おっぱいフロントライン ※休載中※   作:スクランブルエッグ 旧名 卵豆腐

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罰ゲーム編
M16「罰ゲーーーーーームッ♪」指揮官「助けてッ⁉︎」


ふああ………なんだかとても良い気分だ。

フカフカのベッドの感触、小鳥のさえずり、柔らかい抱き枕………。

俺は手を伸ばして抱き枕をぎゅっと抱きしめる。

柔らかくてプニプニで良い匂いだ。

少しだけ目を開けると、視界に綺麗な桃色の髪の毛が写る。

 

 

 

………………………待て。

抱き枕なんて俺のベッドにあったか?

それに桃色の髪だと………?

恐る恐る布団をめくる。

 

すると、其処に居たのは。

 

 

 

 

安らかな寝息を立てて眠るAR-15だった。

 

 

 

待て、ちょっと待て⁉︎

これはどういう状況だ⁉︎

いや、それよりも………!

思わず辺りを見渡して見ると、其処は俺の部屋ではない場所だった。

ここは何処だ?

嫌な予感が広がる。

まさか、この部屋は。

AR小隊の部屋か………?

 

「ん………誰………?」

 

あ。

 

 

AR-15が目を覚ました。

俺と目が合う。

 

一瞬の沈黙が部屋に流れた。

 

「あ、ああああああああ⁉︎うわおおおおおおおおわあッ⁉︎」

「は?え、えええええええええッ⁉︎」

 

落ち着けAR-15!

俺も何が何やら分からないんだ!

決してやましい気持ちは………!

 

「な、何で貴方が私のベッドにいるの⁉︎私達まだそういう関係じゃ………⁉︎」

 

落ち着け、落ち着くんだAR-15!

静かにしてくれ!

 

「ならどういうつもり何ですか?幾ら指揮官が変態だとしても、限度ってものがあるでしょう?」

 

だから俺もよく分からないんだよ!

昨日の夜遅くまでM16と飲み対決やってたのは覚えてるんだが、それ以降の記憶がないんだ!

 

「飲み対決って………何をやってるんですか指揮官は……はあ」

 

呆れたように溜息をつくAR-15。

まあ、それより今現在問題な事がある。

分かるか?今俺はAR-15と身体がほぼ密着した状態だ。

しかも、抱き枕と勘違いしていた為に俺が彼女を抱きしめている構図になっている。

 

「あ…………あ!」

 

俺の指摘にAR-15が顔をこれでもかという程に真っ赤に染め上げる。

 

「し、指…揮官………!取り敢えず、その、手を離してくれる?」

 

あ、ああ…ちょっと待て。

今離れる………って何だこりゃあああああ⁉︎

ちょ、ハアッ⁉︎

俺の服とAR-15の服が縫い付けられて合体させられてやがる⁉︎

………合体って響き、何だかエロくね?

 

「何なのよこれ………⁉︎くっついてるじゃない⁉︎」

 

仕方ない、こうなれば上着を脱いで………って脱げねェェェ⁉︎

嘘だろ、ズボンと上着も一緒に縫い付けられて合体させられてるじゃねぇか⁈

これじゃどうしようもない‼︎

すまないAR-15、俺は脱出出来そうにないからお前が服を脱いでくれ!

 

「ええっ⁉︎む、無理です‼︎」

 

ハアッ⁉︎何で無理なんだよ⁈

俺みたいにズボン履いてる訳じゃないから縫い付けられてる事もないだろ?

 

「…………です」

 

え?

何だって?

聞こえねぇよ。

 

「だから!その、私今………下着…を」

 

おい………マジかよ。

お前普段からノーブラノーパンなの⁉︎

まあ確かに胸に関しては着けるほどないから分からんでもないがな。

 

「寝る時だけです!普段は付けてますよ!」

 

思わぬところでAR-15の下着着用の真実を知ってしまった。

彼女の顔は湯気が上がりそうなくらい紅く染まっている。

 

くっ…ならば最後の手段だ。

こうなったらお前を抱えたまま移動するしかない。

この部屋にハサミとかないのか?

あれば糸を切れるんだが。

しかし、周りにそういった刃物類はないようだな。

俺の執務室に行くしかない。

だが問題が一つ。

執務室に行くまでの間に今の姿を誰かに見られれば、あらぬ噂が立ってしまう可能性がある。

故に、これは迅速かつ静粛に進めなければならないんだ。

 

協力してくれるな、AR-15?

てか協力して下さい!

こんな姿誰かに見られたら俺が社会的に終わってしまう‼︎

 

「分かりました………指揮官がそう言われるなら」

 

よし。

なら、動くから俺にしっかりとしがみ付いてくれ。

 

「は、はい!いきますよ!」

 

そう言うと、AR-15は両腕を首に回し、足を俺の腰辺りで組んできた。

こ、コイツは想像以上にヤヴァイ………。

触れちゃ駄目な部分が色々と密着している!

しっかりしろ、クールになれ。

理性を保ち続けるんだ!

まず、部屋の扉をゆっくりと開ける。

 

 

扉を開けた先にあったのは、もう一つの部屋だった。

但し、その部屋ではM4とSOPちゃんが寝ていたが。

 

「いいか…絶対に音を出すなよ。音を出したが最後、全てが終わりだ」

「分かってます!早く行きましょう!」

 

ソーっと、抜き足差し足忍び足で部屋の外へと続く扉に近づいていく。

 

「ひひひひぃ…!もっと、もっと大きな声を出せぇ!アッハハハハハハッ!」

 

うおっ!

何だ、SOPちゃんの寝言か。

一体どんな夢を見てるんだろう?

あ…でも人形は夢を見ない筈だよな?

夢は見ないけど寝言は言うのか。

新しい発見だな。

M4は…幸せそうな顔でスヤスヤと眠っている。

天使かな?天使だな。

 

 

よし、ようやく外に出られたぞ。

後は俺の執務室に行くだけだ。

 

「おや………お早い起床だな?指揮官」

 

こ、この声はッ………!

M16‼︎

 

「ほーう?中々面白い光景だな。それが俗に言う『駅弁』という奴か」

 

何が駅弁だこのバカタレ!

変な知識ばっかり持ちやがって!

ニヤニヤと笑いながら見つめてくるM16。

クソッタレ、一番見られたくない奴に見つかっちまったじゃねぇか!

待て、まさか服を縫い付けたのはお前か⁈

 

「何の事だ?私は酔い潰れた指揮官をAR-15のベッドまで連れて行ったが服を縫ったりなんてしていない」

 

何だと?

じゃあ一体誰がッ⁉︎

 

「ああ、そう言えば指揮官を運ぶ時にスコーピオンに手伝って貰ったな。ひょっとするとアイツの仕業かも知れん」

 

コラアアア!馬鹿サソリィィィ!テメェの仕業かあッ‼︎

あのイタズラ娘めェ!今度タップリとお礼をしてやらんとなあ?

 

「頑張れよ指揮官。執務室までの道のりは長いぞ」

 

喧しいわ!

他人事だと思って楽しみやがって!

 

 

 

 

 

「ふっ………ようやく辿り着いたな。さっさと終わらせるぞ」

 

あの後、何とか誰にも見つかる事なく執務室に入る事に成功した。

だが安心するにはまだ早い。

俺の服とAR-15の服を繋ぎ留めている縫い目を切らないことにはな!

ちくしょう、細かく縫いやがって!

滅茶苦茶切りにくいじゃねぇか!

クソッタレが、こうなりゃいっそ大胆に切ってやる!

 

「ちょ、ちょっと指揮官!そんな切り方したら………!」

 

おい、急に動くんじゃない!

あ、切る場所ミスった!

 

あ…………。

 

 

「え……………?」

 

 

ハラリ、とAR-15の着ている服が真ん中から綺麗に裂ける。

まず目に入ったのは絹のように綺麗な肌。

そして申し訳程度についているオッパ………

 

 

「見るなあッ‼︎」

 

 

 

グフッ⁉︎

 

 

 

 

い…意識…………が……?

 

 

 

 

 

 

 

「ハア………見られて、ないわよね?」

 

思わずアッパーカットをかましてしまったが、私は悪くない筈だ。

何処か幸せそうな顔で気絶している指揮官。

取り敢えず部屋のソファーに指揮官を運んで………っと。

 

それにしても………指揮官とあんなに密着したのは初めてだった。

指揮官に抱きついている間、彼の心臓の鼓動がずっと聞こえていて何故だかとても安心した感覚を覚えている。

 

 

………ッ何を考えているんだろう。

これ以上考えていると変になりそうだ。

擬似感情モジュールが異常をきたす前に、忘れてしまおう。

私は自分でもよく分からないモヤモヤとした気持ちを抱えたまま、指揮官の部屋を後にした。

 

 

……………取り敢えずスコーピオンを見かけたら何かしらの制裁を加えるとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官さま?指揮官さまー!起きて下さい」

 

んあ…?

カリーナ、何してんだ?

 

「それは此方の台詞ですよ指揮官さま。ドアが開けっ放しになってたので。何かあったんですか?」

 

そうだ、俺は確かAR-15の服を切った後彼女に殴られて………それからどうなったんだ?

どうやら俺はソファーに寝かせられていたらしい。

多分AR-15が運んでくれたんだろう。

くそ、それにしたってアッパーカットはないだろ。

確かに見ちまった俺も悪いが………。

それにしても、人形の肌ってあんなにスベスベした綺麗なものなんだな。

ふと、今朝からの出来事が頭をよぎる。

今更だが俺は相当恥ずかしい事をしていたのでは………?

 

何なんだ、さっきからアイツの顔ばかりが頭の中に浮かんでくる。

ああ、もう仕事に集中して忘れよう。

今回の件の原因である馬鹿サソリにも然るべき処置をしてやる必要もあるしな。

 

「指揮官さま、M16さんが指揮官さまに用件があるとの事で此方に来ていますよ?」

 

M16が?

何故だろう、嫌な予感しかしないが。

 

「指揮官、M16だ。入るぞ」

 

そう言うと同時に、ドアを開けてM16がやってきた。

しかしよく見ると、M16以外のAR小隊全員と何故か404小隊もいる。

 

「指揮官、昨日の飲み対決の件だが。覚えているよな?負けた方は勝った方の言う事を何でも聞くと」

 

ぐっ………!

やはりその話だったか!

こうなったら秘技ッ!脱出‼︎

 

「させると思うか?取り抑えろ!」

 

「ほらほら、しきか〜ん。往生際が悪いですよ〜?」

「えっと、ゴメンね?指揮官♪」

 

UMP姉妹ッ⁉︎やめろ、腕を離せッ‼︎

見逃してくれたら何でも言う事を聞いてやる‼︎

 

「ふーん?本当に何でも聞いてくれるのね?」

 

45の顔に不敵な笑みが広がる。

く………何でも聞いてやる!

だから離せ!

 

「取引成立ね。9、手を離してもいいわよ?」

「はーい♪」

 

よし!

それでは諸君‼︎捕まえ損ねちまったな‼︎

この俺様を!

 

「想定内だ、指揮官。やれ、M4!変態捕獲バズーカだ‼︎」

「は、はいM16姉さん!指揮官、ごめんなさい‼︎」

 

ぐああああああああッ⁉︎

何だこれは………網⁉︎

M4の持つ筒状のものから放たれた巨大な網が俺の身体を搦めとる。

何てこった、網が絡まって抜け出せねぇ‼︎

てか何なの⁉︎変態捕獲バズーカって⁈

 

「ペルシカさんが開発してくれた対指揮官用ファイナルウェポンーーーーーー本人はそう言っていたな」

 

あんのケモミミ女ァッ‼︎

変な物作ってんじゃねぇよ‼︎

 

「さあ、指揮官。無駄な抵抗はやめるんだな」

 

………どうやら逃げるのは不可能なようだな。

分かった分かった、降参だよ。

 

「良い判断だ、指揮官。では改めて」

 

M16はコホン、と咳払いをする。

 

 

「罰ゲーーーーーームッ♪」

 

 

 

罰ゲーム………?

一体何をさせるつもりだ?

 

「そう、罰ゲームだ。主催者は私。では罰ゲームの内容を言ってやろう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これより、人形恋愛前線(ドールズデートライン)の開催を宣言するッ!」

 

 

「そ、それでは、人形恋愛前線(ドールズデートライン)れっつごー」

 

 

 

 

 

 

 

待て待て待て待て待てえええええいッ‼︎

何だそれはああああああああああああ⁉︎

それとM4、君もさり気なく賛同しないで⁈

 

 

 

「私は常々思っていた………指揮官は私達戦術人形との距離が離れていると!」

 

いやいやいや。

自分で言うのも何だが俺は相当お前達にアレなスキンシップをしてきたつもりだぞ。

それなのに距離があるだなんて………。

 

「分かってないな指揮官。それは表面上の話だろう?私が言っているのは心の部分………即ち内面的な心の距離だ」

 

何……だと⁉︎

どう言う事だ⁉︎

 

 

「だから私は考えた。どうすれば指揮官との心の距離を埋められるかと。そして私はM4の生着替え写真を眺めている時に思いついたんだ‼︎人形恋愛前線(ドールズデートライン)を‼︎」

 

すまん、ちょっと言ってる事がよく分からない。

 

 

 

「まあ、ぶっちゃけると指揮官が取り乱してる姿を見たかったからだけどな」

 

 

 

コルァァァァァ!

やっぱ遊び半分じゃねぇか‼︎

大体、そんな勝手な計画誰も承諾しないだろ⁉︎

日常の業務もあるし、のんびりとデートなんぞ出来るわけがない‼︎

 

 

「その点に関しては問題ない。ヘリアンさんやクルーガー氏にも許可を取ってある。基地にはしばらくヘリアンさんが特別に臨時で着任し、指揮を執ってくれるから不足の事態が起ころうとも問題ないと言う訳だ」

 

ぐぬぬ………だが流石に基地内全員の人形達とデートなんて無理だ!

 

「大丈夫だ、指揮官。指揮官がデートするのは私達AR小隊のメンバーだけだからな。それに皆も乗り気だぞ?」

 

そ、そんなバカな………。

M4!AR-15!SOPちゃん!

こんな罰ゲームに付き合う必要はないぞ!

な?M16に何とか言ってくれ!

 

「え………?私は……その…指揮官となら…大丈夫ですよ………?」

「わ、私も…別に。はい、問題ありません」

「私もぜーんぜん大丈夫だよー?指揮官とお出かけするの面白そう!」

 

 

マジか。

 

 

「くっくっく。覚悟はいいな?ではルールを説明するとしよう!」

 

 

人形恋愛前線(ドールズデートライン)における規則事項〜

 

第1条

 

今回の人形恋愛前線(ドールズデートライン)において、指揮官とデートする人形はクジで選別するものとする。

選別には公平性を期すため、404小隊の隊員が日替わりでクジを引くものとする。

クジの結果に対し不服を申し立てる事は出来ない。

 

第2条

 

指揮官に対する暴行・殺害・拉致監禁などといった行為は全面禁止とする。

当然ながら指揮官とデートしている人形に対しても同様である。

 

第3条

 

第三者は指揮官のデートに対する妨害行為を行ってはならない。

 

第4条

 

指揮官は人形とのデートを放棄して逃走してはならない。

逃走した場合、グリフィン&クルーガー社は指揮官を敵前逃亡と見做して解雇するものとする。

 

第5条

 

指揮官に人形恋愛前線(ドールズデートライン)に対する拒否権は一切存在しない。

 

第6条

 

デート時間は24時間以内に限られる。

AM0900時〜PM1900時の間は基地内での滞在を禁止する。

 

第7条

 

指揮官は誠意を持って人形達に接しなければならない。

 

 

 

 

「と、こんな所だ。何か言いたい事はあるか?」

 

大アリじゃああああああああッ⁉︎

理不尽過ぎんだろ、この規則⁉︎

何なの解雇って………。

何なの拒否権はないって………。

ふざけんな、こんなもん従えるか!

 

 

「へぇ?逃げるのか?お前は人形の一人も楽しませられないヘボ指揮官だという訳か。ま、仕方ないよな?肝心な所でヘタレだし?よくそんなんで指揮官なんざ名乗れるよなあ」

 

イラッ………!

………オーケーェェェ、いいだろう。

ムカついた、その計画に参加してやるよ!

俺の真の実力を見せてやる!

 

 

 

「単純ね。G11、よく見ておきなさい。あれがバカの人類代表よ」

「416って時々キツイこと言うよね………」

 

どこかから俺を貶す声が聞こえるが気にしない。

 

 

「さて、記念すべき第一回目をUMP9に引いて貰おうか」

 

M16がクジの入った箱を手に持ってUMP9の所に持っていく。

 

「任せて!それじゃ、行くよ!」

 

ガサガサゴソゴソと9が箱を漁る。

そして。

 

 

「う〜ん………よし、これだ!」

 

 

 

 

誰だ、誰なんだ⁉︎

 

 

「よーし、では発表するぞ。記念すべき第一回目に当選したのは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『M4SOPMODⅡ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

 

「指揮官、早く!早く行こ!」ーーーーーーAR小隊の隊員・M4SOPMODⅡ

 

「スンマセーン、日替わりランチとお子様ランチ一つ」ーーーーーー罰ゲーム企画人形恋愛前線(ドールズデートライン)に参加させられている哀れな男・とある基地の変態指揮官

 

「全く、何で私達が洗剤を買う為に人間の街に来なくちゃならないのよ」ーーーーーー鉄血のハイエンドモデル人形・イントゥルーダー

 

「店長さん、強力な匂いも取れる洗剤ってあります?」ーーーーーー鉄血のハイエンドモデル人形・スケアクロウ

 

 

 


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