人たちが大きな段ボールを運び、中から新しい体育着を取り出す。

 

「本日より体育はそれを着て行うものとする。先に言っておく。それより強い体育着は地球上に存在しないぞ」

 

 皆が各々の感想を抱きながら新しい体育着に着替え終える。そうやら衝撃耐性引っ張り耐性切断耐性耐火性などなどあらゆる面で最高クラスだそうだ。

 僕の感想?そんなの決まってるじゃん♪

 

「凄い……かっこいい……!」

 

 僕のテンションは最高潮だった。

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