唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第146話

 

 

 

「それで話とは何でしょう?」

 

誰もいないラウンジにて草壁は那須達と向かい合う。

 

「うん。単刀直入に言うとね、私達3人、昨日竜賀さんとエッチしたの」

 

「っ!」

 

那須の言葉に草壁の顔が歪む。

 

わかっていた。

 

那須達3人が竜賀に恋していることもクリスマスに勝負を仕掛けることもわかってはいた。

 

わかってはいたが……

 

(何これ?凄く嫌な気分になってる……)

 

草壁は自身の胸中に怒り、悔しさ、悲しさ、不快さなどあらゆる負の感情が突然生まれて混ざり合っている事に戸惑ってしまう。

 

しかしその戸惑いを表情に出さないようにしつつ那須達を見る。

 

否、那須達には睨んでいるように見えた。

 

「それで?惚気話なら恋愛が好きな他のオペレーターに話してはどうですか?」

 

険しい声で質問する草壁だが、自分の険しい声に自身が1番驚いていた。

 

そんな草壁に対して……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうじゃなくて、草壁さんも私達の仲間にならない?」

 

「…………………は?」

 

放たれた那須の言葉に先程抱いた負の感情が吹き飛んでしまう。

 

「え?な、何をいっているんですか?」

 

「だから草壁さんも私達の仲間になって、竜賀さんに愛してもらえるように頑張らないかって事よ」

 

「はぁ?!」

 

改めてそう言われたので草壁は真っ赤になる。

 

「ほ、本気ですか?!というか愛してもらえるようにって……」

 

「うん。昨日は私達が強引に押し倒しちゃったの」

 

「本当なら竜賀さんから手を出して欲しかったけどね〜」

 

「けど、いつまで待っても手を出してくれないし、こっちから攻める事にしたの。事後承諾になるけど、これから身体だけじゃなくて心を繋がるように頑張るよ」

 

3人の言葉に草壁は呆気に取られる。確かに竜賀が一切手を出してないのは知っていたが、本当に強引な手を打つのは予想してなかった。

 

「そ、それはわかりましたが、何故私を誘うんですか?」

 

「だって草壁ちゃん。竜賀さんのこと好きじゃん」

 

小南の断言した口調に草壁の焦りが強くなる。

 

「ち、違っ……何を根拠に?!」

 

「だってクリスマスイブにドレスを着てデートしたんでしょ?」

 

「あ、あれは……小佐野先輩に勧められたからでっ……!」

 

「それに昨夜に早紀って呼んだから経緯を聞いたけど、ラブホテルに入って一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たんでしょ?好きでもない人と普通はしないよ?」

 

「そ、それは……何を話してるのよ!竜賀さんの馬鹿……!」

 

「何よりこれだね〜」

 

国近はノートパソコンを取り出して、操作する。するとモニターには草壁の顔が映る。

 

「私のトリオン体の視覚記録だけど……」

 

『うん。単刀直入に言うとね、私達3人、昨日竜賀さんとエッチしたの』

 

『っ!』

 

さっきの那須と草壁のやり取りだが、草壁の歪んだ顔には嫉妬、憎しみ、怒り、悔しさの色があった。

 

「これ、どう見ても嫉妬心剥き出しな顔だよ」

 

「っ……!」

 

国近の言葉に草壁は黙る。確かにこの表情は誰がどう見ても嫉妬している表情だ。どうやら自分は相当顔に出していたようだ。

 

「改めて聞くけど、竜賀さんは好きかしら?」

 

那須が聞いてくるが、そんな表情を見せつけられた以上……

 

「好き、ですよ……!3人に比べたらつまらない人間ですけど、3人が竜賀さんに手を出したと聞いた際は不愉快でしたよ!」

 

遂に自分の気持ちを口にする。ハズレ炒飯を食べ貰った時なのか、クリスマスプレゼントを貰った時なのか、互いに名前呼びするようになった時なのか、日頃の積み重ねなのかわからないが、この気持ちは確かに存在する。

 

「認めてくれてありがとう。話を戻すけど、私達と一緒に竜賀さんを囲まない?」

 

改めて聞いてくるが草壁にはまだ理解できないことがある。

 

「ですが、私を仲間に誘う理由がハッキリしませんね」

 

草壁が那須の立場ならこれ以上仲間を増やすつもりはないので3人の行動理由が読めない。

 

「理由は竜賀さんの監視を頼みたいからだよ」

 

「監視、ですか?」

 

「そ、竜賀さんって面倒見が良いじゃん」

 

「そうですね。上層部になってからも現場に出て研修を手伝ったり、駿に稽古を付けていますね」

 

本人から前世のブラック企業で見た地獄に比べたら可愛いものだと言われなかったら止めているレベルで、働いている事を草壁は1番知っている。

 

「まあその優しさは誰にでも振り撒くけど、これ以上惹かれる女子が増えるのは避けたいの」

 

それは知っている。自分もお人好しな部分に惹かれたのだから。

 

「でも竜賀さんって最近上層部入りしたし、私達の見えないところでフラグを立てる可能性が高いよね〜」

 

「だから側近の草壁さんに監視を頼みたいの。草壁さんについてはライバルになるって予想してたから受け入れたのよ」

 

どうやら那須達はこうなる事を予想していたようだ。

 

「そういう事でしたら、わかりました。可能な限り見ておきます」

 

一度好意を認めた以上、草壁も監視に賛成する。あの女誑しならいつの間にか誰かにフラグを立てていてもおかしくない。

 

「決まりだね。じゃあ草壁さんにはこれを渡しておくわ」

 

そう言って那須が鞄から取り出したのは……避妊具だった。

 

「んなっ?!」

 

「これあげるから今夜にでも使ってみて」

 

「大丈夫よ、竜賀さんは押し倒せば余裕よ」

 

「一回抱かれたら後は身に任せれば大丈夫だよ〜」

 

驚く草壁に対して3人は肉食獣のような凶暴な眼差しを宿していた。

 

「無理です!恥ずかし過ぎます!」

 

草壁は真っ赤になって押し返す。いくら何でも順序が早過ぎる。

 

「わかったわ。草壁ちゃん、スケジュールを見せて」

 

那須にそう言われて草壁はタブレットを操作してスケジュールを3人に見せる。

 

「あ、1月6日がフリーよ!」

 

「私も大丈夫だよ〜」

 

「私も大丈夫だし、6日の夜に竜賀さんの家に泊まりましょう。私達3人一緒に攻めれば恥ずかしさも紛れるでしょう?」

 

「え、そ、それは……(積極的過ぎじゃない?!何で3人ともこんなに肉食なの?!)」

 

余りのテンポの速さに草壁は完全に気圧されてしまう。

 

「じゃあ当日の夕方7時に事務室に迎えに行くわ」

 

「泊まりの準備はしといてね」

 

「多いなら事前に私達が竜賀さんの家に荷物を運んでおくよ〜そんな感じで良い?」

 

「…………はい」

 

もう自分も参加する事が決定したように話を進める3匹の肉食獣に対して、草壁は是の返事をすることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おい早紀」

 

「な!何ですか?!」

 

「いや、さっきからチラチラ見てくるから気が散るんだが……」

 

仕事を始めてから20分してから早紀に話しかける。さっきから20回以上はチラチラとこっちを見て、しかも目が合うと真っ赤になって目を逸らす。

 

良い加減気になって仕方ないので思わず確認してしまう。

 

「もしかして玲達に変な事を言われたか?」

 

考えられるとすればそれくらいだ。昨日の情事について聞かされたのなら謝るしかない。

 

「いや、変な事といいますか、凄くぶっ飛んだ展開になった感じで……」

 

「?」

 

何言ってんだコイツは?ぶっ飛んだなんて抽象的な表現をするなんて早紀らしくないな。

 

「と、とにかく!チラチラ見たのは謝りますから、今は聞かないでくれると助かります!」

 

早紀はそう言って書類に目を落とすが、これ以上聞くのは無理そうだし、俺も仕事に戻ろう。

 

俺はパソコンに目を戻し、1月に入隊する面々のトリガーの種類について開発室に渡す書類の作成を再開する。

 

早紀との関係次第だが、5人目は1月に入隊する黒江にアプローチを仕掛けてみるか。

 

元々加古からイニシャルがKで優秀な攻撃手がいたら紹介をしてくれって言われているし、普段から黒江の同中の緑川の訓練に付き合っているから接点が作りやすいからな。

 

進展が遅かったら、トップクラスの難易度を誇るであろう綾辻に挑んでみよう。

 

三上も狙いたいが真木がセコムになっていて無理だろうしな。

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