唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

144 / 146
第139話

 

 

「予約していた唯我です」

 

「お待ちしておりました。ご案内します」

 

予約した料理店に着き、ウェイターから案内されたのは個室だった。これなら他のボーダー隊員に見られないから安心だ。(※既にドレス姿の草壁と歩いている姿は王子によって写真を撮られています)

 

そして俺は座る前に椅子を引いて草壁に座るように促す。

 

「……ありがとうございます」

 

草壁は気恥ずかそうしながらも礼を言って座るので俺は正面に座る。

 

(思ったより草壁には好かれてるみたいだし、今日更に距離を詰めるべきだな)

 

草壁の着ている服は明らかな勝負服。世話になっている先輩が推薦したものとはいえ、それを着てくるって事はある程度気に入られている事は間違いない。ならば更に攻めるべきだ。クリスマスプレゼントとクリスマスカードを準備したが、言葉も武器にしよう。

 

直ぐにドリンクがやってくるのでグラスを突きつける。

 

「じゃあまずは……乾杯と行くか」

 

「はい」

 

草壁もグラスを持つのでぶつけ合い、乾杯をして一口飲む。

 

「まずは1シーズンお疲れ。研修などはまだ足りない部分もあるが、予想よりも良い結果になったのは草壁の補佐があったからだ。ありがとな」

 

要所要所のアシスタントが助けになったのは間違いない。正直草壁のアシストが無かったら昇格者が2、3人は減っていただろう。

 

「どういたしまして。私としても学ぶべき点があったのでお互い様です。ありがとうございました」

 

草壁も頭を下げて礼を言ってくる。

 

「上層部に入ったのは予想外だが今後も忙しくなるだろう。新しいプロジェクトも大変だが力を貸してくれ」

 

俺は草壁の両手を掴みながらそう頼み込む。真面目な話をする熱意からのボディタッチを許してくれるかのチェックでもある。特に怒られなかったら、良いんだけど。

 

草壁を見ると恥ずかしそうにするが手を振り払う事はなかった。

 

「……全正隊員をマスターランクにするプロジェクトですよね?」

 

「ん?どこで知ったんだ?新しい正隊員がモールモッドに早く勝てるようにするプロジェクトは話していたが、その件はまだ先の話だから発表してないぞ?」

 

「すみません。盗み聞きするつもりはなかったんですが、数日前に唯我先輩と木崎さんがスーパーで話しながら買い物をしているのを見たのです」

 

なるほどな。確かに3日前に俺は食材の買い出しにスーパーで偶然会った木崎とそんな話をしたな。まだ先の未来だから具体的な話はしてないが、その時になったら協力して欲しいと話してそれを聞かれたようだ。

 

「別に謝る必要はない。改めて話すと俺としては訓練生の強化研修プログラムを確立出来たら、全正隊員を一定以上の実力にする強化研修も考えていくつもりだが、その時が来たらお前も手伝ってくれ。俺にはお前が必要だ」

 

「…………はい」

 

手を握る力を強めて草壁の目を正面から見て確認すると、草壁は俯きながらも頷く。その仕草がまた愛おしい。

 

コンコン

 

と、ここでノックの音が聞こえてくるので手を離す。

 

「どうぞ」

 

「失礼します。前菜の旬野菜のマリネになります」

 

美味そうなマリネが置かれる。とりあえず今は食事だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました。ブフ・ブルギニョンになります」

 

「ありがとうございます……うん、美味いな。草壁も食ってみろよ」

 

促されて草壁は食べる。確かに肉の味がしっかりして美味いが……

 

(唯我先輩……いや、竜賀さんは人の心を振り回しておいて普段通りなのはムカつくわね)

 

内心にて竜賀に文句を言っていた。赤いドレスで行くのも恥ずかしかったが、レストランに入ってから両手を握られたり、お前が必要と言ってきたりと恥ずかしい気持ちが強くなっていくのがわかる。

 

しかし当の竜賀はいつも通りの態度であるが、草壁はやはり実年齢が高いからなのだろうかと思ってしまう。

 

そう思いながらも食事を進め、デザートのシャーベットを食べ終えた時だった。

 

「あ、そうだ」

 

竜賀は思い出したかのように鞄の中に手を入れて……

 

「はい。俺からのクリスマスプレゼント」

 

お洒落なラッピングが施された小さな箱を差し出してくるので、慌てて受け取る。

 

「あっ……ありがとうございます。私の方は用意せずにすみません」

 

「別にお返しを求めてる訳じゃないし、気にするな」

 

「はい。開けても良いですか?」

 

「あ〜……止めはしないが可能なら1人の時に開けて欲しいな」

 

バツの悪そうな表情を見せる竜賀だが、珍しい表情なので草壁自身好奇心が湧いてしまう。

 

「失礼ですが、開けさせてもらいます」

 

草壁は何故あんな表情を見せてくるのかと興味を抱き、包装を丁寧に解いて中に入った箱を開ける。

 

(ブルーライトカット用眼鏡?確かに家でパソコンを使う時には良いものだけど、普通のプレゼントじゃない)

 

これならバツの悪い表情を浮かべる必要性はない。

 

と、ここで草壁は箱の中にカードがあるのを発見したので取ってみると……

 

 

 

 

 

草壁へ

 

今シーズンは俺に手伝ってくれて助かった。お礼としてプレゼントを贈りたい。

 

送るのはブルーライトカットだ。ボーダー基地ではトリオン体だからともかく、基地の外でパソコンに触れる時は生身が多いし、良かった使って欲しい。

 

お前と関わりを持ってから半年もないし、草壁にも色々指摘をされていたが、充実した時間を過ごせたのは間違いない。今日の食事会でお前が楽しめたなら嬉しく思う。

 

そして叶うならばこれからも2人で部署を引っ張っていき、来年のクリスマスイブも一緒に過ごしていきたいものだ。道はまだまだ長いが、一緒に進んでいこう。

 

最後に一言だけ。

 

メリークリスマス、年末年始だから風邪には注意して欲しい。

 

唯我尊

 

 

 

 

 

 

 

(こ、これは恥ずかしいわね……)

 

いやらしい事は書いてないが、自分と過ごした時間を有意義な時間、2人で部署を引っ張る、来年のクリスマスイブも一緒に過ごしたいなんて言葉は自分にとっては破壊力があり、目の前の竜賀も恥ずかしそうにしている。

 

「……なんか目の前で見られると恥ずかしいな」

 

「うぅ……来年はクリスマスプレゼントでカードは結構ですから」

 

そこまで話した草壁は遠回しに来年のクリスマスイブも2人で過ごすことが決定していると言っている事に気づいた更に熱くなる。

 

「お、おう」

 

竜賀もそれに気づいたのか若干恥じらいの色を強める。

 

結果、残りの時間は互いに恥ずかし合う時間となるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご馳走様でした」

 

食事を済ませ、レストランを出ると草壁が一礼する。

 

「ああ。帰るなら送るぞ」

 

「では途中までお願いします」

 

俺達は駅に向かって歩き、線路に沿った道を歩く。こっから20分くらい歩いた先に草壁の家があり、そっから5分くらいの所に俺の家がある。

 

そして10分くらい歩いた時だった。突如雨が降り始め、次第にドンドン強くなってくる。

 

「最悪のタイミングだな……」

 

俺も草壁もトリガーを持ってないし、駅からは大分離れているし、バスの路からは外れているし、近くにコンビニも見当たらない。

 

しかも草壁は借りているドレスだから早い雨宿りをする必要がある。

 

「っ……あそこのホテルで休みましょう」

 

草壁は線路沿いにあるホテルを指差す。確かに雨宿りが出来るのはあそこしかないな。

 

俺達は早足でホテルに向かい、中に入る。ネットを見れば朝から大雨とのことなので俺達は一泊の申請をする。

 

そして従業員に案内された部屋に入ると……

 

最初に巨大なベッド、その脇にある特殊な自販機が目に入るが……

 

(ここラブホじゃねぇか!)

 

思わずそう叫んでしまうのだった。

 

俺達がいるのはラブホテルだが、柚宇達に知られたらマジでヤバいぞ、これは……

 

 

ヒロインは何人まで希望?4人は確定

  • 4人
  • 5人
  • 6人
  • 7人
  • 10人以上
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。