唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第151話

 

 

『新年あけましておめでと〜』

 

年が変わり、テレビでは盛り上がりを見せている。この世界に来てから半年ちょい、漸く一区切りした感じだな。

 

(この世界での行動は順調だろう)

 

実力は鍛えてかなり上がった。A級ランク戦でも戦う事が出来て、偶に生存出来るしな。

 

ボーダーの戦力増加にも貢献出来ただろう。デカいイベントの大規模侵攻への対策は少し出来ている。

 

可愛い女子との出会いも順調だ。既に玲、桐絵、柚宇とは肉体関係まで行ったし、早紀もバニーガールになって俺の膝の上に乗るくらいの関係になったし、肉体関係を結ぶのも遠くない未来だろう。

 

(問題は6人以上と関係を持つと死ぬ可能性があるということだ)

 

折角転生生活を満喫しているのに早死にするのは嫌だし、関係を持つのは5人までにすることに異論はない。

 

ないが、後1人について誰を狙うか、迅から連絡を受けてから全く決まらない。現在決まっているのは真木以外にする事だけだし。真木だけは絶対に無理だ。

 

(まあ今は焦る必要はないな。基本的に真木と木虎、香取と染井以外からはそこまで嫌われてないし)

 

明日は初詣に行くし、その時に閃きが生まれるかもしれないし、気長に過ごそう。

 

俺はそのままベッドに寝転がるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日……

 

「やっぱり混んでるな」

 

少し離れた神社に向かうとかなり混んでいる。参拝の為の人は沢山いるし、屋台が活発的で舌鼓を打っている人もいる。

 

(あ、アレは太刀川じゃねぇか)

 

視界の右隅では太刀川が餅をついている。餅好きなのは知っているが、手伝った後に餅を分けてもらうのだろうか?

 

「あ、唯我先輩じゃん!」

 

左側から呼ばれたので振り向く。

 

「緑川に……黒江双葉か。知り合いなのか?」

 

そこにいたのは緑川と黒江だった。一応黒江とは初対面だから緑川と知り合いである事については知らないフリをする。

 

俺の呟きに2人は不思議そうな表情になる。

 

「あれ?唯我先輩って双葉の知り合い?」

 

「俺の役職を忘れたか?新入隊員の顔は覚えている」

 

「あ、そうだった」

 

コイツ忘れていたのかよ。今は太刀川隊のメンバーより上層部としての顔が有名なのに。

 

「ねぇ駿、この人は?ボーダーの偉い人?」

 

黒江が緑川に聞く。

 

「そだよ。A級1位太刀川隊のメンバーでありながら、新人育成室長として上層部入りしたハードワーカーの唯我尊先輩」

 

そんな風に紹介するがハードワークというのはサービス残業を次に100時間以上する事であるから、今の俺はハードワーカーでも何でもない。

 

「し、失礼しました。1月から入隊する黒江双葉です」

 

「別に失礼してないから気にするな。入隊してから正隊員になるのを期待しておく」

 

頭を下げようとする黒江を手で制しながらそう返す。まあ実際正隊員に上がるのを知っているけど。

 

「でも唯我先輩が初詣に行くなんて意外。俺はてっきり基地で仕事してるかと思ったよ」

 

「いや、学生にそこまでさせたら、マスコミに叩かれるからな。それに新入隊員に関する仕事は全部年末に終わらせてる」

 

「あの、ちょっと良いですか?」

 

ここで黒江が話しかけてくる。

 

「どうした?」

 

「あの、駿って本当に入隊初日にA級になったんですか?」

 

「お前まだ疑ってたのかよ?」

 

そんな風に話しているが……

 

「事実だ。というかコイツをA級部隊に紹介したのが俺だからだ」

 

「そうだったんですか。お調子者の駿ですから嘘と思いました」

 

「酷えっ!」

 

「まあ才能はあるけど、お調子者ではあるな」

 

「ぐっ!」

 

最後のランク戦でも機動力を重視する部隊であっても、前に出過ぎて、二宮隊に囲まれていたからな。

 

「まあお前も見込みがあったらどっかの部隊を紹介するかもしれないが、その時はよろしく」

 

実際幾つかチームからは有望な隊員がいたら紹介してくれと依頼を受けている。

 

「はいっ、頑張ります」

 

「結構、さて俺は今からお参りだが、来た方向から見る限りお前らは帰るんだろ。車には気をつけてな」

 

「ほーい」

 

「わかりました」

 

2人が了承すると俺は一礼して参道に向かう。最初の出会いはこんなものだろう。とはいえ入隊式前に黒江と話せたのは良かったな。

 

そう思いながら並ぶこと20分、漸く俺の番が来たので100円玉を賽銭箱に入れて祈る。

 

内容は当然アレだ。加古のハズレ炒飯を回避することだ。何回も医務室送りになっているが慣れる気がしないからな。

 

俺は丁寧に一礼してから行列から外れて、おみくじを買おうとしたら泣き声がしたので、振り向けば6歳くらいの男子が膝を擦りむかせて泣いていた。

 

多分行列や混雑に巻き込まれて家族とバラバラになって、転んだこともあって泣いているのだろう。

 

放っておくのもアレだし、話しかけるか。

 

「おい坊主。迷子か?」

 

「ひっぐ……おねぇちゃん達と遊びに来たらいつの間にかいなくなってて……」

 

「よし、わかった。まずは本堂に連れてくから捕まれ」

 

俺は持っているタオルを傷口周辺に巻き付けてから、男子を抱えて本堂に向かう。本堂で働く人に頼んで迷子の呼びかけをして貰おう。

 

「ちなみにお姉ちゃんの名前は何て名前なんだ?」

 

「……かほお姉ちゃん」

 

ん?かほだと?

 

「坊主、ひょっとしてお前の苗字は三上か?」

 

「え……うん、そうだよ。どうしてわかったの?」

 

「俺もお姉ちゃんと同じボーダーで働いてるんだよ。ちょっと待ってな」

 

俺は男子を下ろしてから携帯を取り出して三上に電話をかける。

 

「もしもし、三上先輩ですか?」

 

『ごめん唯我君。今ちょっと忙しいから後でかけ直すね』

 

「初詣ではぐれた弟さんの捜索ですか?」

 

『え?!もしかして唯我君が見つけてくれた?』

 

「ええ。俺は今本堂の近くのデカい木の近くにいますが、どっかで合流しますか?」

 

『じゃあ私が今からそっちに行くから待っててくれる?』

 

「了解しました……坊主、もうちょっと待ってろ。お前の姉ちゃんが来るからな」

 

「うん……」

 

涙を堪えながら頷く。姉ちゃんに見られたくないのだろうが、泣きたいとは泣いてもいいだろう。

 

「拓実!」

 

「お姉ちゃん!」

 

と、ここで三上が他の弟妹を連れてやって来る。

 

「早く会えて良かったよ。唯我君は傷を診てくれたみたいだし、ほんとうにありがとう」

 

三上は俺に頭を下げてくるが、そこまでされるほどの事じゃない。子供は嫌いじゃないし。

 

「お気になさらず。無事に会えたんで失礼します」

 

三上にいずれアプローチをするつもりだが、家族水いらずの時に介入するほど無粋じゃない。

 

「今度必ずお礼するから」

 

「お兄ちゃんありがとう!」

 

「おう。姉ちゃんから離れるなよ、坊主」

 

最後にそう言ってからその場を離れる。そしてお守りを買ってから最後に太刀川に挨拶をしようと餅つき場に行こうとしたが……加古に引っ張られる太刀川を見てスルーする事にしる。正月から初炒飯なんか絶対に嫌だ。

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、加古!唯我もいるし、アイツにも食わせてやってくれ!」

 

見られてしまうどころか道連れを狙ってきやがった。アイツ……部下を死地に向かわせるなんて、覚えていろよ……

 

内心毒吐きながらも俺は加古に捕まって連行されてしまう。

 

しかし運良くチーズポーク炒飯と当たり炒飯を引けて新年から最高だったのは幸運と言えるだろう。

 

太刀川?アイツはチョコレートメロン炒飯で死んだけど、良いやつだったよ

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