暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
「久しぶりだね~学校に行くのも~」
ついに僕も退院(まぁ、病院の人からは運動禁止にされてるんだけどね)。一週間ぶりくらいに学校に行く。あれから、入院生活は変わりなくドタバタだったけど……まぁいっか。
「ねぇ、風人君。手錠を二つ貸してくれる?後、その鍵も」
「いいけど……はい」
隣を歩く彼女に手錠を貸す。一体何に使うんだろ……
カチャリ、カチャリ
すると、僕の両手は手錠によって繋がれた。しかも、
カチャリ、カチャリ
一個だけではなく二個使ってだ。……え?
「えーっと、有鬼子さんや?この状況は……?」
すると笑顔でロープを出す有鬼子……そして僕の手錠の真ん中に端をくくりつけてもう片方を自身が持っている。へ?
「あの~僕手錠脱出マジックとか出来ないですよ~?」
「大丈夫。抜け出さなくてもいいから」
「…………まさか」
僕は今すごいまずい状況になっていることに気付いた。手錠で繋がれている僕。それにロープを付けて、引っ張ってる有鬼子。
「……ごめんなさい。僕にペットになる趣味はないです」
「大丈夫。風人君を逃がさないためにやってるから」
怖いです。逃がさないためにこんな武力行使に出るなんて……バイオレンスです。
「お医者さんから運動禁止って言われてるでしょ?風人君の事だから『運動は禁止されても暗殺は禁止されてない!』とか言って平気で野山を駆け巡ってそうだもん」
「あはは……」
す、鋭い。何故ばれたのか。
「だからこれは見せしめ」
「み、見せしめ?」
「うん。もし、無茶しようものなら……次は足を縛るからね?」
ヤバい。この人、とても発言といい発想といい僕の彼女とは思えないくらいバイオレンスだ。
と、僕の久しぶりの登校は何故か手錠によって繋がれたままの登校になった。
「進路相談?」
「はい。先日予告したとおり、今日は進路相談をします。もし、先生を三月に殺せたら君たちはその先のことを考えなければなりませんからねぇ……もっとも、殺せなくて無意味に終わるでしょうが」
じゃあ、やらないでよ。
「と言うわけで、進路希望を書けた人から職員室へ来てください。勿論、面談中も暗殺はOKですよ」
そう言って、殺せんせーは教室から出ていった。
何人かの人は予告された時から考えていたり決まっているらしく早々に教室を出て行く。
「うーむ。どうやって芸を仕込んだ物か……」
僕は進路……ではなく、殺せんせーを殺す方法を考えている。今の僕は両手が満足に使えない。うーむ……
「あはは。改めて見ると風人が神崎さんの彼氏からペットにジョブチェンジしたみたいだ」
「してないよ!全く。僕だってこの仕打ちはあんまりだと思うんだ!」
もっといい方法はなかったのだろうか。
「中村さん!これ書いたの中村さんだよね!?」
と、渚が叫んだ。なになに?面白いこと?
「君にはその仕事がお似合いさ」
後ろから面談用の紙を見る。ふむ。名前『潮田渚』志望校『女子校』志望する職業第一希望に『ナース』で第二希望に『メイド』かぁ。
「何で勝手に人の進路を歪めているの!?」
「ぷくく~お似合いだよ~渚。あ、風人の進路も代わりに書いといたよ。ほら、その手じゃ書きにくいでしょ?」
そう言って紙を見せてくる。えーっと?名前『和光風人』志望校『どっか』
「どっかって……」
まぁいいや、えーっと?志望する職業が第一希望に『神崎さんのペット』で第二希望に『神崎さんの奴隷』ふむふむ。
「渚より悪化してるじゃん!」
「僕のも大概だからね!?」
「でもよぉ和光君。今の君の姿を見たら全員が納得するよ?」
「しないでよ!僕だってこれは不本意なんだから!」
そう言って両手を見せる。
「全く……」
僕はカルマから紙を取り返して、書き直して教室から出て行く。これ以上面倒なことが書かれないように。
「ほうほう。君は弁護士ですか。なんとなく意外ですね……何故でしょう?志望理由とかありますか?」
「そうだね~僕は今までこういうのは考えてこなかったよ~。前は千影基準。アイツと一緒って訳じゃないんだけど、良くも悪くも自分一人では分からなかったから。まぁ、これも結局は千影基準なんだけどね」
僕は入院中に考えた。有鬼子から宣言された日から暇つぶしに考えていた。
「この前のジョーカーは千影だけじゃない。多くの人を犠牲にして、多くの人を巻き込んだ。中には加害者になってしまった人もいた。ちょっと話は変わるけど冤罪っていうのがどうしても存在する。裁かれた人は皆が皆犯罪者って訳じゃない。中には無罪なのに有罪になってしまった人がいるのも事実」
「えぇ。その通りです」
「僕はそんな人たちを救いたい。真実を白日の下にさらし、ジョーカーのようなやつを被害が広がる前に捕まえたい……それだけなら探偵とか警察でいいかもしれないけどね」
でも、探偵とか警察とかは僕に向いていない気がする。
「だから、僕は法律を武器にして僕なりの立場から救える人を救いたい。僕は、全員を救えるアニメのヒーローにはなれやしない。でも、僕に助けてと言ってくれた人くらい助けられる。そんな人になりたい」
「救うための武器が法律ですか」
「まぁ、もし知り合いの誰かが何かに巻き込まれても手助けできるためにもね~」
「君なら大丈夫です。失う哀しみを知っている君ならきっと正しい形で救える。弁護士になるというのはあくまでそれを為すのに都合がいいからということですかね」
「そうそう~」
「そうですね。なら今の段階から少しずつ六法全書でも覚え始めましょうか。高校も君の実力なら難関校も狙えますし、大学は君のことですからそのままレベルの高いところの法学部も行けるでしょう」
「まぁ高校はまた考えておくよ~」
ということで、僕の面談終了。
夜。
「風人」
「なに~母さん?」
「明日。担任の先生と面談しましょう」
……WHAT?
「頼んどいてね」
……マジで?