暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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学園祭の時間 二時間目

 学園祭前日。準備は滞りなく進んでいた。

 

「…………うん。ようやく完成したね」

「ああ。ここまで長かったな」

「ええ。この味ならメインウェポンに相応しいでしょう」

 

 ついに看板メニューのどんぐりつけ麺のスープが完成した。

 スープ作りは難航した。実家がラーメン家ってことで、村松が主、僕がサイドメニューにも手を出しつつ、フォローするという形を取った。いやまぁ、本当にここにたどり着くのに苦労した。

 

「風人。サブメニューの方は?」

「大丈夫。問題ないよ」

「よし。これなら行けるな」

 

 グラウンドの方を見てみると既にテーブルの配置を終えていて皆休憩していた。

 

「一応、試食してもらおうか。明日への英気を養うのとこの一週間お疲れ様ということで」

「だな。明日からが本番だ。それにこっちの武器の威力を知ってもらうのにはちょうどいい」

 

 まぁ、皆色んなところを飛び回っていたからね。授業の後だというのに凄い働いてくれたから。

 

「皆~差し入れだよ~」

「ほらよ。これがうちの看板メニュー。どんぐりつけ麺だ」

「「「おぉー!」」」

 

 皆ご飯となるとすごい勢いだなぁ。しっかり全員分用意したんだから。

 

「うめぇ!」

「最高だな!」

「おいしい!」

 

 皆からも大好評だ。うんうん。

 

「では、皆さん。明日から気合い入れて行きますよ!」

「「「おおぉぉーー!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「~♪~~♪」

「嬉しそうだね風人君」

 

 帰り道。いつもよりも遅い時間ですがいつも通り二人で帰っています。

 隣の風人君は何というか凄い嬉しそうな空気が滲み出ています

 

「え~分かる~?」

「うん」

「僕らが時間をかけて作ったものを皆がおいしいそうな顔で食べてくれたんだよ~嬉しくないわけないじゃん~」

「そっかぁ……」

 

 私はそんな風人君を見ていると頭を撫でてあげたくなってしまう。ということで、彼の頭に手をおいてゆっくり撫で始める。

 

「頑張ったんだね」

「うん!」

 

 すると、私に抱きついて来る!?えぇっ!?ちょ、ちょっと待って!心の準備が……!

 

「だから絶対成功させようね~!」

 

 そしてキラキラと輝く純粋な瞳を私に向けてきます。うっ……ま、眩しい……。というか……

 

「わっ……!」

 

 凄く可愛く感じて思わず抱きしめてしまう。

 やっぱり、準備の時に見せていた格好いい風人君も好きだけど、こういう子どもっぽくて可愛さを感じられる風人君も大好きだ。

 

「じゃあ、また明日ね~」

 

 その後、しばらく抱きついて離れなかったけど、私の家の前につく。そして、手を振って風人君は自分の家の方へと向かっていく。

 風人君は最近……というか死神の一件で少し変わった気がする。本当に微々たる変化だけど一歩前に進めたと思う。

 

「私は……」

 

 ううん。やめよう。今は明日のことを考えよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学園祭当日。僕は基本的には調理担当。時々配膳というかウェイター的なのをするという役目に。まぁ、調理担当は僕、村松、原さんの三人しか居ないんだけどね。

 他の皆はというと山の下で客引きしたり、足腰が弱い人の為に運び屋みたいな感じをしたり、山の中で食材を集めていたり、偵察したりと様々だ。殺せんせー?ああ、せんせーなら屋根のところでシャチホコになってるよ。

 

「ああ!」

 

 と、エプロン姿でお客さんに料理を出してると、新たに山を登ってきたお客さんを見て杉野が声を上げる。

 えーっと、学ランを着崩した感じの『THE・不良』が五人……?

 

「…………どちらさま~?杉野の知り合い~?」

「修学旅行の時の高校生だよ!」

 

 修学旅行?高校生?……ダメだ。イマイチ思い出せていないけど思い出したことにしておこう。

 

「(ぽんっ)…………あー思い出したーあの時の高校生かー」

 

(((こいつ完全に忘れてるだろ!)))

 

「テメェに至っては会うの三度目だろうが……!」

 

 おかしい。何故思い出せてないことがバレたんだ。

 

「いやいや、覚えてるって~ねぇ、リュージ君!」

「リュージじゃねぇよ!」

「冗談だよ~リュータロー君」

「さっきより離れてるぞおい!」

「で~?ヤスオ君たちは何しに来たの~?」

「リュウキだよ!テメェふざけるのも大概にしろよ!?」

「おぉ……!そんな名前だった気がする……!」

「気がするじゃねぇよ!」

 

 更に息をあげるりゅーき君。どうやらお疲れのようだ。可哀想に。体力ないのかなぁ?

 

「で?アンタらは結局何しに来たわけ?また女子でも拉致るつもり?」

 

 カルマが煽るように聞いている……?ん?また?

 

「んなこともうしねぇ――」

「あぁっ!有鬼子とししょーを拉致した高校生集団か!」

「――よって今更かよこのチビが!テメェらもいい加減こいつを止めろよ!話が進まねぇだろ!?」

「「「……………………」」」

 

(((だって相手が相手だし。止める必要はないかなぁって)))

 

 修学旅行の時の班員は全員無言で顔を背けた。何だろう。仲間外れ?

 

「はぁ。だが、別に力を使わなくたって台無しに出来る。例えばぁ?この店の料理がマズいとちょいとネットで呟いたりなぁ」

「……それは僕らへの挑戦状と受け取っていいんだね」

「あぁ?んなことは知らねぇよ。ほら、さっさと出せよ」

 

 僕は注文を取り調理室へ去って行く。そして、

 

「注文のどんぐりつけ麺だ」

 

 りゅーき君たちの前につけ麺を置く。

 お仲間たちは料理の見た目から既においしそうとはしゃぐがりゅーき君だけは硬い表情。そして何かを決意したように食べ始め、

 

「う……うまい……!」

 

 一口目で涙ながらに感想を言ってくれた。

 まぁ、今のが本音だろうし僕は満足だ。後は……

 

「ビッチ先生。パース」

「ええ、任せなさい」

 

 ああいういいお客さん(金ヅル)の相手はビッチ先生に任せよう。そうすれば……

 

「駅前にあるわよ……A・T・M♥」

「「「卸して来やす!」」」

 

 金ヅル(カモ)金を卸して(ネギしょって)帰ってきて(やって来て)くれるから。

 

「貢ぎコースが確定した……」

「チョロいわね」

「さぁって全メニュー二周くらいさせよー」

「えぇ。ドンドン金を落とさせるわよ」

 

(この人たち悪魔だ……)

 

 この後、彼らのお財布は凄い軽くなったとか。まぁ、いいよね?僕らの売り上げに貢献してくれたってことで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、風人。やっほー」

「しっかり働いてますね。風人」

 

 高校せ――金ヅルたちから金を巻き上げるのも終わった頃、涼香たちが遊びに来た。

 

「涼香~雷蔵~やっほ~」

 

 とりあえず、二人はテーブルに付く。

 

「いやぁここまで疲れたよ……こんな山道歩いてるんだね」

「まぁね~そういや二人とも学校は?まさかのサボり?」

「ああ、風人はそういうの興味なかったですから覚えていなくても無理はないですね」

「???」

「今日は私たちの中学校の創立記念日で休みだよ」

「えぇー!?じゃあ、僕も前の中学校の創立記念日だから休みにしよ~」

「ダメです。涼香さんたちが休みでも風人君には関係ありません」

 

 と後ろから僕の肩に手を置いて語りかけてくるのは……

 

「…………げっ

「どうして、そんな『見つかりたくない相手に見つかった』みたいな表情をするのかなぁ?」

 

 みたいではなくまさにその通りである。そして握られた肩がすごい痛いです。ミシミシ言っています。誰か助けてくださいマジで。

 

「有希子ちゃんこんにちはー。その格好似合ってますね」

「え、あ、ありがとう……」

「そういえば風人もエプロン姿ですね。調理担当ですか?」

「調理担当兼ウェイター。いぇい」

「あ、お兄ちゃん料理は意外にできるもんね」

「ええ。性格からは想像できませんが」

 

 何故だろうか。褒められている気がしない。

 

「注文のどんぐりつけ麺です」

「ほほう。これが看板メニューの……」

「では、いただきますね」

 

 そう言って二人は食べ始める。

 

「ん~おいしい!」

「ええ。麺と汁がいい感じに調和されていますね」

「ふふん~この味を求めて一週間頑張ったんだよ~」

「こんだけおいしかったら儲かってるんじゃないの?」

「うーん。やっぱり山道を歩いてわざわざというのはネックになってるみたい~」

 

 僕らからしたらそんなに大変とは思わないけど、やっぱり一般ぴーぽーからしたら辛いみたいだし。

 

「風人お兄さん!」

 

 と、どこかで聞き覚えのある声がする。

 

「おーあおいちゃん。よく来たね~皆で来たの~?」

「うん!」

 

 見るといつぞやの松方さんが子どもたちを連れている。さくら姐さんは真っ先に渚の方へと行ってるようだ。

 

「はっ!風人の妹枠を脅かす存在が……!」

「いや、僕ら従兄弟だし。もっと言えば今涼香の方が歳上だし」

「妹枠に歳なんて関係ない!」

「いや関係あると思う」

「新ジャンル『歳上妹』でここは手を……」

「それは妹の域を超えてるでしょ!」

 

 何でこんなにテンション上がってるんだろ……。

 

「こんにちは。僕は篠谷雷蔵。風人の友達です」

「こんにちは。篠谷さん……あれ?風人お兄さんと別の学校の人?」

「何でそう思ったの?」

「有希子お姉さん……えっと、ここの学校の人は皆制服着てたのに、そこの女の人と篠谷さんは私服だったから」

「よく見てるんですね」

 

 と、こっちが従兄弟でバカなやり取りをしている中、あおいちゃんは雷蔵と有鬼子と話していた。

 

「あ、私は岩月涼香だよ。よろしくね」

「よろしくお願いします」

「風人!どうしようすごいこの子いい子なんだけど!」

「……風人お兄さん。岩月さんって……」

「違うよ。涼香は普段はもっとまともだよ。今はただ学園祭デートでテンションが上がってるだけなんだ」

 

 遠い目をして語ってみる。うん。きっと普段はまともだよ…………きっと。

 

「で~ご注文は何にする~?」

「どんぐりつけ麺で」

「はいは~い」

 

 ということでつけ麺を取りに行く。

 見ると他の一緒に来ていた子たちもどんぐりつけ麺を頼んでいるようで……うーん。

 

「まぁいいや~」

 

 本音を言うと利益度外視して彼ら彼女らにサービスというか、色々と食べさせてあげたいけど、流石に松方さん側が遠慮しちゃうだろう。仕方ないね。ここは我慢しよう。

 

「おまたせ~注文のどんぐりつけ麺だよ~」

「ありがとうございます」

 

 相変わらず歳に似合わないくらい丁寧な子だ。

 

「風人君」

「なぁに~?」

「あおいちゃんに作法とか教わったら?」

「はっはっはっ。冗談が好きだね~有鬼子は」

「冗談?」

「い、いやぁ、僕があおいちゃんに教わるなんてそんなことあるわけ…………ないよね?」

 

 お、おかしい。自分で言っていて自信がなくなってきた。

 

「大丈夫だよ有希子お姉さん。風人お兄さんはやる時はやる人だから」

「あおいちゃん……!」

「やる時以外が酷すぎるんです」

「あー…………ごめんなさい。こればっかりは反論できそうにないみたい」

「あおいちゃん……!有鬼子!せっかくあおいちゃんが僕のフォローをしてくれているのに説き伏せたら可哀想でしょうが!」

 

((いやいや。小学生にフォローされていることの情けなさに気付いて?))

 

「でも、このつけ麺美味しいです」

「ありがとう~」

「ところでお兄さん。お兄さんはまた来てくれないのですか?」

 

 聞いた話によると渚はあの後も定期的に松方さんのところを訪れさくら姐さんの勉強を見ているらしい。他の人もちらほら行っていた人はいるらしいけど僕は行っていない。

 い、いやぁあれだよ?だって、死神騒動に入院騒動と、僕自身が身も心も行ける状態じゃなかったからね。

 

「よぉし、今度遊びに行くね~」

「うん!」

 

 満面の笑みを浮かべるあおいちゃん。うぅ……なんてまぶしいんだ。

 

「もちろん有希子お姉さんも一緒にね」

「…………え?」

 

 あ、あれ?僕の遊んで暮らす夢の生活に暗雲が立ちこめたんだけど。

 

「確かに、風人君だけだと子どもたちと一緒に遊んで終わりそうだからね」

「そ、そんなことないよ~」

「目が泳いでますよ。お兄さん」

 

 あっさりと僕の計画は見破られ崩れ去るのだった……。




Twitter始めることにしました。

「はい。というわけで前話にて云々言っていましたがとりあえず始めることにしたそうです」
「ほうほう~」
「…………まぁそんなことよりも投稿頻度あげろこのカスって気持ちですが(ボソッ)」
「え、えーっと有鬼子さんや?そ、その……」
「何かな風人君(^_^)」
「あ、い、いえ……な、何でもないです」
「というわけで興味がある方は覗いてみてください」
「作品投稿の告知はするみたいだよ~後は特に決めてないらしいです~」
「URL等はこの作者のマイページから」
「あれ~?活動報告みたく下に貼り付けてないの~?」
「作者がめんど――活動報告以上に興味ある人はいないって思ったかららしいよ」

(どうしよう。この有鬼子怖い……あ。有鬼子有鬼子って言い続けているけど、有鬼子様の画像とかイラストってほとんどないんだよね……不思議だな~)

「風人君(チョイチョイ)」
「はい~何でしょう(へこへこ)」
「フンっ!」
「ぐへっ!」
「失礼なこと考えてた気がしたから」
「…………(チーン)」
「あ、そう言えば不思議なことにもうフォロワーがいるみたいです。……ウチの駄作者が投稿する前から。これって普通なのか特別なのか知りませんがありがとうございます」

 というわけでTwitter始めました。何かこの言い方だと冷やし中華始めましたみたいな響きで面白いです。

「作者さん(チョイチョイ)」

 何かな?メインヒロイン(スタスタ)

「フンっ!」

 ぐはっ!?

「ふぅーどうでもいいことに面白がってる駄作者はおいといて、では次回もお楽しみに!」
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