唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第111話

「じゃあまたね。玲ちゃん」

 

「また本部で。ランク戦頑張れよ」

 

夕方、俺と桐絵は玲の家の前で別れを告げる。

 

「うん、2人ともまたね」

 

対する玲は笑顔で手を振るので最後に会釈をしてから門をくぐる。

 

「送ろうか」

 

「今日は良いわ。竜賀さんの家ってあたしの家や玉狛とは反対方向にあるから悪いわ」

 

まあそうだな。俺としては構わないが、がっついたら引かれそうだし素直に従おう。

 

「わかった。じゃあまたな桐絵」

 

「っ……うん。またね」

 

桐絵と呼ぶと桐絵は恥ずかしそうにしながらも返事をして、早足で去っていく。その姿はメチャクチャ可愛らしい。いつか恋人の1人にしたいので頑張ろう。

 

そして家に帰るべく歩き出すと……

 

「竜賀さん」

 

背後から呼ばれたので振り向くと玲がいた。なんか伝言でもあるのか?

 

「なんかあったのか?」

 

そう尋ねると玲は恥ずかしそうにしながらもやがて口を開ける。

 

「その……少しだけ2人きりの時間が欲しくて……あっ、嫌なら無理強いはしないわ。けど、竜賀さんが嫌じゃないなら……」

 

言いながら不安そうな眼差しで上目遣いをしてくる玲。そんな表情を浮かべられたら断れない。

 

「別に構わないぞ」

 

どうせ今日はもう用事はないし、何より玲と2人きりの時間は久しぶりだからな。

 

そう答えると玲は瞬時に不安そうな表情から嬉しそうな表情に早変わりする。

 

「ありがとう。じゃあ……」

 

言いながらも俺の手を優しく握って彼女の家に再び入る。そして玲の部屋に戻ると、玲はベッドの上まで俺を連れて、俺をベッドに座らせると横にくっついてくる。

 

「竜賀さん……」

 

「何だ?」

 

「いえ。竜賀さんにくっつくと安らぐから……」

 

玲は小さく微笑みながらそう言ってくる。ハッキリ言ってメチャクチャ可愛いです。

 

「そうかい。俺も子供好きだからか、お前に甘えられると気持ちが良いよ」

 

「むぅ……確かに竜賀さんからしたら子供かもしれないけど、あまり子供扱いはしないで」

 

玲は納得いかないように頬を小さく膨らませて、ジト目で見てくる。まあこの反応は予想内だ。

 

というか俺は今わざと子供扱いしたのだ。理由としては今女扱いすると後々厄介な事になる可能性があるので、敢えて子供として見ているように思わせるような言葉を使った。

 

「わかったよ。ごめんな玲」

 

「あっ……んっ……」

 

謝りながら玲の頭を撫で撫ですると玲はくすぐったそうに喘ぎながら俺との距離を詰めてくる。

 

俺は玲を甘やかせながら口を開ける。

 

「ところで玲。2人きりの時間が欲しいと言っていたが、何かして欲しいことがあるなら言って良いぞ?」

 

俺は玲に欲求を言わせようとする。自分から言うよりも彼女の口から言わせる方がいい。その方が今後もっと甘えん坊になるだろうからな。

 

「えっと……じゃ、じゃあ……竜賀さんさえ良いなら少しだけ一緒に、寝て欲しいわ……」

 

玲は顔を真っ赤にしながら消え入る声でそんな要求をしてくる。そんな愛らしい態度を見せてきたら俺の本能が昂りそうだが、それを表に出さないようにしながら頷く。

 

「別にいいぞ。1時間くらいで良いか?」

 

「ええ……ありがとう」

 

玲はそう言いながらベッドに横になるので俺も横になると、俺の腕を枕にして俺に抱きついてくる。

 

「玲は甘えん坊だな」

 

「竜賀さんが私を甘やかすからよ……」

 

そりゃそうだ。口ではそう言っているが、甘えん坊になるように甘やかしたんだから。

 

「あ、それと竜賀さん。竜賀さんはボーダー本部で私と初めて会った時のことを覚えてる?」

 

ボーダー本部で初めて会った時の事?確か……

 

「個人ランク戦ラウンジでの一件か?」

 

「ええ。あの時に私は道端で助けてくれたお礼をしたいと言って、竜賀さんは気にするなと言って押し問答になった」

 

「その際に俺が折れたんだったな」

 

あの時の玲はかなり頑固だったから、こっちが折れるしかなかった。

 

そんで俺が玲に要求したのは確か……

 

 

「もしも俺が困っていたら相談に乗れ、だったっけ?」

 

その時は別に要求する事がないので未来に助けを求める可能性がある事を伝えてたな。

 

「ええ。でも今考えると実質10歳以上歳上の竜賀さんなら困ることはそうないわ」

 

まあそうだろう。別に初めてやる仕事じゃあるまいし、困ることはそこまでなかった。

 

「だから違う形でお礼がしたいの……竜賀さん。目、瞑って……」

 

玲は恥ずかしそうにしながらそう言ってくる。同時に俺は以前柚宇と桐絵から貰ったお礼を思い出す。二度あることは三度あると言うし……

 

まあ拒否する理由はないので目を瞑ると、即座に唇に柔らかな感触が伝わってくるので目を開けると……

 

「んっ……」

 

玲は真っ赤になりながらも自身の唇を俺の唇に重ねてある。玲の唇は凄く柔らかだが、身体が弱いからか伝わってくる感触は柚宇や桐絵に劣っている。

 

しかし普段清楚な玲が恥ずかしそうに唇を押し付けてくると愛おしさを感じて、柚宇や桐絵にされた時と同じくらいの幸せを感じる。

 

暫くキスをされていると息苦しくなったのか玲の唇が離れる。

 

「ぷはっ……!こ、これは……昨日小説を読んだら、こんなシーンがあったんで……その……」

 

玲は恥ずかしそうに言い訳をするので、俺は玲の頭に手を乗せてわしゃわしゃする。

 

「ったくマセガキめ」

「んんっ……子供扱いしないでくださいよ。竜賀さんのバカ……」

 

「悪かったな……まあ何にせよ礼は受け取った。ありがとな」

 

言いながら俺は拗ねる玲を左手で玲の頭を撫で撫でしながら、右手を玲の背中に回してそっと抱きしめると、玲は拗ねながらも俺の背中に手を回して頬にスリスリをして甘えてくるのだった。

 

 

こうしてのんびり過ごすのも悪くないな。まあ今後はNice boatされないように色々手を回していかないといけない。何せ今後は草壁とも更に交流を重ねて関係を深めるつもりだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後……

 

「じゃあ玲。またな」

 

「ええ。付き合ってくれてありがとう」

 

玲がお礼を言うと唯我尊もとい神城竜賀は小さく笑いながら去っていく。玲はその笑顔にドキリとしながらも竜賀が見えなくなるまで見送り、見えなくなると自室に戻りベッドに倒れこむ。

 

「うぅ……恥ずかしいわ」

 

玲は顔に熱が溜まるのを自覚しながらさっきまでの一件、より具体的に言うと竜賀にキスした事を思い出す。

 

しかし玲の中で後悔はない。竜賀という存在を知ったのは今日だが、竜賀がこの世界に来たのは自分と唯我尊が初めて会った時よりも前らしいし、一緒に過ごしてる際には昨日までの唯我尊と同じように優しさが伝わってきたので玲の中にあった恋心は薄れなかった。

 

よってお礼という建前で自身の唇を捧げた。

 

(これからは頑張ってアプローチして女として可愛がって欲しいわ……)

 

竜賀が表になってからも玲に優しくしてくれるが、以前よりも子供扱いしてくる。

 

竜賀の実年齢を考えれば仕方ないかもしれないが、玲からしたら子供扱いではなく女として扱って欲しいのが本音だ。もちろん子供扱いされるのも嫌というわけではないが。

 

だから玲としてはアプローチを重ね、自分を女と見てくれるようになったと判断出来たら告白するつもりだ。

 

ライバルには負けるつもりはない。自分と同じように竜賀の存在を知っている桐絵や柚宇は強敵だ。

 

加えて最近では草壁とも仲良くなっているという噂も出ている。あの無愛想な草壁が竜賀の行動に笑みを浮かべたと桐絵から聞いた時は仰天したくらいだ。

 

最も玲は負けるつもりはない。自分が初めに好きになったのだ。後から好きになった人に譲るなんて真っ平ごめんである。

 

「絶対に負けないから……ドンナテヲツカッテモ……」

 

玲は目の光を薄くして、先程まで竜賀が使っていた枕を抱きしめながら強く決心するのであった。

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