唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第84話

 

「お疲れ〜」

 

A級6位草壁隊作戦室にて防衛任務を終えた草壁隊銃手の里見一馬が軽い口調で作戦室に1番早く入る。ワンテンポ遅れて草壁隊万能手の佐伯竜司と草壁隊狙撃手の宇野隼人も入ってる。

 

「お疲れ様。お茶淹れてるわ」

 

そんな里見達に対してオペレーターでありながら草壁隊隊長の草壁早紀は素っ気ない口調で迎える。そんな彼女はお茶を飲みながらモニターを見ているが……

 

「おっ、唯我君と影浦先輩の個人ランク戦か」

 

モニターでは唯我と影浦の個人ランク戦が行われている。右上にはLiveと表示されているのでリアルタイムで行われているのがわかる。

 

 

5本先取

唯我⚪︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ⚪︎

影浦✖︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ✖︎

 

試合を見れば影浦が王手をかけているが唯我も食らいついている。

 

影浦が圧倒的な連続攻撃をして唯我がレイガストで防御をする。そして唯我は防御しながらも影浦の足元をアステロイドで狙い影浦のバランスを崩したり、周囲の壁を攻撃してからグラスホッパーで瓦礫を影浦に飛ばしている。

 

そして隙を見抜けば必殺一撃を放つ。現にリボルバー拳銃による射撃を3発放ち、影浦のトリオン体を削りにかかる。対する影浦は身体を捻って急所を回避するが、弾丸が脇腹と右足に掠りトリオンが漏れる。

 

影浦のサイドエフェクトは自分に向けられた感情に作用するが、裏を返せば自分に向けられてない感情には反応しない。

 

唯我はそれを逆手に取り、影浦のサイドエフェクトに反応しない足場や周りのものを利用して影浦を崩し、わかっていても回避するのが難しい状況の時のみに直接攻撃している。

 

しかし影浦も負けてはいない。体勢を崩しながらもスコーピオンを振るい、唯我の右腕を傷つける。斬り落とされていないがトリオンが漏れて動きが鈍くなり、リボルバー拳銃を落としてしまう。

 

唯我は左手にレイガストを持ち、右手にリボルバー拳銃を持つので右腕が傷つくというのは決定打を失うことを意味する。

 

同時に影浦は体勢を立て直して、マンティスを放つ構えを取るが唯我は焦りの表情を浮かべることなくレイガストを頭と心臓部の前に構える。

 

しかし次の瞬間、影浦はマンティスを唯我ではなく、唯我の足元に叩き込んだ。

 

それに伴い唯我の足元は崩壊して、唯我はバランスを崩して後ろに倒れかかる。慌てて体勢を立て直そうとするが影浦の方が一歩早く、次の瞬間には唯我は八つ裂きにされていた。

 

 

 

『試合終了、勝者 影浦雅人』

 

5本先取

唯我⚪︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ⚪︎ ✖︎

影浦✖︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ✖︎ ⚪︎

 

アナウンスと共に草壁隊作戦室のモニターに結果が表示される。

 

「唯我先輩からしたら皮肉ね。自分の使った戦術で負けが決まるなんて」

 

結果を見た草壁はモニターを見ながらそう呟く。最後の影浦は自身の切り札であるマンティスをトドメとしてではなく崩しとして使っていたが、やり方が唯我が影浦にやったパターンと同じであるので草壁の言ってることは間違いないではない。

 

「でも良い試合だったし、最初から見直しておこうっと」

 

「それは良いけど、その前に香取先輩との試合も見直して」

 

里見の呟きに草壁はパソコンを操作する。するとモニターに先程行われた唯我と香取の試合が流れるが……

 

「えげつねぇな」

 

佐伯のドン引きした声が作戦室に響き、里見と宇野が小さく頷く。

 

モニターではグラスホッパーにドリブルされる香取や磔にされて両手足を捥がれた香取、足元に展開されたシールドに何回も転ばされた香取が映る。最早イジメじゃね?、と思う3人だった。

 

そんな3人に対して草壁はいつもの口調で話しかける。

 

「戦術としては合理的だから問題ないでしょ。ただ唯我先輩の戦術の中にはウチの戦術にとって相性が悪いものもあるから後で対策をしておいて」

 

草壁は巻き戻しをして、香取がシールドによって転ばされるシーンをモニターに映す。

 

機動力が売りの草壁隊からしたら、簡単に相手の機動力を削ぐ唯我の戦術は天敵である。

 

加えてこの戦術は間違いなく流行ると草壁は確信している。何せシールドを相手の足元に展開するだけと簡単でありながら効果が絶大だからだ。

 

シールドを避けようとすれば避けれるだろうがそっちに意識を向けてしまい敵を逃してしまう可能性もあるし、シールドを破壊するために意識を向けたら、目の前の敵に隙を見せることになるので、それも悪手である。

 

シールドは遠隔操作で20メートル以上離れた場所に展開出来るので、狙撃手や銃手が攻撃手から逃げる際にも役に立つし、シールドを分割して周囲の低い位置に展開すれば、風間隊のように近接戦による連携を売りとする部隊の強みを殺す事も簡単だ。

 

 

以上のことから草壁は早急に対策を取るべきと判断した。対策しないと自分達の強みが殺されて、次回以降のA級ランク戦で不利になるし下手をしたら昇格戦でB級1位2位が自隊に挑戦してB級に落とされる可能性もある。

 

(本当に唯我先輩は予想外で面倒な戦術を使うわね……いっそこっちも機動力を活かせる戦術を聞いてみようかしら?)

 

草壁は唯我の連絡先を知らないので、兄弟子である里見を介して唯我から情報を得られないか考えるのであった。

 

 

 

 

 

 

「あぁぁぁ……疲れた」

 

俺は息を吐きながらボーダー基地を出る。影浦に負けたことについてはまあ仕方ないが、影浦との試合の後に一条、生駒、王子、米屋、木虎と戦ったのでかなり疲労困憊となってしまう。もう今日は帰って寝よう。

 

そこまで考えているとポケットの端末が鳴るので取り出すと迅からの電話だった。俺は取り出して電話に出る。

 

「もしもし」

 

『よう唯我。10日のプレゼンテーションだけど14時から第2会議室を1時間借りれたし、メンバーもお前が希望したメンバーを全員集められたぜ』

 

流石実力派エリート。普段はセクハラ魔人だがこういう時は頼りになるな。

 

「そうでしたか。ご協力感謝します」

 

『気にすんな。メンバーの中にはお前の戦術に興味を持ってるからな』

 

「10日のプレゼンでは戦術論はしませんけどね」

 

『けどお前の戦術は流行るって俺のサイドエフェクトが言ってるからな。それはそうと唯我に聞きたいんだけど、最近の小南は凄くボーッとしてるんだけど旅行中になんかあった?』

 

最後の最後で桐絵に唇を奪われたが、それを話すつもりはない。というかあの日の夜に桐絵はいきなりキスした事について謝罪の電話をしてきたが、それ以降向こうが罪悪感を感じてるのか本部で会ってもぎこちない態度を取ってくる。

 

「まあ色々です。というか旅行前にサイドエフェクトで見てないんですか?」

 

『いや。旅行前にお前と小南が風呂場で裸で抱き合う未来が確定してることがわかって、これ以上砂糖を吐きたくないから以降は小南を見ないようにしたんだよ』

 

……なんか、凄く申し訳ない気分になってくるわ。未来視のサイドエフェクトって便利と思うが、欲しくはないな。

 

「……なんかすみませんでした」

 

『いや、別に怒ってるわけじゃないから気にするな。ただお前の場合、今は未来は見えないがいつか刺されるかもしれないから気をつけろ。じゃ』

 

そんなアドバイスを受けると通話が切れると携帯をしまう。

 

刺されるかもしれないね……忠告はしっかり受け取っておこう。しっかり受け取った上で慎重に動くとしよう。

 

そう思いながら俺は小腹が空いたので手頃なカフェに入る。カフェはかなりの人が居て席は殆ど空いてなかったが、僅かに空いていたので店員に案内された席に座る。

 

そしてメニューと睨み合いをしてメニューが決まり、呼び出そうとしたタイミングで店員がやって来る。

 

「申し訳ありませんお客様。現在店内大変混み合っておりまして、相席をお願いしてもよろしいでしょうか」

 

周りを見ると確かに満席になっている。これなら相席を了承するのもやむなしだな。

 

「構いませんよ。それとサンドイッチセットで飲み物はアイスティーで」

 

「かしこまりました。少々お待ちください」

 

店員が去っていく中、俺は相席の相手が誰か入口付近を見ると……

 

 

 

 

 

 

 

「あら?丁度良いタイミングね、唯我先輩」

 

そこにいたのは草壁隊隊長にして草壁隊オペレーターの草壁早紀だった。

 

もしかして迅の言っていた未来って今の事か?

ヒロインは何人まで希望?4人は確定

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