惑星アトラス全土を制覇した。ここまで来るのに700年もかかり、当初の計画よりも遅れていたが、カリンにとっては許容範囲内の事にすぎなかった。実の所、時間制限などないので別に焦る必要はないし、じっくりやればいいのだから。
人口も20億人を突破して、ようやく宇宙進出が可能になった。
正直、人口増加政策を進めているので、このままだと惑星アトラスが手狭になってしまうのだ。だから新たなる国土が必要になった。といってもマクロス船団のように移民可能な惑星を一々探し回る必要はない。
このアトランティス銀河には監察軍がテラフォーミングした惑星が沢山あり、それらの情報もちゃんとあるので、移民はスムーズに進んでいった。
苦労したのは移民船団のスタッフの育成だ。流石にこれまで使う必要がなかった宇宙船を運用するとなると人材育成が必要で、これにカリンも手間取った。
現在のアトランティスの技術は監察軍から提供されたナデシコ系やマクロス系の技術だ。だから超高速航法にはフォールド航法を、主機関には相転移エンジンが使われている。
いずれもブリタニア帝国軍で使われているものよりも劣るが、用途を考えればこれで十分だ(あまり進んだ技術は流石に貰えなかった)。
このように宇宙進出を本格化していくと、当然ながらアトランティス人の生活圏も宇宙に広がっていく。
これは、いいことばかりではない。これまでも惑星アトラスでは犯罪が発生していたし、これからは当然ながら宇宙海賊などの宇宙空間で活動する犯罪者がでてくるだろう。
こうした宇宙海賊が商船を襲うような事態になると、物流に問題が発生する。そうなると航路の安全を守る必要が出てくるので、宇宙警察を発足しておく。
ミリオタのトリッパーの中には宇宙軍発足を提案する者もいたが、いくらなんでもそれは早過ぎる。
現時点で外敵は存在しえないわけで、アトランティスが備えるべきなのは国民の中から現れる犯罪者ぐらいだ。だから今は警察を強化するだけで事足りる。
勿論、将来的には殖民惑星の反乱に備えて宇宙軍が必要になるかもしれないが、大規模な宇宙軍を整備するために重税を課して臣民の不満を煽ってしまえば逆効果になる。
これは地球統一政府(銀河英雄伝説)の例を見るまでもないだろう。だから将来的には宇宙軍を整備はするが、それとて必要最低限度にするべきだ。
このように用意周到なので、その気になればマクロスシリーズのように一度にあちこちの惑星に移民することも可能であるが、今は二、三箇所に絞っておく。無理をしてあちこちの惑星に移民するよりも数を絞って確実に開拓を成功させるべきであるし、急激に勢力圏が広がりすぎると統治機能に不備がでかねない。
大体、惑星アトラス以外の各惑星の自治権をどの程度認めるかというさじ加減も重要だ。だから数を縛りこむことできっちり開拓して、開拓をちゃんと軌道に乗せて収益を出してから、次に惑星に移民するという方法を取ることにした。これなら領土拡大に伴う統治機能の改良も対応できるはずだ。
時間が掛かるだろうが、別に急ぐ必要はない。のんびりやっていこう。
そういえば、社会保険を充実させたりして結構お金を使っているのに、国家財政とか上手くいっている。平成日本が借金だらけで財政がやたら困っていたのとは対照的だ。
それに政治経済とかも打つ手打つ手がいい方向にいっているような気がする。というよりも困ったことがない。
これまでは、帝政による効率の良さとトリッパー達がやっている内政チートの成果かと思っていたが、どうもそれだけではないらしい。
そこでよくよく考えて、妾の転生特典を思い出した。
薫ENDの強運(絶望~青い果実の散花~)それがカリンの持つ特典だった。
薫ENDでは、薫に憑依した紳一が強力な幸運を手に入れていたためか企業買収をした後に事業に大成功を収めている。あれはまさに神がかり的な強運を持っていた。多分、元々薫が持っていた運勢が紳一に憑依された事で強化されたのではないだろうか?
まぁだからこそカリンは転生特典としてそれを求めていた訳だけどね。
つまり、そういうことだろう。改めて考えると内政チートをする上で反則的な特典だと思う。
何気に国家予算だけでなく、妾の個人的な資産も膨大なものになっていて、「どこのロシア皇帝だよ!」(※1)と、仲間のトリッパーに言われた事があるぐらいだし。リアルで福の神だね。現実世界の国家元首が知ったら血涙を流して妬まれることだろう。
(※1)ロシア皇帝ニコライ2世は凄まじい個人資産を持つ当時世界有数の大富豪だった。