おっぱいフロントライン ※休載中※   作:スクランブルエッグ 旧名 卵豆腐

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お久しぶりです。
今回は超難産だった。
ああ〜おっぱいが足りないんじゃ〜‼︎


指揮官「ヒンヌーSMG代表!その名はUMP45!」UMP45「いっぺん死んで見る?しきかーん?」

壁を突き破って現れたのは、大斧を携えた巨大な体躯の怪物だった。

 

「------ッ!!」

 

怪物が、咆哮のような悍ましい叫び声をあげる。

その声に呼応するかのように背中から触手のようなものがボコボコォッ!!という音を上げて生える。

常軌を逸したその光景に皆言葉を奪われた。

 

その隙をつくように、怪物はその手に握る大斧を振りかぶると俺の方に向かって一気にそれを投げ飛ばしてきた。

 

「うおおおおおおおおおおおッ!?」

 

俺は飛んでくる大斧をリンボーダンスの要領でギリギリ躱す。

ズガアアアアンッ!!と派手な音を立てて大斧が壁にめり込む。

何て野郎だ、あの化け物………………!

 

「------ッ!!」

 

怪物は再び咆哮を上げると、今度は背中の触手を伸ばし一番近くにいた45を捕えようと迫る。

 

「うぬぼれないでッ!!」

 

45は迫りくる触手を人形の持つ膂力で回避し、銃弾を怪物の頭部へと叩き込む。

銃弾を何発も頭部に受けた怪物はまるで聞いていないという風に体勢を立て直す。

それと同時に頭部の銃創が瞬く間に再生修復されていく。

 

「こうかは いまひとつ のようだ」

「何言ってるの、指揮官?」

 

おっと、俺とした事がついついポ◯モンっぽく言ってしまったぜ。

だからな、9。

そんな何言ってんだコイツみたいな目で見ないでくれ。

 

「あの再生力、ヘドラ以外にありえない!ヘドラは微生物の群体だ。通常の物理的な攻撃では有効打は与えられないぞ!」

 

怪物を冷静に観察していた中佐がそう言う。

 

「ならどうすればいい!?奴には何が効くんだ!?」

 

「ヘドラはその構造上、低温や高熱に対して脆弱な面を持ち合わせている!つまり燃やすか凍らせるかだ!」

 

成程ね。

ならこれは効くだろ!

 

「焼夷手榴弾を投げる!全員離れておけよ!」

 

 

俺は焼夷手榴弾を取り出して怪物へと放り投げた。

ゴオ!と爆炎が怪物を包み込む。

 

「こうかは ばつぐん だ ‼︎」

「だからさっきから何言ってるの、指揮官?」

 

9に、とうとう可哀想なものを見るような視線を向けられてしまった。

ポ◯モンネタは理解されなかったか。

まあ仕方ない。

 

それはともかく、中佐の言った通り、怪物基いヘドラは炎に弱いのか瞬く間に燃え堕ちていく。

 

「終わりね。手間かけさせてくれるわ」

 

416が燃え堕ちていくヘドラを見ながら呟く。

 

 

その時だった。

 

 

『センサーが火災を検知。被害の拡大を防止するためスプリンクラーを作動させます』

 

 

警告音のような音が流れたかと思うと、機械的なアナウンスが入り、それと同時に部屋の天井に配置されてしたスプリンクラーが一斉に作動した。

 

「おいおい………………ホントに今日はツイテないな!」

 

怪物を包み込んでいた炎がスプリンクラーから撒かれた水によって鎮火する。

炎が消えたことで力を取り戻したのか、再び怪物がゆっくりと立ち上がった。

そして、怪物の背中から触手が先ほどとは比べ物にならないほどの速さで45に襲い掛かった。

 

「くっ………………!虫けらが………………!」

 

触手によって捕えられた45は自身を拘束している触手を銃で撃ち抜いて千切ろうとするが、その意図を察した触手が45の首を締め上げ始めた。

 

「あっ…がっ……………!こ、の……!」

 

怪物は45の苦しげにうめく様を愉快そうに眺める。

 

 

「野郎ッ!45を離せ!撃て!」

 

45を捕えている触手が全員の放った銃弾によって千切れていく。

すると、怪物は触手が千切れ切る前に45を思い切り投げ飛ばした。

 

「45姉!!」

 

9が悲鳴のような叫び声を上げる。

投げ飛ばされた45は怪物が出てきた壁の穴へと消えていく。

クソッタレがッ!

 

「全員援護しろ!アイツを連れ戻してくる!」

 

「うう………こんな所こなきゃ良かった!」

 

G11がそう言いながら銃弾を怪物に向かって放つ。

言葉とは裏腹に、銃弾は正確に目などを撃ち抜いている。

その隙に俺は怪物の脇を擦り抜けて壁の穴へと飛び込む。

 

「45!無事か!返事しないなら洗濯板娘って言うぞ………………グヘッ!?」

「死ね!ホントこんな時でもペースを崩さないわね、しきかーん?」

 

45のダイレクトパンチが俺の鼻に炸裂する。

うーん、そろそろ鼻の骨折れんじゃね?

ま、それだけ口が利けるなら大丈夫そうだな。

45の手を取って起こし、怪物の方を振り返ると奴は触手を横に広げて通せんぼのような姿勢をとった。

こいつ、俺達を分断する気か………!

 

「45姉ッ!指揮官ッ!」

 

「9ッ!駄目ッこっちに来ないで!早く逃げて‼︎」

 

怪物の向こう側から9がこちら側に来ようとするが、45の声によって静止される。

 

「指揮官、45!その場に伏せて!」

 

416がそう言うやいなや、派手な爆発が起こり怪物の触手が粉々に飛び散った。

成る程、榴弾か………!

流石だぜ、水色おっぱい娘!

 

「こんな時にふざけてる場合⁈ほら、何してるの!早く逃げるわよ‼︎」

 

416は再び榴弾を怪物に向かって放つ。

怪物が榴弾で怯んだ隙に、その横を通って全員と合流することに成功した。

よし、後はどうやってこの怪物を撒くかだが………………こいつを使わせてもらうかね!

俺は懐から閃光手榴弾を投げる。

 

「------ッ!!」

 

 

 

こうして、奴が怯んだすきに俺達はその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

〜数分後〜

 

「ハアッ、やれやれ。何とか逃げ切れたみたいだな。油断は禁物だが」

 

上手く撒けたのか、怪物が追ってくる気配はない。

あんな化け物がいるとは。

ありゃ何なんだ中佐?

 

「うーむ。これは私見だけどね、アレは恐らくヘドラが他者の生体細胞を取り込んで成長した変異種じゃないかな………となると取り込まれたのは研究所の人間か襲撃をした軍の兵士だろう」

 

変異種ね。

他にもアレと同種の化け物が彷徨いている可能性もあるかもな。

処理場で出会った触手さんはヘドラとは関係ないのか?

 

「あの触手さんかい?多分彼はヘドラとは違う何かだ。この研究所がヘドラ以外の何かを研究していた可能性も否定は出来ない。あの怪物も触手さんも、少なくとも自然に発生する生き物ではない筈だからね」

 

そうか。

さて、取り敢えず実験区画に向かおう。

中佐、道案内は頼んだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、特に障害もなく無事に実験区画にたどり着いた俺達。

実験区画のフロアは不気味なくらいの静けさに包まれている。

所狭しと並べられた実験用のカプセルには緑色の液体が満たされていて、その液の中に哺乳類・爬虫類・両生類といった様々な生物が入っている。

 

「指揮官、見て。彼処に一台だけパソコンがあるわ」

 

45が指差した先には、確かに一台だけパソコンが鎮座していた。

側に行って電源を入れると、画面に『パスワードを入力して下さい』という表示がでる。

これはミスったら動かなくなるやつだろ。

パスワードなんざわかる訳もないし、下手に触る訳にもいかんな。

どうしたもんか………。

 

「指揮官、少しいいだろうか?ひょっとすると、そのパスワードが分かるかも知れない」

 

それは本当か、中佐?

何故パスワードが分かる?

 

「う、うむ。僕の持っているこの携帯端末なのだが、これにヘドラのデータが入っていると前に話しただろう?実はこの中にあるデータの一部に不明なファイルデータが存在していてね。これが突破口になれるかも知れない」

 

そう言って、中佐は端末を開き始める。

成る程、確かそのヘドラのデータを送ってきたのはミハイル・シュパーゲル博士だったな。

 

「えっと………ああ、これだ」

 

中佐がファイルを開くと、画面には『DTHYAIBR』という文字列の表示が浮かび上がる。

こいつがパスワードなのか………?

 

「一か八かの賭けだが、やってみよう」

 

中佐はそう言ってパソコンの前に座りパスワードを入力していく。

 

………何だ、この喉の奥に引っかかる何かは?

DTHYAIBR………DTHYAIBR…いや、まさか。

 

 

俺は咄嗟に中佐の手を掴み、パスワードの入力をやめさせる。

 

「お、おい!一体何のつもりだ指揮官?」

 

落ち着け。

そのパスワード、俺の予想が正しければ全く違う単語になるぞ。

 

いいか、DTHYAIBR………コイツを並び替えると。

 

 

 

 

 

『BIRTHDAY』

 

 

 

 

 

 

だ。

 

 

 

 

入力を終え、エンターキーを押すと『パスワードの確認に成功しました』という表示が出る。

ハハッ、まさかこんな捻りを加えてくるとはな。

 

「………よく分かったわね、しきかーん?」

 

当然だ45。

俺は何でもお見通しだぞ?

お前がヒンヌーだって事も、宿舎で寝る時9を抱きしめながら寝てる事も、貧乳だって事も、おっぱいが油を塗ってツルツルテカテカになったフライパンのような平坦極まるものだって事も、ペチャパイだって事も、ヒンヌーだって事も全部まるっとクリっとお見通し………冗談だ、だから銃口を俺の頬に押し当てるな。

 

「懲りない変態ね、死ねばいいのに。………それよりどうして私が寝てる時の事を知ってるのか、後でゆっくりと尋問してあげるから覚悟しておきなさいよ、しきかーん?」

 

おおう………。

45の殺気が混じった笑顔が眩しいぜ。

ゾクゾクしちまうじゃねぇか。

俺にとってそれはご褒美だ。

その笑顔は俺に効く。

 

まさに、こうかは ばつぐん だ‼︎だな。

 

 

 

 

 

 

気をとりなおし、パソコンの画面を見ると自動的に何らかの動画が流れ始めた。

画面には、椅子に座る初老の男が映っている。

 

『………この動画を見ているということは、私は既にこの世には居ないだろう。パスワードを解き明かすことに成功したようだな?私は、ミハイル・シュパーゲル。この生物化学研究所でヘドラの開発に携わっている研究主任だ。それでは、全ての真実を伝えよう。私の全てをーーーーーー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は今まで、生物学とELID研究の第一人者として、この道に携わってきた。

私には夢があった。

いつか必ず、ELID化してしまった人々を救い、あらゆる争いを根絶するという夢が。

その夢が叶う千載一遇のチャンスに出会えたのは今から5年前。

N-24地区で発見したヘドラだ。

汚染物質を糧にし、環境を改善する作用を備えたこの微生物との出会いは私の人生を一変させてしまった。

この生物があれば、夢を叶えられる。

荒廃した土地や水源を浄化できれば放射線の汚染や食料問題も解決できる。

応用できれば、ELID化した者達も救済できるかも知れない。

それが叶えば戦争などという愚かな行為をする者も現れないだろう。

……………そう、私は舞い上がっていたのだ。

私は何も分かってなどいなかったのだ。

 

 

人間という生き物が、どれ程残酷で欲深いものかということを。

 

 

ヘドラの研究を始めてから暫くして、私は研究の目的が平和利用ではなく軍事利用が目的だと知った。

正規軍は最初からヘドラを人々を救う為に使うつもりなど欠片も無かったのだ。

私にはそれが許せなかった。

お前達はそれ程争いを好むのか、と。

だから、私は禁断の手段に手を出す覚悟を決めた。

 

決して、軍や一部の人間達の思惑通りはさせないと。

表向きには従順な振りをしながら、私はヘドラを使って全く別の研究を始めた。

幸いなことに私は研究主任という立場だ。

故に本当の目的に感付かれる事なく研究を進めることが出来た。

 

そして私は、ヘドラに『ある細胞』を移植・定着させることにより独自の進化を遂げさせる事に成功した。

予想通り、ヘドラはかつてとは比べ物にならない程凶暴性を増し、とうとう研究スタッフの1人を喰い殺す程にまで成長した。

ヘドラに移植した『細胞』は余りにも強力過ぎるのだ。

この細胞を摂取した生き物は、それを我が物には出来ず逆に細胞に『喰われて』しまう。

故に、定期的に特殊な安定剤を投与しなければならない。

 

 

私は第2のステップに進むことにした。

 

 

私は軍上層部に手紙を送った。

私の真の目的を伝える為。

これでいい。

全ての準備は整った。

 

 

私の真の目的を知った軍は、私の目的を阻止する為に特殊部隊を送り込んできた。そして私は襲撃された時を見計らい、ヘドラに対する最後の安定剤投与をやめた。

安定剤はこれでなくなった。

作り方を知っているのは私だけ。

安定剤がなければ、ヘドラは暴走し、恐るべき破壊が引き起こされるだろう。

ELIDや鉄血などとは比較にならない脅威が生まれ落ちる。

そして、膨大な数の人間がヘドラによって死んでいくだろう。

だが、仕方あるまい。

 

全ては『世界平和』の為だ。

 

 

皮肉な話だ。

私は世界を平和にしたかった。

苦しむ人々を救いたかっただけなのだ。

 

その私が、理想と真逆の事をしているのは滑稽とも言える。

 

だが、これでいい。

 

ヘドラという脅威に直面する人類は、否が応でも争いを辞めざるを得ないだろう。

少なくとも、争いを無くすという目的は達成できる。

ヘドラを軍事利用するなどと、愚かな事を考える輩が現れる事もない。

 

少なくとも、世界は僅かに平和になる。

 

私はこの計画をこう名付けた。

 

 

 

 

『operation detritus』………と。

 

 

 

 

最後に、私の目的に巻き込んでしまったシラカミ君には謝罪しておこう。

だが、君なら分かってくれる筈だ。

 

この動画を見ている全ての者達に問いたい。

 

 

 

 

私は、間違っているだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動画が終わる。

まさか、全てが博士の仕業だったとはな。

まんまと踊らされたって訳か。

中佐、アンタはこれからどうする?

 

 

「……………博士の目的は、謂わばヘドラによる強制的世界平和だ。先程の博士の問いに答えるなら、僕は………」

 

 

 

 

 

「間違っている。そうとしか答えられないよ。どんな理由があったとしても、博士の行いは許されないものだ。指揮官、博士の目的を阻止したい。無理を承知で頼むが、手を貸してくれないか?」

 

 

 

よく言った、中佐。

博士の目的を叶えさせる訳にはいかない。

何とかして、研究所ごとヘドラを一掃出来ればいいんだがな。

 

「あら、それならちょうどいいモノがあるみたいよ?」

 

うん?

そりゃ、どういう意味だ45?

 

「今さっき、ここの研究所のネットワークシステムにアクセスしてみたんだけど、緊急事態用の為に自爆装置が設置されてるみたいね。それを起動出来ればヘドラとやらを一掃出来る筈よ」

 

自爆装置か………よし、ならそれを作動させて研究所から脱出するのが次の目的だ。

 

準備が出来次第、出発するとしよう。

いつ、あの怪物に出くわすか分からないからな。

 

 

あ、そうだ。

416、お前にしか頼めない事があるんだが、いいか?

 

「何かしら?」

 

ちょっとだけでいいからさ、そのたわわに実ったブルンおっぱいにダイブさせてくれない?

 

 

「45、そこを退いて。自爆装置を作動させる前に、まずその変態を始末するから」

 

「じゃあ私も一緒に手伝うわよ?面白そうだし。9とG11はどうする?」

 

「んー、45姉が殺りたいっていうなら私も殺ってみようかなあ」

 

「ふああ………眠い…。指揮官を始末したら寝てもいい?」

 

お、おい。

落ち着けって、お前達。

後、9。

お前の台詞が一番物騒だぞ⁉︎

 

 

いや、ちょ、待っ………アッーーーーーー⁉︎

 

 

 

………そういや、博士がヘドラに移植した『細胞』は、一体何の細胞なんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃。

 

 

 

遠く離れた海の底。

 

 

 

マリアナ海溝と呼ばれている光も届かぬ海底で。

 

 

 

 

 

『何か』が目覚めた。

 

 

 

 

その『何か』は大きく身動ぎすると、轟音を立てた。

 

 

 

『何か』は感じ取っていた。

世界の均衡を破壊しようとする力を。

 

 

 

『何か』は動き出す。

 

 

世界の、自然の調和を保つ為、均衡を乱す愚か者に裁きの鉄槌を下す為に。

 

 

 

 

 

 

 

 




世界の終焉が始まる。

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