唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

130 / 148
第127話

「では飲み物も揃ったので柿崎さん、お願いします」

 

「俺かよ。まあ良いけど。じゃあ……第1回指導会を終えた事を祝って……乾杯!」

 

「「「乾杯」」」

 

柿崎がそう言って烏龍茶の入ったジョッキを持ってそう叫ぶので俺達も各々の飲み物が入ったジョッキをぶつけてから、一口飲む。

 

ここは駅前の居酒屋で俺達はお疲れ様会をしている。この場にいるのは俺、草壁、柿崎、犬飼の4人だ。指導会に参加したのは歌川と蔵内もだが、歌川は防衛任務で蔵内は家の用事で居ない。2人には明日、ケーキでも買って各々の作戦室に向かう予定だ。

 

協力して貰って感謝の気持ちを伝えないのは論外だ。前世では協力する事が当たり前の風潮だったが、それはブラック企業における風潮であり、ボーダーでは感謝の気持ちを忘れないで過ごすのは絶対だ。

 

「しかし唯我がこういう店を知ってるとは思わなかったな」

 

「だよねー。てっきり高級レストランを紹介すると思ったよ」

 

「高級レストランを紹介する場合、ドレスコードの問題がありますからね。直ぐにスーツになれる犬飼先輩以外は準備無しだと厳しいですよ」

 

この世界に来てから何度か高級レストランに連れて行かれたが、その際は身だしなみや衣類について注意された。

 

「で、この居酒屋は太刀川さんにレポートの代筆のお礼に連れて行った店の一つなんですが、焼き鳥が絶品なんですよ」

 

太刀川は俺に美味い飯屋を幾つも教えてくれたが、この店はお気に入りの店だ。値段も安く、味も良いからな。前世で存在していたら常連になっているだろう。

 

「本当に太刀川さん、レポートの代筆を中学生に頼んでんのかよ……」

 

「二宮さんが太刀川さんは反面教師にしろって言ってたけど、そういう訳ね」

 

「というか唯我先輩も甘やかし過ぎじゃないのかしら?」

 

柿崎と犬飼は苦笑いを浮かべて、草壁はキツい態度を俺に向けてくる。やっぱ草壁に嫌われてるのか?

 

草壁を見るとバツが悪そうにソッポを向かれる。やっぱり嫌われてるのかもしれないな。

 

「まあまあ。それより唯我ちゃん、オススメはどれ?」

 

犬飼が興味津々の体でメニューを突き出してくる。流石二宮隊のバランサー、場をよく見ているな。

 

「オススメはつくね串ですね。太刀川さんはもも塩を好いてましたけど」

 

「じゃあ最初はそれを食べよっか。すみませーん、つくね串ともも塩を4つずつお願いしまーす」

 

犬飼がテンションを上げながら注文してから向き合う。

 

「それにしても今日の指導会、最初だからかもしれないけど良かったと思うよ」

 

「ああ。皆、やる気だったし今後、正式入隊日直後には定期的にやるべきだな」

 

「ありがとうございます。その時はまたお二人にも声をかけさせて貰います」

 

草壁は柿崎と犬飼に頭を下げて礼をするが、俺には一切見せない礼儀正しさだな。ちょっとショックだな……

 

「いやいや。こういう交流会は大事だと思うぜ。いざって時に備えて戦力を増やすのはボーダーにおいて1番の仕事だからな」

 

「そうそう。何だかんだ楽しかったよ。ロクロー君に教えるのとはまた違ったやり方だから勉強になるよ」

 

そういや香取隊の若村は犬飼の弟子だったな。

 

「ちなみに犬飼先輩って若村先輩にどんな訓練するんですか?」

 

「唯我先輩は普通の銃手じゃないですし、正統派銃手のやり方を聞いても意味ないと思いますよ」

 

草壁がそう言ってくるが、オペレートルームで過ごしてから当たりが強くなってないか?しかも目を見れば直ぐにそっぽを向いてチラチラ見てくるし、訳がわからないよ。

 

「まあまあ。基本的には動きながらの射撃かな。香取隊は香取ちゃんが暴れて他2人がフォローするスタイルじゃん。で、香取ちゃんは前にガンガン出るタイプだからロクロー君もある程度に前に出ないといけないからね」

 

犬飼はそう言ってくるが、確かに草壁の言うように参考にならないな。俺の場合、レイガストをどっしり構えて剣を捌き、射程を捨てて高速高火力のリボルバー銃で殺すカウンタースタイルだ。前に出る事はあるが、基本的に動きながら撃つ事は少ないし参考にならない。

 

「でも香取ってグラスホッパーを入れてますし、連携が難しくないですか?」

 

「そうね。隊員の機動力は揃えた方がいいわ」

 

「流石スピード自慢の草壁隊だな」

 

柿崎が誉めるように草壁隊は高い機動力を武器にしている。緑川抜きでも相当早い。特に狙撃手の宇野なんか走りながら狙撃をするが、変態だろ?

 

「ありがとうございます。でもまだ連携に拙さはあるので改善していきたいです。その点、細かな連携を必要としない太刀川隊は羨ましいです」

 

「そこは否定しないが、わざわざ俺を見て言わないでくれ。大体細かな連携を必要としない部隊は二宮隊もだからね。ウチも二宮隊もエースがオラオラ系だし」

 

「ぶっ!お、オラオラ系って……」

 

犬飼は噴き出すが、実際そうだろう。二宮隊の基本戦術は二宮が自分に近い敵を潰しに行き、犬飼と辻と鳩原がタイマン最強の二宮に奇襲を仕掛けようとする敵の排除や足止めだ。

 

太刀川隊についても状況にもよるがエースの太刀川が暴れて、出水が太刀川の援護、俺が出水のガードが基本的だ。

 

隊長兼エースが暴れる点では似ている。

 

しかも……

 

「そうでしょう。実際ランク戦や模擬戦やってると太刀川さんと二宮さんからは『俺は強いぜ』オーラをバリバリ出してますし」

 

「まあね〜。チームランク戦の事前ミーティングでも二宮さん、敵エースについては自分が撃ち落とすってよく言うからね」

 

「あの人太刀川さんの事を嫌ってますけど、戦闘面で割と似てますよね?」

 

「それ二宮さんの前で絶対に言わないでね。米屋くんが言ったら数日は不機嫌になったから」

 

言った勇者がいるのかよ。そういや1ヶ月くらい前に米屋が目に見えて憔悴しているのを見たが、アレは二宮にしばかれたからのかもしれない。

 

「まあ二宮さんならキレるかもな。それにしても隊長が絶対的な点取り屋ってのは良いな。ウチは隊員が優秀なのに隊長の俺が情けないから所為で上に行けないし」

 

柿崎は弱々しい態度を見せる。原作でも自分の卑下していたな。

 

「でしたら隊員全員、アステロイドではなく徹甲弾を使用するのはどうでしょう?3人揃った柿崎隊なら大半の相手はすり潰せますよ?」

 

実際俺は威力に特化したリボルバー銃トリガーに徹甲弾を入れているが、その威力は弧月の一撃より高い。まあ射程がクソ短いけど。

 

「前にそれを練習してみたが、継戦能力が下がる。短期決戦ならまだしも、繰り返せば相手も時間稼ぎ戦術を使ってくるだろうからな」

 

「まあ柿崎隊の魅力は堅実な所と安定性ですからね。堅実と安全性からかけ離れた唯我先輩は相談相手として不適格です」

 

「かもね。それにしても草壁ちゃん、唯我君にキツい態度を取ってるけど、嫌いなの?」

 

犬飼がズケズケと聞くと草壁はバツの悪そうな表情に変わる。ここでハッキリと嫌いと言われたら草壁の攻略について考える必要がある。

 

「……別に。好きでも嫌いでもないですよ」

 

草壁はそう言いながら俺を横目で見るが、直ぐにソッポを向く。口ではそう言っているがやっぱり嫌われている可能性が高い。

 

「そうなの?へ〜」

 

「犬飼、あんま弄るなよ?」

 

犬飼は楽しそうに笑い、柿崎は苦笑いを浮かべながら犬飼を嗜め、草壁はムッとした表情を犬飼に向ける。

 

「お待たせしました。つくね串ともも塩になります」

 

と、ここで店員が注文したものをテーブルに運んでくる。

 

「っと、来ましたし食べましょう。食べながら柿崎隊について話し合いましょう」

 

草壁は早口でそう言っておしぼりで手を拭いてから焼き鳥を食べ始める。

 

 

 

 

 

 

その際に犬飼のニヤニヤ笑いと柿崎の微笑みが俺と草壁に向けられて何だかむず痒い気持ちになってしまった。

ヒロインは何人まで希望?4人は確定

  • 4人
  • 5人
  • 6人
  • 7人
  • 10人以上
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。