唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第22話

「ふぅ……開発室はここだな」

 

俺はボーダー本部にある開発室に足を運んでいる。ここではノーマルトリガーの量産や新型トリガーの作成、誘導装置の調整や基地の改良など様々な開発をしている場所だ。

 

元々昨日行く予定だったが、加古の炒飯を食って夜まで気絶したから今日行っているのだ。

 

そして……

 

「失礼します」

 

開発室に入る。周りには明らかに高そうな機械が所狭しと並んでいて、作業着を着た職員が動き回っている。

 

そんな中、視界の隅のドアから探してる人が出てきて、俺に気付くとこっちにやってくる。

 

「おっ、唯我君じゃないか。開発室に何か用かい?」

 

「はい。寺島雷蔵さんですよね?レイガストに関してお話があるのですが、お時間はあるでしょうか?」

 

用があるのはレイガストを開発した寺島雷蔵というエンジニアだ。

 

「もちろん良いとも。来てくれ」

 

そう言われて俺は奥の部屋に案内され、席に座るように促されるので席に座る。

 

「そっちは知ってるみたいだけど改めて自己紹介するね。俺は寺島雷蔵。昨日の試合を見てから君とは会って話したかったんだよ」

 

やはり自分が開発したトリガーを使われるのは気持ちいいのかもしれない。

 

「唯我尊です。宜しくお願いします」

 

「宜しく。それで何を相談したいんだい?」

 

「はい。昨日の試合で俺は1点取れましたが、歌川からの攻撃を防御する際に何発か斬撃を受けました。もちろん自分が未熟なのが1番の理由ですが、鍛錬以外でもやるべき事をやろうと思いここに伺いに来ました」

 

鍛錬するのは当たり前だが、それは他の隊員もやっているので、それ以外の場所でも動かないと強くはなれないだろう。

 

「そこでレイガストを改造したいと思ったのかい?」

 

「そうですね。レイガストの重量を軽くしたり、変形速度を上げることって可能ですか」

 

実際歌川の攻撃はスコーピオンを使っていたのもあったが速くて、こっちが防御し切る前にチクチク削っていたからな。対策としてレイガストの重さを軽くしたり、シールドの形を変える際の速度を上げたいと考えてる。

 

「可能だね。けど、その場合他の長所を削らないといけないよ。例えばだけどレイガストが軽くなる代わりにシールドモードの耐久力が下がったり、レイガストの変形速度が速くなる代わりにレイガストに関するトリオンの消費が多くなったり、とかね」

 

もしくはレイガストの能力を全て向上させる代わりにトリガーの枠を2つ使うとかもあると付け加える寺島の言葉に考えてしまう。

 

トリガーの枠を2つにするのは却下だ。色々やりたい戦術がある以上、レイガストに枠を2つ使うのは割に合わない。

 

トリオンの消費が増える改造も却下だ。これが出水や二宮みたいにトリオン量が多い隊員ならまだしも、俺のトリオン量は平均より若干下だ。三雲修と違いカツカツではないが、正直言って余裕はそこまでないからな。

 

となると……

 

「シールドモードの耐久力を下げる……ですかね」

 

シールドモードのレイガストは頑丈だ。二宮の合成弾は防げないが、それ以外の弾や歌川のスコーピオンに対してはそこそこ耐えられたし、耐久力をワンランク下げてもそこまで支障はないだろう。ぶっちゃけ刃トリガーやイーグレットの攻撃に数発耐えられるなら問題ない。

 

「わかった。じゃあ仮想戦闘モードでレイガストを試してみようか」

 

「良いんですか?元々話だけして、実験などは今後にしてもらうと思ってました」

 

「良いよ。今は仕事も一段落付いてるし、何よりレイガストの開発者として、使い手には協力したいさ」

 

「ではよろしくお願いします」

 

そう言われたらこちらとしてもありがたいので乗らせて貰うとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ先ずは通常のレイガストを展開するね」

 

仮想戦闘空間にて、目の前にいる寺島がウィンドウを展開して操作すると俺の手元にレイガストが現れて、慣れた重みを感じる。

 

「これが通常のレイガストだけど、唯我君が使った場合の耐久力を調べないといけない」

 

言うなり寺島は再度ウィンドウを操作すると離れた場所にモールモッドが現れる。

 

「今から時間を測るから唯我君は防御に徹してね」

 

「了解しました」

 

俺がレイガストをシールドモードにすると、モールモッドが距離を詰めてきて、ブレードを振るってくる。

 

既にモールモッドの攻撃パターンは頭にあるので、ぶっちゃけカウンターを狙わなくても仕留められるが、今はレイガストの耐久テストをしているので反撃はしない。

 

(上段斬り、左水平斬り……からのブレードを増やしての連続斬り……)

 

モールモッド、というかトリオン兵はその時その時における最善の手を打つ理に適った動きをするので、何度も戦えば動きが読める。

 

というか太刀川に殆ど毎日ボコされまくったからか、斬撃が遅く感じる。太刀川の斬撃はモールモッドの斬撃がショボく見えるほど、早くて鋭いし。

 

そんな事を考えながら俺はモールモッドの斬撃を受け続けていると、遂にシールドモードのレイガストが破壊される。

 

「うん。時間にして4分ちょっとで、攻撃回数は47回だね」

 

改めて数字を言われるとレイガストって硬いな。しかしその分重いのがネックであるが。前にスコーピオンを入れて振ってみたが、レイガストの重さに慣れていたので、軽過ぎて振り回されてしまった事を思い出す。

 

「じゃあレイガストの重さを変えてみるね。今から少しずつ軽くするから、良いと思ったタイミングでストップをかけてくれ」

 

すると手に持つレイガストが少しずつ軽くなるので、軽く振りながら確かめてみる。

 

軽くするのは賛成だが、軽くし過ぎるつもりはない。理由としては軽くし過ぎたら、レイガストの他の長所が割りを食うし、軽くし過ぎて違和感を感じたら本末転倒だ。

 

要は違和感をギリギリ感じない、もしくは僅かに感じる程度に軽くするのが1番だ。

 

「あ、止めてください」

 

俺が言うと軽量化が止まるので、軽く振ってみるが違和感は殆どない。

 

「軽さはこれが1番しっくりきますね。耐久力テストをお願いします」

 

「了解」

 

すると再度モールモッドがブレードを振るってくるので、シールドモードのレイガストを動かして攻撃を防ぐが……

 

(思ったより手に衝撃が来るな)

 

重量を軽くした際に耐久力も下がったからか、先程に比べて手に入る衝撃が少しだけ増えている。

 

しかし防御にそこまで支障がないので問題ないだろう。実際先程に比べて腕を若干早く動かせるし。

 

そう思いながら防御を続けていると、レイガストに亀裂が走り、やがて破壊される。

 

「うん。時間にして3分半ちょいで、攻撃回数は41回だね」

 

普段のレイガストなら4分ちょいで、モールモッドの攻撃回数は47回だったな。

 

それを踏まえて考えると……

 

「じゃあ実際のレイガストもこの重さになるように調整して貰えますか?」

 

ワンランク軽量化する代わりに耐久力をワンランク下げることにした。これでも充分耐久力はあるし、俺が実力を上げればレイガストが割られる前に倒せるかもしれないからな。

 

「オッケー。じゃあこの部屋から出ようか」

 

寺島にそう言われて仮想戦闘空間を出る。そしてトリガーを差し出すと寺島は俺のトリガーケースを外し、レイガストのチップをパソコンに繋げて、パソコンを操作し始める。

 

「そういえば唯我君は今後も『防御で相手にストレスを与え、乱れた所で崩しにかかる』戦闘スタイルで戦うのかい?」

 

「そうですね。いずれはスラスターを利用した投擲以外にも攻撃パターンを身に付けたいですが、暫くは今のスタイルの練習を続けたいと思います」

 

一応レイガストの投擲以外にも攻撃パターンをシミュレートしているが、今練習したらレイガストの練習が疎かになるだろうし当分は無理だ。

 

「なるほどね。だったらただ防御し続ける以外の方法も模索した方がいい」

 

「そう、ですね……」

 

全くもってその通りだ。前回は運良くバラバラで戦端が開かれたが、歌川が菊地原と合流していたら俺が落とされていた。

 

よってチームランク戦の場合、今後はより早く相手にストレスを与えるようにしないといけない。

 

 

しかしストレスを与えるってどうやってだ?悪口を言いまくるってのは悪くないが、それをやって性格が悪いって思われたら女子との出会いが無くなるだろうからやるつもりはない。

 

(ま、色々考えてみるが)

 

俺は寺島がレイガストを改良するのを見ながら、色々な方法を模索し始めるのだった。

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