唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第12話

「うーん……お前の戦闘スタイル、何度見ても変だな」

 

太刀川隊作戦室にて、巨大モニターに映る俺の戦闘記録を見た出水がそう呟く。随分な言い方だが、事実だから否定しない。

 

昼飯を食べた後、俺は今個人ランク戦の記録を見直して反省会をしている。出水は反省会に付き合ってくれている。

 

モニターに映る俺は敵の振るってくる弧月を近距離で回避するだけじゃなくて、アステロイドを弧月に放って敵の手からはたき落としたり、シールドを使って真剣白刃取りをしたりと、中距離から戦局をコントロールする射手とはかけ離れた戦い方をしてるくらいだし。

 

「まあ否定はしません。しかし既にこのやり方が身体に染み込んでしまったんで今更スタイルを捨てるって無理ですよ」

 

「あー……まああれだけボコボコにされたなら……」

 

出水が苦笑いする。俺の戦闘スタイルは太刀川隊の2人(特に太刀川)によってボコボコにされた際に身につけたのだ。俺は太刀川と模擬戦をしたら距離を取って射撃をしようとする前に寄られてぶった斬られまくった。

 

俺は何千回もぶった斬られる中、『距離を取れないなら近距離で剣を受け流した方が良くね?』って発想になり、結果攻撃手の間合いで射撃をする異常な戦闘スタイルを手に入れてしまった。

 

しかしそのスタイルは異常であっても実戦ではそこそこ役に立っている。射手は多角的な攻撃が出来るのが特徴だが、近距離でそれをやると敵に攻撃を当てやすいし何だかんだ攻撃手相手に勝ち星を挙げている。

 

しかし……

 

「また戦闘スタイルについてはこれで良いですよ。それよりも問題はスコーピオン使いと戦う時の対策ですね」

 

1番の問題はそれだ。弧月による攻撃は相手の手を見れば見切れるが、身体の何処からでも出せるスコーピオンはそうはいかない。

 

過去にスコーピオン使いとは何度かやり合ったが、腕だけでなく足とか腹からスコーピオンを出してきてシールドだけでは捌くのが難しいのだ。

 

「まあな。いっそレイガストとか入れてみたらどうだ?レイガストで相手の攻撃を防御して、射手特有の多角的な攻撃で削るって意外と行けるんじゃね?」

 

レイガストを使った射手……完全に三雲修のスタイルじゃねぇか!

 

確かにレイガストのウザさは村上で経験済みだ。既に何度か戦ったが村上の防御を崩すのはクソ難しいし、逆にスラスターを利用したシールドバッシュはこっちの動きを簡単に崩してくる。あの技術を身につければ間違いなく大きな力になるだろう。

 

加えて那須隊の熊谷が那須を守るように、中距離戦に強い出水を守る手段としては悪くないし。

 

しかしなぁ……原作主人公のスタイルを真似して大丈夫……いや、三雲修は最終的にスパイダーを利用して空閑を援護するスタイルになった。白兵戦を好む俺とはスタイルが違うし大丈夫か?

 

「(とりあえず試してみるか)そうですね。試してみます」

 

俺がそう言うと出水は目を丸くして驚きを露わにする。

 

「えっ?冗談で言ったんだけど、マジで?」

 

まあ普通レイガストで攻撃を捌きながら射撃をする射手なんて珍しいからな。

 

「折角なんで」

 

元々前世でワールドトリガーを読んでいた時は全てのトリガーを使いたいって考えていたからな。折角だし使ってみたい。ついでは今は使うつもりはないが、マスタークラスになったら狙撃トリガーにも触れてみるつもりだ。

 

「まあお前が良いなら好きにすれば良いけどよ……で?どれを抜くんだ?」

 

出水がテーブルの上にあるトリガーを指差しながら聞いてくる。問題はそこだ。

 

現在の俺のトリガー構成は……

 

主トリガー

アステロイド

シールド

グラスホッパー

バイパー

 

副トリガー

メテオラ

シールド

グラスホッパー

バッグワーム

 

って感じになっている。そんで今はレイガストとスラスターを入れたいから2つ抜かないといけない。

 

(どうするべきだ。原作の三雲のようにシールドを1つだけにしとくか?)

 

ボーダーの正隊員の大半はメインとサブの2つにシールドを入れている。しかし8つしかトリガーを入れられない以上、防御重視のレイガストの為にシールドを抜くのも1つだろう。

 

(実際俺は三雲程じゃないがトリオンは多くないし、無理にシールドを2つ入れなくても良いかもな……うん、そうしよう。シールドを1つ抜くか)

 

そうなると抜くとしたらサブトリガーのシールドとグラスホッパーだな。グラスホッパーは一応逃走用や機動戦に備えて用意したが、余りメインとサブ両方のグラスホッパーを同時に使わないし。

 

それとバイパーも抜こう。シールドだけで捌きながらのバイパーでも結構難しいのだ。初めて使うレイガストとスラスターによる捌きをしながらバイパーは無理だろう。

 

「決めました。メイントリガーのバイパー、サブトリガーのシールドとグラスホッパーを抜いて、メインにハウンド、サブにレイガストとスラスターを入れます」

 

「なるほどな。まあ妥当じゃね」

 

「そうですね。欲を言うならトリガースロットを増やして欲しいですが」

 

玉狛支部の木崎レイジのトリガースロットの数は他の隊員と違って8個ではなく14個もある。俺からしたらそれは凄く羨ましく思う。

 

そんな事を考えながら俺は国近のオペレーターデスクに備え付けられた椅子に座ってパソコンを起動する。

 

そしてトリガーを専用工具で開きパソコンと接続する。やり方は既に国近から習っている。俺の場合、色々な戦闘スタイルを模索していたのでトリガーセットもしょっちゅう変えている。故に毎回国近に任せるのは悪いと思い、やり方を身につけたのだ。

 

「これで良し、っと」

 

ちゃんとトリガーがセット出来たかを確認するべくパソコンを見ると……

 

 

唯我尊

A級1位太刀川隊

 

主トリガー

アステロイド

シールド

グラスホッパー

ハウンド

 

副トリガー

メテオラ

レイガスト

スラスター

バッグワーム

 

個人ポイント

アステロイド 5384

ハウンド 3615

メテオラ 4382

レイガスト 3000

 

良し、ちゃんとレイガストが入ってるな。これで問題なく練習が出来る。

 

「入れられたか?んじゃ個人ランク戦行くぞ」

 

出水が立ち上がりながらそう言ってくる。作戦室でも訓練は出来るが、出水は仮装訓練フィールドの作り方を知らないし、俺は訓練する人間だから仮装訓練フィールドを作れないから個人ランク戦で経験を積むのは間違っていない。

 

「了解しました」

 

俺は頷き出水に続く形で立ち上がり作戦室を後にする。そして廊下を歩き、エレベーターに乗ると携帯が鳴り出したので見ると……

 

(おっ、那須からメールじゃん)

 

思わず喜びの感情が生まれる。この前個人ランク戦をした際に連絡先を交換したが、実際にメールが来ると嬉しく思う。

 

(なになに……明後日の夕方から那須隊の防衛任務なんだけど、くまちゃんが急用が入ってお休みだから時間があるなら手伝って欲しいだと?)

 

俺は即座にスケジュールを確認するが予定はない。その日は丸一日オフだから余裕だ。

 

ならば引き受けよう。出来るだけ多くボーダー女子と関わりたいし。

 

(熊谷が居ないのは残念だが仕方ない。とりあえず那須と日浦との接点を増やそう。志岐については男性恐怖症だから無理か?)

 

まあその辺りは明後日に会ってから決めよう。そう判断した俺は那須に了承の返事を送ろうと決心した時、出水が携帯を覗き込んでくる。

 

「おっ、お前いつのまに那須ちゃんと知り合ったんだ?やるじゃねぇか」

 

ニヤニヤ笑いながらヘッドロックをかけられる。しまった……那須からのメールの嬉しさの余り失念していた。

 

「い、以前道で苦しんでいた時に家まで送ったんです。それと偶にランク戦をするだけです」

 

以前に2回お茶を飲んだ事はあるがそれは絶対に口にしない。したら出水の口から同い年の連中に広まり、果てはボーダー全体に広がる恐れがあるからな。

 

「何だ。てっきり友達以上恋人未満くらいと思ったぜ」

 

「そんなわけないですからね。とりあえず送信、っと」

 

俺が了解の返事を送信すると同時に個人ランク戦が出来る階に到着するので、エレベーターから降りる。そして真っ直ぐ進むと最近になって毎日通っている場所に到着する。

 

「んじゃ俺は見てるから行ってこい。最初はスコーピオン使いとか?」

 

「もしくは個人ポイント5000以下の奴ですかね」

 

出水にそう返しながら俺はブースに入る。そして椅子に腰掛けてモニターを見るが……

 

(ダメだ。モニターに表示されているスコーピオン使いとは戦えねぇ……)

 

一応スコーピオン使いがいる事はモニターにてわかるが、相手が悪過ぎる。何せ2人とも10000超えだし。

 

(てかこれ風間と影浦だろ?迅はS級だからランク戦に出てないし)

 

風間と影浦は原作でもトップクラスの攻撃手2人だ。今の俺じゃなすすべなく負けるだろう。仕方ないから個人ポイント5000以下の相手を……ん?

 

そこまで考えていると対戦希望が来た。

 

(相手はアステロイドで5014……まあこいつでいいか)

 

14ポイント程度なら誤差の範囲だし。モニターを見ると5本勝負を希望しているので俺は了承ボタンを押す。

 

同時に俺はランク戦のブースから仮想空間へと転送される。そして目の前には……

 

 

 

 

 

 

 

 

『対戦ステージ市街地A、個人ランク戦5本勝負、開始』

 

(げっ……木虎かよ)

 

原作で作者公認の高飛車優等生である木虎藍がいた。

 

向こうも俺に気付いて鋭い目を向けてくるが面倒な予感しかしねぇ……

 

ヒロインは何人まで希望?4人は確定

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