皮肉な僕のヒーローアカデミア   作:ゆず1252

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久しく投稿するので慣らし作品です。好評だったら長く続けるつもりです!


夢はヒーローだった

僕の夢はヒーローだった。

世界に個性という能力が蔓延る今の世の中、その個性を使って助ける正義の味方に憧れていた。

 

凄いパワーを、カッコイイ変身、電気、炎、氷、エスパー、なんでも良かった。

 

ただ世界は残酷で皆に平等にとはならなかった。

 

逆になぜ気づけなかったのだろうか..。僕にもカッコイイ個性があるだなんて思い込んでいたあの頃が懐かしい。平等だなんて言葉が成り立ってしまったらヒーローは要らない。

僕の場合気づくのも調べるのも少し遅かった。4歳になっても個性が発生せず、いつか分かる!だなんて希望的観測に身を任せ、6歳になっても発生しなかった。医師に相談しても無個性特有の足の指の骨は個性があるタイプの骨の構造をしていると何度も言われた..。

 

あぁ..。無個性だと思ってた?いや違うんだ。個性はある。ちゃんと持ってるよ。9歳の頃に発生した。

 

なら何故夢が過去形なのかって?それはヒーロー向きじゃないから。明らかなヴィラン、敵向きの個性。自分を過大評価するわけじゃないけど恐らくヒーローだって容易く殺せる。

 

だけど僕は夢を諦められなかったのか個性を偽ってヒーローを目指してる。そんなことをしてもすぐバレると思われるけどそうでもない。なぜなら僕の個性の一部を個性と言っているからだ。

 

「みんな進路希望は決めたかい?」

 

そうか..。もうそんな時期か。そんな分かりきったこと聞いたところでヒーロー科を目指すに決まってるだろ。

 

「爆豪は雄英を受けるんだってな!」

 

爆豪..口癖が死ね、殺す。確か小学校から知ってるが、そのくらいしか覚えていないくらいの認知度。ヒーロー目指すなら口癖どうにかしなよ。

 

「そう言えばもう1人雄英を受けるやつがいたな。..あぁ、緑谷か。」

 

その瞬間..爆笑だった。爆豪の後に爆笑..上手いこと言えだなんて誰が言ったよ。

 

まあそりゃそうか。無個性だもんね、緑谷は。爆豪その目やめてやれ。人1人くらい殺しそうだぞ。

 

「それと..胞。お前は早く進路希望出せよ?もうそろそろ決めなきゃどこも行けなくなるからな。」

 

「..はい。」

 

皆僕の名前を、ほう、だと思ったでしょ。そうじゃなくて、えなって読むんだよ。フルネームは、胞 惡性。あくせいって読む。

 

「オイデクゥ!!どういう事だおい!」

 

始まったか。

 

「か、かっちゃん..」

 

「無個性の癖して雄英だぁ!?夢見んのも大概にしろ!クソナード!!」

 

「む、無個性だからって..行けないだなんて、誰も言ってない!」

 

「アァ!?」

 

緑谷と一緒に帰りたかったけど..帰るか。

 

「おい待てよ白髪野郎..。」

 

「もしかして..僕の事?」

 

「お前以外に誰がいんだよ。」

 

「白髪はやめてくれ。一応気にはしてるんだからさ」

 

知らない人が聞いたらオヤジみたいだから嫌なんだよ。

 

「それで..何?爆豪」

 

「進路希望..まさか雄英にするつもりじゃねーだろうな?」

 

「さぁね..。まだ決めてないからなんとも言えないよ。」

 

「..ちっ。お前らは道に転がってる石ころに変わんねーんだ。俺の歩く道の邪魔をするんじゃねぇ。」

 

言いたい事だけ言って帰りやがったよ。

 

「ごめんね..巻き込んじゃって。」

 

「いいよ気にしないで。爆豪の性格は分かってるつもりだから。」

 

「ねぇ..あっくんは、無個性じゃヒーローになれないって思う?」

 

「難しいだろうな。」

 

「..そっか。」

 

「夢ってのは努力しなきゃ掴めないものだ。それが個性だろうと無個性だろうとな。」

 

「それって..どういう意味?」

 

「あー、つまりアレだ。なれるなれないじゃなくて、そのなりたいって気持ちが大切ってことだ。それがなきゃスタートラインにすら立てないからな。」

 

「なりたい気持ち、か。うん!ありがとう!なんか気持ちが楽になったよ!」

 

単純か..こいつ。将来が心配だな。

 

「そうか。頑張れよ。早く帰ろうぜ緑谷。」

 

 

 

 

 

 

「あ、僕こっちだから。」

 

「あぁ。また明日な。」

 

じゃあ、と帰ろうとした時

 

「あっくん!」

 

「どうした?」

 

あの、えっと、となにか悩みながら言葉をつなぐ

 

「あっくんも..なろうよ!ヒーローに!僕が言うのも変だけど立派な個性を持ってるじゃないか!」

 

「俺は..いや、うん。考えとくよ。」

 

 

緑谷..ありがとう。その気持ちは凄く嬉しいよ。

 

 

「ううん、いいんだ。僕は君に何度も救われた。無愛想でたった一言二言だったけど、それでも救われた。そういう事が出来る君には絶対にヒーローになって欲しいって思ってる。」

 

「無愛想で悪かったな。」

 

 

緑谷..お前は勘違いしている。

 

 

「性格なんて関係ないよ。個性だって回復系の個性だけど細胞操作の個性は多様性がすごいし、戦闘の場面でも応用は聞くし、アシストにもなる。それに..」

 

「緑谷ストップ。」

 

「あ、ごめん。つい..」

 

 

緑谷..お前は俺の個性の本質を理解していない。

 

 

「ヒーローにはなりたいよ。渋ってる理由は、なったとしても周りの人に俺の個性がどう解釈されるか不安なだけさ」

 

「え?それってどういうこと?」

 

「さぁな。自分で考えてみなよ。じゃあな緑谷。また明日。」

 

俺の個性は細胞操作....ではない。そういう様に見えるだけ、見せているだけ。つまり本質は違う。俺の個性は悪性腫瘍、つまりは癌細胞の操作だ。それをヒーローになり周りの人に知られたらどうなる?少なからず良いようには見られないだろう。煙たがられるに決まってるさ。そうまるで悪性の腫瘍のように。邪魔者扱いされるのさ。

 

 

皮肉以外の何でもない。気づいたのはいつだったかな。俺の名前、胞 惡性。漢字は違えど、悪性。一文字足らずで、悪性細胞。いつからか俺の存在が腫瘍そのものなのでは?と考えるようになっていた。しかも良性ではなく悪性。俺は自分が嫌いだ。個性も名前も。よくヴィランにならなかったと思う。いや..故に一文字足らずなのかもしれない。漢字が違うから悪にはなれないのかもしれない。

 

だからヒーローにはなれない。

 

だから僕の夢はヒーローだった。




個性の詳しい説明はそのうちします。
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