おっぱいフロントライン ※休載中※   作:スクランブルエッグ 旧名 卵豆腐

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今回は幕間です。
人形恋愛前線で騒いでいる裏で起こっていた出来事です。
※未実装のキャラの僅かなネタバレが含まれています。



統制官「フフーフ、幕間という奴だ」⁇「あまり気張らないで見てね?」

クジの結果は、まさかのSOPちゃんだった。

M4とAR-15はどこか残念そうに肩を落としている。

 

「という訳で第一回人形恋愛前線はM4SOPMODⅡに決定した。明日から早速楽しんできてくれ!以上、解散!」

 

M16はそう言うと、颯爽と去っていく。

ふっ………M16め、今に見てろよ?

必ずこの人形恋愛前線を完膚なきまでに攻略してお前に目にモノ見せてやるからな!

 

 

 

 

 

そうして指揮官が、決意を新たにしている頃。

それは静かに始まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある世界の片隅にて。

 

 

 

 

 

「フフーン。やれやれ、毎度毎度思うが地球人類というのは不合理に過ぎる。ELIDや鉄血なんちゃらと種の生存をかけて戦っているというのに身内同士で内輪揉めをするとはね。実に愚かだッ!君もそう思わないかい、ユー?」

 

黒いサングラスに、これまた黒いロングコートを着込んだ青年が大袈裟に両腕を振り上げて騒いでいた。

それを困ったような顔で見るユーと呼ばれた一人の少女。

 

「う~ん?統制官の言う事は分かるけどさ。何かにつけて、あたいに意見を求めるのはどうかと思うんだけど」

「フフーフ。ユーは相変わらずズバッと物を言うねぇ?それにしても、その一人称はどうにかならないのかい?」

「む、いいじゃない別に。パッと思いついたのがこの一人称なんだから」

ユーと呼ばれた少女は頬を軽く膨らませて青年に抗議するが軽く流される。

「さあ、お喋りはその辺にして『彼』に会いに行くとしようか。ひょっとしたら………君もいい出会いがあるかもしれないしね」

「そんな都合よく、あたいの事知ってる人形がいればいいけどね~。そもそも、あたい記憶がないし会っても分からないかも」

「ならもう一度頭を撃ち抜いてもらえばいいだけだろう?な~に、そうなったらまた僕のトンでも技術で治してあげるよ」

「酷い事言うよね~。まあ、あたいの頭を誰が撃ったのかも覚えていないんだけど………あれ?」

 

朗らかに会話する二人の足元で何かが動いた。

 

 

 

 

「テ、テメェら………!」

 

 

 

 

二人の足元で動いたもの。

それは、鉄血のハイエンドモデルである処刑人だった。

しかし、その姿はボロボロで満身創痍とも言えるような姿になっていた。

 

「ホホーッ。こりゃ面白いね。まだ動けるんだ?」

 

少し驚いたような表情で笑う青年に処刑人の顔に青筋が浮かぶ。

 

「ふざけやがって………!!死にやがれッ!!………………なッ!?」

 

一切の躊躇いもなく振り下ろされた処刑人の剣は、驚くべきことに指一本で止められていた。

 

「全く………そんなオモチャを振り回したところで僕には意味がないって言ってるじゃないか。どうしてこの星の知的生命体はこうも理解力が悪いのかな?実力差は明らかだっていうのに。実に非合理的だよ」

 

意味が分からないと言いながら首を振る青年に得体のしれない不気味さを感じた処刑人は思わず後退る。

 

「クソッタレが………!いきなり襲ってきやがって!何が目的だ!」

「フフーン?君に言った所で到底理解できないさ。何だっけ、オガスシステムにエリザだったけか?その程度の子供の妄想みたいな科学文明で粋がられても迷惑なんだよ。この様じゃ、グリフィンや正規軍って奴らも期待できそうにないな」

「何を訳の分からねぇ事を言ってやがるッ!」

「分かんないかな?君達じゃ『アレ』に比肩するどころか、お目にかける事すら出来ないんだよ。それに世界中に散ってある………ええっと、何だった?この星じゃ何て言ってたんだかな?とにかくソイツを回収しなきゃいけないんだ。まあ元々僕等の物だし?返してもらうだけって話だけどね」

 

溜息をつきながら詰まらないものをみるような目で処刑人を見ながら話す青年。

その時、沈黙を保っていたユーが青年に話しかけた。

 

「コーラップスだよ、統制官。もうその辺にしときなよ。ホント、意地が悪いんだから」

「おやおや、これはすまないねぇ。物忘れが激しいのと、すぐに人を煽ってしまうのが僕の悪い癖だ。謝罪しよう」

 

髪をかき上げながら、本当に謝罪する気があるのかと言うような声色で青年が言う。

 

「まあ君達の対人類戦争の邪魔をするつもりは毛頭ないよ。別にどうでもいいし。こんな科学水準も低くて環境が極限まで汚染されている星に興味はないからね。ただ、この星を『アレ』が狙っているとなれば話は別だ」

 

『アレ』という単語を出す度に青年の瞳が一瞬だけ忌々しげに歪められるのを処刑人は見逃さなかった。

 

「は、なんだそりゃ。お前みたいな奴でも恐れるもんがあんのかよ」

「当然だとも。そう、この世界………いや、この広大な宇宙には君達など足元にも及ばない程の、より絶対的な破壊の力が潜んでいる」

 

だから、いつかアレがこの星に来るまでに準備をする必要がある。

青年は飄々とした笑みを引っ込めるとそう呟いた。

 

「さて、そろそろ時間だから僕達は帰らせてもらう。行くよ、ユー。じゃあね~」

「はいはいっと!じゃあ帰りましょーか」

 

 

そう言って茶鼠色の髪を棚引かせながら、ユーと呼ばれた少女は青年とともに何処かへと去っていった。

少女の服の袖には小さく何かの文字が書かれていた。

 

 

 

『UMP40』と。

 

 

 

ただそれだけの話だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どことも知れない認知できぬ空間で『ソレ』は感じ取っていた。

 

ミツケタ、と。

多少衰退してはいるものの、その星からは生命が溢れていることが感じられる事に『ソレ』は歓喜に身を打ち震わせた。

その星は、太陽系第三惑星。

 

 

 

 

 

その星に住む者たちからは『地球』と呼ばれている星だった。

 

 

 

 

 

『ソレ』はとある種族において、ある名前で呼ばれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星を喰う者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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