おっぱいフロントライン ※休載中※ 作:スクランブルエッグ 旧名 卵豆腐
更なるおっぱいを目撃せよ‼︎
※本タイトルと内容は一切関係ございません。
指揮官「45は壁女、416は山女って訳か………」UMP45「死にたいみたいね?」
俺は最近思う。
おっぱいという単語には、全てが詰まっているのではないか?と。
優しさ、愛情、母性、心の安らぎ………。
我々男性諸氏の疲れ、冷え切った心を癒しながら尚且つ素晴らしい『甘み』をもたらしてくれる至高の存在。
それが、おっぱいなのだ。
「まあつまり、俺が何を言いたいかと言うと。大事なのはおっぱいだという事だ。分かってくれるだろう、わーちゃん?」
「分かりたくもないわよ、この変態‼︎それっぽい理由をつけて私のおっぱいを揉むな‼︎わーちゃん言うな‼︎」
わーちゃんの繰り出す鉈による斬撃を右へ左へと身体をくねらせながらイナバウアーのポージングを決めつつ華麗に避ける。
いやー、久しぶりにこのやり取りをした気がする。
おかげ様で気分は上々だぜ!
やっぱり朝はおっぱいから始まらねぇとなあ⁉︎
「くっ………今日も躱し方に気持ち悪さと変態指数が絡んでるわね‼︎」
ヘッヘッヘ、俺に攻撃を当てようなんざ一万光年早いんだよぉ‼︎
この調子で今日はおっぱいを堪能してやるぜぇ‼︎
しかし、今日の俺はそれだけで終わるつもりはない。
おっぱいの次は尻、尻の次は脚だ!
「真剣に気持ち悪いわね………!アンタ、自分が何言ってるか分かってるの⁉︎後、光年は距離よバカ‼︎」
わーちゃんのゴキブリを見るような視線に心の荒ぶりを覚えつつも、俺は務めて冷静に振る舞いながらわーちゃんに近づいていく。
「な、何よ?」
「クールになれよ、わーちゃん。………な?」
「⁉︎」
そう言って、わーちゃんの耳を綿棒でサワサワと触る。
すると、わーちゃんはビクッ!と身体を震わせ固まってしまった。
「あ、あああアンタ………何のつも…りぃッ⁈」
「フフッ、ここが弱いのか?可愛い奴だな、わーちゃん?」
「か、かわ………!えっと、ちょ、その………!」
「ほら………こういうのがお望みなんだろう?」
優しく綿棒を首筋に滑らし、尚且つ耳に吐息を吹きかける。
「ふ、ああ………ンンンッ‼︎だ、ダメ………!」
優しく撫でるような声で囁くと、わーちゃんは顔を熟れたトマトみたいに真っ赤に染め、黙り込んでしまった。
グヘヘへェッ、やっぱ人形チョロイン序列第1位だな笑。
この調子でどんどん攻めてやるぜ!
覚悟するんだな!
最早誰にも俺のおっぱい道を遮ることなどできぬよ‼︎
ハーハッハッハッハ‼︎
「なーんて事を考えてるんでしょうけど。そうはいかないわよ、しきかーん?」
突如、何処かで聞いたような声が聞こえた瞬間。
メキャアッ‼︎という音とともに俺の頭に何かがめり込み。
それと同時に意識は途絶えた。
「ホントに懲りないわね、指揮官は」
いつの間にか執務室に進入していたUMP45は半ば呆れながら呟く。
その片手には、指揮官の意識を刈り取ったであろう分厚い本が握られていた。
床に視線を落とすと、目を回しながらもどこか幸せそうな顔をして気絶している指揮官が転がっている。
「いつまで呆けてるの、わーちゃん?今の内に逃げないと何されるか分からないわよ?」
先程から唖然として固まったままのわーちゃんに45が声をかける。
すると、漸く正気に戻ったのか「べ、別に私は気持ちよかったとかそんな事思ってないんだから!指揮官の変態!バカ‼︎わーちゃんって言うなー!」
と叫ぶと、顔を赤くしながら部屋から出て行った。
「さて………と。さっさと起きなさいよ、指揮官」
「グボァ⁉︎」
45は床に転がっている指揮官を手に持っている本で叩き起こした。
指揮官は頭を押さえながら起き上がる。
「痛つつ………何が起こったんだ?お、誰かと思えば壁娘じゃないか」
「フンッ‼︎」
「ゴフッ………いい蹴りを放つじゃねーか。流石、コルトとタメを張れる奴は一味違うぜ」
「一回死んでみる?しきかーん?」
「ブフォアッ⁈」
再び指揮官は45に鼻を殴られ、再度意識を失う事になった。
あの謎企画・人形恋愛前線が終了してから数日が過ぎ、俺は溜まりに溜まった書類の山を片付ける作業に追われていた。
物資の調達や鉄血への対処計画の策定。
やる事は文字通り山積みで、とてもではないが俺のキャパシティを超えている。
それに何より、仕事のモチベが上がらない。
何故かって?
今朝からAR小隊の皆が定期メンテでケモ耳マッドババアのいる16LABに行っちまって基地に居ないからだよ!
何でも、3日は帰ってこられないそうだ。
3日もの間、俺はM4のおっぱいやM16のマシュマロおっぱい、SOPちゃんの将来有望おっぱいを拝めないのだ。
最早これは俺に対する拷問だ。
AR-15?アイツにおっぱいを期待するだけ無駄だ。
大理石の床を眺めて何の感慨を感じろと言うんだ?
つまりはそう言う事だ。
「あと6割くらいか。45、そっちはどうだ?」
「私も進捗具合は同じくらいよ。それより口じゃなくて手を動かすべきじゃないの?」
向かいの机で同じように書類の山に埋もれているUMP45の素っ気ない返答に俺は思わず嘆息した。
何故404の彼女がこの執務室にいるかというと、あの後俺が書類整理を手伝ってくれと頼んだからだ。
頼むゥゥゥ!と土下座の姿勢のまま床を這いずりまわると「うわっ、キモ…」と腐った魚を見るような目で見下しながらも了承してくれた。
おかげ様で作業は順調に進んでいる。
一人だと多分夜を徹しても無理だっただろうな。
UMP45がこういった業務が得意で助かった。
「この調子だと夕方までには終わりそうだな。なあ、45さんよ、ちょっと休憩しようぜ。コーヒー淹れてやるよ。春田さんのレベル程じゃないがな」
「しきかーん、変な薬入れたりしないでね?」
入れるかッそんなもん。
俺は変態だが一線は越えない紳士な変態なんだぞ?
それにだ、この俺がお前の防弾まな板おっぱいに欲情するとでも?
そういう要らぬ心配をする事を昔の言葉で『杞憂』って言うんだぜ?
だから安心して俺の作るコーヒーを飲むんだなあ、縦傷コンパネ板娘ェ!
む………どうしたんだ45。
急に銃を取り出したりなんかして。
「あら、大したことじゃないわ。ちょっとゴミ掃除をしようと思ってね。さあ………立ったまま死ね!今すぐに!」
ま、待て45!話せば分かる!
分かった!なら今度おっぱいが大きく見えるブラを買ってギャアアアッ⁉︎
〜10分後〜
やれやれ、45の奴は容赦ってものを知らねぇ。
飛んできた銃弾をゴム毬のように跳ねまわりながら躱したから無事で済んだものの、当たってたらどうするつもりだ。
まあ、俺は更なる至高のおっぱいを拝むまで死ねないがな!
「気持ち悪い妄想に浸ってないでコーヒー入れてよ、しきかーん?」
「ぬぐぅ、骨身に沁みる罵倒だな………ちょっと待っててくれ。すぐにコーヒーを入れてくる」
「砂糖は控えめでね、しきかーん」
はいはい、と言って部屋の奥に入っていく指揮官を見送った45は、待っている間暇つぶしがてらに棚に置かれている本を見てみることにした。
本棚にはミリタリー雑誌から戦術書や哲学書といった様々な本が所狭しと並べられている。
大事に使っているのか、本はどれもが綺麗な状態だった。
ところが、その中で一冊だけ表紙がボロボロの本があることに気付き45はそれを手に取った。
どうやら内容は聖書らしい。
指揮官もこういう本を読むのね、と思いながらパラパラとページを捲る。
それから暫く本を捲っていた45はあるページを見て、捲るのをやめた。
「『ひとつの星が、天から地に落ちてくるのを見た。その星には、底知れぬ所の穴を開く鍵が与えられた』『そして底知れぬ所の穴が開かれた。すると、その穴から煙が大きな炉の煙のように立ちのぼり、その穴の煙で、太陽も空気も暗くなった』………………何でこんな文章にラインを引いて「どうしたんだ、45。面白い本でもあったのか?」………急に声掛けられたらビックリするじゃない、しきかーん?」
気配もなく背後から急に聞こえてきた声に45は表情には出さないものの、内心驚きながら振り返る。
そこにはコーヒーの入ったコップを手にした指揮官が居た。
「おっと、すまんな。驚かすつもりは無かったんだが………どうして45は聖書なんか読んでるんだ?」
「特に理由はないけど、所々にラインが引いてあったから気になっただけ。仮にも指揮官である貴方がどうして世界の終末を語ってる黙示録に線を引いてるの?」
「特に深い意味は無い。ほら、こういう厨二チックな文章に男は惹かれるのさ。それだけだ」
返ってきた答えは釈然としないものだったが、そういうものなのか?と45は自分を納得させる。
その時だった。
部屋に設置されている電話がけたたましく鳴り響く。
「はい、こちらはおっぱい信仰パフパフ協会です。当会では新機軸のおっぱい揉み必勝法を提供し『ご主人様?爪を剥ぎますよ?』冗談だ。どうしたメイド長」
「『問題が発生しました。今から地下の第1会議室に来ていただけますか?』」
「何?………了解分かった、今すぐそっちに行く。45、どうやら厄介事みたいだ。一緒に来てくれ」
電話越しではあるものの、G36の声色には僅かに困惑が入り混じっているようだった。
それを察した指揮官は真剣な表情になり、45を連れて足早に部屋を出ていく。
〜地下第1会議室〜
この基地には地下にも施設が存在する。
そのほとんどは倉庫だが、唯一例外とされている部屋がこの第1会議室だ。
会議室と名を打っているものの、実際は地上の指揮システムが使えなくなった時の予備機能も備えている。
故に、仮眠室やキッチンもあるのだがそれは一先ず置いといてだ。
部屋に入るとメイド長とカリーナがいた。
二人とも険しい表情である物を見つめている。
二人の視線の先には、ベッドに腰をかけている一人の男性がいた。
憔悴している………とまではいかないが、身体のあちこちに傷を負っている。
「………彼は何者だ?」
「先程、敷地内を清掃していた際に倉庫の側で倒れていました。それだけなら保護するだけで良かったのですが、問題は彼が至る所に怪我を負っているという点です」
メイド長が手に持った何かを差し出してくる。
それは一つの携帯情報端末と、薄汚れた身分証だった。
「正規軍第6特殊生物対処研究班アキラ・シラカミ………?階級は中佐。それに日本人だと?」
どうやら目の前の男は正規軍の軍人らしい。
しかも日本人ときた。
何だろう、凄く嫌な予感がする。
「端末の中身も確認しようとしたのですが、軍の正規品というだけあって高度な暗号でロックされている為、閲覧出来ませんでした」
もう絶対ヤバそうな奴じゃん………。
だが、こうしていても始まらない。
取り敢えず話を聞き出すしかないな。
そう思っていた時、彼は目線を俺の方に向けると俺に話しかけてきた。
「………一つ訪ねたい。軍に連絡はしたのか?」
いいや、まだだ。
軍に連絡するのは貴官の話を聞いてから判断するつもりだ。
まさか、脱走兵という訳でもないだろう?
「すまない、配慮に感謝する。ご存知かと思うが、僕の名はアキラ・シラカミ。階級は中佐。中佐といっても形式的なものでしかないがな。元々僕は研究畑の人間だ。ところで、君はグリフィンの指揮官なのか?」
そうだ。
貴官について聴きたい事がいくつかある。
だから一つずつ質問させて貰おう。
答えたくなければ無理に答えなくても構わない。
では、まず一つ目だ。
何故貴官は、当方の敷地に?
「………そうだな、話すと長くなる。端的に言えば、僕は今現在軍に追われている身だ。僕はある目的の為に軍から抜け出したのだが、追っ手が思いのほか多かった為に、一時的にこの基地に身を隠さざるを得なかった。グリフィンの敷地に逃げ込んだ理由は、追っ手もまさか僕がここにいるとは思うまいと考えたからだ」
成る程。
では二つ目だ。
それなりの怪我をしているようだが、その理由は?
「先に言った通り、追撃部隊の攻撃を受けたからだ。何度か本当に死ぬかと思ったがね」
では3つ目だ。
この携帯情報端末の中身について教えてくれるか?
「………それこそが僕が追われる理由だ。話すとなると人払いをしてほしい。僕と君の2人でなら話す」
……………ふむ、では少し待っててくれ。
メイド長、カリーナ、45。
一旦部屋の外に出てくれるか。
俺は取り敢えず皆を連れて部屋を出る。
さて。
お前達は彼の話をどう思う?
「まあ、普通に考えれば怪しいと言わざるを得ないわね。面倒事に巻き込まれたくないなら、軍に連絡して引き取って貰うのが最善よ」
確かに、45の言う通りだ。
だが軍の連中も、俺達グリフィンが彼を保護したと知れば態度を変えるやもしれん。
彼が隠している事を俺達に話したと思って何か仕掛けてくる可能性がある。
正規軍が敵に回るという事態は避けたい所だ。
そうなれば、この基地だけの問題ではなくなってしまうしな。
「ご主人様、私の推測ではありますが、彼は態とそうなる状況に持ち込んだのではないでしょうか?グリフィンを巻き込む事で何らかの目的を成そうとしているのでは?」
案外そうかも知れないな。
彼の事情が何であれ、こうして関わってしまった以上、俺達には彼の話を聞くしか選択肢がない訳だ。
こいつは厄介だ、実に厄介だぞ。
何より不可解なのは、軍の追撃を振り切ってここまで来ている事だ。
追撃部隊という事は人狩りに特化した部隊………俺も心当たりはあるが、連中の追撃を逃れるのは至難の技だ。
しかも、軍の駐屯地からこの基地まではそれなりの距離がある。
どうやって追撃部隊の目を掻い潜り、この基地まで逃げてきたのか甚だ疑問だ。
「………ご主人様。貴方の身を守るのもメイドであり戦術人形でもある私の役目です。ご主人様が命じて下さるならば………」
それ以上は言ってくれるな、G36。
その選択肢を選ぶ気は無い。
仮に選ぶとしても、彼の話の内容如何で俺が判断する。
いいな?
「………畏まりました」
ここにいる俺達以外に、この事を知っている奴はいるのか?
「いえ、この場にいる私達だけかと。彼をこの部屋まで運んだのは私ですが、道中誰とも会う事がなかったので」
分かった。
この件に関しては箝口令を敷く。
取り敢えず皆はこの場所で待機していてくれ。
俺は彼と2人で話をしてくる。
「指揮官さま、流石にそれは危険では………?」
大丈夫だ、カリーナ。
何かあれば直ぐに呼ぶ。
蛇が出るか?
それとも怪物が出るか?
本当、この仕事は退屈しないぜ。
「さあ、中佐。これで貴官の望み通り2人きりになれた訳だが。早速本題に入らせて貰っても構わないか?」
「………分かった。事の始まりはーーーーーー」
彼は伏し目がちに語り始める。
そして、これが恐るべき事件の幕開けとなってしまうなど、この時の俺には知る由もなかった。