惑星アトラスに降下したカリンは、事前に用意していたマクロス船団に向かった。
マクロス船団とは、第七次新マクロス級超長距離移民船団(マクロス7)を参考に監察軍が用意したものだ。
全長六キロを超えるマクロスシティを中心に、研究実験艦アインシュタイン、農業艦サニーフラワー、コンビナート艦スリースター、アミューズメント施設艦ハリウッド、海洋艦リビエラなどが存在している。
ちなみにこの世界では外敵は存在しないので、現時点で護衛戦力や軍事施設などは必要ないので省いている。
これらが用意されたのは、アトラスでの開拓をスムーズに進める為だ。
ブリタニア帝国本国ならばともかく、この世界は別の下位世界なので開拓に必要な物資を一々運んでから開拓していては手間がかかり過ぎる。
その為、拠点として都市機能を有するマクロス船団を丸ごとこの世界に運んで、惑星アトラスに降下させたのだ。
このマクロス船団には監察軍の人間はおらず、アンドロイドのみとなっている。
まあ、開拓だけならそれで十分だし、監察軍の横槍を受けたくないのでこれでいい。
それからカリンは持ち帰ったDNAサンプルを研究実験艦アインシュタインに持ち込んで、臣民の製造に取り掛かった。
まずは千人以上のDNAサンプルを解析して、基本設定を決めておこう。
人は遺伝子を少し弄るだけでガンを克服できるから、そう設定しておく。ハゲも嫌だからそれも修正。後は無駄毛もいらないから、男性の髭を削除、女性は腋毛、脛毛、陰毛などを削除すると。これなら無駄毛の処理もいらなくなるし、衛生的になる。
共通設定としてはこんなもんでいいでしょう。
ネアンデルタール人は、地球人たるホモ・サピエンスに一番近い近縁種と言われているためか、主に欧州に住み着いていたからかは不明であるが、人種的には白人によく似ている。まぁ白人よりも少し顔が濃いけどね。
しかし、赤毛ばかりでいまいちだ。日本人みたいに黒髪、濃褐色の目の色ばかりだと面白みがないしね。
そこで、アニメみたいに色鮮やかにすることにした。その方が他のトリッパーたちも喜ぶでしょう。
遺伝子を弄れば毛髪の色も青、緑、水色、紫とかにできる。でも、ピンクだけは不採用ですね。
アニメとかではよくあるけど、実際に男がピンクの髪だったら引くし、歳をとった女性がピンクでもね。あれは少女しか似合わないよ。
同じく目の色もアルビノな赤はやめて置こう。実用性を考慮すると、あれはまともに使えないからね。
後、個々の組み合わせを一々決めるのは面倒だから、その辺りはアンドロイドに任せるとしよう。
DNAサンプルがそれなりにあるから、DNAを組み合わせて遺伝子操作すればいいだけだし。
出産にしても人工子宮があるから問題ない。
しかし、アンドロイドによって製造される臣民か。なんかどこぞのSF作品みたいだな。まさにデザインベイビー。
なんかコーディネイターみたいだな。人工子宮を使っているからスーパーコーディネイターもどきな感じ。
まぁ遺伝子操作といっても外見を弄っているだけで、身体能力や知能などの才能面はノータッチ。
そこまで弄る必要がないというか、やりすぎると遺伝子の多様性を潰すことになりかねない。
遺伝子を最適化するということは多様性を否定することだ。それだと世代交代が進むうちに行き詰る可能性が高い。
実際、コーディネイター率いるプラント(機動戦士ガンダムSEED)では出生率の低下という大問題が起きていたしね。
婚姻統制というか、遺伝子で結婚相手を選ばないといけない状態というのは拙い。おまけに、そこまでしても現状を改善できていなかったし。
新人類だの進化した種だのと原作で言っていたけど、百年ほどほっとけば勝手に消えるのではないのか?と思えるほどコーディネイターは能力的には優秀だが繁殖力としては脆弱な存在だった。
でも、必要数の臣民を確保するにはこれが一番手っ取り早い。とりあえず、20万人は確保しておかないと、まともな国家建設ができないよ。
こうして、臣民の製作にとりかかったので新たに暦を作ることにした。新たなる暦の名称は『アトラス暦』としておいた。
正直アトランティス暦でもよかったけどちょっと言いにくいから、アトラス暦にしておいた。
カリン暦? いや、一々自分の名前を呼ばれるのはどうかと思うからそれは却下したよ。
このアトラス暦は、名称こそ違うけどグレゴリオ暦だ。この惑星アトラスは一日と一年の長さが地球と同じなので、グレゴリオ暦を使える、というよりもブリタニア帝国もグレゴリオ暦だよ。
この世界の歴史の始まりはこれから始まる事になるからね。