唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第124話

食堂に着いた俺は軽食としてサンドイッチを口にしながら時計を見る。時間的に講習会まで30分あるので15分くらいしてから食堂を出て、15分くらい前にオペレートルームに入ろう。

 

まあ今回は草壁が操作するから俺は余りやる事はないけど。

 

そう思っていると携帯が鳴るので見てみると玲からメールが来た。内容を確認すると「今月のスケジュールを送るから、竜賀さんもオフの日にお泊まり会に誘って欲しいわ」という一文の後にスケジュールが載せられていた。

 

スケジュールを見れば防衛任務やランク戦の他に、病院とか習い事、ボーダーの広報活動など中々ハードなスケジュールだ。

 

「っと、もう1人にも聞いとかないとな」

 

俺は桐絵に「泊まり会の日取りを決める際にお前のスケジュールが必要だから送ってくれ」とメールを送る。

 

そして手帳を開いて自分のスケジュールを確認していると桐絵からも返信が来た。そしてメールに載っているスケジュールを確認しながら、メモ帳にチェックしていくが……

 

「おいおい……マジか」

 

とんでもない事実がわかった。桐絵も玲と同じように結構ハードなスケジュールなのだが……

 

(まさか泊まり会できる日が18日だけしかないなんてな……)

 

俺のスケジュールと玲のスケジュールを確認したら玲と泊まり会が出来るのは今月の18日のみだった。

 

そして俺のスケジュールと桐絵のスケジュールを確認すると、桐絵と泊まり会が出来るのも今月は18日のみだった。

 

つまり選択肢は「玲か桐絵かのどちらかを選ぶ」「2人とも選び3人で泊まり会をする」「2人とも選ばないで来月にしてもらう」の3つある。

 

「玲か桐絵かのどちらかを選ぶ」はない。理由としては選ばれなかった方が絶対に不機嫌になりそうだからだ。

 

「2人とも選び3人で泊まり会をする」については俺としては大歓迎だが、2人が不満を持つ可能性がある。

 

「2人とも選ばないで来月にしてもらう」が1番堅実だが、2人のスケジュールは中々ハードだから来月もお預けって事になったら、それはそれでショックだ。というか2人が嫌だと言う可能性が高い。

 

悩んだ末に俺は2人に対してスケジュールが過密で2人のスケジュールと合わせられるのが18日だけだから、3人でお泊まり会を出来ないかとメールをする。

 

怒られるかもしれないが、2人を平等に扱っている事を示すことがハーレム計画においては重要だ。勿論ハーレムメンバーに順位をつける奴もいるだろうが、俺は現時点で柚宇と玲と桐絵の中で順位をつけてない。

 

すると殆ど同時に2人から返信が来るが、以外にも2人とも了承のメールを送ってきた。

 

この事に若干拍子抜けしてしまう。俺はテッキリ電話で不満を吐かれると思っていたので、こうも簡単に話が済むなんて予想してなかった。

 

(ま、それならそれで良いか)

 

俺個人としては2人同時に一緒に一夜を過ごせるからな。

 

そして2人は俺と風呂に入りたがっているし、2人から手厚い奉仕を受けられる可能性が高い。

 

以前桐絵と風呂に入ったことはあるが、桐絵はあの時に比べてかなり積極的になったし、玲も初めて会った時に比べて妖艶な雰囲気を醸し出しているし、期待しても仕方ないだろう。

 

何せ柚宇も自身の身体を使って俺の身体を洗ったり、俺のアレを手で洗ってくれたからな。

 

出来れば柚宇もいて3人と風呂に入りたいが、流石に柚宇を呼んだら今回怒らなかった2人も怒りそうだから止めておこう。

 

そんな事を考えながらも残りのサンドイッチを食べ終えた俺は食後の紅茶を飲んでから、立ち上がって食堂を後にする。

 

そして訓練室のオペレータールームに入り、パソコンを起動する。流石にトレーニングプログラムの作成などは無理だが、既に完成しているトレーニングプログラムの操作やや仮想戦闘モードの起動は出来る。

 

まあ出来なくても普段オペレーターをやってる草壁がいるから問題ないけどな。

 

オペレータールームから訓練をみると時間までまだ20分近くあるからか、数人しかいない。10分前になったらぞろぞろ集まって来るだろう。

 

暫くパソコンを操作しながらも訓練室を見ていると、15分を切ったあたりで緑川が訓練室にやって来る。ということは草壁との話し合いも終わったみたいだし、草壁もそろそろオペレータールームに来るだろう。

 

ガチャリ

 

背後からドアの開く音が聞こえてきたので振り向くと、やはり草壁だった。

 

「話し合いは終わったのか?」

 

「ええ。結論から言うと、彼はB級に上がるまではウチの隊でトリガーの勉強をしてB級に上がってからは新しいフォーメーションの訓練を詰め込んでいくわ……けど、良いのかしら?」

 

ここで草壁は複雑そうな眼差しを俺に向けてくる。感謝や呆れなど色々な感情が見える気がする。

 

「何がだ?」

 

「彼は凄い逸材だし、スタイルも私の部隊に合っているからメリットは大きいわ。けど一応違う部隊なのに、優しくし過ぎよ。太刀川隊の人達に怒られない?」

 

あー、そういう事か。俺の行動は人によっては「敵に塩を送っている」と思うだろう。

 

しかし……

 

「問題ないだろ。出水先輩や柚宇さんからは多少言われるかもしれないが肝心の隊長は強い奴と戦えるって嬉々と笑うだけだ」

 

太刀川は自他共に認めるバトルジャンキーだ。学校の勉強を犠牲にしてまで強くなっただけあり、強い人間や強いチームを好んでいる。

 

よって今後緑川がボーダーにおいて名を馳せてから、俺が緑川を草壁隊に紹介したことが広まっても太刀川は笑って済ませるだろう。

 

「……まあ太刀川さんならあり得るわね」

 

草壁もそれを理解したようでウンウンと頷く。それを見ながら俺はさらに口を開ける。

 

「というか俺は怒られたとしても後悔しない。本人に適した部隊に入る事がボーダーにとっては最善だ。それに……」

 

一息……

 

「俺は草壁隊に塩を送ったつもりはない。今回の計画の助けをしてくれた草壁早紀個人に恩を返しただけだ」

 

草壁の目を見ながらハッキリとそう告げる。対する草壁は目をパチクリするが、やがて若干の驚きを出す。

 

「正気?別に私は大した事をしてないわ。少なくとも貸し借りが釣り合っているとは思えないわ。私からしたら唯我先輩に借りができたと思ってる」

 

そう言ってくる草壁だが、俺としては対等と思いたいし、草壁にも対等と思わせる。

 

「そんな事はない。草壁が居なかったら計画の始動が出来ないとは言わないが、遅れが出た可能性が高い」

 

実際隊長兼オペレーターの草壁のネームバリューはかなりあるだろうからな。

 

そう思いながら俺は一歩踏み込むべく、草壁の手を両手で優しく握る。

 

「だから草壁は借りが出来たと思わないでくれ。俺が草壁の為に勝手にやったことと思っといてくれ」

 

草壁の目を見つめながら自分の気持ちをハッキリと告げる。対する草壁は居心地が悪そうに目を逸らす。

 

「前から思ってたけど、唯我先輩って自分自身には厳しい癖に他人に甘過ぎのお人好しね」

 

当たり前だ。自分に厳しくないと強くなれないし、ハーレム計画も完成出来ない。

 

実際俺は柚宇達にキスされる事あっても自分からキスをした事はない。あくまで受け身の態勢を取っているが自分に厳しくないと無理だろう……まあ偶に手を出したくなるが。

 

そう思っていると草壁は俺を見てくる。

 

「けど私としては借りが出来たと思ったから、勝手に借りを返すから」

 

そう言うと草壁は俺が握っている手を俺の手から離して、そのまま両手を使って俺の両手を握ってくる。

 

「それと言い忘れていたわ……私の為に動いてくれて、ありがとう」

 

そう言って小さくはあるが優しく微笑む草壁は凄く魅力的で心臓がバクバク高鳴っている事を嫌でも自覚するのだった。

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