唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第67話

昼食も終わり、集合時間10分前に訓練室に入ると既に席は大分埋まっている。

 

5分前に訓練室に来いとは言われているが、どのように組み合わせを決めるかは聞かされてないので適当な席に座る。

 

と、同時に国近が真っ先に俺の右腕に抱きつき、間髪入れずに桐絵が左腕に抱きつき、遅れをとった玲は息を吐いてから俺の後ろに回って抱きついてくる。もう3人で過ごす時はこれがデフォルトのようだな。

 

そう思いながら両腕と背中に伝わる3人の胸の柔らかさを堪能していると、アナウンスが流れ始める。

 

『お待たせしました!これより決勝トーナメントの組み合わせについて発表します!』

 

その言葉に客席は盛り上がる。

 

「ちなみに組み合わせってクジで決めるんですか?」

 

「毎回違うわよ。前回はクジ引き、前々回はサイコロの目の数で決めたから」

 

俺の質問に桐絵が答える。ランダム性が高い以上、桐絵とあたる確率は高くないな……

 

『今回の組み合わせの決め方についてですが、今回は東さんにクジ引きを引いて貰い、その結果に基づいて組み合わせを決めていきます!』

 

『よろしく』

 

武富の言葉に東が一礼するが、これなら公平性を保つことができるだろう。

 

『ではまずAブロック優勝者の唯我選手のクジをお願いします!』

 

モニターに穴がある箱が映り、東が手を突っ込み1枚の紙を取り出して広げる。

 

『2番です!唯我選手は2番となります!つまり唯我選手は決勝トーナメント1回戦で1番の選手と第1試合を行います!』

 

どうやら俺はまた第1試合に出場するようだ。対戦相手はまだわからないが中距離担当でないことを祈る。今回の俺のトリガー構成は対攻撃手に特化した反面、射撃戦には向いてないからな。個人的には出水と二宮と加古と弓場が反対側で潰し合いをして欲しい。

 

『続いてBブロック優勝者の弓場選手のクジです!東さん、お願いします!』

 

モニターに映る東がクジを引き広げると、6番と書かれていた。

 

『6番!弓場選手は第3試合に5番の選手と戦います!』

 

良し、とりあえず外れの1人とは決勝まで当たらないな。

 

『3番目!Cブロック優勝者の加古選手のクジです!東さんが引いたのは……4番です!加古選手は第2試合にて3番の選手と戦います!』

 

つまり準決勝で当たる可能性もあるって事になるな。

 

『続いてDブロック優勝者の生駒選手です!生駒選手が配置されたのは……3番です!加古さんとの対戦が決まりました!』

 

漸く試合が決まったか。残りの選手は太刀川、二宮、桐絵、出水の4人だが、この4人と戦うのか……とりあえず二宮と出水には当たるな。

 

『次はEブロック優勝者の出水選手のクジです!東さんが引いたのは……7番です!出水選手は第4試合にて8番の選手と戦います!』

 

 

トーナメント表に予選突破者5人の名前が出て、対戦相手が決まってないのは俺と弓場と出水だ。俺を入れた3人は予選が免除された3人と戦うことになった。

 

『続いて個人ランク1位の太刀川選手のクジをお願いします!』

 

東が箱に手を入れてクジを引く。正直太刀川と当たってもいいかもしれない。勝つのは厳しいが二宮と当たる最悪の未来を回避出来るなら……

 

『5番です!太刀川さんと弓場さんが第3試合で戦います!』

 

つまり俺と出水は桐絵か二宮のどちらかと戦う事になる。

 

「尊君が桐絵ちゃんと当たれば最高ね」

 

玲がそう言ってくる。確かに俺が桐絵と当たれば、二宮と出水の対戦が決まり潰しあってくれるからな。

 

『最後に個人ランク2位の二宮選手のクジです!これの結果がわかれば全ての組み合わせが決まります!』

 

まあ二宮の対戦相手が決まれば自動的に桐絵の対戦相手も決まるからな。

 

緊張が走る中、東は箱に手を入れてクジを引き、紙を開く。そこに書かれた番号は……

 

 

 

 

 

 

『8です!二宮選手は出水選手との対戦です!それに伴い小南選手と唯我選手の対戦も決まりました!』

 

東は8番を引く。つまり小南は一番最後の枠、俺と戦う事になった。

 

「初戦からあんたと当たるのは都合が良いわね。もしかしたら尊と当たらないか不安だったし」

 

桐絵がそう言ってくる。まあ逆の結果……俺が二宮と戦い、桐絵が出水と戦うんだったら、桐絵はともかく俺は決勝まで上がれないだろう。

 

『組み合わせも決まったことですし、いよいよ決勝トーナメントの開幕です!第1試合は10分後に行いますので小南選手は赤ゲートに、唯我選手は青ゲートに来てください!』

 

武富のアナウンスに桐絵は俺から離れ、玲と柚宇もそれに続く。

 

「2人とも頑張ってね〜」

 

「良い試合を楽しみにしてるわ」

 

2人から激励を受けながら俺達は別々のゲートに向かう。

 

そしてゲートに到着して暫く待機すると……

 

『それではこれより決勝トーナメント1回戦第1試合を行います!赤ゲート!旧ボーダー時代から前線で戦い続けた、最古参の攻撃手、小南桐絵選手!』

 

武富のアナウンスと共にトリオン体に姿を変えた桐絵が訓練室に入る。不敵な笑みを浮かべながら自信たっぷりで歩いている。

 

『続いて青ゲート!変幻自在のスタイルで決勝トーナメントに進出!もう間違えません!太刀川隊射手の唯我尊選手!』

 

そんな失礼なアナウンスを聞きながら訓練室に入り、桐絵の近くに向かう。

 

「この時を待ってたわよ。久しぶりに戦うんだから楽しませてよね」

 

「もちろんです。俺もこの時の為に勝ち上がってきたんですから」

 

このイベントに参加した1番の理由は桐絵と戦う事だからな。正直この時点で俺の目的は大分果たした。後は桐絵に認められる戦いをするだけだ。

 

「宜しく。それと折角だから賭けをしましょ?」

 

賭け?桐絵が博打をするとは予想外だが、負けた方が勝った方の言う事を聞くってアレか?

 

「内容次第ですね。負けならボーダー辞めろとかじゃないなら構いませんよ」

 

「そんな願い言わないわよ!もし私が勝ったらなんだけど、あんた夏休みの内、2日だけあたしに付き合いなさい!」

 

そのくらいなら構わないが……

 

「それは何のためにですか?」

 

流石に内容を聞かずに承諾するのは無理だ。契約をする際は契約書を隅から隅まで見るべきであることは前世で学んだからな。

 

すると桐絵は恥ずかしそうに口をモゴモゴする

 

「えっと……こ、この前温泉旅館の宿泊券がペアで手に入ったから……」

 

つまり泊りがけのデートってことか。

 

「わかりました。別に俺が勝とうが負けようが付き合いますよ」

 

「本当?!絶対よ!」

 

「はい。俺も旅館には興味があるので」

 

まあ1番の興味は桐絵とのデートだけどな。

 

「決まりね!じゃああんたが勝ったら何して欲しい……言っとくけど、エッチなお願いは認めないから!」

 

別にハナからエロい願いをするつもりなんざ毛頭ない。そういうのはもっと関係が深くなってからだ。

 

「特に願いはありません。強いて言うならば桐絵先輩がいつもみたいに今後も近くにいてください」

 

「そ、そんなことで良いの?前から思ってたけど、あんた欲なさすぎじゃない?」

 

桐絵は戸惑っている、欲については一切表に出してないだけでありぶっちゃけ強い欲はあるぞ。

 

「気にしないでください。それよりそろそろ開始時間ですから」

 

そう言うと桐絵も真剣な表情になり、開始地点に向かうので俺も開始地点に立つ。

 

そしてレイガストを構えると、桐絵も右手に短い弧月を持つ。いつもは2本の弧月を両手に持っているが、新しい戦術を編み出したのか?

 

何にせよ最初はリボルバー銃は使わない。向こうも警戒してるだろうから使っても簡単に回避されてカウンターで腕を切り落とされるのがオチだ。

 

『さあいよいよ開始時間です!準決勝に駒を進めるのはどちらなのか?!』

 

実況のテンションが上がる中でも、訓練室の空気は張り詰めていて……

 

 

 

 

 

 

『決勝トーナメント1回戦第1試合、開始!』

 

試合開始のゴングが鳴った。

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