唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ! 作:ユンケ
『おーい。ゲート開いたよ。誤差は1.52。バムスターが一体』
耳にある通信機から呑気な声、俺が所属する部隊のオペレーターである国近柚宇の声が聞こえてきたかと思えば、少し離れた場所にて黒い門が開き、中から巨大な白い怪物が現れる。
それはトリオン兵と言って異世界の住民である近界民の手先の兵隊人形。こっちの世界でいう所のロボットのようなものだ。
そして今回出てきたのバムスター。頻繁に出現するトリオン兵で人間を捕獲するタイプのトリオン兵だ。装甲は堅いが攻撃力は低いのでボーダーの正規隊員なら楽勝で倒せる。
しかし今の俺はボーダー最弱の正規隊員である唯我尊なので強敵とまでは言わないが、楽勝で倒せる相手ではない。
「良し。じゃあ唯我、倒してこい。ただし使う弾丸はアステロイドのみ。そんで弾丸は8分割して倒せ」
そう言ってくるのは自分と同じ隊に所属する出水公平。唯我尊の先輩である。転生前の俺の年齢は彼よりも10以上離れているが、今の俺は彼よりも歳下の唯我尊なので先輩呼びをしないといけない。加えて彼は俺の師匠でもあるのだから。
「わかりました」
「頑張れよ〜。負けそうになったら直ぐにフォローするから安心して動け〜」
俺に激励するのは俺が所属する隊の隊長の太刀川慶。彼はA級一位隊長にしてNo.1攻撃手で個人総合1位の怪物だ。俺が前の世界でワールドトリガーを読んでいた頃太刀川は怪物だと思っていたが、実際に彼の戦闘を間近で見ると本当に怪物だった。鷹の目より強いんじゃね?
閑話休題……
まあ彼と師匠の出水公平がフォローしてくれるなら安全だろう。俺は警戒区域にある家の屋根を蹴ってバムスターに近寄る。すると向こうも俺に気付いたのかこちらを向いて家を壊しながら近寄ってくる。
(相変わらずトリオン兵って不気味だな……漫画では呆気なくやられてるけど、現実だと怖いし慣れるまでもう少し時間がかかるな)
俺が唯我尊に転生してから1週間経過している。よってこれまでに2回防衛任務に参加しているが、トリオン兵と対峙する度に若干ビビってしまっている。
しかし挫けてはいられない。ワールドトリガー最弱の唯我尊に転生した以上、弱音は言ってられない。俺は何としても強くなって、他のボーダー隊員に舐められず、可愛い女子と付き合いたいのだから。
よって俺は恐怖心に蓋をして恐怖を押し留めると、右手をパーにして、キューブを顕現させそれを8つに分割する。
そして……
「アステロイド!」
そう叫んで分割したキューブを飛ばす。手には拳銃を持たずに。
前世にて俺が読んでいたワールドトリガーでは唯我尊の戦闘スタイルは二丁拳銃だが、俺はトリガーに拳銃を入れていない。
何故かというと理由がある。師匠の出水公平が銃を使う銃手ではなく、そのまま手元から弾を直接生み出す射手だからだ。師匠と同じ武器にしなければ習う事は無理だ。
しかしそれなら出水公平に拘らず、他所の銃手から習うのも案の一つだが、俺はそれを選ばず銃手スタイルを捨て射手スタイルを選んだ。
理由は簡単。前世の記憶を頼った結果銃手より射手の方が適任と理解したからだ。
俺はワールドトリガーのコミックスを全巻持っていたが、単行本5巻あたりで烏丸京介がワールドトリガーの主人公の三雲修に言った事を思い出したのだ。銃手は射手に比べて安定してる分、トリオン量の差がモロに出るって事を。
そして唯我尊のトリオン量はBBFによれば余り高くなかった筈。そうなると銃手より射手の方が適任であるから俺は銃手スタイルを捨てて射手スタイルを選んだのだ。
本当はトリオン量にそこまで影響のない攻撃手をやろうかと考えたが、唯我尊の運動能力はBBF通り低過ぎた。一応トリオン体になれば運動能力に差はないが、唯我尊は身体の動かし方を知らなかったようで動くのが難しいので攻撃手をするのは難しいのだ。
一応転生してからは仕事をしてないが故に時間があるのでトレーニングをしているが、まだまだ時間がかかる。攻撃手トリガーを使うのは一定以上鍛えてからだ。
閑話休題……
とにかく今の俺は射手スタイルなのだ。そして今はバムスターと対峙している。
放たれた8つの弾丸はバムスターの方に向かうも……
「ちっ……」
弱点の目から若干ズレてバムスターに被弾する。それによってバムスターは若干怯むも直ぐにこちらに向かってくる。
(漫画じゃ誰もが簡単に撃ってるけど、当てるのは難しいな)
内心で舌打ちをしながらも俺は再度右手にキューブを顕現して8分割する。転生した当初はキューブを出すのも分割するのも大変だった。
しかし強くなり転生者として楽しみたいという強い欲求と前世で働いていたブラック企業によって培われた忍耐力を利用して何時間も練習した結果、今ではそれなりの速度で展開出来るようになった。
そして俺がトリオンキューブを分割し終わるとバムスターがこちらに徐々に近寄ってくる。そして10メートルを切った。この距離なら……外さない。
「アステロイド!」
そう叫んで放った弾丸は案の定、バムスターの弱点の目に当たる。するとバムスターの目から緑色の煙が現れて家を壊しながら地面に倒れ臥す。
(とりあえずタイマンでバムスターは倒せるようになった。後はモールモッドをタイマンで倒せるようになれば……)
ボーダーではモールモッドをタイマンで倒せるようになって一人前と認められる。それくらい強くなれば正規隊員からの評価も上がるだろう。
『タイマンでバムスターを倒せるようにはなったみたいだな。トリオンキューブの顕現と分割の速さも合格、次は1発で仕留められるようになれ。出来なかったら防衛任務後の訓練のレベルを上げるから』
すると師匠の出水から通信が入る。これが原作通りの唯我なら理不尽とか弁護士を呼んでくれとか叫ぶが……
「わかりました。次からは1発で仕留められるように努力します」
強くなりたいと心から願っている俺は文句を言わずに了承する。前世はブラック企業で馬車馬のように働かされて、今世では唯我尊という最弱キャラに転生したのだ。失うものは何もないし、とことんやってやる。
俺が了承すると……
『あ、ああ。にしてもお前本当に変わったよなぁ〜』
『全くだ。ウチに入ったばかりのお前の面影は全く無いし』
『何度も聞いて悪いけどさ、君本当に唯我君だよね?』
国近柚宇から既に30回以上された質問をされる。それに対する俺の答えは決まっている。
「ええ。俺は正真正銘の唯我尊ですよ」
中身は全く別だけどな。
ヒロインは何人まで希望?4人は確定
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4人
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5人
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6人
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7人
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10人以上