暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
『神崎有希子は和光風人の隣にいるよ。ずっと君を支え、君に支えられながら存在するよ。だから大丈夫。安心していいよ。和光風人はしっかり存在しているよ。ここにね』
いつぞやの有希子の言葉を思い出す。
「僕は――――――――どれも選ばない」
「……ならどうする気だ?このままだとなんの解決にもならないだろ?」
僕は君の掲示する選択には従わない。いいや。そもそもが違ったんだ。
「戻ろう」
「……はぁ?」
「君は本来僕の中にあった。ならさ、戻ろうよ」
僕は君にそう提案する。
「戻るって、バカかお前は!お前が耐えきれなかったからオレが生まれたんだろうが!」
そう。僕は全て間違えたんだ。
「ああそうだよ!僕は耐えきれなかった!だから君は生まれてしまったんだよ!」
有希子はあの日言ってくれた。
『でも今だけは……ううん。今からは私に、その苦しみを悲しみを隠さなくてもいいんだよ』
「僕は間違えていたんだ!間違えたから君が生まれてしまった!『有鬼子は僕の苦しみを背負ってくれると言ってくれた。でも、この
「それの何が間違ってんだよ!」
「間違いだらけでしょ!その醜いと思ってる心に押し潰されて君が生まれてしまったんだからさ!」
有希子は僕の中にあるこの気持ちも受け入れようとした。でも、僕はそれを拒んだ。それだけじゃない。その気持ちを悟らせないよう必死に押し殺し、隠してきた。彼女は僕を信じてくれた。なのに、僕は応えられていなかったんだ。
「何で君が生まれたか!それは僕が弱かったからだ!そして大馬鹿者だったからだ!」
その重みで僕は潰された。潰れてその重みを君に押しつけてしまった。
「だったら!戻しても同じだろうがぁ!そんなんだったらオレが消えた方がマシだ!そうすりゃ何も残らねぇ!」
「違うよ!それじゃダメなんだ!」
「…………は?」
「君は僕が抱えるはずだった痛みなんだ!僕が抱えるはずだった傷なんだ!僕が抱えるはずだった重荷なんだ!決してなくしちゃいけないんだよ!」
僕は続ける。
「全部全部全部!なくしちゃいけないんだよ!僕が感じたことを!君が感じたことを!ゼロになんてしちゃダメなんだ!なかったことにしちゃダメなんだ!」
それこそ本当の逃げだ。それこそ一番意味がない。
「…………だから君の感じてる思いを僕に返して。傷つくのは怖い。でも……それでも!それは僕も感じるべき思いだ!僕が持つべきものなんだ!」
「……………………」
「わがままだよ。傲慢だよ。勝手に君に押しつけて勝手に君から戻そうとしている。でも――――」
――――それがベストで、それが正しいんだ。少なくとも僕はそう思う。
「……オレがいたらつらいことはないぞ」
「知ってる」
「……オレがいたら苦しまなくてすむぞ」
「分かってる」
「……お前に戻すと、さっきまでの記憶も痛みも苦しみも……全部お前に行くぞ?」
「うん。覚悟はできてる」
僕と君はまっすぐ向き合う。
「迷いなし……か。はぁ、お前の選択に従うって言ったのはオレだ」
すると、君は諦めたように言うと、僕の肩を叩く。
「こんなとこでごちゃごちゃ言う気はねぇ。オレはお前の中に戻る。…………飲み込まれるなよ?」
「大丈夫だよ」
「……ふん」
消えていくオレ。
完全にオレが消えたとき、失われていた記憶が、感情が、痛みが……僕の中を一気に駆け巡る。ああ、僕は君にこんなものを抱え込ませていたのか。
「ありがとう……」
僕の中に消えたオレに感謝する。
「私の信じてる風人君ならそうすると思ったよ」
「千影……信じてくれてありがとう」
「どういたしまして。さぁ、時間はないよ」
「分かってるよ」
もうそろそろ起きないといけない。そうじゃないと二度と起きれなくなってしまうから。
「先に謝っておく……ごめん!」
「どうしたの?急に」
「千影の復讐は果たせないかもしれない……」
「……はぁ。私は最初からそんなの望んでいないよ?」
僕の両頬を両方の掌で挟む千影。
「
そして笑顔を向けたと思うと解放してくれる。
「うん。いってくるよ……大好きな人を、皆を助けるために」
「いってらっしゃい!頑張って!」
背中を優しく押されるような感覚の後、辺り一帯が光に包まれた。
「何だよ死神。はぁ?全員首輪外して逃走した?そんなのあるわけねぇだろ。ッチ。まぁいい。今から確認してくる」
通信機に向けて話していたジョーカー。お陰で僕に気付いていない。だから、
「ぐふっ!」
一発その顔面を殴りつけてやった。完璧な不意打ち。ようやく一発はいったね。
「……て、テメェ…………どうして…………!」
殴られたジョーカーは僕をにらむように声を出す。
「どうしてまだ立ち上がれる!――――――――和光風人!」
どうして?そんなの決まってる。
「アンタは僕の大切な幼馴染みを殺した。そして僕の彼女を壊そうとしている」
「それがどうした?壊そうとして何が悪い」
僕は確かに怒ってる。でも不思議とこの
「大好きで大切な彼女を失いたくないからに決まってんだろうがぁっ!!」
身体はボロボロ。おそらく骨が何本かいってるだろう。だから?それは負けていい理由にも守れない理由にもならない。
二度も目の前で大切な人を失いたくない。千影だけじゃなくて有希子もこんなクソ野郎にやられてたまるか。
「はははっ!だがテメェはボロボロ。そう長くは持たねぇ」
「ねぇ知ってるかい?人ってさ、好きな人のためなら限界なんか越えられるんだよ!」
僕は急接近し膝蹴りを喰らわそうとする。
「甘いんだ……ぐはっ!?」
その前に僕に拳を突き出してくるジョーカー。
だけど、さっきまでの攻防でその行動が読めていた僕は身体をねじらせ拳をかわして後ろ蹴りを放つ。
「てめ……さっきまでと戦い方が違うじゃねぇか……!」
「有希子が僕を呼ぶ声がした。千影が僕の背中を押してくれた」
「何言ってやがる……」
「そしてオレが僕の中に戻った。ここからは本来の和光風人が相手するよ」
「ははっ。テメェは俺が憎くないのか?和泉千影を殺した俺が」
「憎いに決まってるだろ。殺してやりてぇよ。でもそんなモノは一回置いておく」
僕は拳を構える。
「過去の復讐のためじゃない。未来を守るために僕は戦う」
そう誓ったんだ。その誓いを伝える意味でも改めて宣言する。
こいつのスタイルは良くも悪くも僕と近い部分があった。奴は巧みに挑発し、思考力を低下させ判断を鈍らせてくる。結果、僕はまんまと奴の挑発に乗ってしまい単調な分かりやすい攻撃しか出来ず一発も入らなかった。
なら、こいつに勝つには千影のことを頭の片隅においやる必要がある。千影の復讐から来るドス黒い殺意をいったん置いておく。そうすれば利用されることはない。
(この野郎……目つきが変わりやがった。ッチ。人形にしようと思ったら時間がかかりすぎる)
「仕方ねぇ。人形にするのはやめだ…………この場でお前を殺す」
するとジョーカーはサバイバルナイフを取り出した。
「なら、僕も本気で行かせてもらうよ」
対してブレザーを脱ぎ捨てカッターシャツを腰に巻き、上裸になる僕。
「はっ。テメェは立ってるので精一杯だろうが」
ところどころ内出血しているようで痛々しさを感じる。
「言ったろ?限界を超えるって。ああ、でも最初に言っておきたいことがある」
「なんだぁ?遺言か?」
「違うけど。まぁいいや」
僕は殺意を消して、笑顔で告げる。
「竹原先生。僕をE組に落としてくれてありがとうございました。おかげで僕は大切な仲間や守り抜きたい彼女ができました」
この野郎のしたことは一つも許されないことだし許してはならないこと。
だけど、僕にとってたった一つだけ。このクラスに配属されたことだけはよかった。
これは本心だ。僕が先生に向ける本音だ。もし、他の組に配属されていたらきっと、こんな風には成長しなかっただろう。そういう意味ではやはり思惑と違ったとしても結果的に僕をこのクラスと出会わせてくれた先生には感謝しないといけないと思う。
でも、こんなことで同情を引こうなんてさらさら考えていない。
「もう、僕が貴方を先生と思い慕うことはない」
ある意味最後の言葉かな。先生としての貴方に向ける最後の。
僕の中でもう貴方は死んでいる。残ってるのは殺人鬼としてのジョーカーだけだ。
「じゃあそろそろ行くぞジョーカー。アンタ風に言うなら授業延長戦ってとこだ」
不思議と絶望感はない。殺意はあるけどどこか温かく、正しく僕の力になってくれている。よく分からないけどそんな感じがする。
「ははっ。仕方ねぇな。おい。どこから切り落としてほしい?選ばせてやるよ」
「アンタの首」
「そうかよ!」
ナイフを構えて突き刺そうと突進してくる。
「それくらい」
半歩横に動いてカウンターの為に拳を突き出そうとする。
「だろうな!」
が、急停止してナイフを水平に切り裂くジョーカー。
「隙アリ!」
僕は拳を出すのをやめ、しゃがんで避ける。そのままお留守になってる下半身に蹴りを入れる。
「ッチ!」
舌打ちしながらもナイフを振り下ろし僕の首を狙ってくる。
「遅いよ!」
それを横に跳んで避け、立ち上がると同時に詰め寄ってパンチを喰らわす。
「ふー。だが、今のを喰らって分かるが、テメェの攻撃全然痛くねぇな。まぁ、そんだけボロボロにしたんだ。満足に力が出ないのも当然か」
「言ってろ。一発一発が軽いならお前が倒れるまで何十何百発喰らわすだけだ」
「その前に死なねぇといいけどな!」
「死ぬかよ。絶対に」
繰り出されるナイフを全て躱し、それに対してカウンターをお見舞いする。流れが完全に僕に来たと思ったとき、
「…………っ!?」
急に足が動かなくなる。
「バカが!油断したな!」
「くっ……!」
身体に紅い線が入る。身体を反らして避けるものの避け方が甘かったようで、左肩から右脇腹にかけて線が入った。幸い傷はそう深くない。だが、一体なぜ……!?
「テメェ……!」
「はははっ!これは俺とお前の
足をつかんでいるのはやつが呼び出した男女数名。僕の足が動かないように掴まれている。完全に失念していた……!彼らは心を壊されたせいで自我というものがない!気配が一切なかった。クソ、やられた……!
「埒が明かないな」
足は動かないものの攻撃に対処して何とか致命傷は避けることはできる。まぁ、完全には無理で所々切り傷が増えているが……!
「やれ」
次の瞬間。ものすごい力で足が後ろに引っ張られ倒される。
「ッチ。避けたか」
僕は転がって振り下ろされたナイフを避ける。判断が、行動が一瞬でも遅れていたら今頃死んでいた一撃だ。
ただ今ので拘束は解けた。僕は彼らからも距離をとるように動く。ジョーカーに勝つには……!
「まず、彼らを倒さないと」
彼らのことをジョーカーは人と思ってない。代替の利く道具。さすがに彼らに命を考えない特攻や押さえ込みなんてされたら現状。僕に勝ち目はない。
「テメェにできるのか?そいつらは人間なんだろ?それもお前の元同級生たち。何の罪もない奴らにお前は手を出せるのか?ああ、言っておくとそいつらの痛みに対する抵抗は異常。何せ、俺がサンドバックにすることがあるぐらいだからな?てか、そもそも痛みなんてもう感じないだろうなこいつらは。何が言いてぇかって言われりゃ、お前の弱った攻撃なんぞいくらでも耐えるだろうな。ハハハハハッ!」
「はぁ……本当に、アンタはよく喋るね。弱い犬ほどよく吠えるって言葉知らない?」
彼らへの手出しを躊躇させる
「アハハハハハハハ。そういうことは俺に勝ってから言うんだな!やれ。テメェら」
「あのさぁ。アンタ、僕のこと勘違いしてない?」
向かってくる彼らの攻撃を全て避けながら一人ずつ、
「僕は格闘家じゃないんだよ?三年E組の
彼らの動きが止まる。いいや少し違う。全身が僅かに震え、動けないでいる。
「ごめんね」
「…………何をした?」
「アンタは彼らの精神を破壊した。破壊の方法は絶対的な恐怖を与えたこと。だったら単純だ。その恐怖を超える恐怖を与えればいい」
「ははっ!お前の殺気でも当てたか!だがそんなの僅かな時間稼ぎ程度にしかならねぇぞ!」
「充分だよ。僅かな時間でも稼げれば」
僕は一人ずつ迅速にオとしていく。当たり前だ。こんなんでずっと足止めできるわけがない。
「正面から殴らなくても
彼らは心を壊されただけで肉体改造を受けたわけじゃない。ならオとすのは普通の人間と同じように出来る。
「さて、これでアンタの切り札は出尽くした。違う?」
「おいおい。お前は俺より弱い。
「……知ってるさ。僕がアンタより弱いのは」
ゲームのキャラクターみたいに死んだ淵で凄いパワーアップして帰ってきたわけでもないし、ボス戦で負けそうになる中主人公の眠ってた力が目覚めて逆転勝利ってわけでもない。
僕はただ戻っただけだ。そう。あくまで戻っただけ。強くなんてなってない。
「でも知ってる?僕がアンタより弱くても、アンタが勝者になるとは限らない。だから宣言する」
僕は奴に指をさし、宣言する。
「アンタは僕に勝てない。アンタが僕よりどんなに強くてもアンタは僕に絶対勝てない」
上からの物言い。当然奴は怒るだろうな。
「はっ!くだらねぇこと抜かすんじゃねぇぞガキが!」
接近してナイフを振り当てようとする。
だが、僕はその前にナイフを持つ奴の右手を打ちナイフを落とさせる。落ちたナイフは転がり僕の足下へ。
「なっ!?テメェ何をした!まだテメェの間合いの外だぞ!テメェは武器なんて……!?」
「言ったはずだよ?本来の和光風人が相手するって。ごめんね。僕って正面戦闘よりこういう騙まし討ちとかの方が得意でさぁ」
僕の手に持ってるものを見て驚くジョーカー。
「いつから武器が無いと錯覚した?」
僕は武器を振るう。その武器はジョーカーの顔面を打った。
「そういうことかよクソが……シャツをわざわざ腰に巻いたのはベルトがなくなってるのを隠すため。ベルトも鞭として使えば武器にはなるな」
武器がないなら生み出せばいい。使えるものは全部使う。生憎殴り合い的なのはそう得意じゃないんでね。
「だがその武器は殺傷力ゼロだ。ははっ!」
「本当に?」
「……っ!!」
(な、なんだこいつ……!さっきまでと本当に同じやつかよ……!?ドロドロとした醜く荒荒しい殺気じゃねぇ。純粋に俺だけに向けられた……)
「ま、確かにベルトはね。でも、こっちはどうだい?」
僕は奴の落としたナイフを拾う。
(な、なんだ……!なんなんだよこいつ……!それにこの殺気はなんだ!怖い?怖いだと?俺がこんなガキに恐怖しているというのか!?)
「さぁ……処刑の時間だ」
(く、来る……!)
僕はベルトを鞭のように振るう。
「はっ!そんなの掴めばいいだけじゃねぇか!」
パシンッ!
ベルトが当たると同時にそれを掴むジョーカー。
(なっ……!ベルトを放しただと!?しまった!本命はナイフか!)
僕はベルトを放すと、続いてナイフを……
(何してやがる!こいつナイフも放して……!?違う!ナイフの方を見てやがる!まだ何かするつもりか!)
やつの目はゆっくりとナイフの方に引き寄せられていく。
(だが、この殺気の乗った一撃さえ避ければ……!?)
パンッ!!
僕はそんな奴に近づき、目の前で手を合わせ、大きな音を出す。
(がっ……!?な、何だこの音……!?)
反射的に戦くジョーカー。僕は一瞬で脚を引っかけ、奴の背中を地面につけさせる。
「アンタ。ナイフに全神経を集中させていたでしょ?猫騙しだよ。アンタにとって、この音は――――」
――――思考の外から強襲してきた爆弾だ。
「僕のミスディレクションに渚の猫騙しを合わせた。ああ、言っておくと……」
僕は震えながら立ち上がろうとする奴を蹴り飛ばす。
「……ガハッ!?」
「二度と立たせねぇよ?おとなしく――」
もう一発蹴り飛ばし、部屋から出る。
「――地面に這いつくばって寝ていな。一生。ああ、でも安心しろ」
更にもう一発と、どんどん蹴っていく。
「意識は失わせねぇ。アンタが僕にやってくれたようにな」
「て、テメェ……!」
「あぁ?アンタは僕の憎い復讐相手だ。そのことを捨てたわけじゃないし、アンタに対してそれ以外は何も残ってねぇよ」
別に復讐心とかは一回置いただけで誰も捨ててないし。
「アンタが千影を殺したこと、有希子を狙ったこと、他の人たちを壊したこと。ホント、殺してやりたいと思うよ」
顔を腹を足を僕はただ蹴っていく。つま先で、足の甲で、時には速く時には抉るように。
「でも、僕は気付いた。アンタを殺すのは間違ってるって」
「ぐっ……!?」
「確かに復讐したい。だけどそれで殺しても意味はない。アンタは死ぬ時に苦しむよ?でもさそれで終わりなんだよ。死んだら終わり。それ以上アンタは苦しむことはない」
でもそれじゃダメなんだよ。
「アンタ一人が死んで終わり。そんな結末で今までアンタに殺されたり壊された人や残された周りの人が納得できるわけがねぇ。だから精々生きて苦しみやがれ。テメェに変われとも懺悔しろとも言わない。代わりに今まで被害を受けた奴ら以上の苦しみをテメェは受けて醜く生き続けろ」
これが今の僕の考えだ。殺す気はもうない。代わりにこいつは生きて地獄を、苦しみを味わってほしい。死にたくても死なせず苦しませ続ける。わずかな希望を壊し、地獄の中で生きながらえさせる。それが今の僕の望みだ。
……我ながら最低な望みだ。オレの方の思考が混ざってるだろこれ。
「ふざけ……!?」
すると何かに気付いたように目を見開くジョーカー。
「ば……!この先は……!」
すると、蹴った拍子にジョーカーが落ちていく。
「あ」
当然僕もそのまま一緒に気付かず落ちていく。
「ああああああああぁぁぁっ!?」
し、死んじゃう!?このまま落ちて……!
「あ、下に水が。ラッキー」
僕は受け身をとる。ふぅ。下にクッションがあって助かった。
「あ、烏間先生」
「風人君か。君も無事……とは言い難いな」
「あはは……」
すると、壁際になんかゾンビがいる。え?なにあれ……理科室の人体模型?
「後、一緒に落ちてきた男を下に引いてるぞ」
おっと、クッションかと思ったらジョーカーだったか。
あーあ。最後の最後で身を挺して僕の事を守ってくれた……なわけないか。僕が着地できるよう空中でこいつの上に移動しただけだ。というか、今の不意の一撃で完全に意識を失ってるよ。ということは?
「ぶい。僕の勝ちだね♪」