唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第120話

 

「……三門市、そして人類の未来は君達の双肩に掛かっている。日々研鑽し正隊員を目指してほしい。君達と共に戦える日を待っている」

 

 

 

9月6日

 

俺は今はボーダー基地のホールにて、高い場所から下にいる白い服を着ている集団を見ながら本部長の話を聞いている。

 

下にいる白服集団はC級隊員……より正確に言うと今日からC級隊員になる新人だ。

 

今日は年に3回ある正式入隊日だ。この日に一斉に入隊者が入り、下には40人近くいる。

 

しかし俺は大半に興味はなく、茶髪の小柄男子……緑川駿だけを見ている。

 

理由としては単純で、草壁と今季入隊者のデータを見たが緑川以外の隊員からは光るものを感じなかったし。仮入隊の連中については戦闘記録を見たがパッとしなかった。

 

来期は黒江双葉が入隊するが、その時に黒江以外にも金の卵がいて欲しい。

 

というか黒江にも接触するべきか?俺が現在目をつけている女子は大半が年上で、唯一の年下の草壁は年下に思えない。俺としては年下の女子も好きだからな。

 

(……いや、これ以上狙うのはやめたほうが良いかもな)

 

多くし過ぎるとnice boatされそうだからな。その辺りは彼女達の反応を調べて動こう。

 

まあ何にせよ今は仕事に集中しないといけない。

 

そこまで騒めきが耳に入ったので意識を戻すと、いつの間にか本部長はいなくなっていて男子4人、女子1人が壇上にいた。

 

そこにいたのはB級1位の嵐山隊だ。広報部隊だけあって原作通りオリエンテーションも担当するようだ。

 

オペレーターの綾辻は中央オペレーターのオリエンテーションに参加しているのだろう。柚宇と草壁もそっちに参加してるしな。

 

すると嵐山が前に出て口を開ける。

 

「さて、これから入隊指導を始めるがまずはポジションごとに分かれてもらう。アタッカーとガンナーを志望する者はここに残り、スナイパーを志望する者はうちの佐鳥について訓練場に移動してくれ」

 

佐鳥がドヤ顔を浮かべながら近くの出口に立ち狙撃手志望と思われる隊員を連れて行った。

 

そして狙撃手志望がいなくなると同時に壇上を見る。

 

 

「改めてアタッカー組とガンナー組を担当する嵐山隊の嵐山准だ。初めに入隊おめでとう。忍田本部長もさっき言っていたが、君たちは訓練生だ。B級に昇格して正隊員にならなければ防衛任務には就けない」

 

そしてB級になるのはかなり難しい。実際C級隊員はB級の4倍近くいるからな。

 

「じゃあどうすれば正隊員になれるのか、最初にそれを説明する。各自、自分の左手の甲を見てくれ」

 

同時に皆が手の甲を見る。

 

「君たちが今起動しているトリガーホルダーには、各自が選んだ戦闘用トリガーがひとつだけ入っている。左手の数字は、君たちがそのトリガーをどれだけ使いこなしているかを表す数字だ」

 

まあ数字が高い=強さって訳ではない。出水なんかは全ての弾トリガーを満遍なく使っているから1つのトリガーの数字が高過ぎるわけじゃないし、影浦なんかは原作で隊務規定違反で10000ものポイントを減らされているからな。

 

「その数字を4000にする。それがB級になる為の条件だ」

 

もちろん例外はある。原作では三雲がイレギュラー門の発生原因となっているラッドを見つけたってことになりB級に上がってるし、俺……というか唯我尊は即座にA級に入れろって無茶振りをしたからな。

 

転生したばかりの頃はふざけんなと思ったが、今はそうでもない。何故なら太刀川隊にいるお陰で柚宇と仲を深められたし。既に柚宇、そして玲と桐絵は俺にキスをするくらいだし俺が告白すれば即座にOKをくれると思う。

 

まあ交際については俺の精神年齢を理由にして、当分するつもりはないがな。どんなに早くても草壁、どんな遅くても綾辻との関係を柚宇達と同等レベルまで深めるくらいまでは交際云々は考えてない。

 

 

「ほとんどの人間は1000ポイントからのスタートだが、仮入隊の間に高い素質を認められた者はポイントが上乗せされている。当然、その分即戦力としての期待がかかっている。そのつもりで励んでくれ」

 

すると下では自身の手を偉そうにかざしている奴がいる。顔を見れば仮入隊組の連中だ。確かにポイントは上乗せされているだろうが、以前の仮入隊組に比べたら低い。現にそいつらに冷たい目を向けてる木虎なんかは3600スタートだし。

 

「ポイントを上げる方法は二つある。週2回の合同訓練でいい結果を残すか、ランク戦でポイントを奪い合うかだ。まずは訓練のほうから体験してもらう。ついて来てくれ」

 

そんな風に締めくくり嵐山は廊下に向かい、新入隊員もそれに続く。

 

一拍おいて俺もそれに続く。俺は唯我尊がA級1位になったばかりの時期に転生したから、合同訓練に一度も参加してないので興味がある。原作でも存在するイベントに立ち会うのは悪くないからな。

 

 

暫く歩いていると訓練室に到着したので、C級隊員とは離れた場所に位置取る。周りを見れば正隊員も何人かいるがスカウト、もしくは友人の見学とかだろう。

 

「最初にやるのは対近界民戦闘訓練だ。これから仮想戦闘モードの部屋の中でボーダーの集積データから再現された近界民と戦ってもらう」

 

C級隊員はかなり騒めいている。まあいきなり戦闘訓練だからな。

 

しかし最初から戦闘訓練をする事で、参加者が上に上がれるかどうかが顕著になるのは事実だ。ここで好記録を出した隊員は上がっていくだろう。

 

「仮入隊の間に体験した者もいると思うが仮想戦闘モードではトリオン切れはない。ケガもしないから思いっきり戦ってくれ」

 

嵐山がそう言うと訓練室にバムスターが現れる。トリオン兵の中では1番世間で認知されてるヤツだろう。

 

「今回、君達が体験するのは初心者レベルの大型近界民だ。攻撃力はないがその分硬いぞ。制限時間は1人5分で早く倒すほど評価点は高くなるから自信のある者は高得点を狙ってほしい。……説明は以上!各部屋始めてくれ!」

 

その言葉と共にC級隊員は一斉に並び始める。さぁて、参加しないとはいえオリエンテーション後にある講習会に備えてしっかり勉強しないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい。ちょっとお手洗いに行ってくるわ」

 

「あ、うんわかった」

 

中央オペレータールームにて、新しく入ったオペレーターに対する機器の説明がひと段落したところで草壁早紀は綾辻遥にそう言って部屋を出る。

 

「それにしても戦闘員の方はどうなのかしら?」

 

興味はあるが、自分はこれから指導する立場になるので見に行けない。

 

そんな事を考えながら廊下を歩いているて向かい側から迅がやって来るが、何故か草壁を見た瞬間に目を引きつらせていた。

 

「やあ草壁ちゃん。オリエンテーション頑張ってね」

 

「どうも。ところで私の顔に変なものでも付いてるの?」

 

あからさまに目を引きつらせるなんて迅らしくないので思わず質問してしまう。

 

「何でもないよ。とりあえず俺は防衛任務があるから」

 

迅は早足で去って行く。

 

「?何だったのかしら?」

 

そんな迅の態度に草壁は不思議に思わずはいられないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜もう……草壁ちゃんとの甘い未来を作りやがって……ただでさえ小南と那須ちゃんの2人と風呂に入る未来が見えて甘ったるいのに勘弁してくれよ〜」

 

迅はため息を吐きながらブラックコーヒーを飲む。ぼんち揚は最近食べていない。

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