おっぱいフロントライン ※休載中※ 作:スクランブルエッグ 旧名 卵豆腐
人質にされていた女の子を助けた俺は、SOPちゃんに向き直る。
「ごめんな、SOPちゃん。来るのが遅れちまった」
「大丈夫だよ、指揮官。こいつら潰して帰ろう?」
俺の言葉に笑顔で返してくれるSOPちゃん。
だが、その笑顔とは裏腹に彼女の瞳に激情が宿っているのをひしひしと感じた。
SOPちゃんの服は無惨に引き裂かれ、額から血が少しだけ流れている。
「お、お前………!何故だ、何故この場所がッ⁈へっ、まあいい。元よりお前が目的だったんだ。死ねッ!」
リーダー格の男が醜悪な笑みを浮かべると懐から拳銃を取り出す………が引き金に指を掛ける前に手首を銃弾が貫く。
勿論撃ったのは俺だが。
「ガアッ⁉︎て、てめッ⁉︎いつの間に⁉︎」
「遅いぞ、もっと早く抜け。そんなんじゃ、お前が俺に殺されるぞ?」
遅すぎる。
ガンマン対決じゃないが、早く抜いて撃つ技術は習得しておいて損はないな。
馬鹿みたいに喚きながら地面を転がる馬鹿を放っておいて、俺は取巻きの男達を一瞥する
「一度だけチャンスをやる。さっさと失せろ」
俺が睨みつけるとリーダー格以外の連中がヒッ!と叫びながら背中を向けて逃げていく。
小物すぎるだろ、お前達。
「残ったのはリーダーのお前だけか。覚悟できてんだろうな?じゃ、悪党は悪党らしく大人しくボコボコにされてくれるか?」
「舐めやがって………!調子に乗ってられるのもそこまで…ギャアアッ⁉︎」
リーダーの男がそう言うと同時に絶叫をあげて悶えだした。
よく見ると、SOPちゃんが男の手に噛み付いたらしい。
余程の力だったのか手の肉が千切れて血が滴り落ちている。
「痛ェ!いてぇよクソがッ⁉︎いいのかよ、仮にもグリフィンの指揮官やってる奴が一般市民に危害を加えても⁉︎」
「一般市民ね。よく言うよ、チンピラが。先に銃を向けたのはお前だろ。それにSOPちゃんに暴力を振るった上に女の子を刃物で脅して人質に取った。むしろ、その程度の怪我で済んでる事に感謝するんだな」
「マ、マスコミにある事ない事ブチまけるぞ!それでもいいのか⁉︎お前も、その人形も立場が悪くなるんだぜ⁉︎」
「そうかい、勝手にしな。だが周りの人間はどう見るだろうな?こっちには、この女の子という証言者もいるし、店でお前がSOPちゃんと女の子を連れ出してる所を目撃してる人もいる。不利になるのはお前なんじゃないか?」
「くッ………クソがッ!覚えてろよ!」
捨て台詞を残して手を押さえながら男は必死に走って表通りへと逃げて行った。
………ホントにクソ雑魚小物だったな。
それより、SOPちゃん大丈夫か?
傷だらけじゃないか。
あいつら、くだらねぇ真似しやがって。
「大丈夫。それより、その娘に怪我とかはない?」
ああ、それなら問題ない。
女の子は無事だよ。
「お姉ちゃんッ!」
女の子がそう言うとSOPちゃんに駆け寄る。
「お姉ちゃん、血が出てるよ!病院行かないと!」
「これくらい大丈夫!ほら、泣かないで」
SOPちゃんはそう言ってポケットからハンカチを取り出すと女の子の涙を拭いてあげた。
さて、それじゃその娘の親を探して送り届けに行こうか。
勿論、服着替えてからだが。
今のSOPちゃんはあのクズに服を破られて、あられもない姿になっている。
それはつまり、SOPちゃんの大事な部分が見え掛けている訳で。
すると、俺の視線に気がついたのか
「どうしたの指揮官?………なぁ〜んだ、そう言う事かぁ。指揮官の変態ッ」
などと言ってきた。
待て、待つんだSOPちゃん。
俺は君をやましい気持ちなんかで見ちゃいない。
そんな目で俺を見るんじゃない。
「お兄さん、変態さんなの?」
女の子が俺を何とも言えない目で眺めてくる。
違うって!
俺は変態だが流石に今の状況でそのスキルは発動しないぞ⁉︎
その後、無事に女の子を親元へと送り届けた俺達は基地への帰路についていた。
女の子が別れ際にSOPちゃんに向かって大きく手を振っていて、SOPちゃんも手を振り返していた。
………何だか微笑ましい光景だったなあ。
因みにSOPちゃんの服は何時もの黒いジャケットに着替えている。
破られた服はどうするのかと聞いた所、持って帰って修繕するそうだ。
春田さんに頼むらしい。
確かにあの人なら綺麗に修繕してくれそうだが。
「………にしても、意外だな」
「何が?」
「SOPちゃんが意外にも、お姉ちゃんしてた事だよ」
「むー。私だって子供じゃないんだよ?」
「そうか。でもSOPちゃんの別の一面を見れたのは貴重な経験だったな。子供っぽいなーって思ってたんだけど」
「指揮官、今まで私の事をそう言う目で見てたのー?」
頬を少しだけ膨らませて抗議の眼差しで見てくるSOPちゃん。
控えめに言って可愛い。
「ごめんな。俺がボーっとしてたが為に、SOPちゃんに不愉快な思いをさせてしまった」
「ううん、そんな事ないよ指揮官。色々あったけど、今日はとっても楽しかった!また今度一緒にお出掛けしよう?」
「おっ、そいつはデートのお誘いか?俺みたいな変態はやめといた方がいいぞ〜」
「………もう、指揮官のバカ。変態ッ」
ニヤリ、と俺が笑みを浮かべて手をワキワキと動かすとSOPちゃんはニコニコと笑って言った。
今日は俺も楽しかったよ。
この謎企画が始まってからまだ初日だが、いい思い出になった。
「帰るか、俺達の基地に」
「うん、指揮官♪」
その頃、街の外れで。
「ハアッハアッハアッ………!クソがッ!あのクソガキ、思いっきり噛みやがって!あいつら今度会ったら必ず殺してやる!」
男は取巻きの男達とともに、街の外れにまで来ていた。
包帯が巻かれた両手からは血が流れ、男は苦痛と憎悪に顔を歪める。
「もうまどろっこしい手段は使わねぇ!まだアイツらは街にいる筈だ、戻って今度こそブチ殺してやる!お前ら、武器をありったけ用意して殺しに行くぞ!」
男はそう叫ぶと再び黒い笑みを浮かべてーーーーーー
「あら。面白そうな事してるわね」
横から突然聞こえてきた声に凍りついた。
次の瞬間、男達は全員がその両手足を失い地面に転がる。
「は?………あ………ぇ⁉︎」
リーダーの男は何が起こったのか認識できずに辺りを見渡す。
すると、2人の女性が自分を見下ろしているのが視界に入った。
「人間って脆いのね。前から知っていたけど」
クスクスと黒髪の女性が笑いながら言う。
その笑みに浮かぶ冷徹さに男は身体を襲う激痛すら忘れて恐怖に慄いた。
「困るわ。あのグリフィンの人間は私が目を付けてるのよ?貴方達みたいな下賤の輩に手を出されるのは気にくわないの。だから、悪いけどここで死んで下さるかしら?」
男の目には、本来なら見惚れる美貌の女性の笑顔が酷く恐ろしく醜悪に見えた。
「あ………あ………!」
「そうそう。この辺りは暗くなると野犬が出るそうよ?日が完全に沈む前に帰る事をお勧めするわ。まあ最も、帰る足があればの話だけれど」
さようなら、と言い残して2人の女性は去っていく。
男達がその後どうなったかなど、態々言うまでもない。
「たっだいまー‼︎」
「帰ったぞー。基地に異常はないか?」
「おや、随分帰ってくるのが遅かったな。楽しめたか?」
PM2100。
基地に帰った俺達を出迎えたのはM16だった。
ニヤニヤと含み笑いをしながら俺とSOPちゃんを交互に見る。
「楽しかったよ。後半邪魔が入ったがな。で、明日は誰なんだ?」
「そう急くな指揮官。何だかんだで一番楽しんでるんじゃないか?」
バカ言え。
俺はさっさとこの謎企画を終わらせたいだけだっての。
「そうなのか?ふふっ、どうなんだろうな?さて、それならクジを引くとしよう。今回この名誉な役に選ばれたのはG11だ!G11、頼むぞ」
「うん………これ終わったら寝てもいい?」
瞼を擦りながらG11がクジの箱をゴソゴソと漁る。
そして。
「ほほーう………これはまた…。さあ発表するぞ!次の人形恋愛前線に選ばれたのは‼︎」
『M4A1』
次回予告
「可愛い。結婚しよ」ーーーーーー罰ゲーム企画『人形恋愛前線』に参加させられている哀れな男・とある基地の変態指揮官
「は、はいッ⁉︎よ、宜しくお願いします‼︎」ーーーーーーAR小隊の隊長・M4A1
「くっ………!認めない、認めないわ!今度こそアンタに勝つ!」ーーーーーー404小隊の隊員・HK416
「じゃあ次の勝敗はG級のリオレウス希少種を何分で狩れるかで決めるぞ。異論はないな?」ーーーーーーAR小隊の隊員・M16A1
「仕事しろ!」ーーーーーーAR小隊の隊員・AR-15