唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!   作:ユンケ

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第91話

「では唯我先輩が戦闘員についての戦闘をしたので、私からは部隊オペレーター、そして正隊員を量産してからの話をします」

 

草壁はそう口にしながらアイコンタクトをするので、新しいスライドを表示する。普段は歳上にもタメ口な草壁だが、東さんや風間さんなど敬うべき人間がいるからか、丁寧な口調だ。

 

そう思いながらモニターを見ると……

 

①中央オペレーターに対する審査及び交渉

 

②様々なチームを作成して相性テスト

 

そんな文字が表示される。

 

「先ずは①についてです。唯我先輩の立てた計画が成功すればB級隊員は増えます。しかしそれに伴い部隊オペレーターの存在も重要となる反面、現状部隊オペレーターを希望しているオペレーターは少ないです」

 

「まあ人間関係とか色々問題があるからね〜。私は太刀川隊で良かったと思うけど」

 

柚宇はそう言って俺にウィンクをしてくる。同時に玲がジト目で見てきて、迅はゲンナリとした表情になる。前者はまだしも、後者はどうした?

 

疑問には思うが、今は草壁の話が重要だからスルーしよう。

 

「よって部隊オペレーターを増やす必要がありますが、これを機に全オペレーターの能力を審査するべきだと思います」

 

あー、BBFでもオペレーターのデータがあったな。トリオンは考慮しないで、指揮、戦術、並列処理、情報分析、機器操作のパラメーターがある。確か柚宇が1番優れていて、2番手が宇佐美だったか?

 

「そして調べた結果次第で、高い能力を持つオペレーターに対して、部隊オペレーターにならないか交渉することは絶対です。何故なら唯我先輩のやり方は質より量だからです」

 

まあ否定はしない。俺はあくまで雑魚トリオン兵を警戒区域から出さないようにする事を目標としているからな。

 

原作だとラービットの存在によりB級部隊は全部隊合流して、避難の進んでない区域を一箇所ずつ防衛したが、B級部隊を増やせば二箇所ずつ防衛出来るかもしれない。

 

「そしてその場合、統率するオペレーターの重要性が増しますので、才能のあるオペレーターを見つけだし、A級オペレーターが鍛え上げていきます」

 

「なるほどね。だから私とか遥ちゃんやみかみかや摩子ちゃんが呼ばれたんだ〜」

 

柚宇がそう呟くと草壁は頷く。

 

「オペレーターとして実力があり気さくな人間は指導者に向くから。真木先輩なんかは優秀だけど、相手によっては心が折れるから論外ね」

 

その言葉に当真が噴き出し、一部の隊員がコクコクと頷く。やはり真木理佐は凄く怖いようだ。

 

「早紀ちゃんはやらないの?」

 

「年が若い私がやったら不満を持つ人が出るかもしれないし、私は唯我先輩と一緒に計画の統括をやる予定だから」

 

綾辻の質問に草壁がそう答えると、一部の連中が騒めきを立てながら俺と草壁を交互に見て、迅が腹に手を当て、柚宇と玲が再度ジト目で見てくる。

 

(どんな態度だよ?言っとくが俺は当分草壁に手を出すつもりはないぞ)

 

草壁はかなりガードが固いからな。暫くは計画についての話し合いのみで、計画が軌道に乗ったあたりで食事に誘うつもりだ。

 

かなり時間はかかるかもしれないが焦るつもりはない。草壁の攻略難易度はハードだからな。

 

ちなみに真木理佐については攻略を諦めた。美人で好みではあるが怖過ぎる。ぶっちゃけ草壁より数段難易度が高いと思うし。

 

閑話休題……

 

「話を戻します。とりあえず優秀なオペレーターのピックアップと育成と部隊結成の交渉をするべきです。次に②、様々なチームを作成して相性テストについて説明します」

 

草壁は一息つくべく、アイスティーを飲むが喉の動きがエロく見える。

 

内心ムラっとするが、それを出さないように努力している中、草壁は再度口を開ける。

 

「計画が成功してチームを組めたとしても、相性が悪かったら意味がない。よって計画でB級に上がった戦闘員とオペレーターにつきましては即座にチームを組む事を認めず、仮チームを色々な組み合わせで作り、ある程度防衛任務を参加させて相性を見極めたいと思います」

 

まあ幾らチームを組めても相性が悪かったら弱いチームのままだ。

 

しかし色々な組み合わせで試せば、相性が悪いって事態にはならないで済むからな。

 

「以上で説明を終わります。私の考えは唯我先輩の計画が成功しないと実現出来ないので、ご協力お願いします」

 

草壁が一礼して一歩下がるので俺は立ち上がり草壁の横に立つ。

 

「何か質問とか不満な点とかはありますか?」

 

と、ここで手を挙げたのは東だった。なんか物凄く難しそうな質問をしそうで嫌だが無視するわけにはいかない。

 

「どうぞ」

 

「先ずはお疲れさん。良いプレゼンだったぞ」

 

「「ありがとうございます」」

 

俺と草壁は一礼する。

 

「改善点については細かいところはあるが大まかな計画としてはこれでいいと思う。けど2人が俺達にプレゼンをしたのは、上層部にプレゼンをする際に箔をつける為だろう」

 

「はい。実力者からの賛成を得る事が出来たら、交渉が有利になりますから」

 

上層部も東や風間やレイジなどが認めた案なら却下しないだろう。

 

「正しい選択だ。ただ上層部相手にプレゼンをするならもう一手、予算に関する案も入れておいた方がいい」

 

なるほどな……確かにその辺りも考えないといけないな。

 

と、ここで風間も口を開ける。

 

「東さんの言う通りだな。つい先日に大規模侵攻の話が会議に出たが、その際に予算はトラップなどの作成に重みを置くと言っていたしボーダーに余裕はあまりない」

 

「2人の提示した計画の内容は良かったから採用はされると思うが、予算に対する案を出さないと始動できるのが遅くなるかもしれない」

 

ごもっともだ。C級隊員のトリガーは武器1つしか入ってないが、B級隊員になると通信トリガーとか複数の武器、更にはベイルアウトシステムが追加されるが、相当金を食うだろう。原作でも金がないから全隊員のトリガーにベイルアウトシステムを付けれないって言われていたからな。

 

トラップの為に予算を注ぎ込んだのは厄介だ。もちろんトラップの数を増やすのも重要だから否定するつもりはないが、自分の立てた計画の障害になるとはな……

 

(一応対策はないわけじゃないが、それやったら絶対にボーダーの評判が下がるからなぁ……)

 

これが後5年後の話ならまだしも、ボーダーは生まれたばかりの組織で世間からの悪評には弱い。何せ戦闘員の大半が学生なんだからな。

 

実家の親父に頼むのは無理。実績が出た後ならまだしも、実績が出てないのに融資額を増やすのは厳しい。俺が頼めば可能かもしれないが、つい最近一人暮らしをする理由として「自立したいから可能な限り頼らない」って言ったのだ。

 

と、ここで東がフォローしてくる。

 

「まあ俺達は戦闘員だから今無理に捻り出す必要はないだろう。ただ上層部に早く認められるには予算についても考えた方がいいとは覚えてくれたら大丈夫だ」

 

「……ご助言ありがとうございます」

 

「気にするな。それで?計画を聞いて賛成の人は署名でもするのか?」

 

「あ、はい。今の話を聞いて協力しても良いと思った方はこの紙に署名をお願いします」

 

俺は一枚の紙を取り出して東に渡す。その紙には複数の欄があり、書いた人間は計画に協力する旨が書かれていた。

 

東はサインして隣にいる歌川に渡すと、歌川もサインをしてくれた。

 

それから10分近く経過した際に紙が俺の元に帰ってきたが、俺が呼んでない野次馬連中の中にも署名してくれた人がいたのでプレゼンは成功だと思うのだった。

ヒロインは何人まで希望?4人は確定

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