旧石器時代からスタート   作:ADONIS+

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7.社会保険(アトラス暦40年)

 情報省を設立して、情報省が管理している国営テレビを創設した。こうしてアトランティスでテレビ放送を開始できた。

 まぁ番組は国営テレビが一局しかないが、臣民の数が少ないからこれでも問題ない。後々に民放を加えていけば、テレビ局も充実してくるだろうし。

 最初は弱小部門なので、コスト削減のために主にブリタニアで昔作られていた物を放送している。

 これを使えば臣民の娯楽になる。民衆にパンとサーカスという飴が必要なので、テレビはサーカスの役を果たしてくるだろうし、ニュースなどもやっているので情報伝達には役に立つ。

 この国営放送は日本のNHKみたいに民衆から受信料を取ったりはしない。これは情報省が運営している国営企業なので予算は国費から出るのだ。それだけに国益を重視した放送が多いけどね。

 まあ、アトランティスには報道の自由や言論の自由なんて言葉は無い。下手なことをすれば国家反逆罪で逮捕される。帝政だからその辺りは容赦がない。

 

 

 

 初期生産された臣民たちが全員成長して幼年学校を卒業したが、現存する孤児院の施設は規模を縮小こそするが潰したりせずに温存しておく。やはり親がなくなったりした子供や、経済的な理由で子供を育てられない家庭などは出てくるから、そうした子供たちを救済する施設は必要だ。

 それなりにコストが掛かるが、ぶっちゃけると子供に関してはある程度投資しても問題ない、というよりも人手が欲しいから一人でも無駄にできない。

 

 

 

 人口増加の為には妊娠出産の奨励も必要だが、乳幼児の死亡率を低下させるのもやらないといけない。折角子供を出産しても、乳幼児はしっかりしておかないと死ぬ場合が多い。

 幸い、初期から小児科は存在しており乳幼児の死亡率の低下に貢献していたが、更に医療機関を利用しやすくするために医療保険制度を採用した。

 

 これは全国民を対象に一割負担としている。つまり臣民は自動的に医療保険に入っている状態にして、治療費の9割を国が負担して、臣民の負担は一割だけでいいという制度だ。

 平成日本では、医療保険は企業や個人任せになっている。特に不況で正社員になれない者は無保険というのも珍しくなく、親が無保険で子供も無保険という状態も社会問題となっていた。

 しかし、よくよく考えればこの手の社会保険というのは、資本主義によってもたらされる貧富の差の拡大や、経済不況による失業者の増大などの問題を和らげる役割がある。

 ぶっちゃければ、所得がしっかりして貯蓄がそれなりにある人間はそれほど社会保険を必要としてはいないのに、保険料を払いきれず無保険になっている低所得者ほど必要としているという矛盾が存在している。

 

 だから個人や企業に任せるのではなく、国が一括してやる方がいい。

 それなりに費用がかかるが、元々アトランティスの治療費は安い。それは医者や看護婦といった存在がアンドロイドで賄われており、人件費が削減できるからだ。

 

 しかし、外科手術の技術や使用する薬品に関しては、流石にホモ・サピエンスとネアンデルタール人という種族の違いから全く同じ品を使うことはできず、研究実験艦アインシュタインで遺伝子解析を行い、外科技術の修正や薬品の新規開発をする羽目になった。

 その為、少々手間がかかったが、人工知能による開発はかつての物に比べれば遥かに早くて安上がりにそれらをそろえることができるようになった。

 

 

 

 臣民たちがいろいろな仕事をやりだしているが、仕事をやる上で通勤災害や労務災害というのはどうしてもでてくる。

 そこで労災保険を採用した。これは国ではなく事業主が全額負担とした。

 

 一方で雇用保険に関しては見送る。これは失業者の保障に役に立つだろうが、下手をすると勤労意欲を削ぎかねない。

 大体、現在雇用先はいくらでもある。よほどのやる気の無い者でもなければ職に困らないし、そういう者はいらない。

 ”働かざる者食うべからず”というつもりはないが、怠け者を甘やかすつもりは無い。

 

 同様に生活保護制度もない。

 平成日本では生活保護対象者が膨れ上がっているが、これは下手に働くよりも生活保護に頼ったほうが安定するからだ。

 非正規雇用によって安定していないからそうなるのだが、本来ならばアルバイトでもなんでもいいので働けばいいのに、生活保護の方がいいからと受給者となっている者も多く、これが財政に大いに負担になっている。

 カリンから言わせれば、これは論外である。

 

 

 

 現在はまだ臣民たちは若いが、老人になると働けなくなる。そこで定年退職を65歳にして、65歳になったら年金をもらえるように年金保険制度を創設した。

 60歳で定年退職でもよかったが、いずれは平成日本並に平均寿命が延びて高齢者が増えるだろうからそれに対処するため先手を打っておく。大体、65歳までなら問題なく働けるだろうし、それ以上でも健康で本人の意思しだいでは働けるように法制度を整えておこう。

 65歳以上だから働く必要は無いと切り捨てるのは勿体無い。働けるなら働かせるべきだろう。

 

 ちなみに年金は、平成日本では国民から集めたお金で運営されていたが、社会保険庁が年金記録すらきちんと記録しておらず、年金着服問題、公的年金流用問題などを起こすなど不祥事が相次いで政府の信頼は失墜して国民の政治不信を大いに買うという大問題を起こしている。

 特に公的年金流用問題は大きな損失を出しており、バカにならない被害だった。

 はっきりいって、国が他人から集めたお金の扱いでどれだけ当てにならないかを誰の目にも明らかにしていた。

 

 カリンはこんな醜態は御免であるし、やはり低所得者の無年金問題解決の為にも、カリンは年金を税金で一括管理しておくことにした。

 誰もが問題なく暮らせるだけの年金が国から支給されれば、老後の貯えもない貧困層でも生活苦にならないだろうし、愛国心だって維持できる筈だ。

 

 本音を言えば、労働力にならない老人は邪魔でしかない。

 実のところ、臣民の初期設定で70歳前後に死亡するように遺伝子に細工して、高齢者問題を片付けようとも思ったが、臣民たちは後々トリッパー達の器になるので、意図的に寿命を短くするような細工はできない。仕方ないので、福祉を地道にやるしかないだろう。

 

 

 

 こうした社会保険の充実にはお金がかかる。その為、財源として消費税を導入した。

 税率は最初から10%にしている。10%ならば計算しやすいし、財源確保の為にはこれぐらいは必要です。

 この消費税の導入の際には臣民の反発を抑えるために、社会保険の予算に使う事を公表して不満を抑えた。下手に反対すると社会保険の敵になりかねないからね。

 まあ、妾は臣民にとってはまさに神なので、そうしなくても背いたりはしないと思う。歯向かえば神に逆らう罰当たり者になるからね。

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