唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第128話

「やはりここは全員にグラスホッパーを持たせるべきです。それと初心に帰り地形踏破訓練に参加するのは如何でしょう?」

 

「いっそ最初からバッグワームを着て民家に身を隠し続けながら合流場所を決めて、敵がドンパチやってる間に合流して漁夫の利を得るべく、徹甲弾を浴びせ続けるのはどうでしょう。獲得点数は少なくなりますが速攻で仕留められます」

 

「唯我ちゃん、真顔で下種な提案をするね〜」

 

「全くよ。まるでハイエナね」

 

「ハイエナはカッコいいだろ。後大企業だと、ライバル企業を如何に上手く出し抜くかが勝負だぞ」

 

「まあまあ!2人とも喧嘩すんなって!」

 

「喧嘩なんかしてないです」

 

「ええ。唯我先輩と意見をぶつけているだけです」

 

柿崎が俺と草壁に手を向けるが実際のところ喧嘩はしてない。

 

現在は柿崎の相談に乗っていて、柿崎隊について話し合っている中で己の意見をぶつけ合っていて、草壁はその中で皮肉を込めているだけだ。予想はしていたが草壁って負けず嫌いだ。

 

だからこそ手に入れたい。ツンツンな彼女がデレる瞬間を是非とも見てみたいからな。

 

とはいえ無理強いはしない。既に俺に好意を持っている3人、特に玲は結構深いからな。状況次第は4人目の攻略対象の草壁を諦めて、3人と付き合える方向に移行するかもしれない。

 

「唯我の話も草壁の話も犬飼の話もも為になった。とりあえず今月はチーム戦は無いから、今貰ったアドバイスを試してみるつもりだ。3人ともありがとな」

 

柿崎は笑顔で礼を言ってくる。こんな純粋な笑顔を向けられると口論しているのが馬鹿らしく思ってしまう。

 

前世で働いていた会社の上司が柿崎みたいな人間だったら、キツくても頑張れていたかもないな。

 

「……いえ。役に立てたなら良かったです」

 

これには口論していた草壁も気恥ずかしそうに小さく頭を下げる。その仕草は可愛らしい。

 

やっぱり草壁の攻略にも積極的に行こう。

 

そう思いながら俺は目の前にある炒飯を食べる。うん、やっぱり炒飯にはガーリックが最高だ。決して生クリームを入れるものじゃないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ今日は解散だな。唯我、草壁。次の指導会に参加出来たらするからよろしくな」

 

「暇だったら俺も参加するね〜」

 

「今日はありがとうございました」

 

「その時は宜しく頼みます」

 

食事を終えて俺達は解散となる。柿崎は駅に向かい、犬飼は西に向かい、俺と草壁は北の方に向かう。

 

「そういや草壁。この後、防衛任務とか用事はあるか?」

 

「ないけどそれがどうかしたの?」

 

「いや、明日蔵内先輩と歌川に礼の品でも買おうと思ってな。見繕うの手伝ってくれないか?」

 

本当は明日自分1人で買って届けても良いが、少しでも草壁と一緒にいてもおかしくない時間を作り、プライベートでも行動出来る様にする必要がある。

 

「そういう事ね。もちろん良いわよ」

 

草壁も俺には強気だが先輩には礼儀を持っているから特に不満を見せずに頷く。

 

「決まりだな。俺としては菓子でも買おうと思うが洋菓子か和菓子かどっちが良いと思う?」

 

「和菓子ね。最近風間隊のオペレーターが変わったのは知ってるでしょう。彼女、大福好きでチームメイトと良く食べてるのを見かけるわ。蔵内先輩も弓場先輩やウチの里見先輩と良くどら焼きを食べてるわ」

 

オペレーターやチーム繋がりから即答する。横の繋がりが広いのはオペレーターの武器みたいだな。

 

そうなると鹿のやの和菓子が1番だな。

 

俺と草壁は方向を変えて歩き出す。鹿のやを行くにはまず、階段を降りてロータリーから離れる必要がある。

 

「ところで唯我先輩。明日は日曜日だけど本部に行くなら緑川君と相手して欲しいわ。いつ頃なら空いてる?」

 

「朝から行く予定だな。で、5時から防衛任務がある」

 

「じゃあ3時にウチの作戦室に来て欲し……っ!」

 

俺を見ながら話した草壁だが、階段を踏み外してしまい前に倒れかかる。

 

(余所見をするな……)

 

俺は早足で草壁の前に立ち、受け止めの体勢を取る。昔の唯我尊の肉体ならいざ知らず、今の俺の身体はそこそこ鍛えられているから多少揺れるが巻き込まれずに支えられるだろう。

 

そして間髪いれずに草壁が倒れてくるので受け止めると、そこそこの重みが伝わってくる。これは草壁が重いからではなく俺のフィジカルが半人前だからだろう。

 

「大丈夫か?」

 

「……大丈夫よ。迷惑をかけてごめんなさい」

 

「気にするな。ただ話す時も前を見ような?」

 

「……ええ。気をつけるわ」

 

子供っぽい注意をされた草壁は恥ずかしそうにするが、実際に倒れかけたからか文句を言わずに頷く。

 

「そうしろ。それにしても怪我が無さそうで良かった。階段って踏み外した時はメチャクチャ怖いからな」

 

踏み外した瞬間、やっちまったって思い、直ぐに激痛が走るのが階段から落ちた際のパターンだからな。

 

「そうね……後、唯我先輩」

 

「何だ?」

 

「もう大丈夫だから……そろそろ離れて貰っても良いかしら?」

 

草壁は恥ずかしそうに見上げているが、その言葉に俺達の両手はお互いの背中に回されて抱き合っている状態となっている。

 

それに伴い、草壁の華奢な身体の感触が全身に伝わってきて、ドキドキしてくる。柚宇や玲や桐絵とはまた違った柔らかさだ。

 

本来ならもっと堪能したいが、それは次の機会にしよう。

 

「わ、悪かった」

 

名残惜しく思いながら草壁の背中から手を離すと、草壁も俺の背中から手を退かし離れる。

 

「気にしてないわ……それより早く鹿のやに行きましょう」

 

草壁は頬を染めながら早足で歩き出すので俺もそれに続くのだった。

 

次はもっと長く抱きしめられる事を願いながら。

 

 

 

 

【オペレーターグループ】

 

仁礼:スクープだぜ!

 

仁礼:「唯我尊と草壁早紀が抱き合っている写真」

 

宇佐美:おぉ!

 

綾辻:大胆!

 

三上:少女漫画でありそう!

 

氷見:私も烏丸君とあんな風に抱き合いたい

 

沢村:私も本部長と……!

 

国近:ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん?

 

加賀美:おっと?修羅場かな?

 

仁礼:柚宇さん、明日は柚宇さんが抱きつけ!

 

国近:当然だよ。明日は防衛任務以外の時はずっと抱きしめないとね

 

綾辻:キャー!

 

三上:柚宇さん大胆です!

 

人見:というか、これは何があったの?

 

月見:事故なんじゃない?

 

今:光、説明を

 

仁礼:蓮さんの言うように事故だな。早紀が階段から落ちそうになったのを唯我が受け止めて抱き合った感じだな

 

加賀美:やっぱりそんな所か

 

月見:唯我君が誰とも付き合ってないはずよ

 

国近:近い未来に私が付き合う予定だけどね

 

綾辻:流石チームメイトだけあって有利ね

 

人見:桐絵なんか支部所属だから不利ね

 

加賀美:というかずっと前から思うんだけど、唯我君って何があったの?

 

仁礼:それは気になるんだよな〜。入隊当初はお坊ちゃんだったのに、今じゃ参謀って感じだしよ〜

 

人見:改心したってのも努力を見る限り嘘とは思えないけど、変わり過ぎだよね?

 

月見:太刀川君も急に変わったって驚いたわ

 

沢村:そういえば最近本部長から聞いたんだけど、唯我君は上層部にその質問をされた時に「唯我尊は2人いて、もう1人の俺が出てきただけ」って言ったらしいわ

 

綾辻:唯我君は2人いる?

 

宇佐美:二重人格って事?

 

加賀美:それならあの変わりようも納得だけど

 

氷見:国近先輩は知っているんですか?

 

国近:知ってるけど絶対に教えないよ。尊君にとって避けたい内容だからね。無理矢理聞き出すのもお願いだからやめて

 

綾辻:わかりました

 

加賀美:ま、明らかにデリケートな問題だしね

 

月見:どうあれボーダーに貢献してるんだし今のままで良いんじゃないかしら?

 

三上:歌川君も今日の指導は有意義って言ってたね

 

氷見:犬飼先輩も初心に帰れて良かったって言ったね

 

綾辻:今後も継続すればC級全体の士気は上がるよね

 

国近:けど、その場合、尊君と早紀ちゃんの接点が増えるのがな〜。ライバルが3人になったらと考えたら憂鬱だよ

 

加賀美:はいはい。悩んだら相談しなさい

 

今:愚痴りたくなったら聞くわよ

 

人見:明日は頑張りなさい

 

国近:ありがと〜

 

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