唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第152話

 

 

「辻先輩の場合はスラスターはいらないですね」

 

「やっぱり?」

 

二宮隊作戦室にて俺は辻とレイガストを踏まえた戦術を話している。

 

昨年からレイガストは少しずつ人気を増している。俺がランク戦で出水の盾となり、出水が合成弾を撃ちまくった事によりガード担当からの需要が増している。

 

辻も二宮のガードを担当する為にレイガストを入れて、俺にも相談してくる。俺としても辻には新人研修で世話になっているので無碍にはしないで協力している。

 

「スラスターは便利ですが、攻撃という点においても、相手を揺らがす点においても動きが大振りになりますから、支援タイプの辻先輩にはそこまで必要ありません。レイガストは格上の足止め、二宮さんを守る肉壁に使えれば問題ないでしょう」

 

俺は点取りを目的としているから、徹甲弾を使って仕留める為に崩し用としてスラスター入れているが、縁の下の力持ちの辻には必要性は高くない。

 

「そうなると辻ちゃんは捌きの練習をする感じかな?」

 

隣の席に座る犬飼が口にする。

 

「そうですね。一応俺が作ったメニューがありますけど、使います?」

 

「良いの?一応ランク戦のライバル関係だよ?」

 

「問題ありません。既に諏訪隊の笹森にも見せてますし、那須隊の熊谷先輩にも今度見せる予定ですから」

 

ランク戦はあくまで防衛や遠征に備えた訓練だ。

 

「なるほどね。じゃあ今からやるの?」

 

「そうですね。氷見先輩、トレーニングステージを『pipipi!』……時間か。申し訳ありませんが、これから開発室にて新入隊員に支給するトリガーの最終チェックの立ち合いがあるので失礼します。犬飼先輩1人でも訓練が出来るメニューもあるので、付き合ってあげてください」

 

いつのまにかそんな時間になっているとはな。もうちょいタイムスケジュールの把握はしておこう。

 

「オッケー。それにしても今期の隊員はどう?」

 

「仮入隊員は正直パッとしませんでしたね。ただ今期にて、緑川と同じ山奥の学校から入る子がいます。もしかしたら緑川同様にトリオン体を動かすセンスを持っているかもしれません」

 

実際緑川と黒江が通う学校を調べたが、かなりの山奥で自然の中で走って鍛えられた生徒が多そうだ。

 

「まあ才能があろうか無かろうと重要なのは真面目に努力する事です。そんな人間が多い事を祈りますし、辻先輩と犬飼先輩にも研修のご協力を宜しくお願いします」

 

辻にしろ犬飼にしろ基本に忠実だから新人には良い勉強になる。

 

この世界に来て改めてわかる。二宮隊はB級にいて良い存在ではない。2人だけでもB級上位でやっていけそうなのに、最強の射手の二宮はA級でもトップクラスだからな。このままだと鳩原が来期に抜けて降格するがB級からしたら二宮隊はステージギミックだろう。

 

「オッケー」

 

「正式入隊日には用事があるから無理だけど、以降はなるべく出るよ」

 

2人から了承の返事を聞いた俺は2人に一礼

 

「感謝します。氷見先輩も早紀のサポートを宜しくお願いします」

 

氷見もオペレーター研修によく参加しているからな。

 

「うむ」

 

それに対して氷見は目を瞑って頷く。氷見って結構ユーモアな所が多いんだよな。この前もオペレーターの腕を褒めたら「照れるぜ」ってドヤ顔を浮かべたし。

 

「ところで唯我君に聞きたいことがあるんだけど」

 

「?はい、何でしょうか?」

 

すると氷見は俺の耳に顔を寄せ……

 

「草壁さんはもう抱いたの?」

 

好奇心旺盛な態度を見せてくる。この辺りは普通の女子高生のようだ。

 

「いや、抱いてないですね」

 

「そうなの?まあ抱いたら色々聞かせてよ」

 

「……何で女子がエロトークをするんですか?」

 

普通男子同士、もしくは女子同士でするもんだろうに。

 

「だって唯我君ってネタに事欠かないから」

 

「勘弁してください。それでは」

 

最後に一礼をしてから二宮隊の作戦室を出る。しかしネタ扱いされているとはな。普通の学生に対して酷くないか?

 

そう思いながら開発室に向かう。研修関係で何度も足を運んでいるので、特に飛び止められる事もない。

 

「失礼します」

 

指定された部屋に入るとトレーニングフィールドが展開されていて、冬島と寺島チーフ、寺島チーフの部下がいた。

 

「お疲れ。全員揃ったし始めよっか」

 

「はい。では1番の赤沢真弘に支給するトリガーを起動します」

 

そう言われてからチーフの部下がトリガーを起動して訓練生の白い隊服に変わる。起動は問題なし。

 

「どうでしょうか?」

 

「問題ないね」

 

「大丈夫だな」

 

「合格です。次の工程をお願いします」

 

寺島チーフ、冬島、俺が承認を出す。次は武器の展開だったな。

 

「次にスコーピオンを展開します」

 

同時に手にスコーピオンが展開されるが、支給トリガー内容もスコーピオンで合ってるし、展開速度も問題ない。

 

俺達がまた承認を出すと次は機動力の確認だ。トレーニングステージを駆け巡る姿を確認するが、トリオン体はしっかりと機能しているので、これも良し。

 

「では最後に解除の確認です。トリガー、解除」

 

その言葉と共にテスターはトリガーを解除する。うん、これも問題ないな。

 

「赤沢のトリガーは問題ないと判断します」

 

俺はタブレットにて赤沢の欄にチェックを入れる。

 

「同意見だし、次行こうぜ〜」

 

「次、井沢涼子に支給するトリガーだね」

 

2人目のトリガーテストを始める。ちゃんと起動できるか、支給する内容が合っているか、トリオン体の性能に問題がないか、ちゃんと解除出来るかの試験は正式入隊日前に必ずやっている。

 

面倒だが、ボーダー隊員が自分の命を預ける武器なので安全性の確認は大切だから疎かにするつもりはない。もしも安全確認しなかった結果、トラブルが起こりましたじゃ洒落にならないからな。

 

それからも支給するトリガーを一つ一つをチェックしていくこと1時間半、全員分のトリガーは全く問題はなかった。

 

「大丈夫ですね。では今日中に書類にサインして鬼怒田さんに送っときます」

 

「了解、宜しくね」

 

「はい、失礼します」

 

一礼して開発室を出ようとした時だった。

 

「あ、そうだ唯我。お前真木ちゃんと何かあったのか?」

 

いきなり背後から冬島に話しかけられる。何か話すような事はあったか?

 

「いきなりですね。何があったんですか?」

 

「いや安全確認をする前に作戦室にいて、安全確認には唯我にも立ち合うって当真と話していたら、物凄く不機嫌になったからな。真木ちゃんがイラつくのは飽きるほど見てきたけど、ブチ切れるレベルはあんまり見ないからな」

 

どうやら忘年会の件は相当キレているようだ。それは悪い事をしたな。

 

「実は俺、出水先輩達の忘年会に参加したんですよ」

 

「忘年会って三浦や奈良坂が加古ちゃんに炒飯を貰いに行ったり、三輪が月見ちゃんにママ呼びしたりする罰ゲームをやった件だよな?」

 

「ええ。で、俺は真木先輩にバニーガールの格好になってくれと言ってフルボッコにされました」

 

アレはマジで死ぬかと思ったわ。

 

「お前、勇敢すぎるだろ。けど少しは自重してくれ。チームメイトからしたら不機嫌な真木ちゃんは怖過ぎるからな」

 

いや、俺だって逃げたかったわ。けど後輩という立場上、逃げれなかったんだよ。

 

「気をつけます」

 

とはいえ何度もボコされるのは嫌だからな。

 

「わかってるなら良い。無茶はすんなよ」

 

冬島は小さく頷いてから去る。俺もこれ以上は無茶しないようにしよう。

 

そう決意してから俺は基地を出て、自宅に向かう。今日は柚宇と玲と桐絵が泊まりにくるから、早く帰って3人と甘い時間を過ごしたい。

 

俺は早足で自宅に戻り、鍵を取り出して、玄関の鍵を開けると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お帰りなさい、貴方(あ、あ、貴方……)』

 

裸エプロンの美女が待っていてくれた。それは良いんだが……

 

(早紀もいる?)

 

玄関にいたのは柚宇と玲と桐絵以外にも早紀も裸エプロンで待っていた。

 

 

早紀が来るなんて聞いてないし、何よりも俺に裸エプロン姿になってくれている……これ、クリスマスの時のデジャヴじゃね?

 

そうなると俺、早紀に食われるのか?

 

俺は思わず、恥じらいを見せる早紀に何度も目を向けてしまうのだった。

 

俺の気力、持つのか?

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