唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第7話

106ブースに入った俺はモニター近くにある席に座る。そしてモニターを見ると沢山の武器と個人ポイントが表示されていた。

 

(さっき俺に挑んできた男107ブースにいるから……弧月で個人ポイント5483か……)

 

太刀川のリクエストされた個人ポイント6000以下の人間だから問題ないな。

 

『それじゃあ始めようか。何本勝負を希望するのかな?』

 

するとモニターから男の声が聞こえてくる。そこには愉悦と悪意を感じる。大方早く俺をボコボコにしたいと考えている腹だろう。

 

(まあコネで入隊、それもA級入りなんてしたら不満の1つや2つを抱くのは当然か)

 

しかし俺も負けるわけにはいかない。俺としても叶えたい願いがあるからな。

 

「じゃあ10本で」

 

『OK。じゃあ始めようか。A級1位の力、楽しみにしているよ』

 

嘘つけ。口調からしてA級1位の力を楽しみにしているのではなく、コネで入っただけと思われている俺をボコすのを愉しみにしているのが丸わかりだっての。

 

まあ良い。俺は今出来る事をやるだけだ。こちとら遊んでいた訳じゃない。弱々しい身体を吐きながらも鍛え上げ、2000回以上斬られたり蜂の巣にされ……いかん、思い出しただけで吐き気がしてきた。

 

そんな事を考えていると俺はランク戦のブースから仮想空間へと転送される。目の前には先程挑んできた男がいる。そういや名前を聞いてなかったな。まあ終わってから聞けば良いか。

 

『対戦ステージ市街地A、個人ランク戦10本勝負、開始』

 

すると試合開始のアナウンスが流れ、同時に男は右手に弧月を顕現して、同時に斬りかかってくる。

 

それに対して俺は……

 

「ふっ」

 

当たる直前に横に跳んで袈裟斬りを回避する。すると返す刀で横薙ぎをしてくるので後ろに跳ぶ。

 

(良し……とりあえず見切れるな)

 

流石に1000回以上太刀川にぶった斬られたからか普通に見切れる。ぶっちゃけ遅過ぎる。

 

すると目の前にいる男の顔から嘲笑が消えて、苛立ちが現れる。大方『コネだけの雑魚が攻撃を避けられるはずが無い』とでも考えているのだろう。

 

「はあっ!」

 

そのまま弧月を振り下ろしてくる。対する俺は右に跳び右手にトリオンキューブを展開して……

 

「アステロイド」

 

分割しないでそのまま放つ。威力と弾速と射程の比率は4:4:2だ。この距離なら射程はそこまで重要じゃない。

 

「シールド!」

 

しかし向こうもB級だ。放った弾丸は男の生み出したシールドに防がれる。

 

(まあコイツの実力はわかった。実際勝てない事はない)

 

こいつのトリガーセットは知らないが生駒や辻みたいに弧月だけの純攻撃手なら問題なく勝ち越せる。太刀川に500回以上斬られたからか、こいつ程度の剣速なら余裕で見切れる。

 

が、倒すのには時間がかかりそうだ。向こうの攻撃を食らう事は油断しない限りないと思うが、普通にやる分だとこっちの攻撃を当てるのは難しい。そもそも弾丸トリガーは刃トリガーに比べて威力が低いのでタイマンだと勝つのが難しいからな。

 

普通にやったら一戦一戦に時間がかかる。沢山の人とやって実戦経験を積みたい俺からしたら余り時間はかけたくない。

 

だから俺はやり方を少し変える。

 

方針を決めた俺は奴の弧月による振り下ろしを回避して……

 

「メテオラ」

 

そのままメイントリガーのメテオラを起動して、分割せずに近くにある住宅地に放つ。すると住宅地は爆発して大量の瓦礫が広がる。

 

「はぁ?どこ狙ってんだよ?」

 

目の前にいる男は俺に嘲笑を浮かべているが、直ぐにその笑みを消してやるよ。

 

俺はそのままバックステップで男から距離取って……

 

「グラスホッパー」

 

グラスホッパーを4分割して近くに散らばっている瓦礫4つにぶつける。すると瓦礫は一直線に目の前の男に向かい……

 

「ぐっ、がっ、ぎっ、ごっ!」

 

そのまま顔面、右肩、鳩尾、左脛に当たり、男は地面に倒れる。これは原作で空閑遊真が使った戦法だが、予想以上に効果があるな。

 

瓦礫でトリオン体を破壊するのは無理だが、衝撃によって仰け反らせたりする事が可能だからそれを利用させて貰った。

 

すると男は身体を起こしてこちらを見てくる。彼の表情には嘲笑の色は消えて憤怒の色に染まっていた。

 

「てめぇ……調子に乗ってんじゃねぇよ!」

 

化けの皮が剥がれたようだ。男はそう叫びながらこちらに突っ込んでくるが、怒りによって冷静さを欠いている。

 

そしてそのまま袈裟斬りを放ってくるので俺は身を屈めて回避する。普通の状態での攻撃でも対処出来たのだ。冷静さを欠いて視野が狭まっている状態での攻撃を回避する事など朝飯前だ。

 

俺はそのまま男の腹に手を当てて……

 

「アステロイド」

 

ゼロ距離射撃で威力に特化したアステロイドを放ち、奴の腹に風穴を開ける。すると風穴からヒビが生まれ、そのまま全身に広がっていき、やがて男のトリオン体は爆散して空へ飛んで行った。

 

それを確認すると俺の身体は光に包まれてブースに戻る。

 

(先ずは一本。今の一本で奴は冷静さを欠いただろうし行けるな)

 

俺をコネだけの雑魚と、格下だと見下していた相手に攻撃を避けられまくり、瓦礫をぶつけられ、挙句に負けたのだ。普通の人間なら間違いなく冷静さを欠いているだろう。

 

そして冷静さを欠いているなら太刀筋も読みやすくなり、付け入る隙もデカくなるしこっちが有利だ。

 

仮に冷静さを取り戻したとしても問題ない。また瓦礫をぶつけたりして、冷静さを奪えば良い話だ。

 

そこまで考えていると再度仮想空間に転送される。正面には怒りを露わにしている獣がいた。やはり冷静さを欠いているな。

 

(さぁて、二本目もいただくか)

 

「うぉぉぉぉぉっ!」

 

そう思いながら俺は向こうが突撃してくるのを見ながら笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15分後……

 

いつもなら騒めきが存在する個人ランク戦ラウンジだが今は沈黙に包まれていた。その殆どはラウンジにある巨大モニターを注視している。

 

そこには……

 

唯我⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎

山田✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎

 

予想外の結果が表示されていた。

 

発端は20分前、突如現れた唯我尊の存在に彼を知っている人間は不愉快な気分となった。唯我尊の存在は悪い意味で有名だ。

 

何せ正式入隊日当日にA級1位である太刀川隊に新しく隊員が追加されたのだ。

 

A級1位に入った新人、当然ながら他の人は興味を持つが素性を調べればボーダーのスポンサーの息子。その上、戦闘記録が無いのだからコネで入隊したのは一目瞭然だ。

 

そんな彼に対して不満を抱くのは当然だ。殆どの人間は彼の事を悪く言うようになった。

 

そんな最中、突如個人ランク戦ラウンジに彼が現れたのだ。唯我を知っている人間からしたら不愉快な気分となったし、唯我に勝負を挑んだ山田を見た時は唯我がボコボコにされるのを見たいと思った人間も大勢いた。

 

しかし彼等の期待は大きく裏切られた。唯我は山田の一撃を悉く回避して、グラスホッパーを使って瓦礫を山田に飛ばしたりグラスホッパーを山田本人にぶつけて壁に叩きつけたりして隙を作らせて、弾丸トリガーで山田の頭や首、腹などに穴を開けている。

 

それが8連続も続いているのだ。試合を見ている面々はマグレと切り捨てる事が出来なかった。

 

そうこうしている間にも……

 

『山田、ダウン』

 

そんな機械音が流れて唯我の名前の横に9つ目の丸が、山田の名前の横に9つ目のバツマークが表示された。

 

 

 

 

 

 

 

 

(思ったよりも呆気ないな)

 

9本目が終わった俺は思わずため息を吐く。試合前は明らかに俺を見下していた癖に、こっちが少し嫌がらせをしたら猪のように単純な攻撃をしてくる。

 

その隙を突くのは容易く、故に勝つのも容易い。

 

(ラスト一本だが、負ける気はしねぇ。寧ろ負けたら出水に蜂の巣にされそうだ)

 

冷静さを欠いた人間に負けたら比喩表現抜きで出水から飛び蹴りを受けたり、蜂の巣にされるだろう。そんなのは絶対にゴメンだ。

 

そんな事を考えていると10回目の転送が行われ、ブースから仮想空間に移動する。目の前にいる山田は未だに憤怒を露わにしているが、冷静さを取り戻さないと勝てないのを理解してないのか?

 

(いや、多分見下していた人間に負けるのが許せないのだろう)

 

見下していた人間が何らかの形で自分を上回ると苛立つなんて事はザラにある。加えて山田は俺に恥をかかせようとしていたのであろう。その事から性格が悪い事は容易に想像できる。

 

そんな人間が一度も勝てないんだ。奴は既に理性を失っているだろう。

 

「クソッ!何故だ!何故俺がコネ以外何の取り柄もない奴に勝てないんだ!」

 

そう言ってこちらに突っ込んできて弧月を振るってくるが太刀筋は荒く、動きもわかりやすい。これならC級でも対処出来る奴がいるだろう。

 

確かに転生した直後は親のコネしかなかった。それについては認めるが……

 

(転生した後は文字通り死ぬ気で努力したんでな)

 

内心でそう呟きながら俺は山田の上段からの振り下ろしを回避して、そのままトリオンキューブを顕現する。

 

すると山田は顔と心臓部にシールドを展開するが……

 

「甘い、アステロイド」

 

俺は山田の急所を狙わずに弧月を持った腕を撃ち抜く。今までは急所しか狙わなかったから腕を狙うとは思いもしなかったのだろう。山田の両手は呆気なく地面に落ちる。

 

これで俺の勝ちは確定だ。弧月使いは両手を失うと何も出来ないからな。スコーピオンや弾丸トリガーを使えば勝ち目はあるが、あるなら今までの試合で使っている筈だ。

 

よってコイツは攻め手が無くなった事を意味する。

 

「そ、そんな……」

 

「悪いな。こちとら負けられないんでな」

 

漸く現状を把握したのか顔を青くしてシールドを解除した山田に俺は謝りながらアステロイドを展開して……

 

 

 

 

『10本勝負終了、勝者唯我尊』

 

そのまま山田の全身を穿った。

 

こうして俺は幸先の良いスタートを切った。




現在のステータス
PARAMETR
 
トリオン 5
攻撃 6
防御・援護 6
機動 7
技術 6
射程 3
指揮 3
特殊戦術 2
 
TOTAL 37
 
トリガーセット
 
主トリガー
アステロイド
シールド
グラスホッパー
バイパー
 
副トリガー
メテオラ
シールド
グラスホッパー
バッグワーム

 

ヒロインは何人まで希望?4人は確定

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