唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第131話

 

 

 

「良し……これで良いか」

 

草壁から貰った草案をチェックを済ませた俺は息を吐いて、草壁にメールによる返事を送る。

 

「竜賀さん、終わった?」

 

向かい側にいる柚宇がそんなふうに聞いてくる。

 

「ああ、今から帰るけど、お前まで待つ必要はなかったぞ」

 

太刀川が忍田本部長と風間に連行されてから出水は直ぐに帰ったが、柚宇は俺と一緒に帰りたいと言って残ったのだ。

 

「ううん。好きな人と帰りたかったから……」

 

柚宇は拗ねたような表情でそう言ってくるが、マジで可愛過ぎる。正直本能を解き放ちたいくらいだ。

 

「そういうのはもうちょい大人になってから言え」

 

しかし理性で抑え込み、歳上としての余裕を見せる。

 

「むぅ……いつか子供扱いから脱却するからね」

 

柚宇は膨れっ面のまま俺の腕に抱きついてくる。大きな胸の柔らかさが伝わってくるが、以前一緒に風呂に入ったからかそこまで緊張しないで済む。

 

俺は柚宇に抱きつかれたまま作戦室を出て廊下を歩き、エレベーターの前で待機するとエレベーターは直ぐにやってくるが……

 

「うげっ、最悪。唯我」

 

「おい葉子」

 

「葉子ちゃん……」

 

香取隊の戦闘員3人がいるが、香取は俺を見るなり露骨な嫌な顔を見せてくる。若村と三浦は注意するが良い度胸だな。

 

「お疲れ様です若村先輩に三浦先輩、防衛任務上がりのようですが、そちらのもぎゃ子のお守りは大丈夫ですか?」

 

「誰がもぎゃ子よ?!」

 

「いや、お前俺に負けるともぎゃぁぁぁぁぁぁって泣いて逃げるじゃん」

 

ぶっちゃけ香取と個人ランク戦をやるともぎゃらせたくなるし。というか若村と三浦は顔を背けて震えているが、バレたら面倒だし、内心で笑っとけ。

 

「っ!今からランク戦よ。今日こそぶっ潰すわ」

 

「いや、柚宇さんを送るから「私は良いよ〜、カッコいい尊君を見たいからね〜」仕方ないな……柚宇さんがこう言っているし、5本先取な」

 

「えへへ〜、ありがと〜」

 

柚宇は嬉しそうに腕に抱きつく力を強めてくる。

 

「こんな時までいちゃつくなんて本当、ムカつくわね……!」

 

香取は苛立ちに満ちた表情を浮かべているが、柚宇が絡んでくるからこつなっただけで、俺からは絡んでないぞ。

 

内心にてそう突っ込みながらもランク戦ステージに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このっ!割れろ割れろ割れろぉ!」

 

香取が怒りの表情を浮かべながらスコーピオンを振るいまくるが、レイガストで捌き……

 

「スラスター……」

 

「っ!」

 

俺がスラスターと呟いた瞬間、香取は後ろに跳ぶが……

 

「オンしないでシールド」

 

シールドを香取の背後に展開してから形状を変えて香取を覆うようにする。

 

「こんな防御で!」

 

香取は苛立ち混じりにスコーピオンを振るう。確かにシールドは面積が広いほど耐久力が下がるので、簡単に破れるだろうが……

 

「防御が緩いぞ」

 

ガガガガガガッッッッッ!

 

リボルバー拳銃から6発の徹甲弾を使って香取を蜂の巣にする。簡単に破れるのは否定しないが、破壊するには武器を使わないといけない為、一時的に両防御が出来なくなる事を意味する。

 

そして俺のリボルバー型の徹甲弾は二宮や出水のような規格外を除いたら、集中シールドの両防御でないと防げない。

 

両防御出来ない上、シールドに覆われた以上、逃げ道も決まっているので容易く撃破出来るのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後……

 

「もぎゃぁぁぁぁぁぁっ!」

 

香取が泣きながら去っていく。久しぶりにもぎゃるのを見れて満足だな、うん。

 

まあ……

 

5本先取

唯我⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ✖︎ ⚪︎

香取✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ⚪︎ ✖︎

 

一本取られたのは予想外だった。香取の奴、純粋な攻撃手として腕をかなり上げてるな。

 

「ふぅ……」

 

「お疲れ〜、尊君」

 

ブースから出ると柚宇が正面から抱きついてくる。癒されるなぁ……

 

「あざっす……んじゃ若村先輩と三浦先輩、香取にいつでも相手するって言っといてください」

 

「それは良いけどよ……もうちょい優しい戦術を使ってくれないか?絶対ヘソを曲げるし」

 

「割と優しいですよ。今考えてる新戦術に比べたら」

 

エスクードやスパイダーを利用した新戦術はまだまだ開発の余地があるから当分使わないが、今以上に性格が悪いと言われるだろう。

 

「まあ確かに新戦術は相手からしたらクソゲーだよね」

 

「否定はしません。何にせよもう夜遅いんで失礼します」

 

「ああ」

 

「葉子ちゃん、また少ししたら勝負を仕掛けると思うけど、全力で相手をしてあげてよ」

 

「もちろんです」

 

俺としても、香取がもぎゃるのを見るのは楽しいからな。

 

俺は2人に一礼してから柚宇と一緒にその場を後にして、エレベーターに乗る。

 

「大分遅くなったから家まで送る」

 

柚宇は可愛いし、不審者に狙われてもおかしくない。この前もナンパされていたからな。

 

「え?そこまでしなくても大丈夫「念の為だ」じゃ、じゃあお願いして良いかな?」

 

「ああ」

 

俺は頷くと通路を通って出入口のドアを開ける。もう辺りは真っ暗になっている。高校生が歩くには遅過ぎる時間帯だ。

 

「じゃあ帰るぞ」

 

「りょ〜かい。竜賀さんと2人きりで帰るのは久しぶりだね」

 

「かもな。最近は忙しいからな」

 

「草壁ちゃんと楽しくボーダーの将来を語り合ってるしね」

 

柚宇は膨れっ面になって俺を見てくるが、嫉妬か?可愛いなオイ。

 

「俺はともかく、向こうは全然楽しんでないと思うぞ」

 

俺は前世がクソ過ぎたからやり甲斐があって楽しんでいるが、草壁は真剣にボーダーを考えているだけだと思う。

 

「どうだか」

 

柚宇はそっぽを向いて怒ってますアピールをしてくるが、こういう時は頭を撫でて落ち着かせるに限る。

 

「んっ……竜賀さん、くすぐったいよぉ……」

 

くすぐったそうに目を細めてスリスリしてくる柚宇。見ているだけで疲れが取れてくる。

 

暫く撫でると柚宇が落ち着くので歩くのを再開する。

 

「そういえばもう直ぐ遠征があるけど、やっぱり来れない?」

 

赤信号になって足を止めると柚宇が話しかけてくる。

 

「無理だな。今の俺はスポンサーの息子の唯我尊だからな」

 

俺自身、興味はあるがこれについては両親も上層部も反対しているから無理だ。まあ太刀川隊は唯我が入る前から遠征経験があるから何の心配もしてないけど。

 

「安心しろ。お前の勉強については備えておくから」

 

留年したら洒落にならないからな。

 

「うんうん。やっぱり頼りになりますなー」

 

「あんまり頼り過ぎなよ?上層部は太刀川の成績の酷さからボーダー推薦について制限をかけたいと考えてるからな」

 

柚宇や当真はガチで酷い成績だからな。ボーダー推薦で大学に入っても単位を落とす未来が見える。

 

「気をつけまーす」

 

そう返されると信号が青になったので横断歩道を渡る。それから暫く真っ直ぐ進み、柚宇の借りている家が見える位置にある信号で赤になってしまう。

 

「この信号長いからここまでで良いよ。送ってくれてありがとう」

 

「わかった。じゃあここで」

 

「は〜い、じゃあお休み竜賀さん」

 

ちゅっ

 

柚宇は触れるだけのキスをしてから笑顔を向けてくる。このままキスをし返したいが、ギリギリで我慢して柚宇の頭をポンと叩いて自宅に向かって歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?今のキス?あんな場所で大胆……というかリュウガさんって……誰?唯我先輩の関係者……どういう事かしら?」

 

第三者に見られている事を知ることなく。

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