目標としていた臣民20万人の生産がやっと終了した。生産された臣民たちは色素の薄い白い肌で、外見上はホモ・サピエンスの白人にみえる。
瞳の色もそれなりに種類があるが、毛髪は人類の黒、金、銀、赤、茶色だけでなく、青、紫、緑、水色などいろいろあり、アニメみたいにカラフルな外見になっている。
初期に生産した臣民たちが幼年学校を卒業したから、ようやく労働力を確保できた。早速、彼らを官僚にしたりサラリーマンにしたりした。
これまでのアトランティスは官僚や企業活動などはすべてアンドロイドにやらせていた。正直、気が進まなかったが、労働力が無い以上それしかなかったのだ。
しかし、これで徐々に人間に入れ替えることができる。
最もいきなり全部入れ替えたりしない。そんな事をすれば間違いなく混乱してしまう。だから、まずは下から入れ替えていき彼らを出世させて、中堅層や上層部も徐々に入れ替える。
2、30年もすれば、人間の社長、重臣、官僚たちで社会が構成されるだろう。
こうして社会に出た若者たちは、稼いだお金で国有企業の商店で買い物をした。
これまではお金を稼ぐという経験が無く国に養ってもらう立場だっただけに戸惑いもあっただろうが、臣民たちはそれもすぐになれた。まぁなれなければ生きていけないからね。
賃金はきちんとでているし、物価はそこまで高くないから臣民たちは買い物をしており、これで小規模ながらも経済の流れができた。
あと、これまではマクロス船団で生産される物資や国有企業の利益で国家予算を賄っていたが、社会人となった臣民からも税を取る。所得税とか、固定資産税とかね。
いつまでも無税だと妾の負担が重くて困るし、臣民なら国に税を納めるのは当たり前だ。
これで最低限の臣民は確保できた。
しかし、国家を発展させるにはまだまだ人手が足りない。だから早期結婚と多産を推奨する。
21世紀の先進国の多くは、晩婚化と少子化が問題となっている。これらの要因はやはり女性の社会進出と景気の悪化、雇用の不安定化があるだろう。
昔は夫が働き、妻が専業主婦になるのが主流だった。
つまり女性は良妻賢母として良き妻、良き母であることが求められた。だから女性は早めに結婚して多くの子供を生み、家事や子育てに集中できた。
しかし、21世紀の日本では女性の社会進出が進み、平均初婚年齢は、男性が30.5歳、女性が28.8歳となっている。
この28.8歳というのは、はっきり言って遅いといわざるを得ない。
女性は若いうちのほうが妊娠しやすいし、妊娠出産のリスクが低い。だから早く結婚して多くの子供を産むのが望ましいのに、これでは少子高齢化社会になるのは当たり前である。
これらの根本的な解決法は、夫が家庭の大黒柱として妻と子供たちを支えるという体制を作る事だろう。その為には、夫が妻と子供を養えるように、雇用を安定させてしっかり賃金を貰えるようにする事、それに子供が産まれるごとに減税して、法的にも支援する事が有効なので、それを実行する。
ついでに早期結婚の為に法律で、男女共に15歳以上なら結婚できるようにして、更に一夫多妻制を採用して、複数の妻を娶ることができるようにした。
また、幼年学校でもそれらを推奨していたので、学生の間にパートナーを見つけて卒業してすぐに結婚する夫婦が多くなった。
人間社会は、基本的には男性が女性の子育てを経済的に支えることで、子供を育てるのが基本である。
その為、一夫一妻制が基本となる。
逆を言うと社会的、経済的に力を持つ有力な男性ならば複数の女性とその子供たちに対して経済的保護が可能で、一夫多妻を実行できる。だから一夫多妻制はそうした有力な男性を対象とした制度になる。
アトランティスの企業はすべて国営企業で、皇帝がアンドロイドに運営をやらせていた。社長から従業員まですべてアンドロイドだったが、臣民との入れ替えが進んでいる。こうした国営企業は徐々に民営化していく方針だ。
それら国営企業の中でもサニーフラワーは、農業艦サニーフラワーを所有するアトランティス最大の農業企業だ。というよりも食糧生産をやっている企業は一社しかない。
そのため民営化するときは独占企業にならないようにいくつかに分割して民営化する事が決定していた。
独占によって食料品が高騰したら困る。だから競争原理を働かせて、いい食品を安く流通されるようにしなければならない。
ちなみにアトランティスでは個人経営の自作農は存在できないだろう。
農業艦サニーフラワーはマクロス船団を賄えるだけの食糧生産能力を持っているので、軽く200万人分の食料が生産できる。
それらはプラントで安価で大量生産されており、非効率な自作農では品質や価格で勝負にならないからだ。
21世紀の日本では、食料自給率の低下や農家の高齢化などが問題になっているが、規制緩和をして民間企業が農業できるようにしようという政策を掲げる政治家はいない。
普通に考えれば、民間企業による効率的な農作物の大量生産によって、食料価格が低下して国際競争力の向上や食料自給率の向上、更には新たなる雇用の受け皿になると、良いことずくめであるが、それをやると農家や農協関係者の票を失うからだ。
本来、民主主義というのはより良い政治を行うための手段にすぎないのだが、その為の票集めで政治が縛られてしまっては本末転倒だろう。