唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第83話

ギィンッ、ギィンッ、ギィンッ!

 

目の前において鈍い音が響き渡る。

 

「このっ……!良い加減にくたばりなさいよ!」

 

「だったらもうちょい頑張れ。頑張らないと俺の防御を崩せないぞ」

 

「ムカつくわね……!」

 

目の前でスコーピオンを振るう香取が苛立ちながら文句を言ってくるのでそう返しながらレイガストを上下左右に動かしてスコーピオンをガードする。

 

既に香取の攻撃パターンは完全にインプットしているので捌くのは簡単だ。ついでに猪突猛進タイプだから読みやすい。

 

そう思いながらレイガストで香取のスコーピオンを叩きつけ、仰け反った瞬間……

 

「スラスター、ON」

 

スラスターを起動して香取にシールドバッシュをぶちかまし、後ろに吹き飛ばす。同時に主トリガーのリボルバー拳銃を展開して香取に向ける。

 

すると香取は背後にグラスホッパーを展開する。グラスホッパーを見ると上にジャンプするものとわかったのでレイガストを消して……

 

「グラスホッパー」

 

香取がグラスホッパーを踏んだ瞬間にグラスホッパーを展開する。場所は香取の真上……香取がジャンプする方向で、跳ぶ方向は真下……地面がある方向だ。

 

香取がジャンプすると直ぐに真上にあるグラスホッパーが香取の頭にあたり……

 

「へぶっ!」

 

予想外の展開だったのかそのまま地面に当たりバウンドする。

 

同時に俺はバウンドした香取の真上に再度グラスホッパーを複数展開する。跳ぶ方向は当然真下だ。

 

結果……

 

「あがががががががっ!」

 

再度グラスホッパーに触れて地面に向かって吹っ飛びバウンドして、三度グラスホッパーに触れて地面に向かって吹っ飛びバウンドして………結果的に香取はグラスホッパーによってバスケのドリブルのように何十回もバウンドする。

 

全てのグラスホッパーが消えた頃には香取は地面にうつ伏せになり、顔を上げた瞬間に……

 

「Good luck」

 

リボルバー拳銃から6発の徹甲弾により香取を蜂の巣にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後……

 

「もぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

香取は泣き声を上げて個人ランク戦ブースから走り去っていく。

 

(少々やり過ぎたか?)

 

俺はモニターにて個人ランク戦の結果を見る。

 

5本先取

唯我⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎

香取✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎

 

 

俺の全勝だ。何故こうなったかというと……

 

①廊下を歩いている

 

②廊下で防衛任務上がりの香取隊と遭遇

 

③香取がトーナメントの借りを返すとランク戦をふっかける

 

④俺がやっても良いが負けても泣くなと言う

 

⑤香取ブチ切れる

 

⑥冷静さを奪ってランク戦でフルボッコにする

 

……って感じだ。加えてランク戦中にも香取を煽りまくって、怒りで冷静さを全て奪い取ったから余裕だった。

 

香取も弱くないが俺との相性は最悪だろう。短気な人間は俺のような粘りを武器にする相手とは相性が悪いのは明白だ。

 

俺からしたら香取より弱い攻撃手でも冷静な辻と荒船の方が厄介だ。アイツらは余り苛立たず、パフォーマンスを発揮出来てるし。

 

そう思いながらブースから出るとC級隊員からドン引きの眼差しを受ける。

 

まあグラスホッパーを利用して香取でドリブルしたり、レイガストで磔にしてからリボルバー拳銃で香取を達磨にしたり、シールドを香取の足元に展開して転ばせて起き上がろうとしたらシールドで再度転ばせたりと色々やったから仕方ない。

 

そしてベンチに座っている若村と三浦の元に向かい話しかける。

 

「すみません。ちょっとやり過ぎました」

 

「いや良い。寧ろ葉子をボコボコにしてくれてありがとう」

 

若村はそう言ってくるが、まさかお礼を言われるとは思わなかった。

 

「もしかして隊長がイジメられてるのを見て興奮しました?」

 

「違う。今日また唯我にコテンパンにされたから、また訓練に励むからな」

 

「葉子ちゃん、トーナメントの少し前に攻撃手が飽きたから銃手になるって言い出したんだよ」

 

「けど攻撃手として最後の勝負って挑んだトーナメントで唯我にボコボコにされて、「絶対にぶった斬る」って銃手になるのをやめて真面目に訓練するようになったんだよ」

 

ああ、そういや原作でもそんなやり取りがあったな。って事はこの世界の香取は原作で万能手だった香取と違って攻撃手一本で行くのか?

 

こういった場面でも原作改変しているが、修達は遠征に行けるのか?

 

……い、いやアフトクラトルのヒュースが玉狛第二に入る可能性もあるし、それならなんとかなるだろう。多分だけど。

 

まあいざとなったら俺も裏で手を回すか。

 

「そうでしたか。しかし香取の場合、実力の向上をするより短気な性格を直すべきですよ」

 

「それについては同感だが、お前の戦い方はされた人間からしたら誰でもイラつくぞ」

 

「あ、あはは……」

 

若村に即座に返され、三浦には苦笑いされるが絶対的な剣の腕を持つ太刀川と高いトリオンとトリオン制御能力を持つ出水のお荷物にならないには、形振り構っては居られない。

 

誰にも予想出来ない戦術と高い防御力、攻撃手限定の絶対的な火力を武器に上に行くしかない。

 

「まあそうかもしれないですね。しかしそれを差し引いても香取って気分屋ですよね」

 

ランク戦を見ると香取隊はハマれば強いが、香取が不調だと格下相手にも落としている。

 

「まあな……っと、俺達はもう行く」

 

「防衛任務が終わってすぐにランク戦ラウンジに行ったからね。華に怒られちゃうかも」

 

「そうでしたか。呼び止めてすみません」

 

「大丈夫だ。こっちこそ葉子を発破をかけてくれてありがとな」

 

「またね唯我君」

 

「お疲れ様でした」

 

2人が去って行くので見えなくなるまで一礼する。一礼を済ませた俺は息を吐いて次の対戦をするべくブースに戻ろうとすると……

 

「おっ、面白ぇ相手がいるじゃねぇか」

 

横からそんな声が聞こえてきたので横を見ると影浦が廊下の方からやって来た。

 

「お疲れ様です」

 

後輩である俺は一礼する。

 

「あぁ。ランク戦に来たんだがよぉ、付き合えや唯我」

 

まあ格上とのランク戦は学ぶことがあるし拒否してノリ悪い奴と思われたら嫌だしやるか。

 

「5本先取で良いですか?」

 

「良いぜ。さっさとブースに行くぜ」

 

影浦に促されたので俺はブースに入り影浦を指名する。前回は隠し球により勝ったが、隠し球抜きだと何処までやれるから調べておかないとな。

 

そう思う中、仮想空間に転送されるのでレイガストを展開して影浦と向かい合う。目の前にいる影浦は獰猛な笑みを浮かべている。

 

『個人ランク戦、5本先取、試合開始』

 

アナウンスが流れると影浦は地面を蹴ってこっちに向かってくるので迎撃体勢に入るのだった。

 

 

 

ヒロインは何人まで希望?4人は確定

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