おっぱいフロントライン ※休載中※ 作:スクランブルエッグ 旧名 卵豆腐
「ただいまーっ、水色オッパイちゃん!胸揉ませろーッ‼︎」
「帰って早々言う言葉がそれッ⁉︎」
いやー、やっぱりね。俺は思うんですよ。
男の一日とは、おっぱいに始まりおっぱいに終わるべきだと。
416のカーペットに絡みついた毛玉を見るような視線が突き刺さるが俺は気にしない。寧ろ罵倒大歓迎だ‼︎
さて、どうやら全員買うもの買って帰って来てるようだな。
しゃっ、鍋するぞ鍋‼︎
「さて、俺は具材の準備をしてくるから他の指示はメイド長のG36に聞いてくれ。それとAR-15は、その鰹節削り器みたいな胸で鰹節でも削っててくれ」
お前の平坦極まる胸ならさぞかし良質な鰹節が削れるだろうからなあ!ギャハハハ‼︎
「うるさい!鰹節削り器で悪かったわね!」
やっぱお前で遊ぶと楽しいわ。
笑いが止まらないぜぇ!
「ねぇ、M16。鰹節って何なの?」
「ハッハッハ、いいかSOP?鰹節というのはだな………」
「だから律儀に教えなくても宜しい‼︎………ハア。頭が痛いわ」
大丈夫?頭痛薬飲む?
まあ、お前に必要なのはカルシウムだろうがなあ!
カリカリし過ぎなお前には一番必要だろう?
ほら、ニシンの缶詰やるよ。
「いるか!誰の所為よ、誰の!馬鹿やってないでさっさと作るわよ」
プンスカという擬音を出しながら厨房に入っていくAR-15。
おっ………何もない所で転んでやんの。
やっぱり何処か抜けてるよな、アイツ。
ふっふっふ、そろそろだな?
良い匂いが漂っている。
食堂には俺が用意した巨大鍋が中心に鎮座し、これまた巨大なコンロでグツグツと具材が煮込まれている。
「よっしゃ、今こそ肉を入れる時だ!SOPちゃん、この大役を君に任せる。肉を持ってきてくれ」
「りょーかーい!お肉♪お肉♪お肉♪」
上機嫌で肉を取りに行くSOPちゃん。
可愛い。
天使かな?
「持ってきたよ、指揮官!早速入れるね!」
両手に抱えきれない程の大きさの肉を持って来たSOPちゃん。
だけどちょっと待って、その肉何なの?
「これ?店長さんが勧めてくれたお肉だよ?ミシシッピナイルワニの肉だって!指揮官が見たら喜ぶって言われたから買ってきた!」
おいいいいい⁉︎
何でそんなものがスーパーにあるの⁈
おかしくない⁉︎
豚とか牛とかなかったのか⁉︎
「あるよ?」
あんのかい!
よ、よし。
なら、ワニ肉は冷蔵庫に戻して来なさい。
それともう一つ聞きたい。
9、君が連れている鶏は何だ………?
その鶏、滅茶苦茶俺の事睨みつけてんだけど。
「これ?店長さんが勧めてきたから買ってきたの。指揮官は生のまま食べるのが好きだから喜ぶって言われて」
おい店長ォォォォ!
悪意しか感じないぞ、テメェ‼︎
確かに鶏肉は好きだが生で食うわけないだろ!
と、取り敢えず鶏は俺が一旦預かろう。
皆は先に鍋を食べ始めてくれ。
俺はちょっと鶏を何とかしてくる。
今度あのスーパーに行った時は店長とゆっくりO・HA・NA・SI★しないとな。
あれから本格的に鍋パが始まり、食堂内はどんちゃん騒ぎだ。
端的に言う。
最高だ。
やっぱり鍋はいい。
M4達や404小隊の面々も楽しそうにしているし何よりだ。
M16はジャック・ダニエルをガバガバと飲み干している。
お前よくそんなに飲めるよな。
そんなM16を嗜めるM4の姿も見えるが効果はないようだ。
SOPちゃんと9は山のように積み上げられた焼鳥を頬張っている。
言っとくが、その焼鳥はさっき俺がシメた鶏だぞ?
45は相変わらず掴み所のない笑顔を浮かべたまま食事を楽しんでいるようだ。
G11に至っては寝ながら食べるという高等な術を身につけた。
鼻ちょうちんを膨らませながら鍋の具材を食べるとは………やるな、お前。
「食事の時くらい起きなさいよ。だらし無いわね」
416が呆れた顔でG11を起こす。
「うう………分かったよ。起きればいいんでしょ、起きれば………ふああ」
「こらっ、肉ばかり食べてないで野菜も食べなさい!でないとUMP45みたいな胸になるわよ?」
何というか、あれだな。
416とG11の関係は完全にお母さんと子供みたいだ。
む、UMP45が笑顔でコップを握りつぶしている。
どうやら会話が聞こえていたらしい。
だが悲しいかな、胸が無いのは事実だから擁護のしようがないんだよ洗濯板め。
………おっと、箸が飛んできやがった。
壁に突き刺さってんぞ。
当たってたらどうするつもりなんだ、全く。
「指揮官、隣いいかしら?」
おう、AR-15か。
どうだ、俺の味付けは?
「ん………美味しいわね」
そうだろうそうだろう?
俺は鍋料理には一家言あるんだ。
まあどれだけ食おうと、お前のスケートリンクみたいなツルテカおっぱいは成長しないがな‼︎
「一回死にますか?」
悪かった、冗談だ。
だから喉元に突きつけてる焼鳥の串を下ろしてくれ。
「全く、いい加減学習して下さい。………前から聞こうと思ってましたが、どうして指揮官は指揮官の道を選んだんですか?」
随分と踏み込んでくるんだな?
俺みたいな変態野郎の過去を知りたいなんて、とんだ物好きもいたもんだ。
「驚いた、変態の自覚はあるのね」
うるさい。
俺が指揮官になった理由は単純に食い扶持稼ぐ為だよ。
昔、正規軍に居たんだが色々あって辞めちまってな。
その後傭兵してたんだが、クルーガーの奴にグリフィンに勧誘されたんだ。
蝶事件で世間がゴタゴタしてる時期だったし、丁度良いかと思って入社した訳。
そう言うお前は、何の為に戦ってんだ?
まさか人類の為だなんて訳ないだろ?
「私が戦うのは私自身の為。有り体に言えば、名誉の為かしらね」
成る程。
自分の為か。
正しい、正しい答えだ。
こうしてお前や他の人形達と話していると、お前らが人形だって事を忘れそうになる。
下手な人間よりも人間らしいからな。
「………私は人形よ、指揮官。作り物の体に借り物の心。身も蓋も無い言い方だけど私達はそう言う存在なの。それは貴方が一番良く分かっている筈でしょう?」
おいおい、何を言ってるんだ。
お前は借り物の心と言ったが、俺にはそうは思えない。
本当に借り物なら、お前がAR小隊に向ける感情や名誉を求める心は何処から来るんだ?
「っそれは、そうプログラムされているからーーーー」
本当か?
お前が皆に向ける感情はそんな言葉一つで片付けられる簡単な物なのかよ?
認めるべきだ、お前には確かに心がある。
借り物なんかじゃない、本当の在り方が。
自分がどういう存在であるかは自分で決める事が出来る。
お前にはお前の良さがあるんだぞ?
確かに胸は無いし、何処か抜けてる所があるがそう言う所も含めて魅力的な部分をお前は沢山持ってる。
自分に自信を持て、コルトAR-15。
お前はお前の信じる道を歩いていけばいい。
もしその中で恐怖や絶望に呑まれそうになった時は俺やAR小隊の仲間に頼ってみろ。
あいつらは必ずお前の力になってくれる。
勿論、俺もな。
……………どうしたんだ、鳩が20ミリ機関砲食らったような顔をして。
「いえ………指揮官からそんな言葉を聞くと思ってなかったから………。それにしても、随分とクサイ台詞を言うのね。どうしてこの基地の人形達が、貴方みたいな変態指揮官に何だかんだ言いながらも付いてきてるのか、少しだけ分かった気がするわ」
笑うな。
分かってんだよ、柄じゃないって事くらい。
「指揮官さまッ、大変です‼︎」
ようカリーナ、いつ見ても形の良い胸をしてるな。
血相を変えて何を騒いでる?
これでも食って落ち着いたらどうなんだ。
「口を抓りますよ指揮官さま?むぐ………このモチモチとした食感…何ですかこれ?」
それはだな、うどんという麺類だ。
俺の故郷の味なんだぞ?
程よい弾力と柔らかさを持つ素晴らしい食べ物だ。
言うなれば、おっぱいを食べ物にしてるんだよ!
背徳感と優しさを合わせ持つ脅威の食材。
それが、うどんだッ‼︎
「真剣にうどん作ってる人に謝れ変態指揮官。って、こんな事をしてる場合じゃないですよ!別の基地から鉄血の部隊が此方に接近中との連絡が!しかもその鉄血の部隊を率いているのはハイエンドモデルとの事です‼︎」
何だと………?
クソッタレが、折角の鍋パが台無しじゃねぇか!
で、その鉄血のハイエースモデルって誰なんだ?
「ハイエンドモデルです、指揮官さま。報告によれば、恐らくモデル名『エクスキューショナー』の可能性大であると」
舌を噛みそうな名前だな。
仕方ない、丁重に出迎えてやるとするか。
戦闘準備だ。
取り敢えず鍋パを中止し、皆をそれぞれの配置につかせた。
全員やたら殺気だっていたが、アレか?
食い物の恨みとやらか。
ま、美味いもの食ってる途中に邪魔されたら誰でも切れるわな。
「寒い。メイド長、お前の柔らかおっぱいで暖めてくれるか?」
「寝言は寝てから言って下さいセクハラ指揮官。頬骨を砕きますよ?」
メイド長がタンスの上に溜まった塵を見るような目で俺を見る。
やれやれ、厳しいなメイド長。
あまりの厳しさに凍りついちまいそうだ。
「ハッハッハ、ブレないな指揮官は」
M16、せめて今くらいジャック・ダニエルを手放したらどうなんだ。
側から見ると只の酔いどれお姉さんだぞ。
こんな時に敵が現れたらどうすんだ。
「ああ、そうだな。こんな時にオレが現れたらどうするんだろうな?」
声が聞こえた。
殺意のみを織り交ぜた凍てつく声。
お、お前は…………!まさか!
「へぇ?オレの事を知ってるのか?オレが鉄血の「パイオツモデルの」そう、パイオツ………じゃないッ!ハイエンドモデルだッ!人に何言わせやがんだテメェ‼︎」
喧しい奴だな。
で?その鉄血のパイパイモデルのエクスカリバーさんが何の御用で?
「こ、コイツ………!ハイエンドモデルだって言ってんだろ‼︎それとオレは確かに剣を持ってるが、剣先からビームなんぞ出ない‼︎」
えぇー………出ないのかよ。
厨二病みたいな格好してるのに?
大体若い娘がそんな露出の多い服装してるってどうなのよ?
痴女なの?
お父さんは貴方をそんな風に育てた覚えはありませんよ‼︎
にしても、中々いいおっぱい持ってんなコイツ。
ついでに揉ませてくれ。
「お前に育てられた覚えは一切ねぇよ、この気持ち悪い変態野郎が‼︎」
おおう、言われ慣れたぜその言葉。
いきり立つなよ、仲良くお話でもしようじゃないか。
俺は平和愛好者なんだ。
分かってくれよ、エクセルダッシュちゃん。
「もう名前の原型すら残ってねぇ………ふざけた奴だ。決めた、お前だけは必ず殺す!」
「おっと、そうはいかないぞ?」
「なっ⁉︎お前、いつからオレの背後にッ⁈クソがっ、離しやがれ!」
いつの間にか背後に回ったM16がエクスキューショナーもとい処刑人を羽交い締めにする。
よくやったM16。
「御託はいいから鍋食え鍋」
「やめろッそんなもんオレに近づけんじゃーーーームグッ⁉︎」
片手に鍋の具材が入った器を持って処刑人に近づいた俺はすかさず鍋の具材を彼女の口にねじ込む。
「…………………。」
どうだ、お味は?
「美味いじゃねぇかよ、オイ………これは何なんだ?」
くっくっく、それはな!
とんこつしょうゆ鍋だ!
美味いだろ?
さあ、食え!もっと食え!
「そうだぞ、鍋食え鍋」
M16がそう言いながら処刑人の口に次々とネギやら白菜やらを入れていく。
ふっ、俺にかかれば鉄血のハイエンドモデルなんざこの様よ‼︎
「ハア…何なのよ、これ………」
その光景を見ていたAR-15の声だけが虚しく響いたそうな。
遠く離れた暗闇に覆われる宇宙の果て。
光も影も存在しない筈の漆黒の世界を、何かが過ぎ去って行く。
それは巨大な隕石だった。
その隕石は何かを目指していた。
ふと、隕石がその場で意思を持っているかのように停止する。
次の瞬間、隕石はその場から消滅していた。
消える刹那の一瞬だけ。
その隕石は確かに『笑った』
ただの鍋食うだけの回。
次回から真面目に少しだけ話を進める。
因みに作者は昨日寄せ鍋食べました。