魔女と6騎の百騎兵   作:デスギガント

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2021年、明けましておめでとうございます!

コウ「もうすぐ、2月だろうがぁぁぁあああッ!!!(オラオララッシュッ!!!)」

ぎぇえええあああああぁぁぁぁぁ・・・!!?

ハナ「え~と、本編始まります!(キラッ☆)」

イシグモ「もう色々遅いと思うよ?」


~第6話 賭け~ 魔女と6騎の百騎兵

~前回のあらすじ~

 

メタリカに森の魔女マーリカの“ミシルシ(首)”を持って来いという使命に気を重くする一同・・・

 

コウは、森の魔女マーリカを倒そうと向かおうとするが、ハナに止められる・・・

 

人を殺すことに反対し、間違っていると泣き叫ぶハナ・・・

 

しかし、コウは“生きる”こととは何なのか、その上で“殺す覚悟”を持つことをハナに教える・・・

 

ハナは、“殺す覚悟”は持たなかったが、“戦う覚悟”を決め、立ち上がる・・・!

 

お団子を食べたり、カイが“男のロマン”イベントを発動したりしてメタリカの雷を食らったが・・・

 

一同は、森の魔女マーリカの待つ、森の奥へと進む・・・

 

 

 

 

~ウーズの森~

 

ハナ「あ~♪、お団子美味しかった♪!」

 

イシグモ「まさか、キッチンにもち米と蒸し器、その他餡に使う材料がそろっているとは…;アルレッキーノさん曰く、あれらも“ミール”さんが持ってきたものらしい…;」

 

サキ「それでハナちゃんがお団子食べたいって言いだして…;」

 

コウ「団子パーリーとしゃれこんじまったって訳だ。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

カイ「すまん。俺も俺だが、お前らも何やってんだよ…。」←前回、メタリカの寝顔を撮ろうとしてサキとコウにデデられた(デデーン!されたの略)

 

ハナ「アハハ…;」

 

コウ「“腹は減っては血祭れない”っていうだろ?」

 

イシグモ「“戦はできない”だよ。」

 

カイ「ハァ…。カメラはぶっ壊されるし、デデられるし、おまけにメタリカの雷喰らうしで散々だぜ。」

 

サキ「自業自得よ。」

 

カイ「クソォ…!ていうか、なんで気づいたんだ?」

 

サキ「百騎兵が教えてくれたのよ。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

カイ「はぁ?しゃべれねぇのにか?」

 

コウ「しゃべれねぇが、意思疎通はできる。テメェのいやらしい動きを身体全体で表現してくれたぜ。」

 

~回想~

 

百騎兵「ワキャッ!ムゥ…!ワオッ!!(わしわし…!)」←いやらしい手つきでジェスチャーしている

 

サキ「(モグモグ)…いくわよ。」←お団子(つぶあん)を食べている

 

コウ「(モグモグ)…オウ。」←お団子(こしあん)を食べている

 

~回想終了~

 

カイ「いやらしいとはなんだ!いやらしいとは!」

 

サキ「いやらしいでしょ、変態!」

 

カイ「オレは、変態じゃねぇ!男のロマンを通す紳士だァ!」

 

サキ「そんな紳士いるかァ!!」

 

ギャーギャーワーワー!!!

 

騒がしくも意気揚々と森を突き進む一同・・・

 

すると目の前に・・・

 

 

 

魔物たち『(ゾロゾロ)』

 

魔物の大群が迫っていた・・・

 

草のような魔物“クサ・カプリ”、カボチャのような魔物“マジョプキン”がそれぞれ十数体見える・・・

 

コウ「…やれやれ。(ジャキッ!)」←剣を構える

 

百騎兵「フキュゥ…!(ジャキッ!)」←剣を構える

 

コウと百騎兵は、魔物の群れに臨戦態勢をとる・・・!

 

コウ「行くかァ…!(ダッ!)」←魔物の群れに突っ込む

 

百騎兵「ワァッ!(ダッ!)」←魔物の群れに突っ込む

 

クサ・カプリ『ギィーーーッ!!』

 

マジョプキン『ギィアーーーッ!!』

 

コウ「フンッ!(ブンッ!)」

 

ザシュッシュッシュッ!!

 

クサ・カプリ×3「「「ミギャアアアーーーーーーッ!!」」」

 

コウは、クサ・カプリをいっぺんに切り裂く・・・!

 

コウ「フゥーーー…!」

 

百騎兵「ヤッ!ワァ!ドリューッ!!(ブンッ!ゴンッ!ブンブンブンッ!!)」

 

ザシュッ!ガゴンッ!ザシュッシュッシュッ!!

 

マジョプキン×3「「「ギャアアアァァァーーーーーーッ!!」」」

 

百騎兵は、剣、鈍槌、槍鎌を巧み使い魔物たちを薙ぎ払う・・・!

 

百騎兵「フキュゥ…!」

 

サキ「相変わらず、凄まじいわね。」

 

サキがコウと百騎兵の戦いを眺めていると・・・

 

 

 

ガザガザ・・・!バザッ!

 

クサ・カブリ『ミギャアアアァァァーーーーーーッ!!』

 

マジョプキン『ギャオオオオォォォォォォーーーーーーッ!!』

 

サキ、ハナ、カイ、イシグモのそばの草むらから魔物たちが飛び出してきた・・・!?

 

ハナ「キャアアアァァァッ!!」

 

サキ「ハナちゃん!私の後ろにッ!(バッ)」←ハナの目の前に立つ

 

カイ「陽動って訳か?」

 

イシグモ「…どうやら、あちらさんも本気って訳だね。」

 

コウ「…ッ!(バッ)」←後ろを振り向く

 

コウは、魔物の群れに4人が囲まれていることに気づく・・・!

 

コウ「チッ。(グ…ッ!)」←武器を構える

 

コウは、4人を囲んでいる魔物たちに向かおうとする・・・!

 

 

 

 

しかし・・・

 

 

 

 

 

サキ「大丈夫よ!コウ!」

 

コウ「…あ?」

 

サキは、こちらへ向かおうとするコウを呼び止める・・・

 

サキ「私たちなら…大丈夫!(グッ!)」←鈍槌を構える

 

カイ「そうだぜ!いつまでも、お前に良いとこ持ってかれてたまるかよ!」

 

イシグモ「今まで君や百騎兵君に甘えてた分、ここから巻き返さないとね。僕も、男だからさ。」

 

コウ「………。」

 

ハナ「私も…!(ザッ!)」←サキの前へ出る

 

サキ「ハナちゃん…!」

 

コウ「!!」

 

ハナ「コウくん、言ったでしょ?私は、コウくんを止めるためにここにいる。だから…!(バッ!)」←剣を取り出す

 

 

 

 

 

ハナ「こんな奴らにビビってられないわッ!!(ドンッ!!)」

 

ハナは、剣を勇ましく前に突き出し高々と叫ぶ・・・!

 

コウ「…フッ(ニヤッ)。じゃあ、とっとと片づけな(クルッ…スタスタ)。」

 

百騎兵「ムキュ?(クルッ)」←コウの方を見る

 

コウは、百騎兵の元へ戻っていった・・・ハナ達には見えなかったが、百騎兵からはコウがどこか嬉しそうな顔をしているように見えた・・・

 

ハナ「望むところよ!」

 

ハナも弱々しい顔つきがまだあるが、覚悟を決めた目をし、剣を構える・・・!

 

サキ「ハナちゃん…!」

 

イシグモ「フフッ。コウ君の言葉がよっぽど効いたみたいだね。」

 

カイ「俺が“お楽しみタイム(失敗)”をしている間に本当に何があったんだ?」

 

サキ「おしゃべりはここまでよ…!来るわッ!!」

 

クサ・カプリ『シャァーーーーーーッ!!(バッ!)』

 

マジョプキン『ミギャァーーーーーーッ!!(バッ!)』

 

ハナ達を囲っていた魔物たちが一斉に襲い掛かる・・・!

 

 

 

サキside

 

サキ「スゥ…!(あのときは、無我夢中で振るったけど…!)」

 

ブン!ブン!ブォンッ!!

 

クサ・カプリ「グギャァッ!!」

 

マジョプキン「ミギェエッ!!」

 

サキは、鈍槌を魔獣たちを叩きつける・・・!

 

サキ「フゥ…!(今ならわかる。コレの使い方が…!)(ギュ…ッ!)」←鈍槌を構える

 

サキ「ハァッ!!(ブォンッ!!)」

 

ドゴォンッ!!

 

魔獣たち『ギャアアアァァァーーーーーーッ!!!』

 

サキは鈍槌を力強く握り魔獣たちに力の限り叩き込み魔獣たちを吹っ飛ばした・・・!

 

サキ「フゥ…!案外しっくりくるわね、コレ♪」

 

 

 

イシグモside

 

イシグモ「…コウ君にはあぁ言ったけど、僕は戦闘タイプじゃあないんだよなぁ…。(グ…ッ!)」←鎌槍を構える

 

イシグモは少々愚痴りながらも、鎌槍を構える・・・!そのとき・・・!

 

クサ・カプリ×2「「シャァーーーーーーッ!!」」

 

イシグモ「ッ!」

 

イシグモを挟むかのように両側からクサ・カプリ達が襲いかかってくる・・・!さらに・・・!

 

マジョプキン×2「「ミギャァーーーーーーッ!!」」

 

イシグモ「なッ!?」

 

頭上からもマジョプキン達が同時に襲いかかってきた・・・!

 

イシグモ「(ヤバい4体同時にだと…ッ!…ん?いや、待てよ。)(ジッ…ジッ…)」

 

イシグモは焦るも咄嗟に4体の魔獣を観察する・・・!

 

イシグモ「(コイツらの動きは単調、ただ真っ直ぐに飛び掛かってくる…だったら…ッ!!)(バッ!)」←しゃがみこむ

 

イシグモは瞬時に魔獣たちの動きを理解し、その場にしゃがみこんだ・・・!すると・・・!

 

ガブッ!ガジッ!ガジッ!

 

クサ・カプリ×2「「シャァ…ア…ッ!?」」

 

マジョプキン×2「「ミ…ギェ…ッ!?」」

 

クサ・カプリ×2はお互いを食らい合い、そこにマジョプキン×2も加わりお互いを食らい合うという形なっていた・・・!?

 

イシグモ「予測通り…!そして…ッ!!(スッ!…グッ!)」←立ち上がり、構える!

 

イシグモは、食らい合う魔獣たち向かって鎌槍を構える・・・!そして・・・!

 

イシグモ「ハァッ!!(ブンッ!)」←鎌槍を振る

 

鎌槍を食らい合う魔獣たちに放つ!しかし、剣先ではなく剣の側面「腹」の部分で魔獣たちを吹っ飛ばす・・・!

 

魔獣たち『グェ…ッ!!ギィエエエェエェェッ!!(ミシミシ…ッ!!)」

 

カキーンッ!!

 

まるで野球バットで打たれたボールの如くもはや塊となって吹っ飛ぶ魔獣たち、さらに吹っ飛ぶ先には包囲していた魔獣の大群が・・・!

 

クサ・カプリ『ギャァ!?ギャァ!ギャァ!(あたふた)』

 

マジョプキン『ミギャッ!?ミギャギャギャッ!!(あたふた)』

 

魔獣たちは慌てて避けようとするが時すでに遅し・・・

 

ドォンッ!!

 

魔獣たち『ギャアアアァァァッ!!!』

 

魔獣の塊は魔獣たちに直撃し、吹っ飛ばした・・・!しかし、それだけでは終わらない・・・!

 

ダン!ダ・ダダン!ダン!ダン!ダン!・・・!

 

魔獣たち『ミギャアアアァァァッ!!!ギャアアアァァァッ!!!』

 

吹っ飛ばされた魔獣たちは木々や地面、魔獣同士とピンボールの如くぶつかり合い跳ね返り続けていた・・・!?

 

イシグモ「フゥ。(やっぱ、僕にはこういう頭脳戦が一番しっくりくるかな。)」

 

 

 

カイside

 

カイ「オラッ!!(ブォン!)」

 

ザシュシュシュシュッ!!

 

魔獣たち『ギャアアアァァァッ!!!』

 

カイは鎌槍を振り回し、魔獣たちを薙ぎ払っていく・・・!

 

カイ「ようやく俺にもスポットライトが当たり始めたか…!今までホント散々な目に合ってきたからな…!(自業自得)」

 

魔獣たち『グルルルル…ッ!!』

 

カイ「コウにもあぁ言ったし、ここで名誉挽回して“変態”というレッテルを剥がしてやるぜッ!!」

 

魔獣たち『シャアァァァーーーーーーッ!!!』

 

カイ「さぁ!魔獣たちよ、死の恐怖を味わいながら俺に八つ裂きにされるがいい…ッ!!腐☆腐!」

 

魔物たち『シャアァーーーーーーッ!!!』

 

カイ「ハァッ!!(ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!)」

 

ズバッ!ズババッ!!ズババババッ!!!

 

魔物たち『ギャアアアァァァッ!!!』

 

カイは襲いかかる魔物の群れを次々と鎌槍で薙ぎ払う・・・!

 

カイ「へへw!案外楽勝じゃねぇかッ!このちょうs(ドゴォッ!)DOORッ!?」←何かがぶつかる

 

突如、カイの後頭部を何かがぶつかり盛大に倒れてしまう・・・

 

カイ「いつつ…ッ!な、なんだァッ!?(スクッ)」←起き上がる

 

カイが起き上がると目の前には・・・

 

魔獣たち『ギャアアアァァァッ!アアアァァァッ!!アアアァァァッ!!!(ドゴンッ!ドゴンッ!!ドゴンッ!!!)』

 

先程のイシグモが吹っ飛ばした魔物たちがまだ弾き跳んでいた・・・!?さらに、最悪なことに跳ね返り先は皆・・・

 

ヒュウウウゥゥゥ・・・!!!

 

カイ「ゑゑゑゑゑゑぇぇぇぇぇぇッ!!?」←イシグモの戦いを見ていない

 

魔獣たち『ギャアアアァァァッ!!!』

 

ドガアアアァァァアァァアアアァァァンッ!!!

 

カイ「DOOOOOORッ!!?(メキ…ッ!メキメキ…ッ!!)」

 

魔獣たちはカイの全身(腹、背中、脇腹、腕、脚、顔面など)にぶつかり、カイをボコボコにした・・・!?

 

魔獣たち『チーン…。(死屍累々)』

 

カイ「な、なんで…?(ボロボロ)(ガクッ)」

 

 

 

ハナside

 

ハナ「よ、よ~し!(ガクガク…ッ!!)」

 

先程の覚悟はどこへやらガタガタと震えながら、剣を構えるハナ・・・

 

ハナ「ハァ…ハァ…。(うぅ…!怖い…ッ!!…でも!)(チラッ)」←コウと百騎兵の方を見る

 

コウ「ウラアアアアアアァァァァァァッ!!!!!!(ザンッ!!!)」←剣を振るう

 

百騎兵「ヤアアアアアアァァァァァァッ!!!!!!(ザンッ!!!)」←剣を振るう

 

ドガドガッ!ズギャンッ!!ザシュシュシュッ!!ドガアアアァァァンッ!!!

 

魔物たち『ギェアァアアァァアアアァァアアアァアアアアアアッ!!!!!!』

 

ハナの目には、魔物の大群に恐れず立ち向かい薙ぎ払うコウと百騎兵の姿が映っていた・・・

 

ハナ「(…私は、あんなに強いコウ君を止めるためにここにいる。そのために“覚悟”を決めたんだ!“戦う覚悟”を…ッ!!)(スッ)」←剣を下す

 

ハナは剣を下すと、目を閉じ深呼吸をする・・・

 

ハナ「スゥー…ハァー…。スゥー…ハァー…。」

 

魔獣たち『グルルルル…ッ!!』

 

魔獣たちは今にでも襲いかかろうとしていた・・・!

 

ハナ「…ッ!!!(ジャキッ!)(ダッ!)」←剣を構える

 

目をカッと見開き、勢いよく魔物たちに突っ込むハナ・・・!

 

魔物たち『シャアァァァーーーーーーッ!!!ミギャアアアァァァーーーーーーッ!!!(ガバッ!)』

 

ハナ「ハァッ!(ブンッ!)」←剣を振るう

 

クサ・カプリ「ギェアァッ!?」

 

ハナ「フッ!(シュッ!)」←剣を振るう

 

マジョプキン「ギェッ!?」

 

ハナ「フゥ…!(力が湧いてくる…。今なら…!いける…!!)(グッ…!)」←剣を握る

 

剣を強く握るハナの瞳は、弱々しかったときと打って変わって決意と覚悟に満ちたものとなっていた・・・

 

魔獣たち『グルルルル…ッ!!』

 

他の魔獣たちがやられたことでさらに敵意をむき出してハナを威嚇する魔獣たち・・・しかし、ハナは全く動じずジッと魔獣たちを見つめ・・・

 

ハナ「…参るッ!!!(ジャキッ!!!)(ダァンッ!)」←剣を構える

 

剣を構え、決意と覚悟を胸に魔獣たちに突っ込んでいった・・・!

 

 

 

コウ&百騎兵side

 

百騎兵「ヤッ!ドリャ!!ドリュウゥーッ!!!(ブンッ!ゴツンッ!ブンブンブンッ!!!)」←武器を振るう

 

コウ「オラッ!ウラァアッ!!オォラァァアアアッ!!!(ブンッ!ブォンッ!!ブオォンッ!!!)」←剣を振るう

 

ザシュッ!ドガァンッ!!ズガガガガガガッ!!ザシュシュッ!!ドガアアアァァァンッ!!!

 

魔獣たち『ギェアアァアアァアアアアアアアアッ!!!!!!』

 

百騎兵とコウは持ち前の戦闘能力で魔獣たちを圧倒し、ほとんどの魔獣を撃破した・・・

 

コウ「フゥ…。歯応えねぇなァ…。(ゴキッゴキッ…!)」←首を鳴らす

 

百騎兵「フキュゥ…。」

 

コウ「………。(チラッ)」←ハナたちの方を見る

 

サキ「ハアァッ!!(ブォン!!)」←鈍槌を振るう

 

イシグモ「よっとッ!(サッ!)」←避ける

 

カイ「(チーン)」←ヤムチャ状態

 

ハナ「ハァァァアアアッ!!!(ザンッ!!!)」←剣を振るう

 

コウの眼には、覚悟を決め勇敢に戦うハナたちの姿が映っていた(一名除いて)・・・

 

コウ「…。(少しはいい面になったな。そう来なくては、な)(ニヤッ)」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

コウが少し微笑んだことに首をかしげる百騎兵であった・・・

 

コウと百騎兵が大半の魔獣たちを薙ぎ払い、ハナたちも自分たち周辺の魔獣たちを撃退し終えた・・・

 

魔獣たち『グルルルル…ッ!!?(スタタタ・・・!)』

 

残りの魔獣たちもその力に恐れをなしたのか我先にと逃げ去っていった・・・

 

コウ「フゥ…さて、先を急ぐか。(スタスタ)」

 

百騎兵「ワキャッ!(スタスタ)」

 

コウと百騎兵は、涼しげな顔で先へと進んでいった・・・が・・・

 

ハナ「フゥ…フゥ…!す、少し待ってよぉ~!(ヘトヘト)」

 

サキ「あの二人…よくバテないわねぇ…。(ヘトヘト)」

 

イシグモ「やっぱ、ハァ、戦いなrうッ!ハァハァ…!てるからかなぁ…ゴホッゴホッ!!(過呼吸)」

 

サキ「アンタはホントに大丈夫なの?」

 

イシグモ「だ、大丈夫…。もう少し休めば…どうにか…。」

 

ハナ「無理しないでね。カイ君は…。」

 

カイ「(ヤムチャ状態)」

 

ハナ「ヤムチャしやがって…。ってカイくーーーーーーんッ!!?」

 

イシグモ「なんかデジャヴ。」

 

サキ「言ってる場合かッ!!ちょっとアンタッ!しっかりなさいッ!!(ユサユサ!)」←カイを揺する

 

ハナたちは、慣れない戦闘やダメージ(カイのヤムチャ状態)により少し遅れて進んでいった・・・

 

~ウーズの森・街道~

 

コウ「………。(スタッ)」←足を止める

 

百騎兵「ムキュ?」←首をかしげる

 

しばらくして、百騎兵と共に進むコウであったが・・・ふと足を止める・・・

 

コウ「…アイツらはまだ来ない、か。(チラッ)」←来た道を見る

 

コウは、ハナたちがまだ来ていないのを確認するとおもむろに・・・

 

コウ「オイ、メタリカ。聞いてんだろ?」

 

メタリカ『…アン?何だ?』

 

コウからの呼び出しにやけに不機嫌そうに答えるメタリカ・・・

 

コウ「やけに不機嫌そうだな。(ニヤッ)」

 

メタリカ『うるさい!オマエラが騒いだせいでロクに昼寝もできなかったのだぞ!嫌味を言うだけなら黙ってとっとと行けッ!!』

 

コウ「いや、どうしても聞きたいことがあってな。」

 

メタリカ『アン?』

 

コウ「オマエ、何故あの魔女にこだわるんだ?」

 

メタリカ『………オマエには関係ないことだ。』

 

コウ「関係なくはねぇだろ。一応は、オマエが指定した相手だからな。事情うんぬんは別にいいが、何故そこまであの魔女を恨んでいるかぐらいは教えてくれねぇか?」

 

メタリカ『………フン。そんなに聞きたいのか?』

 

コウ「あぁ、一応オマエのしもべだからな。」

 

メタリカ『…ワタシは、今まで沼から出たことがなかった。あの女、マーリカによって、な。』

 

コウ「………。」

 

百騎兵「ムキュ?」←首をかしげる

 

コウは黙ってメタリカの話に耳を傾ける・・・百騎兵は話しているか分からない様子・・・

 

メタリカ『…あの女は、ワタシが何かしようものならすぐにやってきて邪魔をしてきた…!それこそ、沼から出ようものなら徹底的にな…ッ!!』

 

コウ「オマエの魔法ならイチコロだったんじゃねぇか?正直言って、オマエの魔法はケタ違いだってあの時のデクノボウ(長老樹)で分かったぞ?」

 

メタリカ『…悔しいが、あの女の防御魔法は並みのものじゃない元からある才能をさらに磨き上げ、ワタシの魔法すらも防ぐほぼ最強の防御魔法となったのだ。それに、当時はピラーを破壊できず近くに沼がないときに限って…ぶつぶつ。』

 

コウ「オイ、愚痴みたいになってるぞ。」

 

メタリカ『おっと、キヒヒ!すまんすまん!…しかし!オマエたち、百騎兵を召喚しピラーを破壊し、沼を広げたことでワタシに光明が見えてきたのだッ!!今度こそ、あのクソ〇✕%%(ピー)女をブチ殺せるときがなァッ!!キーヒッヒッヒッ!!!』

 

コウ「ほう…?まぁ、大体わかった。じゃあ、最後にこれだけ答えてくれ…。」

 

メタリカ『アン?』

 

 

 

 

 

 

 

コウ「オマエは、それを成し遂げるために命をかけられるか?」

 

メタリカ『………。』

 

 

 

 

 

 

 

百騎兵「ムキュ?(チラッ)」←来た道を振り向く

 

ハナ「おーーーい!コウくーーーん!百騎兵ちゃーーーん!(フリフリ)」←手を振る

 

サキ「アンタたち、ホラ!もう少しだから頑張んなさい!男でしょッ!!(スタスタ…!)」←イシグモの肩を支えながら早歩き

 

イシグモ「イタタ!もう少し、ゆっくりと…;」←サキに肩を支えられ、カイを肩で支えている

 

カイ「こっちとらまた事故ってケガ人だぞッ!?せめて、まだ元気なお前が真ん中で支えてくれやッ!!」←イシグモに肩で支えられている

 

百騎兵が来た道を振り向くとようやくハナたちが合流してきた・・・ハナは元気そうに手を振ってこちらを呼んでいおり、サキ、イシグモ、カイは、順に肩を担ぎ支えながら歩いてきていた・・・

 

コウ「…やっと、来たか。」

 

サキ「…“やっと、来たか”。じゃないわよ!また、勝手にヅカヅカと行って!!」

 

コウ「…あの程度で疲れるオマエラが悪い。」

 

サキ「何ですってぇ…!」

 

イシグモ「まぁまぁ…!」

 

ハナ「なんだかんだ言って待っててくれて、ありがとう!」

 

コウ「…フン。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

カイ「…なんだか、知らず知らずのうちにコウとハナが良い雰囲気に見えるのは私だけでしょうか?読者の皆さん?」

 

イシグモ「カイ君、誰に向かって言っているんだい?」

 

カイ「さぁな。気にすんな。」

 

イシグモ「えー…。」

 

ガザガザ・・・!ガザガザ・・・!バッ!!!

 

一同『ッ!!(グッ!)』

 

草むらから何かが飛び出し、一同は一斉にそちらを向き身構える・・・!

 

???(黒く小さな魔女人形?)「………。」

 

そこには、まるで小さな魔女の人形のような魔獣が3匹、こちらをジッと見ていた・・・

 

サキ「何アレ?」

 

ハナ「ちょっと可愛いかも♪」

 

メタリカ『そいつは、魔力そのものから生み出されたアニマを持たぬ魂なき軍隊………“魔女兵”だ。』

 

ハナ「あ、メタリカちゃん!起きてたの?」

 

メタリカ『誰かさん達のおかげでな…!!』

 

イシグモ「あはは…;あー、それで、あの魔女兵とは一体何なんだい?」

 

メタリカ『フン、まあいい。そいつらは、知性も意志も感情もなく、ただひたすらに、“使役する魔女の命令”に従うだけの無能なドロ人形だよ。命令無しには人も魔獣も襲わない………ある意味、無害な奴らだが、どこにでも潜んでいるから気をつけな。』

 

イシグモ「なるほど。つまり、魔女の従順な兵士って訳だね。てことは、これもあの“マーリカ”という魔女の仕業かな?」

 

メタリカ「いや、コイツらは恐らくどの魔女にも使役されていない野良の魔女兵だな。………まぁ、オマエラにとっちゃ親戚のようなものかもな………。」

 

ハナ「へぇ~、じゃあ大丈夫ってことね♪(スタスタ)」

 

そう言いながら、ハナは無防備に魔女兵に近づく・・・

 

サキ「え!?ちょっとハナちゃんッ!?危ないわよ!?」

 

ハナ「どの魔女さんにも属していないなら誰も襲わないんでしょ?だったら、大丈夫だよ♪(スッ)」

 

ハナはサキの忠告を無視し魔女兵を撫でようとする・・・

 

魔女兵「………。(ニヤッ)(シュッ!)」

 

コウ「…!(ガシッ!グイッ!)」

 

ハナ「はにゃ?ぐぇッ!?(グイッ!)」

 

魔女兵がハナに襲うかかろうしたが、コウが咄嗟にハナの首筋を引っ張りギリギリで躱した・・・

 

サキ「ハナちゃんッ!大丈夫!?」

 

ハナ「げほっ!げほっ!もう、急に何するの~?」

 

コウ「ったく、世話が焼ける…。(さっきまでの顔つきは何だったんだ…。)」

 

イシグモ「ていうか、野良の魔女兵は何も襲わないんじゃなかったけッ!?どうなってるの!?」

 

メタリカ『キヒヒw一つ言い忘れてたが、野良の魔女兵は、人も魔獣も襲わないが、強い魔力を発する魔女や、オマエラのような魔法生物には強い敵意をもって反応するんだ。』

 

一同『はぁ!?』

 

メタリカ『…まぁ、よくわからない連中だが、邪魔するやつは、全て敵だと思え!さぁ、百騎兵共!遠慮なくブチのめしちまいな!』

 

そう言うとメタリカの声は聞こえなくなっていった・・・

 

コウ「んな大事なことは先に言えッ!!」

 

魔女兵『(バッ!!!)』

 

ハナ「ッ!!き、来たァッ!?」

 

コウ「フンッ!まとめて消し飛ばしてやる…!(キュイイイィィィン…ッ!!!)」

 

コウの右手に“緑色の弾”が形成されていく・・・!

 

コウ「イレイザーキャノンッ!!!」

 

ポヒーーーーーーーッ!!!

 

魔女兵『ッ!!?』

 

デデーン!!!

 

コウのイレイザーキャノンで魔女兵たちは跡形もなく消し飛んでいった・・・

 

コウ「フゥ…。ざっとこんなもんか…。」

 

一同「おぉ…!」

 

イシグモ「ねぇ、コウ君…。」

 

コウ「あ?なんだ?」

 

イシグモ「今のことなんだけど、それってあれだよね?あの伝説の…!」

 

コウ「そうだ。“伝説の超サイヤ人ブロリー”の技だ。」

 

カイ「やっぱりか!あのとき、長老樹を消し飛ばしたときに、もしやと思ったんだ!」

 

イシグモ「けど、どうしてコウ君がブロリーを技をつかえるんだい?」

 

コウ「分からん。」

 

カイ・イシグモ「はぁ!?」

 

コウ「あんとき、突然目の前が真っ白になって、頭の中に記憶?みたいなもんが駆け巡ったらいつも間にかできるようになってた。」

 

イシグモ「えぇ~?」

 

カイ「ケチケチしねぇで教えてくれよ~。俺もエネルギー弾撃ちてぇんだよ~。(グイグイ!)」

 

コウ「分からんもんは分からんッ!撃ちたきゃ自力で撃てるようになれッ!!(スタスタ)」

 

コウはカイを振り払い先へと進んでいった・・・

 

カイ「ゑゑゑッ!!?」

 

イシグモ「なんて無茶苦茶な…。」

 

サキ「全く…!ほら!私たちも行くわよ!(グイッ!スタスタ)」

 

イシグモ「イタタ!もう少し丁寧に…!(スタスタ)」

 

カイ「そうだ!こっちとらケガにn」

 

サキ「ハイハイ。行くわよ!(グイグイッ!スタスタ)」

 

サキはイシグモとカイを引っ張りながらコウを追いかける・・・

 

ハナ「………。」

 

先に進む皆の背中を見ながらハナはどこか暗い顔をしていた・・・

 

ハナ「(やっぱり、強いなぁ…コウ君…。あのブロリーの力を使いこなしちゃうなんて…。)」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

ハナ「(覚悟決めたばっかりだけど、やっぱり、私なんかじゃ…。)」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

ハナ「ふぇッ!?(ビクッ!)」

 

百騎兵「ワキャッ!(クイクイ!)」

 

ハナ「わっ!とっとと…!?(グイグイ!)」

 

百騎兵は小さな手でハナの手を引っ張り、皆の後を追う・・・

 

ハナ「(もしかして、励ましてくれたの…かな?)」

 

百騎兵「ヤァッ!!(タッタッタ)」

 

ハナ「(…そうだよね。諦めるには早すぎるよね!)」

 

ハナ「ありがとう!百騎兵ちゃん!」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

ハナ「(絶対に、コウ君を止めてみせる…!)」

 

百騎兵に感謝しつつ、ハナは再び闘志を燃やす・・・!

 

 

 

 

~???~

 

木々に囲まれ、日の光が入り込むどこか神聖な雰囲気を漂わせる場所に森の魔女マーリカともう一人跪いている者がいた・・・

 

マーリカ「…という訳ですので、あなたにはこれを使って沼の魔女のマナニア達を無力化して欲しいのです。(スッ)」

 

マーリカは、そう言いながら男に巻き物を手渡す・・・

 

男「ハハァ…!仰せのままに…森の魔女マーリカ様…!」

 

 

 

 

~森の奥へ続く道~

 

ウォン・・・ウォン・・・!

 

一同が森の突き進んでいくと、再び“ピラーの音”が聞こえてくる・・・

 

コウ「この音は…近くにピラーがあるな…。」

 

イシグモ「よかった…やっと回復できるよ。」

 

サキ「それじゃあ、さっさと見つけましょうか。」

 

コウ「そうだな…さっさと行くか…。(タッタッタ!)」

 

百騎兵「ワキャッ!(タッタッタ!)」

 

ハナ「あ!待ってよ!コウ君!百騎兵ちゃん!(タッタッタ!)」

 

コウを先導に、百騎兵、ハナが後を追っていく・・・!

 

カイ「よし!俺たちも行くぜ!(イシグモに肩を貸している)」

 

サキ「アンタ、いい加減動けるんじゃない?(イシグモに肩を貸している)」

 

イシグモ「いや、ごめん無理…。せめて、ピラーのところまで…。(ゼェ…!ゼェ…!)」

 

サキ「もう…なッさけないわね…!ホラ!行くわよ!(グイッ!)」

 

~マネア村前~

 

ウォン・・・ウォン・・・ウォン・・・!

 

コウ「ここか。ん?」

 

コウがピラーの近くに行くとその近くには・・・

 

コウ「あそこは…村か?」

 

ピラーのすぐ後ろに村の入り口らしき場所があったのだ・・・!

 

コウ「こんなとこに村構えるたぁな…。」

 

ハナ「フゥ…。追いついた…!」

 

百騎兵「フキュゥ…。」

 

ハナと百騎兵をはじめ、サキ、カイ、イシグモも合流する・・・

 

コウ「さて、解放させるか…!(ゴキゴキ…!)」←指を鳴らす

 

コウ「ウラァッ!!!(ブンッ!!!)」

 

バゴォンッ!!!ドドド・・・!プシャア・・・!!!

 

コウがピラーに一撃入れるとピラーに見事に沼をまき散らして咲いた・・・!

 

コウ「さぁ、とっとと回復してあの村に向かうぞ。(ピタッ)」

 

そう言いながら、コウはピラーに触り自身のトーチの魔力を回復させる・・・

 

サキ「ほら、着いたわよ。」

 

カイ「やれやれ、やっとだぜ…。(ピタッ)」

 

イシグモ「フゥ…。助かった…!(ピタッ)」

 

カイとイシグモもピラーに触れてようやくダメージを負った分のトーチの魔力を回復した・・・

 

イシグモ「よし!やっと、回復できた…!」

 

サキ「さて、私たちも。(ピタッ)」

 

ハナ「オッケー♪(ピタッ)」

 

百騎兵「フキュゥ…。(ピタッ)」

 

サキ、ハナ、百騎兵もピラーに触れてトーチの魔力を回復する・・・

 

コウ「メタリカ、この村のことを聞きたいんだが?」

 

メタリカ『あん?いつの間にこんなところに集落ができたんだ?こんな鬱屈した森に居座るとはまったくモノ好きな連中だ………。」

 

コウ「オメェも知らなかったのか。」

 

メタリカ『あぁ、しかもここからは魔女の臭いがするぞ………。ワタシが大嫌いなあいつのな。』

 

イシグモ「ということはここは…。」

 

メタリカ『キヒヒ………。あのクソ女が統治する村ということか。」

 

サキ「なるほどね。あそこなら、何か情報とか聞きだせるんじゃない?」

 

メタリカ『そうだな。メチャクチャに蹂躙してやりたいところだが、あいつの手がかりが得られるかもしれん………。さぁて、どうしたものか………。」

 

イシグモ「どうしたもこうしたもないだだろ。行って聞きだすが一番効率が良い。」

 

カイ「よっしゃ!早速聞き出してみるか!」

 

こうして一同は、森の魔女マーリカが統治する村、“マネア村”へ歩みを進める・・・

 

~マネア村~

 

イシグモ「さて、ここは一旦ばらけないかい?固まって動くより、ばらけて聞き込みをして森の魔女マーリカについての情報を集めるんだ。」

 

コウ「ほう、これも効率か?」

 

イシグモ「あぁ、モタモタしてたらあっちがいつまでも有利だからね。ただでさえ、先ほど先手を打たれたんだし…。」

 

サキ「なるほどね。見た感じ、お店もあるみたいね。」

 

ハナ「けど、お買い物しようにもお金がないよ?」

 

メタリカ『キヒヒ!安心しろ、そう言うと思ってオマエラには予めこの世界の通貨が入った“魔法の袋”を持たせておいた。」

 

コウ「なに?(ゴソゴソ…!)」

 

コウが身体を調べると丁度手に収まる大きさの麻袋を腰に付けていることに気が付いた・・・

 

コウ「コイツか…。(ジャラジャラ…。)」

 

そう言いながら、コウは麻袋の中から数枚のコインを取り出す・・・

 

メタリカ『ソイツがこの世界の通貨“Shell”だ。ソイツがあれば店で買い物ができるぞ。」

 

ハナ「おぉ!やったぁ!!」

 

イシグモ「僕たちが今持っているShellってどれくらいあるんだい?」

 

メタリカ『全員大体、100Shellずつだ。まぁ、これくらいだったら薬草を買うぐらいで終わるな。』

 

ハナ「えぇ~?そんなぁ~!」

 

メタリカ『贅沢を言うな!』

 

カイ「まぁ、とりあえず情報収集だな!(スタスタ!)」←心なしか足取りが軽い

 

サキ「アンタ、まさかだと思うけどナンパとかしないわよね?」

 

カイ「ゑッ!?そ、そのようなことがあろうはずがございません!(汗)」

 

サキ「アンタねぇ…!(ゴゴゴ…!)」←怒気

 

カイ「ひ、避難だぁ!(ビュンッ!!!)」

 

サキ「コラァッ!!待ちなさーいッ!!!(ダッダッダッ!!!)」

 

目にも止まらない速さで逃げたカイをサキは追いかけていった・・・

 

イシグモ「と、とりあえず、情報集めといこうか?(困惑)」

 

ハナ「お、おぉ~!(困惑)」

 

コウ「やれやれ…。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

百騎兵たちも情報収集と買い物を開始した・・・!

 

 

 

 

 

~イシグモside~

 

イシグモ「ここが店かな?」

 

イシグモはマネア村の雑貨屋を訪れていた・・・

 

雑貨屋「いらっしゃい!お客さん、はじめてみる顔だね?どこから来たの?」

 

イシグモ「え~と…、ちょっと遠くの方から…;(流石に、毒沼から来ましたなんて言えないからなぁ…;)」

 

雑貨屋「そうかい、まぁよかったらなんか買ってくれよ!」

 

そう言いながら、雑貨屋は商品の整理をし始めた・・・

 

イシグモ「ふむ。(ざっと見た感じ、食品とか生活に必要なものくらいだな…。…ん?)」

 

イシグモが商品を見ていると、商品の中にひときわ目立つ、木の箱があった・・・

 

イシグモ「すみません。これは?(スッ)」←木の箱を指差す

 

雑貨屋「ん?あぁ。それはいわゆる救急箱だ。」

 

イシグモ「救急箱?」

 

雑貨屋「あぁ、魔女様の薬には及ばないが、ちょっとした応急手当ぐらいにはなる薬や道具が一式入ったものさ。つっても、皆、応急手当なんて知恵ないし、魔女様の知恵や薬をあてにするからあんまり売れてないんだよなぁ…;」

 

イシグモ「ふむ。(…救急箱、か。)」

 

イシグモ「…すみません。この救急箱、何Shellですか?」

 

雑貨屋「えッ!?買ってくれるのかッ!?」

 

イシグモ「えぇ、もしかしたら何から役に立つと思いますので。」

 

雑貨屋「そうかい。う~む、本当は500Shellなんだが、あってもしょうがないものだし…うん!100Shellでいいぜ!」

 

イシグモ「え、いいですか?」

 

雑貨屋「あぁ、持ってけ持ってけ!どうせ、この村にあってもしょうがないものだからな!」

 

イシグモ「ありがとうございます!では、これで!」←100Shellを支払う

 

雑貨屋「まいどあり!」

 

イシグモ「あと、一つ聞きたいことがあるのですが…。」

 

雑貨屋「おう、何だい?」

 

イシグモ「この村は、魔女に統治されているのですか?」

 

雑貨屋「まぁな、この村は魔女様と契約して守ってもらっているんだ。と言っても、この辺りは比較的魔物も少ないんだけどな。」

 

イシグモ「なるほど。」

 

雑貨屋「この村以外にも、魔女様と契約して守ってもらっている村は結構あるんだぜ?」

 

イシグモ「そうなんですか?」

 

雑貨屋「これ結構常識だぜ?兄ちゃん、そうとう田舎から来たんだな?」

 

イシグモ「あはは…;いえいえ。色々とありがとうございました。それでは。(ガチャ)」←店の扉を開ける

 

雑貨屋「まいど!また来てくれよな!」

 

イシグモは、雑貨屋の店員に軽く会釈しながら店を後にした・・・

 

イシグモ「ふむ、この世界では魔女と人々は結構密接な関係にあるのか。」

 

 

 

 

コウside

 

コウ「…ふむ。(キョロキョロ)」←辺りを見回している

 

コウは、村中を適当に歩き回りながら何かないか探していた・・・

 

コウ「ん?」

 

薄暗い村人「(ブツブツ)(フラッフラッ)」

 

コウの目線の先には、足元をふらつかせて森の奥へ進んで行く村人の姿があった・・・

 

コウ「なんだ?アイツ?(スッ)」←後を追う

 

平凡な村人「やめとけやめとけ。後を追うのは。(ガシッ)」

 

コウ「あん?」

 

後を追おうとしたコウであったが、別の村人に止められてしまう・・・

 

平凡な村人「あの先は、黄昏の盗賊団のアジトだぜ?」

 

コウ「黄昏の盗賊団?」

 

平凡な村人「あぁ、村外れの森にアジトを作って村人を博打に誘ってはボロ儲けしているケチな連中さ。」

 

コウ「ふ~ん。盗賊なのに博打、か。」

 

平凡な村人「まぁ、この村は魔女様に守られているから下手に手出しできないから合法的に博打で金を巻き上げてるんだろうな。それに、こんな辺鄙な村だからか、博打なんて刺激的なことに興味を持つ奴らが絶えねぇ。さっきのは、その一人さ。」

 

コウ「なるほどな。博打で金スッて、取り戻そうとまた博打に行っているわけか。」

 

平凡な村人「そういうこった。」

 

コウ「こんな事態なっているってのに、この村の村長とかは何してんだ?」

 

平凡な村人「長老のことか?まぁ、そこが一番の原因つうか…;」

 

コウ「ん?」

 

平凡な村人「(キョロキョロ)…ここだけの話よぉ、長老はいい年こいて博打にハマっちまったんだよぉ~。(小声)」←周りを気にしながらコソコソ声

 

コウ「は?」

 

平凡な村人「情けない話、長老は博打したさに盗賊団のことをほったらかしにしているし、自分しかマーリカ様に会いに行けないからってマーリカ様には盗賊団のことを秘密にしているしよぉ…。(小声)」

 

コウ「とんだ、クズだな。」

 

平凡な村人「言ってくれるねw…まぁ、そのとおりなんだけどなw(小声)」

 

コウ「つーか、なんでオレにそんなことを教えるんだ?」

 

平凡な村人「アンタ、旅人だろう?旅人を盗賊団の博打に行かせる程、この村を腐らせるわけにはいかない。」

 

コウ「オマエが村長やった方がいいじゃねぇか?」

 

平凡な村人「ハハハ!よく言われるよ。」

 

コウ「そういや、“長老しかマーリカ様には会えない”っていうのはどういうことなんだ?」

 

平凡な村人「あぁ、マーリカ様に合うにはこの村の先にある“魔法の扉”を抜けないといけないんだ。その為には、長老が持っている“鍵”が必要なんだ。」

 

コウ「ほう…。」

 

平凡な村人「ずるいよなぁ…。結構な美人さんだって噂だし…。」

 

コウ「そのマーリカについて何か知ってないか?」

 

平凡な村人「魔女様を呼び捨てって、失礼だな、君…。う~ん、そうだなぁ…?」

 

平凡な村人はしばらく考え込むと・・・

 

平凡な村人「あッ!そう言えば、長老がマーリカ様の秘密を知ってるって噂があったような。」

 

コウ「秘密?」

 

平凡な村人「詳しくは知らなんだけど、長老はマーリカ様に会ってはよく話をする関係らしくて、その時にマーリカ様に関する色々なことを聞くことができてそれの自分以外には絶対に喋らないって噂があるんだ。まぁ、これと言った確信はなんだけどね。」

 

コウ「ふむ…。」

 

平凡な村人「おっと、いけねぇ!用事あったんだ、アンタ忠告はしたからな!」

 

コウ「あぁ、最後に聞きたい。」

 

平凡な村人「ん?何だい?」

 

コウ「この村で長老をよく知っている奴は誰だ?」

 

平凡な村人「そりゃあ、長老が雇ってる家政婦さんぐらいかな?」

 

コウ「そうか…。分かった。」

 

平凡な村人「それじゃあな!あと、さっきの話は長老や皆には内緒に頼むぜ!村追い出されたくないからよ~!(ダッダッダ!)」

 

そう言いながら、平凡な村人は走りさって行った・・・

 

コウ「…フン。長老、か。」

 

 

 

 

ハナ・百騎兵side

 

ハナ「100Shellじゃあ、何も買えないしとりあえずとっとこ。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

ハナと百騎兵は、100Shellでは買い物にならないと判断し、村中を探索しながらマーリカについての情報を集めようとしていた・・・

 

ハナ「けど、マーリカさんについての情報って誰に聞いたらいいのかなぁ?知っている?百騎兵ちゃん?」

 

百騎兵「ムキュ?」←首を傾げている

 

ハナ「アハハ…知ってるわけないよねぇ~…;」

 

誰に聞けばいいのか分からず、途方に暮れていた・・・

 

ハナ「ん?アレは…。」

 

老婆「ふぅ~…。ハァ~…。」

 

途方に暮れていたハナの目の前に、大きな袋を担いだ老婆がヨボヨボと歩いていた・・・

 

ハナ「おばあちゃん!よかったら持つよ!」

 

老婆「おやおや。すまないねぇ。」

 

ハナは老婆が持っていた大きな袋を代わりに持ち、老婆の家の前まで運んで行った・・・

 

ハナ「よいっしょっと!(ドサッ)」←袋を下す

 

老婆「すまないねぇ、ありがとうよぉ。」

 

ハナ「ううん!良いの良いの!」

 

老婆「ところで、そこのおチビちゃんはマナニアかい?」

 

ハナ「うん!そうらしいよ!」

 

老婆「おぉ!ということは、あなたたちはマーリカ様の使いのものなんだね!ありがたや!ありがたや!」

 

そう言いながら、老婆は何度も手をこすり合わせて頭を下げ始めた・・・

 

ハナ「あぁ!いや、私たちは…!」

 

老婆「こんな老いぼれのために使いを寄こしてくれるとは、やはりマーリカ様は慈悲に満ちたお方じゃ…!」

 

ハナ「え?おばあちゃん、マーリカさんについて知ってるの?」

 

老婆「この村に住んでいる者なら誰でも知っとるとも、森の魔女マーリカ様は、慈悲に溢れた優しく美しく素晴らしいお方、と。」

 

ハナ「へ~。(なんか、メタリカちゃんの言ってることと違うような…。)」

 

ハナ「おばあちゃん、他に知ってることとかない?」

 

老婆「う~む、と言われてもの~。わしのひいばあ様がまだ子供だった頃マーリカ様の友達だったらしくてのぉ、マーリカ様の思い出話をするときはすごく優しい顔になっておったの~。」

 

ハナ「おぉ!そのひいおばあちゃんは今ドコにいるの?」

 

老婆「ひいばあ様かい?そりゃ、とっくに亡くなっておるわい。」

 

ハナ「あぁ…ごめんなさい!(ペコリ)」←頭を下げる

 

老婆「いえいえ、気にしないさんな。」

 

ハナ「それじゃあ、そろそろ行かなくちゃ!いこう!百騎兵ちゃん!」

 

百騎兵「ワキャッ!」←ずっとハナのそばで座っていた

 

老婆「色々とありがとうね。気をつけるんだよ~!」

 

ハナ「うん!ありがとう、おばあちゃん!元気でね~!(フリフリ!)」←手を振る

 

ハナは、元気に手を振りながら老婆の家をあとにした・・・

 

ハナ「マーリカさんって案外良い人何かな?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

 

 

 

カイside

 

カイ「へぇ…へぇ…。なんとか逃げ切った…!ん?」

 

サキからなんとか逃げ延びたカイ、早速目の前には村人らしき若い女性が・・・!

 

カイ「腐☆腐!すみません。そこ麗しいお姉さん。(キリッ!)」

 

若い女性「あら?何ですか?」

 

カイ「少々お聞きしたいことがありまして、良かったらあちらの木陰でお話ついでに、俺とお茶で(ゴンッ!)モンブラッ!?」

 

若い女性をナンパしようとしたカイであったが突如頭を殴られ気絶してしまった・・・

 

サキ「………。(ゴゴゴゴゴゴゴ…!)」←怒気全開

 

若い女性「え?え…?」←混乱

 

サキ「ったく、このバカは…!すみません、うちのバカが…!(ペコリ)」←頭を下げる

 

若い女性「あ、いえいえ。それよりそちらの方は」

 

サキ「いえ、気にしないでください。バカの戯言ですので。」

 

若い女性「は、はぁ…。」

 

サキ「それでは失礼いたします。(ズルズル…)」

 

サキは、気絶したカイを引きずりながらその場を後にいた・・・

 

若い女性「何だったのかしら?今の人たち?」

 

 

 

 

こうして、各々情報収集と買い物を済ませ合流した・・・(約一名、気絶中)

 

イシグモ「さて、皆情報は集まったかい?」

 

コウ「その前に…。」

 

カイ「(チーン)」←気絶中

 

コウ「約一名、この有様なんだが…。」

 

サキ「仕方ないでしょ、案の定だったんだから…。」

 

コウ「なら、しゃーねぇ。さっと始めるぞ。」

 

イシグモ「(切り替え早ッ!?)そ、それじゃあ、まずは僕から…。」

 

~イシグモ説明中~

 

イシグモ「…て訳で、どうやらこの世界では魔女っていうのはかなり馴染み深い存在みたい。」

 

コウ「なるほどな。」

 

イシグモ「それと、念のために救急箱を買っておいたよ。(スッ)」←救急箱

 

ハナ「おー!イシグモ君、使えるの!?(キラキラ…!)」←尊敬の眼差し

 

イシグモ「ま、まぁね…///」

 

ハナ「すごーい!」

 

イシグモ「い、いやーアハハハ…///…ハッ!?(ゾクッ!)」

 

サキ「………。(ゴゴゴゴゴゴゴ)」

 

イシグモの目の前には、尊敬の眼差しを向けるハナとその後ろで恨めしそうにこちらを睨んでいる般若(サキ)がいた・・・

 

イシグモ「ととと、とにかく他の皆は何か分かったことはあるかな~;(ダラダラ…;)」

 

ハナ「?どうしたの?」

 

サキ「そうね。私は見ての通りよ。(スッ)」←カイを指差す

 

カイ「(チーン)」←ヤムチャ状態

 

イシグモ「な、なるほど。君はどうだい?コウ君?」

 

コウ「オレは、この村の長老と村外れで行われている賭博についてだな…。」

 

~コウ説明中~

 

コウ「てな具合に、いい感じに腐敗していってるわけだ。」

 

イシグモ「どこら辺が良い感じなのかは置いといて、盗賊団のことを長老がね。」

 

コウ「あぁ、だから大人しく鍵を渡してはくれねぇだろうな。渡したら、それこそ村の恥、ついでに盗賊団のこともバレて居場所がなくなるからな。」

 

サキ「どちらにしても長老の家に向かうしかないわね。」

 

ハナ「はいはーい!その前に、私も!」

 

イシグモ「お、ハナちゃんも何かわかったのかな?」

 

ハナ「うん!マーリカちゃんについてね!」

 

一同「おぉ!」

 

ハナ「村のおばあちゃんから聞いたんだけど、マーリカちゃんって案外良い人みたい!」

 

イシグモ「えぇ…;」

 

コウ「敵が統治する村だぞ。統治している魔女を悪く言う奴なんざいる訳ないだろ。」

 

ハナ「いや、おばあちゃんは本心から良い人そうに話してたよ!」

 

コウ「そう言う風に騙されてんだよ。大抵の人間は、善人や権力者の言うことを鵜呑みにする。だがな、そう言う奴ほど腹ん中はドス黒いもんなんだよ。」

 

ハナ「そ、そうなのかなぁ…?」

 

コウ「世界が変わろうと、所詮…騙し騙される理は変わらない。結局、最後に信じられるのは、自分だけだ。(コツコツ…)」

 

そう言って、コウは長老の家へ向かおうとする・・・

 

ハナ「コウくん…。」

 

イシグモ「…僕たちも向かおう。」

 

カイ「う~ん?何だ?何があった?」

 

サキ「アンタは呑気ね~。寝てる場合?」

 

カイ「オメェが、気絶させたんだろうがッ!!!」

 

サキ「何よ!アンタがまた性懲りもなくナンパなんかするからじゃないッ!!!」

 

カイ「んだと!」

 

サキ「何よ!」

 

カイ・サキ「グギギギ…ッ!!!(バチバチッ!!!)」

 

イシグモ「あぁ…!?;また…!ちょっと、コウくん!二人を止めるのをt(クルッ)ってもういないしッ!!?」

 

イシグモ「二人ともちょっと落ち着いて…!」

 

ワーワーギャーギャー!!!

 

イシグモが二人をなだめている中、ハナはコウの向かった先を見ながら思いふけっていた・・・

 

ハナ「(…コウくん、君は一体何を見てきたの?いや、それよりコウ君に早く追いつかなきゃ…!)」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

イシグモ「ちょっと二人とも思いふけってないで止めtギャアアアァァァッ!!!」

 

~数分後~

 

~マネア村・長老の家前~

 

イシグモ「はぁ…はぁ…!な、なんとか止めることができた…!(ボロボロ)」

 

コウ「何があった?」

 

イシグモ「そう思うなら、置いていかないでよ…;」

 

コウ「ま、そんなことどうでもいいさ。ちょうどこのおばさんと長老のことについて話してたんだ。」

 

家政婦「ちょっとちょっと!“おばさん”なんて失礼ね!私はまだそんな年じゃないわよ!」←どう見てもおばさん

 

イシグモ「す、すみません!」

 

ハナ「ところで、何話してたの?おばちゃん?」

 

家政婦「おばちゃんじゃないって言ってんでしょ!?ハァ~…いやね、長老が博打にハマったのは知ってる?」

 

イシグモ「はい。ハマった挙句、盗賊団のことをマーリカさんに秘密にしているとか。」

 

家政婦「そうそう!そうなんだよ!ちょっと、聞いとくれよ!」

 

イシグモ「は、はぁ…!(押され気味)」

 

家政婦「長老ともあろうお方がいい年こいて賭博にハマるなんてまったく情けない話よ。」

 

コウ「だな。」

 

家政婦「しかも、この間マーリカ様に会うために必要な“魔法の扉を開く鍵”を賭けに使う始末…:」

 

サキ「うわぁ…。」

 

コウ「そんなクズ野郎に何故村の連中は従ってんだ?」

 

家政婦「あ~、それね。よく言われんのよ。何せ、この村の収入は全部長老の勝ち金で養われてんのよ。それがなくなったら、私達全員貧しい暮らしを強いられることになるわ。」

 

イシグモ「だから、全員長老のいうことには逆らえないか。」

 

家政婦「実質、その辺の貴族よりタチが悪いわよ。しかも、余ったお金は全部自分のものにできるってもんで、今日も懲りずにまた盗賊団の博打に行っててね~…。」

 

イシグモ「お察しします…;」

 

家政婦「って、あら、いけない!これは喋っちゃダメなんだったわ!アンタ達も今言ったことは忘れとくれよ!家政婦の仕事クビになっちゃうわ。」

 

イシグモ「わかりました。その代わり、僕たちのお願いを聞いてくれますか?」

 

家政婦「あら、何だい?」

 

イシグモ「僕らも森の魔女マーリカ様に用があって、その魔法の扉を開ける鍵を少し間でいいので貸してくれませんか?」

 

家政婦「えぇ!?そんなこと言われてもねぇ…う~ん?家政婦を私にはそんな権利ないし、そもそも、鍵は長老が肌身離さず持ってるのよね…;」

 

ハナ「なら、私たちが長老にお願いして貸してもらう!」

 

家政婦「えぇ…;そ、それも難しいと思うよ…?」

 

ハナ「大丈夫大丈夫!それじゃあ、行ってきま~す♪(タッタッタ!)」

 

そう言って、ハナはその場から走り去っていった・・・

 

家政婦「あの子、大丈夫かい?なんていうか、危なっかしいていうか…。」

 

サキ「私たちも行くわよ。」

 

イシグモ「そうだね。それでは失礼します。(ペコリ)」

 

家政婦「気をつけるんだよ。」

 

家政婦に別れを告げて、一同はハナの後を追う・・・

 

とも思いきや・・・

 

ハナ「盗賊団のアジトってどこ?」

 

サキ・イシグモ・カイ「(ズコーッ!!!)」

 

コウ「ハァ…。」

 

百騎兵「フキュゥ…。」

 

気を取り直して、長老がいると思われる“黄昏の盗賊団”のアジトへと向かう・・・

 

 

 

~黄昏の盗賊のアジト・賭場~

 

村外れにある“黄昏の盗賊団”のアジト兼賭場・・・

 

森のひらけた場所に、盗賊団の寝床らしき大きなテントとそこを中心に様々なギャンブルの小さなテントが数点ある・・・

 

ほのぼのとした緑に囲まれた村から少し離れただけだが、酒やタバコの臭いが漂い、周りの人の雰囲気も険しく、この場所だけ別の空間のように感じる・・・

 

見渡せば、賭けに大勝ちし喜ぶ者もおれば、逆に賭けに負け隅で現実から目を背けている者までおり、中にはこの場所は遊び場といわんばかりに走り回る子供までいた・・・

 

イシグモ「ここが“黄昏の盗賊団”のアジト…。見事に村人が賭けにハマっているね。」

 

カイ「俺は、気絶してほとんど聞けなかったが要はここから長老を探せばいいんだろ?」

 

イシグモ「そうだね。長老を捜し出して魔法の扉を開ける鍵を貸してもらわないと。とりあえずまずは…。(キョロキョロ)」

 

イシグモ「あそこで聞き込みをしてみよう。(ビシッ)」

 

イシグモが指差した先には、イスとテーブルとカウンターだけの簡易的なバーがあった・・・

 

バーに着くなり、バーのマスターは・・・

 

マスター「ご注文は?」

 

イシグモ「すみません、少し聞きたいことがありまして。こちらに長老が来ていると聞いてきたのですが、何か知りませんか?」

 

マスター「おたくら、村の連中じゃないね?旅人が、長老に何の用だい?」

 

イシグモ「いえ、大した用じゃないんですが…;」

 

マスター「どちらにしろ、客じゃないなら教える気にはならないね。ここはバーだ、何か注文してくれないと。」

 

イシグモ「うーむ…。」

 

カイ「しゃーねー、酒でも頼むか。」

 

コウ「だな。」

 

イシグモ「いや、僕未成年…。」

 

サキ・ハナ「私も…。」

 

カイ「俺だって未成年だよ!」

 

サキ「じゃあなんで、酒なんて言い出すのよ!」

 

カイ「しゃーねーだろ?バーなんだから。」

 

コウ「酒以外もあるか?」

 

マスター「あぁ、一応紅茶ならあるよ。」

 

コウ「じゃあ、それ6人前。」

 

カイ「あるんかい!?」

 

マスター「6人?」

 

コウ「コイツの分もな。(ヒョイッ)」←百騎兵を掴み上げる

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

マスター「あぁ、マナニアの分もかい?まぁ、いいが…。少々お待ちを…。(カチャカチャ)」

 

そう言って、マスターは紅茶を作り始める・・・その間、一同はバーに来ている客から長老についての情報を得ようと聞き込みを始める・・・

 

しかし、バーにいる客たちは一様に首を横に振るばかり・・・

 

マスター「お待たせしました。紅茶6人前、砂糖はお好みでどうぞ…。」

 

イシグモ「ありがとうございます。」

 

コウ「茶に砂糖なんて入れるのか?」

 

イシグモ「紅茶は渋いからね、砂糖を入れて和らげるんだよ。僕は一個かな」

 

コウ「オレは入れない方がいいな。」

 

サキ「私も。」

 

カイ「俺は、二個入れるな。」

 

イシグモ「甘すぎない?ソレ?ハナちゃんは…ん!?それ、何個目!?」

 

ハナ「え?5個目だけど?」

 

イシグモ「入れ過ぎ!?入れ過ぎィ!?もうそれ紅茶じゃないよ!?」

 

ハナ「甘くておいしいよ?」

 

イシグモ「そう言うことじゃなくて!?それもうただの茶色い砂糖水!!」

 

サキ「ハナちゃん、もう少し砂糖を減らした方がいいと私も思うわ…;」

 

ハナ「えぇ~?そうかなぁ~?(ズズズッ)」←普通に飲む

 

コウ「それで、長老についてなんか知ってんのか?」

 

イシグモ「コウ君もいきなり話を戻さないで!?」

 

マスター「あぁ、そうだね…。といっても、ここの常連客ってことしか知らないよ?」

 

コウ「ほう?金払わせておいて、それだけか?(ギロッ)」

 

マスター「まぁまぁ;そんな睨むなよ;あとは、凄腕のギャンブラーなことぐらいかな?」

 

コウ「ギャンブラー?」

 

マスター「あぁ、どうも若い頃才能があったのか色々ギャンブルに手を出してたようでね。ここでも、連戦連勝で勝ち越しているのさ。」

 

コウ「ふ~ん。他には?」

 

マスター「いや、すまないね。これ以上は知らないよ。」

 

コウ「そうか。結局、収穫なし、か。」

 

イシグモ「みたいだね。他を当たろうk「知ってるよ?」ん?」

 

一同が、声が聞こえた方を見るとそこには・・・!

 

 

 

中年の男「ふっふっふ。(シャシャシャッ!ズラァァァァッ!!)」

 

トン・・・

 

ズラァァァアアア!!!・・・ピタッ!・・・

 

中年の男がトランプのカードを切り、円状に並べると端の方を指でこつき、並べたカードが全てトランプタワーのように立たせた・・・!?

 

ハナ・カイ「おぉ!!!」

 

イシグモ「二人とも感心してる場合?」

 

コウ「さっき、“知ってる”って言ったのはオマエか?」

 

中年の男「えぇ、私です。知ってますよ、マネア村の長老が今どこにいるのか。」

 

ハナ「ホント!?教えて!!」

 

サキ「ハナちゃん、年上の相手なんだから…;すみません、教えてくれませんか?」

 

中年の男「教えても構いませんが、“ただ”では教えられませんね。」

 

カイ「しゃーねー、俺の持ち金から、そうだな50Shellで教えてくれないか?」

 

中年の男「いえ、お金は結構です。ただ、私と賭けをしてくれませんか?」

 

カイ「賭け?」

 

中年の男「えぇ、私との賭けに勝ったら長老の場所を教えましょう。」

 

イシグモ「いえ、僕たちは賭けをするためにここに来たわけではなく、ただ長老を探してるだけなんです。」

 

カイ「そうだぜ。50じゃ、足りないって言うのか?それじゃあ、80!80Shellでどうだ!!」

 

中年の男「いえいえ、お金なんて間に合ってます。私はただ賭け、ギャンブルがしたいだけなんです。どうです?」

 

コウ「埒が明かねぇな。無視して探しに行った方がいいじゃねぇか?」

 

イシグモ「いや、実際手がかりがない以上この人から情報を聞いた方が早い。ここは、全員の持ち金を出し合って僕が交渉してみるよ。」

 

カイ「いや、その必要はないぜ?イシグモ!」

 

イシグモ「え?」

 

カイ「要は、コイツの要望通り賭けをやればいいんだろ?その方が手っ取り早い!」

 

中年の男「では、受けてくれるのですか?」

 

カイ「あぁ!受けてやるぜ!」

 

イシグモ「待って!カイくん!」

 

カイ「いや、待たねぇ!男が一度勝負を受けたらもう引き換えせないぜ!!!」

 

中年の男「GOOD!なかなか男らしい。好きですよあなたのような熱い男は。」

 

カイ「それで、何で勝負するんだ?トランプか?サイコロか?」

 

中年の男「いえ、そうですね。粗方のギャンブルは飽きましたので…。(キョロキョロ)」←辺りを見渡す

 

中年の男「お!そうだ、あの猫!(ビシッ)」←指差す

 

中年の男が指差した先には、樽の上に猫が寝ころんでいた・・・

 

中年の男「今からあの猫の近くにこの魚の燻製を二つ投げ込みます。(スッ)」←魚の燻製を取り出す

 

中年の男「“左”か“右”か。先にどちらの魚の燻製を取るのかで勝負しましょう。シンプルですが、なかなかスリルがあると思いませんか?」

 

カイ「よくわからんが、アンタそれいいならそれでいいぜ?」

 

中年の男「では…!(スッ!)」←魚の燻製を投げる

 

投げられた干し肉は宙を舞い、ちょうど猫の、目の前あたりに落ちた・・・

 

中年の男「それでは、どちらにしますか?お先にどうぞ。」

 

カイ「良いのか?それじゃあ、“右”に賭けるぜ!」

 

中年の男「右ですか。では、私は“左!”に賭けるとしましょう!」

 

カイ「よし!」

 

イシグモ「カイ君、大丈夫なのかい?」

 

カイ「大丈夫だって気にするな!あ、そう言えば、もう俺が負けた場合何を払えばいいんだ?俺の全財産100Shellか?」

 

中年の男「いえいえ、先ほども申しましたがお金は間に合ってます。そうですねぇ…。」

 

すると中年の男は、不気味に微笑み・・・

 

中年の男「“魂”、なんてのはどうでしょうか?ふっふっふ…!(ニヤニヤ)」

 

カイ「はぁ?タマシイ?(コイツ、変な言い回ししてかっこつけてんのか?キザな野郎だ…。)」

 

中年の男「それで、どうします?」

 

カイ「あ~ハイハイ!良いぜソレで。」

 

中年の男「フッ。」

 

猫「(ピクッ!スタスタ…。)」

 

中年の男「おや?猫が魚の燻製に気付きましたね。」

 

猫「(スタスタ…。)」

 

猫は真っ直ぐ“右”の魚の燻製の方へ向かっていく・・・!

 

カイ「へへ!あの猫、右へ向かってるぜ!(俺が猫なら、当然デカい方を選ぶ!右の方がデカく見える!)」

 

猫「(スタスタ…クルッ!ダッ!ダッ!)」

 

カイ「あ!?」

 

一同「ッ!」

 

中年の男「フッフッ。」

 

猫は、“右”の魚の燻製の直前で向きを変え、“左”の魚の燻製を先に取った・・・!

 

中年の男「見ましたね。“左”→“右”と魚の燻製を奪っていきましたね!私の“勝ち”だ!」

 

サキ「ちょっとどうすんのよ。負けちゃったじゃない。」

 

イシグモ「これじゃあ、長老の場所を聞きだすのが厄介になってたよ。」

 

カイ「んなこと言ってもよ~;」

 

中年の男「さて、約束でしたよね?払っていただきましょうか?」

 

カイ「え?何のことだ?払うって何を?」

 

中年の男「“魂”ですよ。」

 

カイ「え?」

 

中年の男「あなた先ほど賭けましたよ?確かに、“魂”を!」

 

 

 

 

中年の男「私は、森の魔女マーリカ様の命よりお前たちの魂を頂くために参上した!」

 

一同「ッ!?」

 

中年の男「賭けというのは、人から“魂”を出やすくする。そこを奪い封印するのがマーリカ様より賜りし、この“古の賭博師の誓約書”の力ッ!!!(バッ!)」

 

そう言って、中年の男は懐からよく分からない言語が綴られた紙を取り出した・・・!次の瞬間!

 

カイ「なッ!?(ドクンッ!)」

 

ドォオオオ・・・!!!

 

カイ身体から、カイ自身が煙のように引き出され、紙から伸びる無数の黒い手に鷲掴みされる・・・!

 

ハナ「キャアアアァァァッ!!?」

 

イシグモ「な、なんだこれは!?」

 

コウ「ッ!テメェッ!!!」

 

中年の男「おっと!私を殺すなよ!もう遅い!私が死ねば、この誓約書の効果が途中で切れ手に持っているカイとかいう小僧の魂も死ぬ!!」

 

カイ「…。(フラッ)」

 

イシグモ「か、カイ君ッ!?(ガシッ!)」

 

倒れるカイをイシグモはさせるが・・・!

 

サキ「ちょ、ちょっと!大丈夫なの!?」

 

イシグモ「…ッ!?脈が、“ない”…!死んでる…!」

 

サキ「そんな…!」

 

ハナ「カイくーーーんッ!!!」

 

カイの魂「…!…!」

 

グニグニ・・・!グニャグニャ・・・!ビヨ~~~~ンッ!!!バンッ!!!

 

カイの魂は、まるで餅をこねるようにもみくちゃに引き延ばされ、最終的に・・・

 

チリン・・・

 

一枚のチップになってしまった・・・

 

中年の男「これが、“カイの魂”だ…!」

 

中年の男「これで、マーリカ様にあだなす愚か者を一人始末できた。間抜けな奴だったがな…!」

 

ハナ「(キッ!)」

 

中年の男「遅れたが、自己紹介しよう。私が、お前たちが探していた…“マネア村の長老”だ!」

 

コウ「テメェだったのか…!てっきり、ヨボヨボのジジィかと思ったぜ…!!」

 

イシグモ「メタリカ…!カイは本当に?」

 

メタリカ『…あぁ、完全に魂が抜け落ちてる。死んでいると思っていい。』

 

イシグモ「クソッ!」

 

猫「(スタスタ…。ヒョイッ!)」

 

イシグモが憤りを感じていると先程の猫がどこからか現れ、なんと長老の膝の上に乗っかった・・・!?

 

一同「ッ!!?」

 

長老「あぁ、そうそう。これは“私の猫”さ。」

 

サキ「キサマァッ!!!(ガシッ!)」

 

サキは怒りのままに長老の胸ぐらを掴む・・・!

 

サキ「何が“賭け”よッ!“イカサマ”のくせにッ!!」

 

長老「“イカサマ”?いいかな?“イカサマ”を見抜けなかったのは、見抜けなかった奴の敗北なんだよ。」

 

サキ「くぅ…!!(ギロッ!)」

 

長老「私は、賭け事が大好きだ。それ故に、賭けとは人間関係と同じ“騙し合い”の関係と考えている。泣いた奴の敗北なんだよ!」

 

サキ「ぐぅう…ッ!!(ギロッ!!)(グッ!)」

 

サキは長老をつまみながら拳を握る・・・!

 

長老「その拳で私を殺すのですか?いいでしょう、おやんなさい!この“魂”も死んでいいのならね!(スッ)」←カイのチップを見せる

 

カイのチップを出され、サキは拳と引っ込める・・・

 

サキ「いい!?アンタはこのまま無事で帰れることはできないわよッ!!!」

 

長老「ふむ。今から約3年と11ヵ月前の午前0時、あなたはどこで何をしていたか覚えてますか?」

 

サキ「はぁ!?何言ってんのよ?」

 

長老「私は覚えている。(バッ!)」

 

長老はサキの腕を振りほどくと、自前と思われるカバンから一冊の本を取り出した・・・!

 

長老「ここから離れた“ドーエンの森林”にある“ドーエンの村”の酒場で、その村一の怪力と知られた男があなたと同じセリフを言ってましたよ。」

 

パラパラ・・・

 

長老「その男が、“コイツ”です。(スッ)」←指差す

 

長老は本を数ページめくり、あるページを指差す・・・!そこには・・・!

 

一同「ッ!!?」

 

カイと同じく魂を抜かれチップにされた男が本に収まっていた・・・!しかも、そのページには他にも無数の魂をチップにされた人々が収まっていた・・・!!?

 

長老「この下の男が彼の父親で、さらにその下が母親で、隣が女房です。私は、マーリカ様からの命と“私個人”のギャンブルで多くの人の魂を勝ち取ってきました。カイの魂を取り戻すには、続けるしかないんですよ。私との“賭け”をね。」

 

長老「と言っても、“個人”の方が圧倒的に多いんですがね…!ふっふっふ…!」

 

イシグモ「(…!)」

 

サキ「(なんて奴なの…!この男…!)」

 

ハナ「(あ、悪魔たん…!)」

 

コウ「一人、一人オレ達を…!」

 

百騎兵「フキュウ…!」

 

一同に戦慄が走る・・・!!!

 

 

 

長老「さて、どうするんです?ビビッて帰ってもいいんですよ?そのカイを置いてね…!フッフッフ…!」

 

メタリカ『おい、オマエラ。』

 

サキ「ッ!メタリカッ!?」

 

メタリカ『言っておくが、変態とはいえワタシの僕がこんなクソジジィにとらえたままおめおめと逃げ帰るなんて真似はワタシが許さんからな!』

 

サキ「言われなくても逃げるなんて考えてないわ。全員ね…!」

 

コウ・百騎兵「…。(ゴゴゴゴゴゴゴ…!)」←殺気全開

 

ハナ「…!(キッ!)」←少し震えているが闘志全開

 

イシグモ「…。(スッ)」←カイ(身体)を椅子に座らせ長老を睨む

 

メタリカ『キヒヒ…!安心したぞ、少しは良い顔をするようになったじゃないか。なら、やることは一つだ百騎兵ども…!』

 

長老「ま、一杯やってからじっくり考えてください。フッフッフ…!」

 

メタリカ『あのクソジジィのくだらんギャンブルに勝ち…!」

 

長老「チョコレートでも、どうです?(スッ)」←チョコレートを出す

 

メタリカ『あの変態を取り戻すのだ!!!』

 

ガチャンッ!!!

 

長老「…ッ?」

 

イシグモ「了解…!(ギロッ!)」

 

メタリカの掛け声と共に、イシグモはテーブルの上のトランプカードや食器などを薙ぎ払った・・・!!!

 

ドンッ!トクトク・・・!

 

イシグモ「…。」

 

長老「…ん?」

 

イシグモは、グラスを置きそこへ酒をグラスギリギリまで注ぐ・・・!

 

サキ「イシグモ、アンタ何する気?」

 

イシグモ「“表面張力”っていうのを知ってるかな?“ネカマ村のチョウチョウ”?」

 

長老「“マネア村の長老”、私の名は、“マネア村の長老”です。知ってますとも、その酒の表面が溢れるようで溢れない力のことだろう?何をしようというのかね?」

 

イシグモ「サキちゃん、すまないが小銭は持っているかい?」

 

サキ「えぇ、あるわよ。(ジャラ…。)」

 

イシグモ「ルールは簡単、このグラスの中にコインを交代で入れていく。酒が溢れた方が負けだ。」

 

ハナ「イシグモくん…!」

 

コウ「オマエ…!」

 

サキ「まさか…!」

 

イシグモ「賭けよう!僕の“魂”をッ!!!」

 

長老「GOOD…!」

 

ハナ「イシグモくん!?正気なの!?」

 

サキ「コイツはイカサマ師なのよ!?」

 

イシグモ「イカサマはさせない!この賭けは僕が今決めたんだ。コウ君!」

 

コウ「なんだ?」

 

イシグモ「君には、イカサマを見張ってて欲しい…!」

 

コウ「ッ!」

 

イシグモ「君は確かに危ない奴だと僕は思う。人を殺すのにためらいがない君を。しかし、同時に君のそのスバ抜けた戦闘能力を信じてる。君なら、イカサマを見破ぶれると確信にも似た自信がある。」

 

コウ「後悔しないのか?もしかしたら、イカサマをしてもオレが見逃すのかもしれねぇぜ?」

 

イシグモ「君は“嘘は嫌い”なタイプじゃないかな?僕、人を観察するのには自信があるんだ!」

 

コウ「…フン。わかったよ、引き受けたぜ。」

 

イシグモ「ありがとう。それと、百騎兵君。」

 

百騎兵「ワキャッ!」

 

イシグモ「君にはすまないが、君のお金で酒代を払っておいてくれないか…;救急箱で全部使っちゃって…;」

 

マスター「という訳だから、ザッと100Shell払ってね。」

 

百騎兵「ムキューーーーーーッ!!?(ガーンッ!!!)」

 

百騎兵が少々理不尽な目にあったが、気を取り直して・・・

 

長老「OK!いいでしょう、この“賭け”受けましょう!だが、その前に…。」

 

長老「そのコインとグラスを調べても構いませんかね?」

 

イシグモ「当然の権利だね。あなたにもイカサマを調べる権利がある。」

 

長老「ふむ…。」

 

長老はグラスを手に取り、入念に眺め、続けてコインを手に取り調べる・・・

 

イシグモ「一つ、あなたが負けたらカイ君の魂を必ず返してくれる保証は?」

 

長老「私は博打打ち…ギャンブラーだ。誇りがある。負けたものは、必ず払います。それに、この“誓約書”にはある弱点がありまして。」

 

イシグモ「弱点?」

 

長老「この誓約書は、確かに“賭けに負けたものの魂を奪い、封印する”ものなのですが、私が賭けに負けた場合、この誓約書の効果は“その時点で全て失い、封印された魂達は元の主へ戻る”ようになっているんです。」

 

イシグモ「それ聞いて安心したよ。」

 

長老「安心?何か勘違いをされているようですね?」

 

イシグモ「?」

 

長老「私がこの“誓約書”を受け取ったのは、今からザッと10年以上前のことなんですよ。つまり、今もこうしてこの誓約書があるということは…!」

 

イシグモ「くだらない脅しで、精神に揺さぶりをかけるつもりかな。“ヘタレ村のカンチョー”。」

 

長老「“マネア村の長老”だ。どういうことかな?」

 

イシグモ「例え10年間無敗だろうが、“絶対に負けない”ことにはならないよ。(ドンッ!!!)」

 

長老「フン。なかなか賢いお方だ。手強いね。だが…。」

 

長老「私は負けんがね…!(ドンッ!!!)」

 

イシグモ「いいだろう。さぁ、コインを入れたまえ。あなたからだ…!」

 

サキ「ちょっと!イシグモ!良いの!?」

 

イシグモ「任せてよ。(このグラスとコインは、実は僕が得意とする“賭け”だ。この表面張力ってのは結構強い。僕の見立てだと、コインはあと8枚か、9枚くらい入る…!精神が動揺して指が震えなければね…!)」

 

長老「コインは一回に何枚も入れても構いませんね?」

 

イシグモ「一回で入れるならね。」

 

長老「では…!(スッ)」

 

そう言った長老の手には、なんと“5枚”もコインが握られていた・・・!?

 

ハナ「ご、5枚も!?」

 

イシグモ「おい!水面に波が立つぞッ!!」

 

長老「しーッ!!静かに…!!(ススス…!)」

 

長老はゆっくりゆっくりとコインをグラスへ近付けていく・・・!

 

長老「テーブルに手を触れないでくれ…!(ススス…!!)」

 

イシグモ「…!(スッ)」←手をどける

 

コウ「…!」

 

ハナ・サキ「ッ!!」

 

イシグモ「…ッ!!!」

 

長老「ッ!!!(スッ!)」

 

マスター「まいど。」

 

百騎兵「フキュゥ…!(トボトボ)」←財布スッカラカン

 

 

 

チャポン!

 

 

 

長老は、見事グラスをこぼさずに5枚全てを入れた・・・!

 

長老「ハァ…!フゥ―…!フッフッフ…あなたの番だ…!」

 

イシグモ「…凄い人だ。まさか5枚同時に入れるとは、僕は一枚にしておこう。危ない危ない…。(スッ)」←コインを持つ

 

コウ「ッ!!」

 

次の瞬間、コウは見たイシグモの握るコインの裏を・・・!

 

コウ「(このイシグモとかいう小僧…。指とコインの間に脱脂綿を…!液体が滴り落ちている。絞り出して酒の増やしてやがるのか…!)」

 

長老「…。」

 

コウ「(“オレにイカサマを見張ってくれ”だと?この策士が…!やってくれるぜ…!)(ギリッ)」←周りに聞こえない程度に歯ぎしり

 

 

 

ポチャン!

 

 

 

イシグモ「…フゥ。」

 

長老「…ぬうぅ…!」

 

イシグモ「(ニャーハッハッハッ!!!もうこれ以上入らないよ!一枚で酒がこぼれる!僕の勝ちだ…!くっふっふ…!!“バレなきゃイカサマじゃない”って言ったのはコイツよ!ざまぁみやがれッ!!!)」←表情は真顔

 

表情こそは冷静そのものの真顔だが、内心は勝利の喜びで少しはしゃぎまくりなイシグモであった・・・

 

イシグモ「フゥ~、心臓に悪いねコレ…。こぼれるかと思っちゃったよ!!さぁ、あなたの番ですよ、“マヌケ村の鼻ちょうちん”(スッ…ガシッ!)」

 

イシグモが長老を指差そうとしたとき長老がイシグモの腕を掴む・・・!

 

長老「“マネア村の長老”だ!二度と間違えるじゃあないッ!!私の名は、“マネア村の長老”というだッ!!!“マヌケ村の鼻ちょうちん”でも、“ヘタレ村のカンチョー”でもないッ!!!」

 

イシグモ「すみませんね。」

 

コウ「(フン。さらに、わざと名前を間違えて怒りを誘っているぜ。この小僧…!根っからのギャンブラーだな…!!)」

 

イシグモ「“賭け”を続けようか…!さぁ、あなたがコインを入れる番ですよ?“マネア村の長老”?」

 

長老「…ッ!!(ポリポリ…!)」←チョコレートを食べている

 

長老は、先ほど一同に出したチョコレートをかじる・・・!

 

長老「…!(スッ)陰になるからこの位置からやりにくい…!」

 

長老は席を立ちテーブルの右側へ行く・・・森の奥とは言え、このひらけた場所には日光が良く入り込んでいるため長老の言ったとおり先ほどまでグラスは長老の影に入っていた・・・

 

長老「テーブルの右側から入れさせてもらうぞ。」

 

イシグモ「どこからでもお好きにどうぞ?(もっとも、僕のイカサマですでにギリギリの限界点だがねッ!どうやっても入れることはできないよッ!!液面に触るだけで溢れちまうよッ!!!くっふっふっふっ!!!)」

 

長老「(スッ)」

 

サキ「…ッ!」

 

ハナ「ッ!!」

 

コウ「…!」

 

百騎兵「ムキュ?」←わかってない

 

長老「…“もう酒の表面張力は限界、無理だ”と考えているんだろう?」

 

イシグモ「ッ!?」

 

 

 

 

長老「…違うんだな、それが…!(スッ)」

 

 

 

 

 

 

チャポン・・・!

 

 

 

 

 

 

 

イシグモ「ッ!!?」

 

コウ・サキ・ハナ「ッ!!?」

 

長老「(ニヤッ)」

 

なんと、長老の入れたコインがグラスをこぼさす入ってしまった・・・!!!

 

イシグモ「バ、馬鹿なぁッ!!?そんなッ!?まさか…ッ!?溢れないはずは…ッ!!?」

 

長老「何が,”溢れないはずは”なんだね?見てのとおりだ、入れたぞ?(スタスタ…。)」

 

そう言いながら、長老は元の席に悠々と戻る・・・

 

イシグモ「…ッ!!?(バッ!)」←コウを見る

 

イシグモは目の前の出来事に混乱しコウにイカサマを確認しようと見るが・・・!

 

コウ「イカサマをするような妙な動きはしてない…!今コイツは、正々堂々とコインを入れた…!間違いなく、な…ッ!!」

 

イシグモ「(か、確実だったのに…!僕は“あと一枚で確実にこぼれる”ように…!完璧に…!仕組んだのに…ッ!!何故だ…!?一枚たりともはいる訳がないッ!!何故なんだッ!!?)」

 

イシグモの脳裏は、なぜ“溢れるはずのグラス”が溢れないのか、なぜ“イカサマ”が敗れたのか、どうやって奴は“溢れるはずのグラスにコインを入れられた”のかとグルグルと様々な思考がめちゃくちゃに飛び交い、イシグモの精神をかき乱し始めていた・・・!!!

 

長老「Go ahead!Mr.Ishigumo!早くしたまえ…!酒が蒸発するまで待つつもりかね?」

 

イシグモ「グッ…!ハァ…!ハァ…!」

 

しかし、そんなことはお構いなしと言わんばかりに長老はイシグモを催促する・・・!

 

イシグモ「ハァ…!ハァ…!(ガクガク…!)」

 

精神がかき乱れ始めたイシグモの身体はガタガタと震え始めていた・・・!

 

イシグモ「ハァ…ッ!ハァ…ッ!!(スッ!)(ガタガタ…!)」

 

震えた身体では、入れるコインも乱れる・・・!息をと整えようとするも、自分自身がこぼれるようにイカサマしたグラスが目の前にあるせいで余計に乱れる・・・!

 

イシグモ「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!(し、信じられない…ッ!)」

 

目の前の現実を受け止められないイシグモ・・・さらに精神が乱れる・・・!

 

イシグモ「ハァ…l!ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!ウッ!?(ドクン!)」

 

ハナ「あッ!?い、イシグモくんッ!!?」

 

ドォオオオ・・・!!!

 

突如、イシグモの身体からカイと同じく魂が煙のように引き出され、“古の賭博師の誓約書”から無数の黒い手が彼の魂を鷲掴みにする・・・!!!

 

長老「イシグモは、“賭けに負けた”のだ!“自身の心の中で負けを認めた”のだッ!!!だから、“魂”が外に出たッ!!!ギャンブルはこの“マネア村の長老”の勝ちだッ!!!」

 

チリチリ・・・チリチリ・・・

 

長老が勝ち誇ると同時に、それを祝うかのようにそして敗者のイシグモを嘆くようにグラスの酒は零れ落ちた・・・

 

イシグモの魂「カイ君…!すまない…!皆…!不甲斐なくて…ごめん…!!!」

 

ハナ・サキ「「イシグモ(くん)!?」」

 

コウ「小僧ッ!!」

 

グニグニ・・・!グニャグニャ・・・!ビヨ~~~~ンッ!!!バンッ!!!

 

こうして、イシグモの魂もチップにされてしまった・・・!

 

チリン・・・!

 

長老「二個目…!さて、ギャンブルを続けよう…!君たちがこの二人を諦めて尻尾を巻いて私とのギャンブルから逃げ出さない限りね…!フッフッフ…!」

 

コウ「チッ!」

 

サキ「キサマァァァアアアッ!!!(ダッダッダッ!!ガバッ!!!)」

 

長老「グッ!!(ダンッ!)」

 

サキは怒りのままに長老を胸ぐらを掴み、そのまま押し倒す・・・!!!

 

長老「分からないお嬢ちゃんだな!私を殺せば今度は二人の魂が死んでしまうんだよ~?」

 

サキ「クソォッ!!キサマァッ!!!(バッ!!!)」←拳を振り上げる

 

ハナ「サキちゃん、やめてッ!!!(ガバッ!ガシッ!)」←サキの腕を抑える

 

コウ「やめろッ!!水色の小娘ッ!!!」

 

マスター「おいッ!面倒ごとなら店から出っててもらいますぜッ!!」

 

コウ「やかましいッ!!!引っ込んでろッ!!!(ギロッ!!!)」

 

マスター「はいぃぃぃいいいッ!!?」

 

コウ「くッ!(さっきの小僧のイカサマ、完璧だったはず…!一体、何故…?)(ジーッ)」

 

コウもイシグモのイカサマが何故うまくいかなかったのが納得できずにいた・・・恨めしそうに先ほどまで使っていたグラスを調べていると・・・!

 

コウ「ッ!!これは…!(スッ、バチャ!)」

 

コウはグラスの中の酒とコインを全部出し、底の方に何かがこべりついているのを発見する・・・!

 

コウ「まさか…!(バッ!)」

 

コウは今度はイシグモが薙ぎ払った食器やトランプ、そして・・・

 

長老「フッフッフ…!気付くのが遅かったな、コウ君とやら…!」

 

サキ「ッ!コウ!そのグラスに何かあるの!?」

 

コウ「…これがあと一枚、コインが入った理由だ…!チョコレートのほんのわずかな破片がグラスの底についていた…!ゲームに入る前、グラスやコインを調べると言ってその時にくっつけてやがった…!!」

 

長老「承知していたはずだな?“バレなければ、イカサマとは言わない”のだよ!」

 

そう言いながら、長老はサキをどかす・・・

 

サキ「ど、どういうこと?なんで、チョコの破片がコインの入った理由なのよ?」

 

コウ「今は溶けているが、さっきまでは“固体”でグラスにくっついていた…!グラスは気付かないくらい僅かだが傾けさせるために付けたんだ。このチョコレートが溶ければ液面も平らになって力が均一になる。限界だった表面張力も、コイン一枚くらいは入るようになるって訳だ…!」

 

サキ「な、何ですって!?」

 

ハナ「よ、よくわかんないけど…!チョコレートがそんな都合よく溶けてくれるの!?」

 

コウ「(コトッ)…太陽の光だ…!」←グラスを置く

 

ハナ・サキ「え…!?」

 

コウ「気付かなかった…!テーブルを右から入れると言って、直射日光を入れてチョコレートを溶かたんだ…!」

 

長老「フッフッフ…!フッフッフ…!(パッ!パッ!パッ!)」←埃を掃う

 

 

 

コウ「いいだろう…!“マネア村の長老”…!そのトランプカードを取りな!“ポーカー”でカタをつけてやるッ!!!」

 

長老「ん?」

 

サキ「なッ!?」

 

ハナ「こ、コウ君…!?」

 

長老「面白い!“ポーカー”は私が最も得意とするギャンブルの一つだッ!!!」

 

サキ「ポーカーって大丈夫なの!?」

 

ハナ「この人は、頭がいいイシグモ君を出し抜いたんだよ!危険だよッ!!!」

 

コウ「あぁ、わかってる。初めての体験だ。暴力以外でぶちのめさねぇといけない相手ってのは…!!」

 

長老「フッフッフ…!」

 

コウ「だが、このままやられっぱなしって訳にもいかねぇ…ッ!!!(ゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!」)」←殺気全開!!!

 

~数分後~

 

テーブル周辺を片付け、長老とコウが向かい合って座る・・・!

 

コウ「…勝負の前に、少し試しておきたいことがある。」

 

長老「…ん?」

 

コウ「そのカードをシャッフルしてみな。」

 

長老「…ふむ。いいだろう。(スッ)」

 

スッスッ!シャッシャッシャッ!パララララララ・・・!!!トンッ!

 

コウ「…。(ジー…。)」

 

長老は見事な手さばきでカードを切った・・・

 

長老「シャッフルしたが?何をしようというのかね?」

 

ハナ・サキ「?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

コウ「上から何番目でもいい、自分の好きなところのカードをめくってみな。見るのは、自分だけだ。」

 

長老「…?(スッ)」

 

長老は適当な場所のカードを取りその絵柄を見る・・・

 

長老「見たが?」

 

コウ「当ててやろう。スペード♠のA(エース)。」

 

長老「ッ!」

 

長老が見た絵柄は、コウが言ったとおり・・・!

 

スペード♠のA(エース)・・・!

 

コウ「今手に持っているカードを上から全部言うぞ。」

 

コウ「ハート♥の6、ダイヤ♦のキング、ハート♥のA(エース)、クローバー♧の9、スペード♠のクイーン、スペード♠のジャック、色付きのジョーカー、ダイヤ♦の7、クローバー♧の6、ダイヤ♦のA(エース)。」

 

長老「ッ!?」

 

長老は、自身が手に持っているカードをすべて見せる・・・!すると・・・!

 

サキ「なッ!?」

 

ハナ「“全部”、当たってるッ!!?」

 

サキ「カードの混ぜたのは、長老なのに…ッ!?」

 

ハナ「こ、コウ君!?どうやったのッ!?」

 

コウ「…カードは一番上から下まで全部言える。本気になったオレの眼には、シャッフルする瞬間のカードの並びを全部覚えるとこができたんでな…!」

 

サキ「なんて無茶苦茶な…!」

 

ハナ「…!(やっぱ、凄い…!)」

 

長老「なかなか面白い…!だが、そんなのは、カードを切るときに見えないように気をつければいいだけだ。」

 

コウ「わからねぇのか?これからオマエがイカサマするのが容易じゃなくなったってことさ…!それをことわっておきたくてな…!」

 

長老「…GOOD…!」

 

コウ「…さぁ、はじめようぜ…!」

 

長老「…。(スッ)」

 

長老が取り出したのは、新品のトランプカード・・・!

 

長老「私が使っていたカードじゃあイカサマを疑われる。だから、この“セキュリティシール”が貼られた新品のカードを使おう。いいね?」

 

コウ「あぁ、構わねぇ。封はオレが切る。」

 

長老「どうぞ?」

 

ハナ「サキちゃん、セキュリティシールって何?」

 

サキ「新品のトランプについているシールのことよアレが破けてないってことは誰もあのカードには触ってないってことなの。だから、イカサマは仕込まれていないと思うわ。」

 

ハナ「へぇ~。」

 

コウ「(ビリッ!)」←封を切る

 

長老「…。(パラパラ…!)」

 

長老はおもむろに近くの小さなテーブルに置いていた本に手をかけパラパラとページをめくる・・・

 

コウ「(ズラァァァッ!)ジョーカーは一枚、カードに異常はない。ごく普通のカードだ。」←カードを並べる

 

長老「(ピタッ)(ページ数は、652ページ…663?いや、670ページ!)(チラッ)」

 

長老は本をあるページで止め、ページ数を予想する・・・!そして、ページ数を見ると・・・!

 

670・・・!見事、当てていた・・・!!!

 

長老「(フフフ…!今日も絶好調だ!!“触れているだけ”で、上から何ページ目か分かる!コウとやらの視力は確かに凄いかもしれないが、この“マネア村の長老”は目でなく“指”で覚えることができる…!!)」

 

コウ「(スッスッ)」←カードを集める

 

長老「(シャッフルしても、何番目にどのカードが行くかわかるのだ…!!)」

 

コウ「…。」

 

ハナ・サキ「…!!」

 

百騎兵「…。」

 

長老「OK!Open The Game!!!」

 

まず、長老とコウがどちらが先にディーラーをやるのか引いたカードの役の大きさで決める・・・!

 

長老は・・・

 

長老「ハート♥の10。」

 

コウは・・・

 

コウ「スペード♠の6。」

 

長老「先行は私だね。フッフッフ…!(コウにバレない様にシャッフルしないとな…!)」

 

シャッシャッシャッ!!!

 

長老は見事な腕でカードをシャッフルしていく・・・!

 

コウ「…。」

 

長老「(トン!)カットをどうぞ。」←カードをコウの前に置く

 

コウ「(スッ)」

 

長老「(ジー…!)」

 

コウ「(トン!)」

 

コウはたった一回カードを半分適当に取り、上に乗せただけであった・・・

 

コウ「…。(スッ)」←カードを差し出す

 

長老「…。(ニヤッ)(スッ)」←カードを受け取る

 

長老「…では、ディールしよう。」

 

いよいよ、カードが配られる・・・!

 

長老「コウ君へ(スッ)私(スッ)」

 

コウ「…。」

 

長老「コウ君へ(スッ)私(スッ)」

 

コウ「……。」

 

長老「コウ君hコウ「フンッ!!!(ボキィッ!!)」」

 

ハナ・サキ「えぇ!!?」

 

突如、カードを配っていた長老の指をコウが思いっきりへし折った・・・!?

 

長老「があぐぅ…ッ!!?」

 

コウ「…。(ゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!)」

 

ハナ「こ、コウ君!?何やってるの!?」

 

サキ「アンタ、いきなり長老の指をへし折るなんて!?」

 

コウ「言ったはずだぞ。これからの“イカサマ”は見逃さねぇと…!」

 

ハナ「え!?イカサマ!?どこで!?普通に配ってたように見えたけど…!?」

 

サキ「怪しい動きなんてしてなかったわよ?」

 

コウ「いいや、奴が手に持っているカードをよく見てみな。(スッ)」←指差す

 

サキ「?…ッ!!これは…ッ!!この“二番目”からはみ出ているカードは…!!」

 

長老が持っていたカードは、上から二枚目のカードがはみ出していた・・・!

 

コウ「今オレに配ろうとしていたカードだ。“上から順番に配る”ようで、実は“上から二番目の”カード”を配ろうとしてやがった。つまり…!(スッ)」

 

そう言いながら、コウは一番上のカードを取り出し、長老の手持ちのカードをめくる・・・

 

コウ「一番上カードは自分のところに来る…!一番上のカードで、“10のスリーカード”ができてんじゃねぇかッ!!!」

 

サキ「な、何ですって!?」

 

コウ「このイカサマ、知ってるぜ。“セカンドディール”…!」

 

ハナ「せかんどでぃーる?」

 

コウ「“カードは一番上から配られる”っていう心理的な盲点を突き、実は“二番目のカード”を配るっていう高等テクニックのイカサマだ。熟練者の滑らかな指の動きで配られるとまず普通の人間の眼でこれを見破ることは不可能だ。」

 

コウ「しかも、このジジィの狙ったかのような。カードの役…どうやらテメェもどこにどのカードがあるのかわかるみてぇだな…ッ!!」

 

長老「くッ…!!ひ、酷い奴だ…!!ゆ、指をへし折るなんて…ッ!!!」

 

シュッ!トンッ!!

 

長老の目の前でカードがテーブルに突き刺さる・・・!

 

長老「ヒ…ッ!?」

 

コウ「いいや、慈悲深いさ。指を“切断”しなかっただけな…ッ!!(ゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!)」←殺気全開

 

長老「くうぅ…ッ!!!」

 

コウ「ハァ、やれやれ。もうテメェにカードを切らせる訳にはいかねぇな。ディーラーは無関係な奴にやらせるか…。(チラッ)」

 

コウの視線の先には、テントの近くで遊んでいる村の少年がいた・・・

 

コウ「あそこで遊んでいるガキにやらせるか。いいな?」

 

長老「GOOD…!」

 

コウ「水色の小娘、連れてきてくれ。」

 

サキ「私、サキっていうだけど。まぁ、しょうがないわね…。(スタスタ…。)」

 

ハナ「あ!私も行く!」

 

サキとハナは少年を連れてこようと席を外そうとする・・・

 

長老「流石だ。」

 

コウ「あ?」

 

ハナ・サキ「?」

 

長老「イカサマとは“心理的盲点”を突くこと。“目がいい”だけでは、イカサマとはわからない…!わしのセカンドディールを見破るとは、見くびっていたようだ…!!(スルスル…!)」

 

そう言いながら、長老はへし折られた指にハンカチを巻き応急手当する・・・

 

長老「この“指”は、その“罰”として受け入れよう…!!全身全霊を注いでお前との勝負(ゲーム)に挑むとするよ、コウ…ッ!!!」

 

長老「今から約8年と6ヶ月前の午後11時以来の大勝負だ…!あの時は、アマタイヤ王国に住むのとある貴族から奴と奴の一族が所有する財産と魂を奪い取った…。奴は、金持ちで傲慢な貴族だったが、本当に強い男だった…!!!(スッ)」←カイとイシグモのチップ

 

そう言いながら、長老はカイとイシグモのチップを天高く放り投げ、さらに“古の賭博師の誓約書”を掲げる・・・!!!

 

長老「私は、“の魔女マーリカ様の為”に戦いに来たんじゃあないッ!!“生まれついてのギャンブラー”だから戦いに来たんだ…ッ!!!」

 

長老が叫んだ瞬間、誓約書から無数の黒い手が飛び出しカイとイシグモのチップを囲む・・・!!!

 

コウ「ッ!!」

 

サキ「な、何をする気ッ!?」

 

ハナ「カイくんとイシグモくんの魂を…!」

 

ズバッ!

 

黒い手の一つがカイのチップを切り裂くと、カイのチップは二枚に分裂した・・・!?そして・・・!

 

ズババババババ・・・!!!

 

黒い手は次から次へとカイとイシグモのチップを切り裂き、分裂させていく・・・!

 

チリン・・・チリン・・・!

 

最終的にカイとイシグモのチップは、6枚ずつになってしまった・・・!

 

コウ・サキ・ハナ「ッ!!」

 

長老「魂をそれぞれ6枚のチップに分けた。ポーカーとは、自分のカードが相手に負けるかもしれないと判断したら、ゲームを降りていい“賭け”だ。だが、一回ごとに参加料を払うからチップが2枚だと勝負にならないのだ。」

 

長老「“チップを6枚取り戻して”はじめて、“魂を一つ取り戻す”ことにする…。いいね?」

 

コウ「…あぁ。」

 

長老「さて、コウ。“賭けをする”なら、君の方にもチップを渡したいろ思うのだが…まだ、“例の言葉”を聞いてなかったな…!」

 

ハナ・サキ「…ッ!!」

 

百騎兵「…フキュゥ…ッ!!」

 

コウ「…いいだろう…。」

 

 

 

コウ「オレの“魂”を賭けるぜ…ッ!!!」

 

長老「GOOD!」

 

ハナ「コウくん…!」

 

サキ「コウ…!」

 

長老はカバンから6枚の“黒いチップ”を取り出し、コウの前へ置く・・・!

 

長老「その暗闇ように真っ黒なチップがお前の魂の象徴だ…!」

 

コウ「フン。」

 

長老「それを6枚、私が取った時…。お前の“魂”は無くなる…!!!」

 

ハナ・サキ「…!!」

 

百騎兵「ムキュゥ…ッ!!」

 

一同に再び、戦慄が走る・・・!

 

コウ「(ここからが、“本番”だ…ッ!!!)(ゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!)」

 

 

 

~数分後~

 

サキとハナが連れてきた少年にディーラーをやらせ、長老とコウのポーカー対決が切って落とされた・・・!

 

少年「(スッ…スッ…。)」

 

少年はやや緊張気味にカードを配る・・・

 

長老「…フッフッフ…。」

 

コウ「………。」

 

カードを配り終え、互いにチップを出す・・・!

 

長老「まずは、参加料としてカイを1枚払う。フッフッフ…。(チリン!)」

 

コウ「…。(チリン!)」

 

長老「勝負!」

 

ハナ「…ねぇ、サキちゃん。私、ポーカーってよくわからないんだけど…?(ヒソヒソ…。)」

 

サキ「…確か、配られた5枚のカードを1度だけ交換して相手よりいい役を揃えるゲームよ。(ヒソヒソ…。)」

 

ハナ「…役って?(ヒソヒソ…。)」

 

サキ「…私もよく知らないけど、確か同じ数字や絵柄を揃えると役になるはずよ。例えば、スペード♠の2とハート♥の2だと同じ数字でワンペア、これが5枚のうち2個ワンペアあるとツーペアになるわ。他にも、さっきの3つ揃えるとスリーカード、スリーカードとワンペアでフルハウスになるわ!(ヒソヒソ…。)」

 

ハナ「おぉ!サキ凄い!」

 

サキ「いやー…///」

 

メタリカ『オマエラ、ちゃんと見てろ。』

 

ハナ・サキ「はい…。」

 

長老「(お嬢ちゃんたちが何やらポーカーについて話してたようだが、このポーカー、確かに普通のトランプゲームの一つだが、ここに“賭け”の魅力が加わると一変して複雑な心理戦となるゲームでもある…!!)」

 

長老「さて、私は…2枚チェンジしよう。(チリン)」

 

チェンジの際にも、チップを払い長老には新たに2枚のカードが配られる・・・

 

長老「コウ。その黒いチップは、たった6枚でお前の“魂”だ。よーく思案して勝負に来てくれてよ?」

 

少年「え?」

 

サキ「坊や、アンタは何も分からないでいいのよ。何も心配することはない、カードを普通に切って普通に配ってくれるだけでいいのよ?」

 

ハナ「ごめんね?変なことに巻き込んじゃって、後でジュース買ってあげるから。ね?」

 

少年「う、うん…!」

 

コウ「3枚、チェンジ。(チリン)」

 

コウもチップを払い、3枚チェンジする・・・

 

コウ「………。(スッ)」

 

長老「怖い怖い…!その表情…!何かいい手がそろったんじゃないのか?ここは、様子見でカイを1枚払おうか。(チリン)」←チップを払う

 

コウ「コール。(チリン)」←チップを払う

 

サキ「(降りなかったら、ワンゲーム最低3枚必要なのね…!)」

 

長老「よし…!勝負だ、コウ…!(スッ)」

 

コウ「…!(スッ)」

 

お互いにカードを構え、自身の役を見せる・・・!結果は・・・!!

 

 

 

コウ「9と10のツーペア!」

 

長老「…悪いね。」

 

ハナ・サキ「ッ!」

 

長老「ツーペア、ジャックとクイーン!」

 

サキ「なッ!?」

 

勝者は、長老・・・!

 

長老「危ない危ない…!もう少しで負けるとこだったよ…!フッフッフ…!」

 

コウ「………。」

 

長老「では…!(スッ!)」←手を振り上げる

 

ドンッ!!ススス・・・!

 

まるで魂を刈り取るかのように、チップを腕全体でかき集める長老・・・!

 

サキ・ハナ「…!(チラッ!)」←コウのチップを見る

 

サキ「(残り、3枚…!)」

 

ハナ「こ、コウ君…!!」

 

コウ「…。(スッ)」←チップを取る

 

コウ「NextGameだ。配ってくれ。(チリン)」←チップ払う

 

長老「NextGameではなく、ひょっとすると“LastGame”になるかもな…!(チリン)」

 

少年「………。(スッスッ)」

 

両者共に再び開始のチップを払い、少年はカードを配る・・・

 

長老「…。」

 

長老の手札は・・・なんと・・・!

 

スペード♠の5、ハート♥のキング、ダイヤ♦のキング、クローバー♧のキング、スペード♠の3・・・!キングが3枚も入っていた・・・!?

 

長老「1枚、チェンジだ。(チリン)…ん?(チラッ)」

 

チェンジのためにチップを払った長老であったが、ふとコウの方を見る・・・

 

コウ「………。」

 

コウは配られたカードを手に取らずそのまま腕組みをしていた・・・

 

少年「?」

 

ハナ・サキ「?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

コウの行動に一同は、首をかしげる・・・

 

長老「どうした?コウ?早くそのカードを見て、“チェンジ”するか、“降りる”か。決断してほしいがな。」

 

ハナ「コウくん?」

 

コウ「…カードは…。」

 

 

 

 

 

 

コウ「“このまま”でいい…。」

 

 

 

 

 

 

 

ハナ・サキ「えッ!?」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

少年「え…!?」

 

長老「ん!?」

 

コウの発言に一同は驚愕する・・・!

 

長老「えっと…その…。今なんて言ったのかな?聞き間違いかなぁ?“このままでいい”なんて聞こえたが?」

 

コウ「言葉通りだ。“このままでいい”、この5枚のカードで勝負する。」

 

長老「わかっているッ!!(ダンッ!)私が聞いているのは、お前は“カードを見ていないだろう”ということだッ!!!」

 

長老は苛立ちテーブルを強く叩きコウへ問いただす・・・!

 

コウ「…このままでいい。」

 

ハナ・サキ「…ッ!!」

 

長老「ふざけるなよ!答えろッ!!お前はそのカードをめくってもいないのに何故勝負できるッ!!?」

 

コウ「ところで、小娘と水色の小娘、話がある…。」

 

ハナ「話?」

 

サキ「アンタが私たちに話なんて…この場合なんとなく察せるけど。なんで、カードを見ないのよ?」

 

長老「答えろと言ってるんだッ!!コウッ!!!(ダンッ!!)」←テーブルを叩く

 

コウ「残り3枚に加えて…。(スッ)」←チップを差し出す

 

コウ「小娘と水色の小娘の“魂”を全部賭けるッ!!!(ズイッ!!)」

 

コウは新たに12枚の黒いチップを用意し、長老に差し出す・・・!?

 

長老「なッ!?なにぃぃぃいいいッ!!?(ガタッ!!!)」

 

驚きのあまり席を立つ長老・・・!

 

長老「く、くうぅ…ッ!!(スッ)」←席に戻る

 

サキ「マネア村の長老、アンタはクールな男ね。イシグモを出し抜くほどの計算高い行動をとる。腕っぷしはないけど、芯に強い男ね。私は、あんまり賭け事向きな性格はしてないわ。結構、熱くなるタイプなのよ…!!勝負すれば私は負けるわ。悔しいけどね。正直、危なかったしいコイツの言うことを聞くのは癪に障るけど。今は、コイツの力に賭けるしか方法がないのなら、私は迷わずコイツに賭けるわ!私の“魂”だろうとね…ッ!!!」

 

ハナ「私もサキちゃんと同じで賭けとかが得意じゃないし、あんまり知らない。この5枚のカードにどんな意味があるのかもわからない。何より、私は“信じる"ことしか知らない。コウくんは言った“最終的に信じられるのは自分だけだ”、と。けど、それまで、“何を信じる”のかも、自分だけにしか決められない…!!だから、私はコウくんを信じる…!!私が超えたい人だから…ッ!私も“魂”を賭けないで彼を超えるとは思わない…ッ!!!」

 

長老「フッ、こいつはまぁ…。」」

 

コウ「フッ。変わった連中だろ?(だが…。)」

 

コウ「(悪くねぇ…!覚悟だ…!)」

 

サキ・ハナ「(スッ)」

 

サキとハナはコウの後ろにイスを持ってきて腰かける・・・

 

長老「3人ともあまりの緊張感で頭がおかしくなったようだな…?小僧ッ!!」

 

少年「あッ!(ビクッ!)」

 

長老「“1枚チェンジ”と言っただろう!早く寄こせ!」

 

少年「は、はいッ!!(スッ)(ビクビク…!)」

 

少年は怯えながら、長老にカードを1枚渡す・・・!

 

配られたカードは・・・!

 

長老「…。(スッ)(ニヤッ)」←カードをめくる

 

 

 

スペード♠のキング・・・!

 

長老の持ち札は、“スペード♠のキング”、“ハート♥のキング”、“ダイヤ♦のキング”、“クローバー♧のキング”、スペード♠の5の“フォアカード”・・・!?

 

長老「(チラッ)(よし、“よくやった”…!!!)」

 

少年「………。(ニヤッ)」

 

長老が少年に目をやると少年もそれを感じ取ったのか周囲にバレない様にほくそ笑んだ・・・!

 

少年「(長老、あなたの言いつけ通りです…!この旅人のお兄さんには、何も揃っていない“ブタ(ノーペアのこと)”のカードを配りました…!僕の手は絶対です!あなたの勝ちです、間違いありません…!!)(ニヤッ)」

 

長老「(コウは、無関係のこの少年を自分から選んだつもりだろうが、実のこのバーのみならず、“視界に映る全員がこのマネア村の長老の仲間”だ…ッ!!)」

 

長老「(マスターも、客達も…!誰に配らせても間違いない…!!指示通り、コウのカードは“ブタ”だ…!“カードを見もしない”という普通では考えつかない大胆な行動に一瞬、焦った…ッ!!…がッ!)」

 

長老「(“ブラフ”だ…!この私にハッタリをかまそうとは、ふざけやがってッ!!“降りる”とでも思ったか!?このマヌケがッ!!!)」

 

長老は、コウの行動に一瞬焦ったが自身のイカサマを確認し逆にコウに対する怒りを駆り立てていた・・・

 

長老「フッ、いいだろう。3枚に加えて、カイとイシグモの12枚でコール!(スッ)」←チップを差し出す

 

長老「そして、さらに…ッ!!!(バッ!)」

 

コウ・サキ・ハナ「…ッ!!」

 

次の瞬間、長老は驚愕な行動に出る・・・!

 

長老「私の所持金全てをこの6枚のチップにしてレイズするッ!!!(ズイッ!!!)」

 

コウ・サキ・ハナ「なッ!?」

 

長老「全部だ!計21枚ッ!!!」

 

なんと、長老はさらに白いチップを取り出しカイとイシグモのチップと共にレイズしてきた・・・!!?

 

サキ「ちょ、ちょっと、待ちなさいッ!!今更、アンタの金なんかをチップにしても“魂”を賭けたゲームに釣り合う訳がないでしょッ!!!」

 

長老「おっと!何を勘違いしているのかな?コレも立派な“魂”ですよ?」

 

サキ「ふざけるなッ!!どういうことよッ!!」

 

長老「フッフッフ…。家政婦か村人から聞かなかったのですか?この“金が一体、何なのか”を…ッ!!」

 

サキ「何言って…ハッ!!(ピキーン!)」

 

ハナ「あッ!!(ピキーン!)」

 

家政婦『何せ、この村の収入は全部長老の“勝ち金”で養われてんのよ。それがなくなったら、私達全員貧しい暮らしを強いられることになるわ。』

 

サキ「アンタ、まさか…!!」

 

長老「そう、この“金”はすべて私の“勝ち金”…つまり、村の存続に関わる“大切な金”…つまり、この村の“魂”なのです。」

 

サキ「イカれてるわ、アンタ…!自分の村の金でしょ!?」

 

長老「自分の村の金を、村の長である私がどう使おうと勝手でしょ?」

 

ハナ「最低…!」

 

長老「何とでも言ってください。むしろ、そんな大切な金をたったの6枚のチップにしただけ良心的と思いなさい。本来なら、高レートでも100枚以上は行く金額ですよ?それとも、もっと賭けましょうか?」

 

サキ「な、何ですって!?」

 

長老「この6枚のチップに、この…!」

 

 

 

長老「“森の魔女マーリカ様へ続く、魔法の扉を開ける鍵”を賭けましょう!(スッ)」

 

長老は、一同の目の前に森の魔女マーリカへ続く魔法の扉を開ける鍵を見せる・・・!

 

長老「村の魂である私の“勝ち金”と、あなた方が欲している“鍵”!これをこの6枚のチップに賭けましょう!これで文句はありませんね?」

 

サキ「くッ…!!だとしてもよ!もう、コウには賭けるチップがないのよッ!!」

 

長老「“無い”だって?あるじゃあないか…!」

 

サキ「何のことよ…!」

 

長老「フッフッフ…。なーに、ちょっとした証明のために一筆書いてもらうだけさ。それで、“古の賭博師の誓約書”の効果は問題なく発動できる。(スッ)」

 

そう言って、長老は紙とペンを取り出す・・・

 

サキ「だから、何のことを言っているのよッ!!!」

 

長老「フッフッフ…!そこにいる、“マナニアの魂”があるじゃあないか…ッ!!!」

 

サキ「なッ!?」

 

ハナ「百騎兵ちゃんの“魂”を…!?」

 

長老「そこの“百騎兵”とかいうマナニアはどうやら言葉を発せないようだからね。この紙に署名してくれれば、誓約書の効果は発動できる。どうかな?そこの“百騎兵の魂”を賭けるなら、チップをやってもいいがね…?フッフッフ…!(マーリカ様から聞いたが、このコウと百騎兵とかいうマナニアは、短い間ながらも一緒に行動し、戦いの際にも見事な連携が取れている。他の4人の比べて圧倒的に一番信頼を寄せている存在なのは確実、そこを突けば…!)」

 

コウ「………!」

 

長老「(さぁ、ビビるぞぉ…!どんどん自信を失っていくぞぉ…!その冷静な態度が崩れていくのがわかる…!この“マネア村の長老”にハッタリなどかましおって、そのポーカーフェイスをゲドゲドの恐怖面にして敗北させないと気が済まん…!!!)(ニヤニヤ…!)」

 

長老は、コウが恐怖におびえ、冷静さを失い自身の前で敗北する光景を想像し思わず笑みがこぼれる・・・!

 

 

 

 

しかし・・・!

 

コウ「…。(チラッ)」

 

百騎兵「…。(コクン)」

 

コウ「…いいだろう。(スッ)」

 

 

 

 

ダンッ!!

 

コウ「百騎兵の“魂”も賭けようッ!!!」

 

長老「んぐ…ッ!!?」

 

コウは一片の迷いなく、百騎兵の魂を賭け、チップを突き出す・・・!

 

ハナ「こ、コウくんッ!!?」

 

サキ「アンタ、百騎兵の魂なのよッ!!?」

 

コウ「メタリカ、そっちからコッチの世界の言語で『私が賭けに負けた場合、百騎兵の魂を差し上げます』って書くことは可能か?」

 

メタリカ『それくらいだったら、カンタンだ。』

 

そう言って、メタリカはコウを通じてコウの手を動かし、紙に署名していく・・・!

 

サキ「ちょっと、メタリカまでッ!?」

 

ハナ「百騎兵ちゃんもいいのッ!!?」

 

百騎兵「ワキャッ!!(コクン)」

 

コウの行動に、サキとハナも混乱する・・・

 

メタリカ『終わったぞ。』

 

コウ「サンキューな。」

 

サキ「コウ…!アンタ…!」

 

コウ「勝手すぎるか…?(スッ…バチンッ!)」

 

長老「なッ!?」

 

コウ「フゥー…。」

 

コウはどこから持ってきたのか、タバコを咥え、指を高速にスナップして火をつけた・・・!その光景に、長老は驚愕する・・・!

 

長老「オイッ!コウッ!!今、何をしたんだッ!?」

 

コウ「“何をした”って、何のことだ?」

 

長老「い、今タバコを…!!く、くぅ…!!」

 

コウ「どうかしたのか?気分でも悪ぃのか?」

 

長老「(こ、コイツ…!この“自信”…!!コイツ、まさか…!私が気づかぬ瞬間、素早く動いて“カードのすり替え”を…!?先程、指をへし折られたとき、折られる瞬間まで“全く気付かなかった”…!!それなら、あるいは…!いや、待て…!!)」

 

長老は、コウがすり替えをしたかどうか脳裏で整理しようとする・・・しかし、コウの人間離れした身体能力を身をもって体験した長老はなかなかその答えを出せす逆に余計に困惑していく・・・!

 

コウと長老、2人の空間に緊張が走る・・・!

 

少年「ハァ…ッ!ハァ…ッ!!(チラッ)」←長老を見る

 

長老「(ッ!?ば、馬鹿野郎ッ!このガキッ!私に心配そうな眼差しを送るんじゃあない…ッ!!)(スッ!)」←顔を背ける

 

コウ「………。」

 

長老「(もし、私の仲間だとバレたらブチ殺すぞッ!!このトンチキがッ!!!ったく…!!)」

 

長老「ハァ…ッ!ハァ…ッ!(落ち着け、私のカードは、“キングのフォアカード”…!コレより強い手は、“エースAのフォアカード”と、“ストレートフラッシュ”、そして“ジョーカー”を入れた“ファイブカード”しかない…!!)」

 

長老は、何とか冷静さを保ちつつ、思案する・・・

 

長老「(札を見もしないコウが、“すり替え”よってこれらの手を揃えるとしたら、“5枚全部をすり替えなければならない”…!いくら、コウが人間離れした素早さを持っていようが、1枚ならともかく“5枚全部”をこのわしに全く気づかれずにすり替えらえるだろうか…!!ズバリ!“できる訳がない…!!!)」

 

長老の中で答えが出た・・・!

 

長老「(“5枚全部”をこの百戦錬磨の“マネア村の長老”が眼に触れられるずにできる訳がない…ッ!!!)」

 

長老「(よーし!コウ!勝負に出でやろうじゃないか…!“タバコに火をつける”など、無駄なハッタリをしおって…!!)…んッ!?」

 

コウ「…。(ズズズ…。)」

 

長老の眼には、いつの間にかタバコを離し、紅茶を飲んでいるコウの姿が映っていた・・・!

 

長老「キィィイッ!!?こ、ここ、コイツ、紅茶をいつの間に…!?」

 

コウ「…フゥー。(スッ)」←再び、タバコを咥える

 

長老「き、貴様ッ!舐めやがってッ!!いいだろうッ!!勝負だッ!!私のカードは…ッ!!!コウ「待ちな。」ウッ…!?」

 

長老が手札を見せようとした瞬間、コウは長老を止める・・・そして、次の瞬間・・・!

 

 

 

コウ「オレの“レイズの権利”がまだ済んでないぜ?」

 

長老「え…!?」

 

少年「な…ッ!!?」

 

ハナ・サキ「なッ!!?」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

長老「レ、レレレレレレ“レイズ”だとッ!!?もう賭けるものがな…ッ!!!」

 

コウ「………!(スッ!)」←チップを振り上げる

 

 

 

 

 

ドンッ!!!

 

コウは、チップを力強く差し出し、宣言する・・・!!!

 

コウ「賭けるのは、オレ達の主…“沼の魔女メタリカの魂”だ…ッ!!!」

 

長老「なぁぁぁにぃぃぃいいいッ!!?」

 

サキ「メタリカのって!?コウ、自分が今なんて言ったのかわかってんのッ!!?」

 

ハナ「メタリカちゃんの魂をそんな勝手に…!!?」

 

コウ「………。(スッ)」←立ち上がる

 

 

 

バンッ!!!

 

コウはテーブルを思いっきり叩き、長老を睨む・・・!

 

コウ「ここへ来る前、メタリカにある質問をした………。」

 

 

 

 

~回想・マネア村直前~

 

コウ「オマエは、それを成し遂げるために命を賭けられるか?」

 

メタリカ『………。』

 

 

 

メタリカ『ハンッ!馬鹿馬鹿しい、誰があのクソ女と共に心中などするかッ!!!』

 

コウ「そうか。」

 

メタリカ『だが…。』

 

コウ「ん?」

 

 

 

 

メタリカ『そうしなければあの女を殺せないというのであれば…賭けてやろう…!!!』

 

 

 

 

コウ「ほう?何故だ?」

 

メタリカ『私にとって死などどうでもいいことだからだ。私は何としてでも使命を果たす…!そのために利用できるものは全て利用する…!!自分の命だろうが何だろうがな…!!!私は、全てを沼で満たし、全てを手に入れる…!!!まず、そのためには、あのクソ〇✕%%(ピー)女から“自由”を手にすることからだッ!!!キッヒッヒッ!!!』

 

コウ「フン。そうかい。」

 

メタリカ『だからこそ、オマエラ百騎兵を召喚したのだ!キリキリ働き、自由を勝ち取ってこいッ!!!』

 

コウ「へいへい、わかったよ。」

 

メタリカ『と言っても、私は死なんがなッ!!!キッヒッヒッ!!!』

 

コウ「ハァ…。やれやれ…。」

 

~回想。終了~

 

コウ「アイツは、ふざけているようで自由を手にするために、自身の使命とやらを果たすために、自分の命だろうが賭ける覚悟を持っていた…!!!」

 

ハナ・サキ「…ッ!!」

 

コウ「オレ達は、そんなアイツの命令で“森の魔女マーリカのミシルシ”を持ってこなきゃならねぇ。だから、その道を切り開くためにこの博打で自分の“魂”を賭けようが、オレに文句は言えねぇ…ッ!!!」

 

メタリカ『………。』

 

サキ「め、メタリカ…!」

 

メタリカ『キッヒッヒッ!オマエ、私の魂を賭けるなら当然勝てるんだろうな…!いいだろう!面白い!賭けてやる!私の魂ッ!!!』

 

ハナ「えぇ!?いいの~ッ!!?」

 

コウ「さぁ、長老…!オマエにも、“メタリカの魂”に見合ったものを賭けてもらうぞ…!!」

 

長老「く…ッ!!?ハァ…ッ!ハァ…ッ!!」

 

 

 

 

コウ「テメェには、“森の魔女マーリカの秘密”の全てを話してもらう…ッ!!!」

 

長老「うおおおわあああぁぁぁ~~~…ッ!!?(ドサッ!!!)」

 

コウの『マーリカの秘密を全て話してもらう』という発言に、長老は怯えたようにイスから転げ落ちた・・・!!?

 

長老「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!」

 

少年「…ッ!!」

 

ハナ・サキ「…ッ!!!」

 

百騎兵「ムキュ?」

 

長老の反応に、ハナとサキ、そして少年も唖然となる・・・!(百騎兵はよくわかってない)

 

サキ「ハァ…ッ!ハァ…ッ!!(こ、この“態度”…ッ!!こいつ、マーリカについて何か秘密を知ってるわね…ッ!?けど、そんなことしたら…ッ!!)」

 

メタリカ『キヒヒ…!ただでさえ、盗賊団のことを野放しにしておいて、村の収入が博打の勝ち金なのをいいことに、村を放っておいて好き勝手博打をやったうえに、ここで村の守護する魔女様のことまで売って負けたら…!!キッヒッヒッ!もう誰もコイツのことを“長老”なんて呼べないなッ!!!』

 

サキ「ハァ…ッ!ハァ…ッ!(そう、そうなればもう長老に居場所は…“無い”…ッ!!!)」

 

ハナ「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!(コウくん…ここまで自信があるなら、“絶対に勝てる”ってことでいいんだよね?そう思っていいんだよねッ!?その“カード”は強いんだよねッ!!?コウくんッ!!!)(チラッ)」←コウを見つめる

 

長老「あぁ…!あぁ~…ッ!!(ハァ…ッ!ハァ…ッ!)(ワナワナ…!)」

 

少年「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!」

 

長老の震える姿を見た少年は、さらに息が上がる・・・!

 

コウ「(プッ!)」

 

ダンッ!!ギシィッ!!!

 

コウは、吸っていたタバコを吐き出し、足で思いっきりタバコを踏みにじり火を消し、叫ぶ・・・!!!

 

 

 

コウ「さぁッ!“賭ける”のか!?“賭けない”のか!?はっきり言葉に出して言いやがれッ!!長老ッ!!!(ドンッ!!!)」

 

長老「う、うぅ、うわあああぁぁぁあああ~~~~~~…ッ!!!」

 

コウの叫びに、長老はさらに震える・・・!

 

長老「う、うぅううう…ッ!!!(クシャッ!!!)(ヨロヨロ…。)」

 

長老は手に持っているカードを握りつぶし、ヨロヨロと立ち上がろうとする・・・!その表情は、汗だか涎だか、わからないほど吹き出し、息は絶え絶え、眼の焦点もおぼつかない・・・中年風の長老だったが、この瞬間からだんだん老けていってように見える・・・

 

長老「う、うぐぐぐ…ッ!!オォ…!ぐっふう…ッ!!ハァ…ッ!ハァ…ッ!!(ヨロヨロ…!)」

 

それでも、なんとか気力のみで立ち上がろうとする長老・・・

 

長老「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!(へ、へっへっへ…!言ってやるぅ~…!!)」

 

少年「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!ハァ…ッ!!!」

 

サキ「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!ハァ…ッ!!!」

 

ハナ「ハァ…ッ!!ハァ…ッ!!!ハァ…ッ!!!」

 

百騎兵「………。」

 

コウ「………。」

 

長老が立ち上がる度に、コウと百騎兵以外のもの息がさらに乱れまくる・・・!!!

 

長老「言ってやるぞオオオォォォ~~~~~~ッ!!!(ドンッ!!!)」

 

長老は気力を振り絞り、勢いそのままにテーブルを叩きつける・・・!!!

 

長老「(ヒィ~…ッ!!言ってやるッ!!!わしは最強のギャンブラーじゃあああぁぁぁ~~~~~~ッ!!!)」

 

コウ「………。」

 

長老「(受けてやるッ!!!“コール”してやるぅぅぅううう~~~~~~ッ!!!!!!)」

 

コウ「………。」

 

長老「(コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!コール…!…!“コール”というぞォォォオオオ~~~~~~ッ!!!)」

 

長老はここの中で“コール”と連発し声に出そうそする・・・

 

 

 

が・・・!

 

長老「コォ…!……!……!」

 

コウ「………。」

 

長老「…!………!…………!」

 

なぜか、長老は“コール”と言えない・・・さらに・・・!

 

少年・ハナ・サキ「ッ!!?」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

コウ「………。」

 

一同から見た長老は、だんだんやつれていき、そして、だんだん髪が白くなっていく・・・!

 

長老「………!……!…………!(だ、ダメだ…!恐ろしい…!声が出せない…ッ!!ビビちまって、声が、でない…ッ!!!)」

 

あまりの緊張、そして恐怖で身が震え、声が出せない・・・そして・・・!

 

長老「…ッ!………ッ!!………ッ!!!(い、息が…!!息がぁあ…ッ!!!)」

 

少年「ッ!!?」

 

ハナ・サキ「あッ!!?」

 

百騎兵「…ワキャッ!」

 

コウ「………フッ。」

 

 

 

 

長老「………コォ…!」

 

そこには、文字通り“真っ白”になった長老がいた・・・

 

サキ「こ、コイツ…!白目をむいている…ッ!?」

 

少年「ひいいぃぃッ!!?立ったまま気を失っているぅぅぅうううッ!!?」

 

コウ「あまりの緊張で気を失ったようだな。」

 

長老「………。(フラッ…ドササッ!!)」

 

気絶した長老はそのままテーブルに持たれながら倒れた・・・テーブルに置いてあった、チップ、カードが散乱し、そして・・・“古の賭博師の誓約書”も宙を舞い・・・次の瞬間・・・!

 

パチパチ・・・!パチパチ・・・!ゴオオオォォォォ・・・!!!ギィエエエアアアァァァ・・・!!!

 

突如、“誓約書”が燃え上がった・・・!炎と共に誓約書からおぞましい叫び声が響き渡る・・・!!!

 

コウ「“古の賭博師の誓約書”とやらも、コイツが負けてその効力を失くしたようだな。」

 

ハナ「あッ!てことは…!!(バッ!)」

 

ハナがカイとイシグモの方を見ると・・・!

 

モクモク・・・!モクモク・・・!スゥーーー・・・!

 

サキ「あの変態とイシグモの魂が戻ってくるわッ!!」

 

カイとイシグモのチップから魂が煙のように立ち込め、それぞれ元の身体へ戻っていった・・・!!!

 

カイ・イシグモ「う、う~ん…?」

 

ハナ「カイくん!イシグモくん!良かったッ!!」

 

コウ「心の中で、コイツは“賭け”を降りた。負けを認めたから、誓約書も無くなり、コイツラの魂も戻ってきた訳だな。」

 

サキ「…ッ!!フォ、フォアカード…ッ!?長老の手は、“キングのフォアカード”だわ…ッ!!?」

 

サキは、倒れた長老が握っていたカードを見て驚愕する・・・!

 

サキ「コ、コウ…!アンタの手は、アンタの自身のこの“手札”は一体何なの…ッ!?(スッ!)」

 

そう言いながら、サキはテーブルに引っかかっていたコウの手札を拾い見る・・・!そこには・・・!

 

サキ「ハァッ!!?」

 

少年「あぁッ!!?や、“やっぱり”…ッ!!?(ドサッ!)」←座り込む

 

サキ「あ、あぁ…ッ!!(ヨロッ…)」

 

サキは、コウを手札を見て思わずよろめく・・・

 

 

 

 

少年「配られていたのは、“ブタ”だぁぁぁあああッ!!?」

 

コウ「いくらオレが、素早く動こうがこの長老の眼を盗んでイカサマは不可能だ。ビビらせて脅す作戦だったんだが、まさか“ブタ”だったとはな…。やれやれ、知ってたらゾッとするな…。」

 

サキ「ゾッとしたって…!!?こ、コウッ!!アンタ、ブタのカードにあれだけ賭けたのッ!!?」

 

カイ「う~ん?何があったんだ?」

 

イシグモ「記憶がハッキリしない…!」

 

ハナ「アハハ…;」

 

メタリカ『キッヒッヒ…!なかなかぶっ飛んだ奴だ…!!アーッハッハッハッ!!キーッヒッヒッヒッ!!!』

 

カイとイシグモは魂をい取られていた為、状況が理解できず困惑し、ハナとサキはコウの行動に呆れかえり、メタリカはコウのぶっ飛んだ行動を腹を抱えて爆笑する・・・!

 

そして、もう一人、“笑うもの”がいた・・・!

 

 

 

長老「ヒヒ…!フヒッヒッヒッヒッヒッ!うえっへへっへっへっへっへッ!!ぶひゃひゃひゃひゃひゃ…ッ!!!」

 

その主は、壊れたように笑う長老であった・・・そして・・・!

 

ガタガタ・・・!ガタガタ・・・!ボワワワアアアァァァ~~~~~~・・・!!!

 

長老が持っていた魂のチップが入ったコレクションブックから、無数の魂が解放されていく・・・!!!

 

ハナ「わあぁ…!」

 

コウ「奴のコレクションも、全員あるべき場所に戻ったようだな。」

 

長老「そ~れッ!みんなぁ、また遊ぼうよぉ~!バックギャモンも楽しいし、サイコロもスリルあるよぉ~!僕が一番だろうけどさぁ~ッ!!!」

 

長老は緊張の糸がプッツリと切れ、幼児退行していた・・・

 

サキ「…この様子じゃあ、もうマーリカの秘密について聞きだせないわね。」

 

コウ「あぁ、収穫ゼロってわけでもない…。(ゴソゴソ…。)」←何かを漁る

 

サキ「どういうこと?」

 

コウ「…コイツが手に入っただろ?(スッ)」

 

そう言いながら、コウは一同に“魔法の扉を開ける鍵”を

 

ハナ「あ!」

 

サキ「ソレって!?」

 

コウ「コイツはオレとのゲームの際に確かに言った…!」

 

長老『“森の魔女マーリカ様へ続く、魔法の扉を開ける鍵”を賭けましょう!』

 

コウ「だから、これは勝ったオレのものだ。ついでに…。(スッ)」←鍵を持つ

 

コウ「この“金”も、オレのものだ…!(スッ)」←麻袋を持つ

 

コウが手に持っていたのは、長老の持ち金が入った麻袋だった・・・!

 

ハナ「ちょっと!コウくん!そのお金は…!!」

 

コウ「あぁ、元々この村の存続に関わる金だろ?」

 

 

 

コウ「だからどうした?」

 

 

 

サキ「なッ!?」

 

コウ「これはもうオレのものだ。何使うが、オレの勝手だ…!(クルッ)」

 

コウはそう言いながら、長老の勝ち金が入った大きな麻袋を手に店を後にしようとする・・・

 

ハナ「こ、コウくん…!」

 

コウ「そうだ、マスター。これはタバコと紅茶の駄賃、ついでにそこのガキにジュースでも出しな。つりは取っときな…!(ガシッ、バッ!)」

 

チャリン・・・チャリン・・・!

 

コウは大きな麻袋の中からShellを無造作に取り出し、マスターへばら撒く・・・!

 

マスター「お、オォ!!毎度、ありがとうございます…!へへへ!今後とも、ごひいきに…!へっへっへ…!!」

 

コウ「じゃあな。」

 

コウは黄昏の盗賊団のアジトを去っていった・・・!

 

ハナ「あッ!ちょっと、コウくーーーんッ!!?待ってよぉーーーッ!!!(ダッダッダッ!!!)」

 

サキ「アンタ達も早く起きなさい!追うわよッ!!」

 

イシグモ「よくわからないけど、わかったッ!」

 

カイ「なんか今回も散々な目に合ってる気がする…!」

 

百騎兵「…ムキュ?」

 

他のものも、コウ後を追い黄昏の盗賊団のアジトを後にする・・・

 

 

 

~マネア村・長老の家前~

 

コウ「………。」

 

コウは、マネア村の長老の家の前に佇んでいた・・・

 

サキ「コウ!やっと、追いついたわよ!!」

 

ハナ「そのお金を返してッ!!」

 

コウ「“返す”だと?何度も言ってる通り、これはもう“オレ”のものなんだ。何に使うのかも、オレが決める。」

 

ハナ「そのお金は、この村にとって大事なお金なのよ!それを自分勝手に使うなんてあの長老と同じことをしようとしてるのよ!?」

 

コウ「だろうな。だがな、オレはあのクソジジィとは違う。この金は、あるべきところ、あるべき場所にやってきた。だから、オレはそれを実行するだけだ。」

 

ハナ「どういうこと?」

 

ガチャ・・・!

 

家政婦「なんだい?家の前で騒々しい、ってあら?あなた達…?」

 

長老の家から家政婦が何事かと扉を開けて出てくる・・・

 

コウ「ほらよ。(スッ)」

 

ジャリ・・・!

 

そう言って、コウは大きな麻袋を家政婦の前に置く・・・

 

家政婦「ん?なんだい?この袋…?(ゴソッ)…ッ!!?」

 

家政婦が大きな麻袋を開けるとそこには大量のShellが入っていた・・・!

 

家政婦「こ、これは…!アンタ、これって…!?」

 

コウ「賭けに勝ったんだが、多すぎて持ち運べなくてな。邪魔なだけだから、好きに使っとけ。(タッタッタ)」

 

そう言い残し、コウはマーリカへ続く魔法の扉の方へ向かう・・・

 

ハナ「コウくん…!」

 

コウ「言っただろ?これはもうオレの金、“オレが何に使うか、オレが決める”ってな。(スタスタ…。)」

 

コウは振り返らず、そのまま歩き去っていった・・・

 

 

 

ハナ「………。」

 

サキ「アイツ、結構しっかりしてんのね。」

 

ハナ「…フフ。(クスッ)」

 

サキ「ハナちゃん?」

 

ハナ「…なんだか、安心しちゃった。やっぱ、コウくんは悪い人じゃない。ただ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「………フッ。(ニヤッ)(スタスタ…。)」

 

ハナ「素直じゃないんだ…!(ニカッ!)」

 

 

 

 

 

 

魂を刈り取るギャンブラー・“マネア村の長老”を倒した百騎兵たち一同・・・

 

“森の魔女マーリカ”へ続く魔法の扉を開ける鍵を手に入れ突き進む・・・!

 

果たして、この先に一体試練が待ち受けているのか・・・!

 

森の魔女マーリカのミシルシは手に入るのか・・・!!!

 

 

 

 

 

 

カイ「結局、今回もロクな目に合わなかったぜ。」←魔物の激突を喰らう、サキにブッ叩かれる、魂を抜かれる

 

イシグモ「僕も、今回はひどい目にあってばかりだよ。」←カイとサキの喧嘩に巻き込まれてボコられる、魂を抜かれる

 

百騎兵「ワキャッ!(プンプン!)」←イシグモの酒代に有り金全部すられる

 

 

 

この始末☆

 

はてさて、この先どうなりますことやら・・・

 




あイタタ・・・!ホント、容赦ないなぁ・・・

コウ「クソ!まだ生きていたのか…!」

何度でも、蘇るさ・・・!

カイ「しぶといというか、逆に逞しいな。」

いや~・・・///

カイ「褒めてねぇよ。」

イシグモ「こんな感じ2021年も不定期に投稿していきますので、気長に待っててくれると幸いです。」

ハナ「良かったら、また見てくださいッ!!!」

百騎兵「ワキャッ!!!」

サキ「ほら、イシグモやハナちゃん、百騎兵もあぁやってちゃんとしてるわよ。作者のアンタもちゃんとできるだけ早く投稿できるようになりなさいッ!!」

・・・



・・・だが、断る!(キリッ!)

一同「くたばれぇぇぇええええええッ!!!」

デデーン☆・・・!!!

ギャアアアァァァ・・・!!!



改めまして、今年もよろしくお願い致します!!!
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