旧石器時代からスタート   作:ADONIS+

28 / 44
26.大崩壊(アトラス暦30051年=西暦2001年)

 大崩壊と呼ばれるマブラヴ世界を破滅させた一大事件は、アメリカが月にG弾を大量に打ち込んだ事によって発生した。当時のアメリカは日本で発生したクーデターで、榊是親を排除に成功して日本の国際評価と国威を大幅に低下させる事に成功した。

 

 ちなみにクーデター政権は自分たちが仕出かした愚行を理解できずに、これが日本の為になると信じていただけに、この現状に対して「これは前政権の所為だ!」と責任転嫁していた。というか彼らの多くは国体を変えて将軍主体の国家にすることで日本の国威回復がなされると本気で信じていただけに、この結果と国民や諸外国からの冷たい視線を受け入れられなかったのだ。

 

 こうして地球の覇権国家としての地位を築き上げていたアメリカであったが、地球各国の対立と月や火星から送り込まれる着陸ユニットは大きな問題だった。

 地球各国はアメリカの圧倒的な国力と軍事力によって押さえつけて、着陸ユニットもアメリカ宇宙軍の活躍で迎撃できているが、これらの負担は馬鹿にならない。その為、アメリカは邪魔なBETA、特に地球から近すぎる月のBETAを大量のG弾で殲滅して地球の安全を確保した上で地球各国の問題に取り掛かろうとした。

 

 これにはアトランティス帝国の宙対地爆撃の影響も大きかった。アトランティス帝国が核を凌駕する大量破壊兵器を用いて地球上のハイヴを一掃してしまったことから、アメリカのG弾推進派が勢いづいてしまったのだ。

 彼らは世界にアメリカの力を見せつけると同時に、アトランティス帝国に対抗する手段を確立する為にG弾の使用を推し進めていた。勿論、すでに地球上のBETAは一掃されているので、原作のように無理やり地球上でG弾を使う事はできなかった。

 そこで、アメリカはオルタ5を修正してG弾の大量使用によって一気に月を奪還するオルタネイティブ7を立ち上げた。

 

 このアメリカの強引な行動には反発する国家も多かったが、当時地球の唯一の超大国(BETA大戦でソ連は没落している)であったアメリカに抵抗できる筈もなかったし、現実問題として月のBETAが脅威である事は彼らにとっても同じであった為に、結局はオルタ7が実行されることになった。

 こうして2001年にアメリカ宇宙軍は国連宇宙軍と共にオルタ7による月奪還作戦を実行した。

 

 当初これは上手くいったかに思われた。月の各地に存在する多くのハイヴはアメリカ宇宙軍のG弾の大量使用による一斉攻撃で潰されたからだ。この大戦果にアメリカは狂喜した。それは同行していた国連軍や各国軍も同じであっただろう。彼らにしても月の奪還は重要だったのだ。

 しかし、彼らが喜んでいられたのはそこまでだった。とんでもないことに彼らの打ち込んだ大量のG弾によって月が崩壊してしまったのだ。

 

 そう、彼らは大きな勘違いをしていた。

 確かに彼らはBETA由来のG元素を利用したG弾という新兵器を作り出すことに成功していた。しかし、彼らの技術力ではそれを多用すればどうなるかまるで分かっていなかったのだ。

 良く分かりもしない借り物の技術を過信した代償は極めて大きかった。

 それは後に監察軍に所属するあるトリッパーが『核兵器を手に入れた原始人が調子に乗って自爆した』と揶揄した出来事であった。

 

 

 

 この月の崩壊は致命的であった。

 他の作品例えば『ドラゴンボール』では亀仙人やピッコロが月を破壊しても地球にはさほど影響がでていなかったが、このマブラヴ世界ではそうはいかなかった。というかドラゴンボールの世界がその特殊な世界観による補正(ご都合主義)が掛かっていたとしか思えない。

 

 この世紀の天体ショーは、某宇宙の帝王であれば「きれいな花火ですよ」と喜んでいただろうが、当事者であるマブラヴ世界の人間たちを顔面蒼白にするには十分な事だった。この月の崩壊に巻き込まれてアメリカ宇宙軍と国連宇宙軍は壊滅してしまい、崩壊した月の破片の多くが地球に降り注いだからだ。

 

 この大量の隕石は地面に衝突して大爆発を起こしたり、海面に落下して大津波を起こしたりして地球各地に甚大な被害を与えた。更に隕石衝突によって撒き散らされた粉塵によって太陽光が遮られて氷河期を再現するかのような寒冷化を招いた上に、ただの粉塵だけでなく重金属や放射能で汚染されたユーラシア大陸の土壌まで周囲に撒き散らされたために、地球全土で空気だけでなく土壌や海も汚染されてしまった。

 これらの影響で食糧生産が絶望的になったのは言うまでもない。

 

 これに追い打ちをかけたのが、月の消滅によって地球では地震や火山の噴火などの災害を初めとした様々な天変地異が発生したことだ。また環境の急速な悪化で最早地球は人類の住める環境ではなくなっていった。

 

 この上、一連の大混乱によって防空網に大穴があいてしまい、火星から飛来した複数の着陸ユニットが地球に落着してしまう。大混乱になっていた当時の各国は有効な対策が取れず後手に回ってしまい、ハイヴが築かれてしまった。

 こうして第二次BETA大戦が勃発してしまい、マブラヴ世界はより絶望的な状況になっていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。