君を絶望の運命から救い出す道を   作:よーか

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序章

両親は、僕が物心つく前に事故で亡くなった。詳しいことは何も、誰も教えてはくれなかったし、当時の僕が聞いてもおそらくは理解できなかっただろうと思う。お母さんとお父さんがもういないという現実をぼんやりと理解するのにも、とても時間がかかった程だ。

二人の葬儀が終わって墓地を後にして、家に着いた辺りでふいに泣き出した。

 

ーーねえ!あの子誰が育てるの?

 

ーーわ、私は嫌よ!兄さんが育てるべきでしょ!

 

ーーなんで俺なんだよ!

 

そんな話がきこえてきて、家に戻っても両親がいないこと、これから独りだということをようやく理解したんだった。

 

どしようもなく泣き続ける僕を、暖かく抱き締めてくれる誰かがいた。

 

「大丈夫。あなたは独りじゃないわ」

 

そう言いながら、僕を抱き締めてくれたのはーープレシア・テスタロッサ。両親の古い友人だった。最近は交流が無かったらしいが、二人の訃報を聞いて駆け付けてくれたのだった。

それから、親族たちの醜い押し付け合いをよそに、赤の他人であるはずのプレシアさんは僕を引き取って育ててくれた。その時の温もりを、孤独から救ってくれた彼女への恩を、僕は忘れない。

 

彼女には、僕と同い年の娘がいた。

 

「こんにちは!君がユウキ? 私はアリシア!これからよろしくね!」

 

その子の名前はアリシア。綺麗な金髪。活発で素直な女の子だった。

彼女は、まるで弟が出来たみたい! とはしゃいでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、プレシアさんは仕事が忙しくなり、帰りが遅くなるようになった。研究職に就いていて日によっては帰れないこともあった。必然的に二人でいる時間が多くなった。

 

「ねえ、ユウキ。ママは私たちよりお仕事の方が大事なのかな?」

 

アリシアは最近寂しそうにしてることが多くなった。プレシアさんの帰りが遅く、夕飯を一緒に食べることすら難しくなっていたことが原因だと思われる。

 

「そんなことないよ。プレシアさんはアリシアのためにお仕事を頑張ってるんだって。今は忙しいだけで、きっとその内アリシアと一緒の時間も増えるはずだよ!」

 

「そうかなぁ?」

 

「そうだよ!プレシアさんを信じようよ」

 

「うん……。でもねユウキ、そこは私のためじゃなくて私たちのためだと思うよ?」

 

そう言って笑いながらも、アリシアはやっぱり寂しそうにしていた。

その夜、アリシアはプレシアにそのことを話した。

 

「来週実験があってね。それが済んだら少しお休みを貰えるわ」

 

「ほんと?」

 

「うん、きっと」

 

「みんなでピクニックいける?」

 

「何処へでもいけるわよ」

 

「約束、だよ?」

 

「うん、約束」

 

プレシアは、アリシアをやさしく抱きしめた。そっと、ずっと愛しそうに。

 

 

 

 

 

 

 

 

魔導炉の暴走事故が起きたのは、その次の週のことだった。安全確認の不足が招いた事故だった。幸いなことに、犠牲者はほとんど出なかったらしい。

 

 

ーーただ1人を除いて。

 

 

僕たちの運命を大きく狂わせることになる事故。

 

 

その日、僕は愛しい家族をまた失った。

 

 

 

 

 




プロローグ1でした。もう一話だけプロローグ書きます。アニメを小説に落として二次創作するの難しいですね汗
本編もぼちぼち投稿していくつもりです。
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