唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

38 / 132
第36話

 

『ラスト1本、開始!』

 

アナウンスが流れだすと同時に小南は距離を詰めてくるが、これまで以上に迫力を醸し出している。

 

そしてレイガストと2本の弧月がぶつかり合うと、今まで以上に衝撃が伝わってくる。

 

そんな小南の攻撃に対して俺は……

 

「おっ!やる気充分みたいね!」

 

臆すことなく前に出る。今までは防御しながらカウンターを狙っていたが、テンションが上がっている小南相手だとカウンターを狙えない可能性がある。

 

よってシールドモードのレイガストで自分を守りながらも、相手を押しつぶすように前に出て、小南の隙を作る必要がある。攻めながら守る選択肢を選んだ。

 

互いに攻める気満々で武器をぶつけ合っているため、武器から生まれた衝撃が足元の床にダメージを与える。

 

対する小南は横に跳ぼうとするが、同時にレイガストのシールドを広げながら小南の方を向き、更に前に進む。

 

それにより小南も無理に跳ばずに弧月を使い、俺の突進を妨げる。

 

トリガー同士がぶつかり合い火花が散るが、逃げるわけにはいかない。とにかく距離を詰めて小南の自由を奪う必要がある。

 

しかし小南は痺れを切らしたのか後ろにジャンプする。当然逃がすつもりはないので距離を詰めようとするが……

 

「メテオラ!」

 

小南が左の弧月を消してからメテオラを放ち、レイガストにぶつける。シールドモードのレイガストは硬いので壊れはないが、生まれた衝撃により小南との距離を詰めれずに足が止まってしまう。

 

「スラスター、起動!」

 

だから俺は強引に突破する。スラスターの勢いを利用して爆風を潜り抜け、左手からアステロイドを放ち小南に防御をさせ足を止めさせる事で再度距離を詰める。

 

そして小南が新しい弧月を展開して再度鍔迫り合い状態が続く中、小南は楽しそうに笑う。

 

「やるわね、さっきあたし相手に引き分けてテンションが上がった?」

 

「ま、そんなところです。俺は小南先輩より数段弱いですが、白星取らせて貰います」

 

「ならやってみなさい!そう簡単に白星取らせないわよ、尊!」

 

小南は更にテンションを上げたかと思えば、両手に持つ弧月に力を込めたかと思えば、そのまま振り抜く。

 

その結果、レイガストは壊れはしなかったが小南はその勢いで宙に浮かび、間髪入れずに弧月を2本ともぶん投げてくる。

 

俺は慌てて回避するが対処する立場であるが故にワンテンポ遅れてしまい、左足が切り落とされてしまう。

 

片足になった以上、逃げる手はなくなった。よってここからは今以上に攻めるしかない。

 

そう思っていると小南が重力に従って落下してくるので、アステロイドで牽制射撃をする。

 

同時に小南がシールドでアステロイドを防ぎ、右手に弧月を展開しながら袈裟斬りを放ってくるのでレイガストで受け止める。

 

再度鍔迫り合いになりかけるが、その前にレイガストに穴を開けて、そこに左手を突き出して、トリオンキューブを顕現する。掌は小南の顔面に向けている。

 

「させないわよ!」

 

「アステロイド!」

 

小南が顔面にシールドを展開しながら弧月を振るい、俺はアステロイドを分割して小南の右腕に発射する。俺は掌と目線を小南の顔面に向けていたが実際に狙ったのは目線を向けていない小南の右腕だ。

 

所謂小南の右腕にノールック射撃をした結果……

 

「っ……!」

 

「そうくるか!」

 

俺の左手首が斬り落とされ、小南の右腕が吹き飛んだ。

 

しかし元々左手首を失うことを前提に動いていた俺は、予想外のダメージに驚いている小南とは反対に特に焦ることなくレイガストの形を変えて、口を大きく開けたモンスターのような形にするや否や……

 

「スラスター、起動!」

 

そのままスラスターを起動して小南に突撃をして、壁に追いやる。

 

この状態なら小南は後ろに逃げれないし、狭い状態だから弧月も振るえない。

 

そして先程レイガストに開けた穴から手首より先を失った左腕を向けて威力と弾速に特化したアステロイドを展開する。

 

そして放とうとするが同じタイミングで小南も穴に手を向けメテオラを展開して……

 

「アステロイド!」

 

「メテオラ!」

 

同時に射つ。結果、レイガストの穴付近で互いの弾丸はぶつかり合い……

 

ドドドドドドドドッ

 

爆発が生まれる。その結果、何度も小南の連撃を受けた事でボロボロになったレイガストは粉々になり、俺と小南の左腕は全て吹き飛び、身体の表面からトリオンが漏れ出ている。

 

最後の最後でメテオラの発射を許してしまったのが痛い。ワンテンポ早くアステロイドを撃ってれば俺が勝っていた。

 

とはいえまだ勝負はついてないので反省は後回しだ。まあ直ぐに決着は着くだろう。

 

何せ俺は左足と左腕を失い、全身からトリオンが漏れ出ている。

 

対する小南は両手を失い、俺と同じように全身からトリオンが漏れ出ている。

 

互いのトリオン体は限界に近い。何もしなくても後2、3分でベイルアウトするだろう。

 

俺は片足がないから碌に動けないが右腕があるのでレイガストは使える。

 

対する小南は両足が健在だが両手がないので弧月を使えず射撃しか出来ない。

 

 

このまま互いに攻めなかったら更にトリオンが漏れ、トリオン体活動限界で引き分け、もしくはギリギリの勝敗となる。

 

しかし小南は迂闊に攻めれない。何故なら両手が無い為、トリオンを多く消費する射撃戦術しか使えないが、俺がレイガストで防御に成功したらトリオンは枯渇するだろう。

 

よって俺は無理に攻めず、このまま防御に徹して引き分けかギリギリの勝利になる事を祈るのが最善である。

 

しかし……ここで敢えて攻める。小南の性格的にここで逃げる人間よりリスクを承知で攻める人間を好みそうだからな。

 

そう判断した俺は右手にレイガストを展開して、周囲にアステロイドを浮かばせる。それに伴い、体に亀裂が走る。もう時間は殆どない。

 

それに対して小南は軽く目を見開くが、直ぐに嬉しそうに笑って周囲に2つのメテオラを展開……両攻撃の構えを見せる。どうやら小南もトリオン残量を気にしないで行くようだ。

 

そして……

 

「「っ!」」

 

俺がアステロイドを放ちながらレイガストをシールドモードにすると同時に、小南はメテオラの両攻撃を放つ。

 

するとお互いの中間にて爆発が生じ、何発かのメテオラが俺に向かってくるので、レイガストでガードする。

 

爆風によって生まれた衝撃が身体を揺らすが、それを無視してスラスターを起動して小南との距離を詰めにかかる。片足がない以上、スラスター無しでは勝ち目がない。

 

無論小南も易々と食うつもりはなく、思い切りジャンプをして横に回避する。

 

小南がいた場所を通り過ぎた俺はスラスターの勢いが弱まるのを自覚しながらも後ろを振り向く。

 

後ろでは全身にヒビだらけの小南が宙を舞いながら再度メテオラを展開状態に入っている。恐らく最後の一撃だろう。

 

それを確認した俺は、小南と同じように自身の身体に入っているヒビが広がっているのを無視して……

 

「スラスター、起動!」

 

「メテオラ!」

 

空中に舞う小南を撃ち墜とすべく、スラスターをぶん投げる。そして直ぐに小南のメテオラとぶつかり合い爆発が生まれる。

 

それによりレイガストにヒビが入るもシールドモード特有の頑丈さは折り紙付きであり、ボロボロになりながら突き進み小南にぶつかる。

 

レイガストを食らった小南はそのまま近くの電信柱に叩きつけられ、そのまま地面に落下するが、そんな中で遂に小南の全身にヒビが広がり、やがて小南の身体は光に包まれて空へ飛び上がった。

 

 

『10本目 小南ダウン』

 

『個人ランク戦終了 勝者 小南桐絵』

 

8ー1ー1

 

唯我✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ △ ⚪︎

小南⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ △ ✖︎

 

そんなアナウンスが流れ、空中に試合結果が表示され、少ししてから俺の身体も光に包まれた。

ヒロインは何人まで希望?4人は確定

  • 4人
  • 5人
  • 6人
  • 7人
  • 10人以上

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。