唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第81話

「そろそろ上がりますか?」

 

温泉にて俺は自身に抱きつく桐絵にそう話しかける。温泉に入って桐絵と抱き合ってから20分、裸同士で抱き合うのは最高だが大分身体が熱くなってきた。そろそろ上がりたいのが本音だ。

 

「……もう少しだけお願い。あたし、もう少し尊とこうしたい」

 

そんな俺の提案に対して、桐絵は切なそうにおねだりをしてくる。そんな桐絵を見ると断れないな……

 

「わかりました。後5分だけですよ?」

 

「んっ……頭も撫でて」

 

桐絵が更なるおねだりをしてくるので優しい手つきで撫でると桐絵はくすぐったそうに身を捩る。互いに裸であるが桐絵は既に気にしないかのように甘えてくる。

 

今回の旅行で桐絵を今まで以上に甘えん坊にする予定であったが、成功したと言えるだろう。これから玲同様、ガンガン甘えてほしいものだ。

 

そして夏休み中に柚宇も2人と同レベルの甘えん坊にしたいものだ。可愛い女子に甘えるのも悪くないが、俺は甘えられたい側の人間だ。

 

(というか迅の話だと草壁とも仲良くなるみたいだが、普通に接するようじゃ無理だろう)

 

草壁とは精々会うたびに挨拶をする「よっ友」に近い感じだ。その事から考えるに何か劇的なイベントがあるのかもしれない。

 

そんな事を考えながらも桐絵と抱き合っているが、そろそろ5分が経過する。

 

「では上がりましょう」

 

そう言って温泉から上がって、タオルを持って脱衣所に入る。バスタオルを持ったところで桐絵もバスタオルを持って脱衣所から戻ってくる。

 

そして新しいバスタオルで身体を拭き始めるが、その際に桐絵の小ぶりな尻が微かに揺れてムラっときてしまう。胸は抱き合う際に堪能したが、尻については碌に見てなかったからな。

 

そう思いながらも俺も身体を拭き終えて、下着を上下付けて浴衣を着る。

 

一方の桐絵もライトグリーンの下着を身につけて、そのまま浴衣を着る。そして帯を締めてから俺を見るが……

 

(や、ヤバい。浴衣姿の桐絵、破壊力がヤバい)

 

露出は少ないが、風呂上がりでしっとりした髪と僅かに見えるうなじが色気を出している。

 

「桐絵先輩」

 

「何よ?」

 

「浴衣姿、凄く綺麗です」

 

「あ、ありがと……尊の浴衣姿は……か、カッコいいわよ」

 

桐絵はしどろもどろになりながらもそう言ってくる。以前の桐絵ならツンデレを発揮していただろう。

 

「ありがとうございます。桐絵先輩にそう言われると嬉しいです」

 

俺は桐絵に近づき、笑いながら礼をする。

 

「〜〜〜っ!馬鹿ぁ……」

 

桐絵は俺に文句を言うが、全然怖くないし寧ろ愛おしくすら思うくらいだ。

 

俺は桐絵の罵倒をスルーして、一足早く脱衣所を出る。そして押入れにある布団の内、1枚だけ敷いて桐絵が来るのを待つ。これは単純に桐絵と一緒の布団で寝たいと暗に伝える為だ。

 

今の桐絵なら俺が頼めば一緒に寝てくれるだろう。何せついさっきまで裸で抱き合ってたし、桐絵から求められたくらいだからな。寧ろ桐絵から誘ってくる可能性もある。

 

暫くすると桐絵も脱衣所から出て布団に気づくが1枚しかないことに気付き真っ赤になって俺を見てくる。

 

「た、尊……これって……そういう事で良いの?」

 

桐絵は恥ずかしそうに聞いてくるが、答えは決まっている。

 

「はい。俺としては桐絵先輩と寝たいです」

 

多分これまでの桐絵を見る限り了承してくるだろう。

 

そこまで考えていると桐絵がこれまでにない程に真っ赤になって慌て出す。

 

「あ、あたしは嫌じゃないけど……ま、まだ早いんじゃないかしら……?」

 

ん?一緒に風呂に入って裸で抱き合ったのに、早いって思うか?

 

「そうですか?俺は特に早いとは思いませんが」

 

「え?!そうなの?!(でも、こういうのはもっと段取りを踏んでからの方が……)」

 

何言ってんだ?最後の方はボソボソ言っていて聞こえない。

 

仕方ない、ちょっと突き放す感じで言ってみるか。

 

「桐絵先輩。嫌なら嫌とハッキリ言ってください。桐絵先輩が嫌なら無理強いはしたくないです。けど桐絵先輩が望むなら一緒に寝たいです」

 

「っ……!うぅぅぅぅぅっ!」

 

そう口にすると桐絵は更に真っ赤になって悩む素振りを見せてくる。そんなに悩むことか?俺はテッキリ即座に了承してくると思ったんだがな。

 

そう思っていると……

 

「……わかったわ。けど1つだけ約束して」

 

桐絵は真っ赤になりながらも覚悟を決めた表情を浮かべる。それはありがたいが、何故覚悟を決めた表情を浮かべているんだ。

 

頭に疑問符を浮かべる中、桐絵は息を吐き……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたし……あたし、処女だから……優しくお願い……!」

 

そんな爆弾発言をしてくる。

 

(は?処女?何故今そんな話をする?)

 

一緒の布団で寝るだけで何故……あ、まさか桐絵の奴、寝るの意味を勘違いしてるな。

 

しかしどうするか?了承が出た以上、桐絵を抱く事は可能だが……時期尚早だな、うん。

 

魅力的な提案だが、避妊具無しで抱いてデキ婚とかマジで洒落にならないし。

 

よって俺は残念だが、本当の本当に残念ではあるが桐絵の勘違いを解かないといけない。

 

(まあ焦る必要はない。勘違いしている状態ではあるが、桐絵は抱かれることを嫌がってはないって事がわかったから)

 

それだけわかれば充分だ。今後どう動くかはある程度決めているが、今回の旅行は成功だからな。

 

とはいえ勘違いした照れ隠しからぶっ飛ばされそうだが、甘んじて受け入れよう。

 

俺は深呼吸をしてから桐絵に話しかける。

 

「すみません桐絵先輩。俺の言う寝るとは普通に寝るという意味です」

 

「へ?」

 

俺の言葉に桐絵はポカンとしている。どうやら意味を認識できなかったようだ。

 

「ですから普通に寝るってことで、セックスをする意味の寝るじゃないんですが」

 

俺の言葉に桐絵は無言になる。しかし直ぐにハッとした表情になり、再度顔が真っ赤になりながら俯きプルプルと震えだす。まさに爆発寸前という言葉がよく似合う。

 

そして桐絵は涙目になった顔を俺に見せてきて……

 

「馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「がはぁっ!」

 

照れ隠しのボディーブローを放ってきた。予想はしていたが、予想以上の一撃を食らった俺は背中から布団に倒れてしまう。

 

め、メチャクチャ痛いが、桐絵が現状俺に抱いている感情のレベルが「処女を捧げてもいい」ぐらいあるとわかったから良しとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(うぅぅぅぅぅっ!あたしの馬鹿馬鹿馬鹿!勘違いからの八つ当たりなんて最悪!)

 

唯我にボディーブローをぶちかました桐絵は自己嫌悪に陥っていた。

 

先ほど桐絵は処女云々と言って抱かれることを了承してしまい、勘違いと分かれば恥ずかしさの余りつい唯我にボディーブローをぶちかましてしまった。

 

結果的に唯我に対し、自分は唯我に処女を捧げてもいいという事を知られてしまい、桐絵からしたら悶死してしまいそうだ。

 

しかし唯我からしたら八つ当たりでしかないだろう。勘違いしたのは桐絵自身なのだから。

 

(と、とりあえず尊に謝らないと……)

 

桐絵は恥ずかしく思いながらも布団の上で蹲っている唯我に近寄るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん尊……勘違いしたのはあたしなのに……」

 

ボディーブローを食らって悶絶しながらも身体を起こすと、桐絵が恥ずかしそうにしながらも謝ってくる。

 

「気にしないでください。勘違いの内容が内容ですから」

 

別に怒るつもりはないので俺は優しく桐絵を抱きしめる。

 

「あっ……」

 

すると桐絵は上目遣いで俺を見ながらギュッと抱き返してくれる。

 

確かに痛いのは否定しないが、桐絵が俺に対してどのくらい好意を持っているがわかれたので安い買い物だ。まあ処女を捧げてもいいと思っているのは予想外だったが。

 

それに桐絵は俺に対して弱気になっているので、ここで怒鳴ったりしたら凄く落ち込んで後々まで引きずってしまう可能性があるからな。

 

(寧ろ今後の為に桐絵を慰めた方がいい)

 

ハーレムを目指す以上、桐絵を含めた女子達にはハーレムを作る事を認めてもらう必要があるが、それには女子達の認識を改める必要がある。その為には俺色に染めないといけない。

 

桐絵を見る限り不可能ではないだろう。出会った当初に比べて弱気で甘えん坊になってるし。まあ染め過ぎてヤンデレになったらヤバそうだけど。

 

ともあれ怒るより慰める方がメリットがあるから俺は桐絵を優しく抱きしめながら甘い言葉を囁く。

 

 

「ですから桐絵先輩は気にしないでください。俺は落ち込んでる桐絵先輩の顔は見たくないです」

 

「んっ……ありがとう」

 

桐絵は少し調子を戻しながら礼を言ってくるので優しく撫で撫ですると、くすぐったそうに目を細めてスリスリしてくる。

 

「話を戻しますが、俺は桐絵先輩と同じ布団で睡眠を取りたいですが、どうですか?」

 

「……あたしと寝たいの?」

 

「何というか……最近玲さんや柚宇さんに抱きつかれてばかりなんで、人の温もりが恋しいんです」

 

ここで敢えて玲と柚宇の名前を出す。2人に抱きつかれてばかりなのは事実だが、ここで2人の名前を出して3人を平等に扱っている事を示す。

 

「ふ〜ん。随分と仲良くやってるわね」

 

案の定、桐絵は面白くなさそうな表情を浮かべて俺を見てくる。

 

「そうですね。まあいつも良くしてもらってますね」

 

「馬鹿……だったらあたしはもっと良くしてあげるわよ!」

 

その言葉を皮切りに桐絵は俺を引っ張り布団の上に倒すと間髪入れずに抱きついてくる。

 

「尊、今はあたしと旅行してるの。だから他の人の名前は出さないで」

 

強気な口調で言いながら抱きしめる力を強めてくる。ここで拒否するのは悪手だな。

 

「わかりました。今は桐絵先輩だけを考えます」

 

「そ、それで良いの。それじゃあアンタの望みを叶えてあげるわ。一緒に寝るわよ」

 

桐絵はそう言って近くにあるリモコンを操作すると部屋が真っ暗になり、月明かりが部屋を微かに明るくする。

 

月明かりにより桐絵の顔は見えるが、幻想的で美しく見える。

 

「桐絵先輩の温もり、気持ちいいです……」

 

「ありがと……ねぇ尊。寝る前にお願いがあるんだけど」

 

「何でしょうか?」

 

俺が尋ねると桐絵はモジモジし始める。

 

「その……お、お休みのキス、してくれない?」

 

そう来たか。まあ別にそれくらいなら構わない。既に柚宇にはやった事があるからな。

 

「わかりました。するのは額で大丈夫ですか?」

 

柚宇にする時は頬か額だし、額でも違和感はないだろう。

 

「(本当は唇が良いけど、まだ早いし……)ええ。額にお願い」

 

桐絵は髪の毛を横にズラし額を露わにする。俺は桐絵の額に顔を近づけて……

 

「お休みなさい、桐絵先輩」

 

ちゅっ

 

額に優しくキスを落とす。キスをしてから桐絵を見ると、恥ずかしそうな微笑みが月明かりに照らされている。

 

「ありがとう。お休み、尊」

 

ちゅっ

 

桐絵も同じように俺の額にお休みのキスをしてくる。それだけで幸せな気分になってくる。

 

明日は気持ちよく朝を迎えることができると思いながら俺は桐絵を抱きしめる力を強めて目を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「尊?もう寝たの?」

 

電気を消してから数十分、桐絵は自身と抱き合っている唯我に声をかけるも返ってくるのは寝息のみだ。

 

「ふふっ……尊は本当にカッコいいわ……」

 

桐絵は自身が恋い焦がれる男が自身に抱きついて眠っているのを見て愛おしく感じて、寝息を立てる唯我の髪を優しく撫でる。割とサラサラしている髪は撫で心地が良かった。

 

暫く唯我の頭を撫でていると桐絵は月明かりに照らされる唯我の唇に注目してしまう。

 

(尊の唇……)

 

桐絵は少しずつ自分の顔を唯我の顔に近付け、少し顔を前にやればキス出来る位まで縮めた。

 

「尊……」

 

桐絵は更に距離を詰めようとする。その際に玲と柚宇の顔が頭によぎる。

 

しかし……

 

(尊が寝ている時に抜け駆けは良くないのかもしれない……でも!尊の事が好きで我慢出来ない!)

 

抜け駆け上等とばかり桐絵は心の中でそう呟きながら頭によぎる玲と柚宇を押しのけ、自身の顔を前に出して……

 

 

 

ちゅっ……

 

自分の唇を唯我の唇に重ねる。触れるだけのキスだが桐絵の顔には熱が溜まる。

 

(あたしのファーストキス、尊にあげちゃった……)

 

ファーストキスといえば女子にとっては大切なものであるが、桐絵にとって後悔は全くなかった。

 

寝ている状態とはいえ初めて恋心を抱いた相手に捧げたのだから不満や後悔を抱くはずがない。

 

「好きよ尊。誰よりも好き……身勝手な願いかもしれないけど、あたしを幸せに……ううん、今も幸せだから、もっともっと幸せにして……」

 

桐絵は自分の心情を吐露しながら唯我に抱きつき、再度キスを落とし目を瞑る。

 

 

それから1時間ほどすると2人は幸せそうな表情で抱き合いながら眠りについていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ、んんっ……」

 

朝の光を感じた俺は目を覚ます。窓からは強い朝日が部屋を照らしている。

 

 

時計を見れば朝の8時。まあ早くはないが遅くもない時間に起きたものだ。

 

 

身体を動かすと桐絵がいないことに気付くので部屋を見渡すと荷物が置いてあるのでいるのは間違いない。

 

(桐絵はどこだ?トイレ、もしくは散歩か?)

 

ま、荷物はあるしその内戻って来るだろう。それより朝風呂に行こう。夏の夜は暑いので汗が出ているからな。

 

俺は着替えを持って備え付けの温泉の脱衣所に入ると温泉の方から女の声が聞こえてくる。脱衣所を見れば浴衣が籠に入っている。

 

(なんだ、桐絵も朝風呂か。まあ汗が出てるだろうからな)

 

言いながら俺も浴衣と下着を脱ぎ捨てて全裸になる。昨日一緒に入っただけでなく、裸で抱き合ったんだし入っても大丈夫だろう。

 

そう思いながら温泉につながるドアを開けようと手にかけ……

 

 

 

「あっ!尊!んんっ!尊ぅっ!」

 

少し開けたらいきなり桐絵の喘ぎ声が聞こえてきたので手を止めてしまう。

 

(え?今凄くエロい声で俺の名前を呼んでなかったか?)

 

半ば呆然としながらも僅かに開いたドアから温泉を覗いてみると……

 

「んあっ!好きぃ!尊の事が!誰よりも好きなのぉ!あぁんっ!」

 

シャワー近くにいる桐絵が自身の身体の敏感な部分に手を伸ばして思い切り喘いでいた。

 

(……これは見なかったことにしよう)

 

正直もっと見たいのは否定しないが、バレたら絶対にヤバそうし以降の関係も気まずくなる。武士の情けってヤツだ。

 

俺はそっとドアを閉めて下着と浴衣を着て脱衣所を後にした。朝風呂はもう少し後にしてからにしよう。

 

そう思いながらも俺はさっきの桐絵の行為を頭の中で思い浮かべるのだった。

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